2002.10.29  

府聴覚障害者協会舞鶴支部が木工作品
兵庫県のクラフト展で2年連続の特別賞受賞

 京都府聴覚障害者協会舞鶴支部(富永安雄支部長)は、手話の手振りを型どった木工作品「歩く語り部たち」を、兵庫県のクラフト展に出品し、特別賞を受賞した。前回は手話人形を出品して同賞を受けており、これで2年連続の受賞となった。昨年から手話を表した木工品で手話への理解を広める活動に取り組んでいるが、全国各地から注文を受けるなどの反響があり、作業をする人たちの励みとなっている。
 市聴覚言語障害者支援センターの生活支援事業に参加する同支部会員のろうあ者たちが、昨年、兵庫県柏原町の「丹波ウッドクラフト展」(同実行委員会主催)に、手話の普及を目的にした木工作品の出品を企画した。木工作業の体験のある会員らがアイデアを練り、「ありがとう」や地名の手話を表現した人形で特別賞を受けた。
 今回も出品するにあたって、同センター職員の沖上洋さんらと企画を相談し、てこの原理を活かして坂道を歩いて下りるトコトコ人形を製作、作品名「歩く語り部たち」で10月の同展に出品した。人形は万国共通の手話で「アイラブユー」などの3種類を作った。審査員からは「手話の手の形をキャラクターとしたことが生きている」と評価を受けた。
 昨年の受賞をきっかけに会員らは「舞鶴火曜つるの会」を作り、手話人形の種類を増やすなど改良を加えて、会員宅などで木工作りを続けている。ろうあ者の大会で出品して評判になったり、ろうあ者の全国紙で紹介されるなどして、各地の福祉団体やろう学校などから注文を受けるようになった。また、トコトコ人形の製作も続け、市内の「WOODY遊」で販売している。
 支部長の富永さん(55)=伊佐津=は「来年はさらに工夫して最高の賞を狙いたい」とし、つるの会代表の内藤和子さん(60)=溝尻=は「全国の地名の手話人形を作ってと要望を受けています。みんなの励みになっています」と話していた。木工品の問い合わせは内藤さん(FAX62・9545)、同センター(電話78・2310)。

写真上=特別賞を受けた木工作品「歩く語り部たち」
写真下=木工作品づくりをする舞鶴支部の会員ら



オートバイ免許取得1年未満の若者ら
初のステップアップ・スクールに20人

 財団法人・舞鶴交通安全協会(江守琢眞理事長)は10月27日、上安の舞鶴自動車学校で、オートバイの事故防止を図るため、普通二輪免許所持者を対象にした初めての「ステップアップ・スクール」を開催した。
 このスクールは、二輪車の事故率が高いことから、安全運転の知識や技能を身につけてもらうための再教育事業。同協会の運営する舞鶴自動車学校の卒業生で、免許取得1年未満の初心者を対象に開かれ、女性1人を含む10代、20代の若者ら20人が参加した。
 参加者らは、交通法令やオートバイの安全運転のための乗車姿勢や服装などについて講習を受けた後、同自動車学校の教習コースで運転技能アップに取り組んだ。府警交通機動隊の白バイ隊員が、教習コース内のスラロームやクランクを模範走行し、これに続いて参加者らが自分のオートバイで走行した。クランク走行では、転倒する参加者もあり、改めて走行時のバランスの大切さを実感していた。このスクールは、今後も開催を予定している。

写真は白バイの先導でコースを走行する参加者


2002.10.25  

映画やテレビロケを市内に誘致へ
舞鶴FC設立と記念セミナー

 映画やテレビのロケを市内に誘致し撮影を支援するため、舞鶴フィルムコミッション(FC)の設立と記念セミナーが10月21日、北吸の市政記念館などで開かれた。映画「白い船」の錦織良成監督が、撮影した島根県平田市でのロケ受け入れの実例を話した。FCは市内のロケ地のガイドブックなどの作成に取り組む。
 舞鶴FCは市、舞鶴商工会議所、舞鶴観光協会で構成し、FC事業に協力する国や府などの16団体が舞鶴FC連絡協議会を設立した。
 同セミナーでは、錦織監督が地元でロケを受け入れる実行委員会が組織されて協力を受けたが、「台本を変えて観光地を撮影することはしなかった。いい映画をつくるために撮影隊と地元の人らが協力することが大切。撮影を規制するのでなく、ポルノ以外は何でもOKの気概でFCをやってほしい」と話した。この後、「白い船」の試写会が八千代館で行われた。11月2日からは同館で上映される。
 舞鶴FCは撮影場所の提供や現地案内などのロケ支援をしてくれるサポータークラブの会員を募っている。
【問い合わせ】電話66・1024、市商工観光課内舞鶴FC事務局。

写真は記念セミナーでフィルムコミッション(FC)について話す、映画「白い船」監督の錦織さん


阪神タイガースOBの川藤さん
11月4日、市民会館で「野球人生語る」講演会

 阪神タイガースOBで、プロ野球解説者の川藤幸三さん(53)の講演会「一振にかけた我が野球人生〜浪速の春団治が語る〜」が、11月4日午後6時から北田辺の市民会館で開かれる。入場無料。
 講演会は、市内の青壮年の事業者や勤労者でつくる鵬信会(高田茂樹会長)の主催。同会は舞鶴信用金庫を母体に、会員相互の親ぼくを図るとともに、舞鶴の経済発展と地域社会に寄与することを目的に活動を続けている。今回は、同会の創立30周年記念事業の一環として開催する。
 川藤さんは、福井県美浜町出身で、若狭高校を卒業して、昭和42年にドラフト9位で阪神タイガースに入団した。同49年のシーズンは106試合に出場、シーズン最多犠打、チーム最多盗塁を記録した。しかし、その後は故障に泣かされ、同51年から代打として活躍した。
 昭和60年に、阪神タイガースの21年ぶりのリーグ優勝に貢献。翌61年に監督推薦でオールスター戦に初出場して、この年に現役を引退した。現役通算成績は、771試合出場、打率2割3分6厘、16本塁打、108打点。
 講演会の【問い合わせ】電話76・3111、舞鶴信用金庫本店内、鵬信会事務局。

京大水産実験所・益田玲爾さんの
若狭湾水中散歩7「ウマヅラハギ」

クラゲを餌に養殖も可能かも

写真は宮津市越浜沖、水深10メートルで観察されたウマヅラハギの大群(体長20センチ)

内容は舞鶴市民新聞をお読み下さい。




2002.10.22  

「栄養と料理」の生涯学習1級インストラクターの堀さんと杉田さん
財・社会通信教育協会から「まなびの達人」の称号

 「栄養と料理」の生涯学習1級インストラクターの資格を持つ堀祥子さん(34)=公文名=と、杉田美也子さん(61)=大波下=が、このほど財団法人・社会通信教育協会から「まなびの達人」の称号を受けた。2人は「称号に恥じないように、これからも地域の生涯学習に役立ちたい」と抱負を話している。
 「まなびの達人」は、生涯学習の推進に尽力した人たちを対象とした称号。生涯学習一級インストラクターが、称号を受ける有資格者で、学校の完全週5日制の実施に伴い、地域で子供たちを支援することを期待して贈られている。今回は全国約1万8000人のインストラクターのなかから334人が称号を受けた。
 堀さんと杉田さんは、ともに10年ほど前から引土の舞鶴料理学院(河田宏子学院長)で学んできた。文部科学省認定の家庭料理技能検定の2級に合格して、生涯学習1級インストラクターの資格を取得した。堀さんは、公民館での料理教室の講師を務めており、杉田さんは、地元地域の女性たちに、地場産の野菜を使った料理づくりを指導している。
 今回、最年少で称号を受けた堀さんは「先輩のたくさんいる中で、称号をいただいたのは、期待を込めてのものと思います。この期待に背かないよう頑張ります」と喜んでいた。また、杉田さんは「称号をうけることは考えもしませんでした。これからも地域での料理づくりに役立ちたい」と話している。
 2人よりも早く「まなびの達人」の称号を受けている河田学院長は「これから3人で、健康に欠かせない食の大切さを、子供たちからお年寄りまで広めていくように努力したい」と話している。

高専・奥井君が山岳競技で国体へ
上位入賞でクライミング競技アピール

 白屋の舞鶴高専電気工学科2年生の奥井健吾君(17)が、10月26日から高知県で始まる「第57回国民体育大会秋季大会」の山岳競技・クライミング少年男子の部に出場する。競技人口が少ない府北部には十分な練習施設がなく、休日に京阪神へ出掛けてトレーニングを続け、全国大会で5位に入る実力をつけた。国体で上位入賞して競技をアピールし、学校にクラブと施設を作りたいと願っている。
 クライミングは、強化プラスチック製の高さ15メートルの人口壁を登る競技。人工壁の傾斜は垂直から90度以上の角度があり、石をつかんで自分の力だけで登り切る。登る際の体の姿勢や休憩の取り方などが審査される。京都市出身の奥井君は中学3年生の時、学校の先生に誘われて初めて挑戦し、登り切った時の達成感が楽しく競技にはまった。高専入学後はクラブがないので一人で続けてきた。
 普段は市内の競技者が常の自宅に作った施設で練習しているが、これだけでは十分でないため休日に京都市内や滋賀県、静岡県まで遠征して練習している。昨年はジュニアオリンピック大会で5位に入賞。国体近畿ブロック予選1位となり府代表に選ばれた。奥井君は「友だちを競技に誘っても近くに練習施設がないのが障害となっています。学校にクラブを作りたい」と話していた。
 このほか、国体にはソフトボール男子青年の部で行永の小谷徹さん、ソフトテニス少年女子の部で東舞鶴高校3年の四方美佳さん、同3年の瀬野真喜さんも出場する。

2002.10.18  

「ブックハウスほのぼの屋」
10月19日〜27日、開店4周年記念セール

 行永の障害者小規模通所授産施設「ブックハウスほのぼの屋」が開店四周年を迎え、10月19日〜同27日、記念セールを開催する。障害者が古本販売する店として市民の間に定着したが、まだまだ知らない人も多く、この機会にPRをしたいとしている。
 軽度の精神障害者たちが「お店をしたい」との希望でオープンし、だれもが気軽に立ち寄れるメリットを活かして、市民との交流も深まった。その成果が今春開店したカフェレストラン「ほのぼの屋」に実った。
 10人が交代で働き、売り上げは賃金となっている。市民から無料で寄せられたマンガや文庫本などを置いており、在庫を含め一時は約3万冊あったが、今春以降は在庫が約四割減った。その窮状を知った多くの市民から本が寄せられた。
 記念セールは店内の本は1冊50円とし、買い物券が当たる福引きをする。午前10時〜午後7時半。職員は「レストランのほのぼの屋を知っていても、古本屋は知らないという人はまだまだいる。レストランに負けないようPRしていきたい」と話している。 【問い合わせ】電話62・1010、同店。

写真はマンガや文庫本などが置かれた店内


とれとれセンター「道の駅」登録
オープニングセレモニーと開業5周年祝う

 舞鶴港とれとれセンターの「道の駅」登録のオープニングセレモニーと、開業5周年を記念した式典が10月16日、下福井の同センターであった。テープカットのほか、出席者の面前でマグロを解体して刺し身にして振る舞った。
 「道の駅」は、駐車場やトイレなどを備えた道路利用者の休憩施設。同センターの施設の内、消費者プラザと87台分の駐車場などが国土交通省から登録を受けた。国が作成する道路マップなどに掲載されるメリットが生まれる。
 セレモニーでは江守光起市長ら関係者がテープカットした。市は今後、同センターなどと「道の駅」を運営する委員会を設置して運営していく。記念式典では約150人が出席、舞鶴さかなセンター協同組合の吉本定彦理事長が「5周年を迎えて感激で胸がいっぱい」とあいさつした。

写真は「道の駅」登録のオープニングセレモニーでテープカットする江守市長ら関係者


2002.10.15  

水間の工芸作家・片桐さんが自宅に
手作り溶解炉備えた吹きガラス工房

 水間の茅(かや)葺き農家に住むガラス工芸作家の片桐卓さん(31)が、吹きガラスの溶解炉などを備えた工房を自宅に完成させた。妻の由美子さん(32)と一つ一つレンガを積み上げて手作りした窯で、火入れも済ませて順調に炎を保っている。舞鶴に移ってから5年目にして本格的な創作活動のスタートを切ることができ、さっそく来月(11月)2日から自宅で友人のクラフト作家らと作品展や体験教室も開くことにしている。
 神戸市生まれの片桐さんは専門学校でバイオテクノロジーを学んだが、卒業後は物作りの作家を目指し、和知町のガラス工芸作家のもとで初めて吹きガラスに出合い、ここで3年間修行するなどした。その後、いまの農家に夫婦で移住し、すっかり田舎暮らしが合って野菜作りに励んだり、友人らとクラフト展を開くなどしてきた。
 昨年夏から窯の設計図を何度も書き、続く九月から2人で友人のアドバイスを受けてコツコツと作業を進め、先月末に完成したばかり。窯はガラスの原料となる珪砂(けいしゃ)を溶かす溶解炉(縦横1メートル、高さ1.8メートル)、成形をする炉「ダルマ」(縦横85センチ、高さ1メートル)、作品を入れて冷ます徐冷(じょれい)炉からなる。耐火レンガとセメントなどが材料。灯油を燃料としている。
 溶解炉に火を入れた後は、約5日間かけて徐々に温度を上げて1400度にし、炉に設置した壺に25キロの砂を少しずつ入れて1370度で溶かした。ダルマは1324度の温度を保っている。溶解炉の温度を徐々に上げている間は2人で交代で眠って作業をした。燃費のいい窯とするため、今後も窯のクセを見つけて改良する。
 すでに吹きざおを使って皿などを制作し、11月2日からの作品展「よりどりみどり展」の準備をしている。このほかにも九人が木工、鉄ネジ、陶芸などの作品を並べる。片桐さんは「熱で触って造形ができないところにガラスの魅力を感じる。飾り物でなく生活の中で使い勝手のいいものを作っていきたい」と話していた。
 作品展は11月17日まで。午前11時〜午後5時。火、水曜は休み。期間中の体験教室は吹きガラスが同3、10日。定員2人1組。費用3000円。陶芸は同7、同14日。定員5人。費用3000円。リースは同9日。定員5人。費用2000円。いずれも先着順、1日2回(午前11時〜、午後2時〜)ある。申し込みは片桐さん(電話82・0692)へ。

新舞鶴小が創立100周年
記念の歌をCDに

 新舞鶴小学校(森下久光校長)の創立100周年記念式典が10月10日、溝尻の同校体育館で行われ、オープニングで記念の歌「HAPPY BIRTHDAY〜100歳おめでとう」が発表された。
 記念の歌は、100周年記念事業として作られた。同校音楽クラブ員の父親で、音楽家の塩入俊哉さんが作曲、塩入さんの知り合いの作詞家、朝月しのんさんが、児童たちから歌詞に使いたい言葉などを募集して作詞した。 オープニングで、音楽クラブの14人がステージに上がり、式典に出席した4、5、6年生と記念の歌を合唱した。この歌は、9月に音楽クラブ員が歌って録音された。これをCDにして800枚を制作、記念品として配られた。
 式典では、100周年記念事業実行委員会の村田匡委員長、森下校長のあいさつがあり、「100年のあゆみ」がスライドを使って紹介された。また、舞鶴出身の備前焼陶芸家、岡田輝さんの「夢に向かって」と題する講演もあった。
 同校は、明治35年(1902)10月10日、現在の白糸中学校の所在地に、倉梯第3尋常小学校として開校。卒業生は1万8000余人を数え、この中にはベルリン五輪の棒高跳びで、「友情のメダル」として知られる大江季雄選手もいる。

写真は記念の歌を合唱する児童たち


2002.10.11  

東郷元帥の贈った山号「鎮守山」で知られる
大聖寺で10月20日、晋山式と開山100年目慶讃法会

 旧海軍の東郷平八郎元帥の贈った山号「鎮守山」で知られる北吸の真言宗醍醐派・大聖寺で10月20日、松尾眞弘住職(42)の晋山式と開山100年目慶讃法会が営まれる。
 大聖寺は、明治34年(1901)に、懸空上人が松尾寺の一子院・鏡智院を移して創建。2年後の同36年(1903)11月3日、本尊の不動明王像を松尾寺から移して入仏式が営まれた。懸空上人と親交の深かった舞鶴鎮守府初代長官の東郷元帥が山号を贈ったといわれる。
 晋山式は、松尾巍空・前住職(74)の退任に伴い、長男の松尾眞弘住職が第6世として就任する。また、入仏式から100年目を迎えることから慶讃法会が営まれる。これに合わせて、檀信徒(田中金治総代)は、本堂大屋根の瓦の全面葺き替え、本堂隅柱の沈下復元工事をはじめ、参道敷石の全面改修、内陣仏具の改修、荘厳具の整備を行った。
 当日午前9時から僧りょ40人、詠歌隊40人、稚児50人の稚児入り練り行進が行われ、同9時45分から晋山式と法会が営まれる。また、前日の19日午後5時から歴代住職・寺族・檀信徒物故者追悼法会も営まれる。
 現在の本堂は、大正5年(1916)に落慶、昭和40年(1965)には落慶50年法要が営まれ、秘仏の不動明王像の開帳が行われた。50年に1度の開帳で、次回は平成27年(2015)に行われる。また、同寺には市指定文化財の釈迦如来立像(像高97センチ、室町時代作)も安置されている。

写真は大屋根の瓦が葺き替えられた本堂


とれとれセンター開業5周年
「道の駅」登録も受け 10月16日、記念式典

 舞鶴さかなセンター協同組合(吉本定彦理事長)が運営する下福井の舞鶴港とれとれセンターが開業5周年を迎え、10月16日、同センターで記念式典を催す。京阪神からの観光客が立ち寄る鮮魚の販売と休憩施設として定着した。先月には国土交通省の「道の駅」の登録も受け、市も観光情報の発信基地としてPRに努めることにしている。
 同センターは平成9年10月にオープン。鮮魚店五店舗と土産物3店舗、飲食店2店舗などが入店している。1年目で来場者100万人を突破し、2年目以降は80〜90万人。来場者のうち約7割が京阪神からの観光客で、ツアーの途中で立ち寄っている。観光バスの利用は年間約5000台。
 最近では旅行代理店を通したPR活動で知名度が上がり、観光客のリピーターも多くなってきた。また、野菜の朝市の開催もして地元の買い物客も増えている。しかし、不景気の影響で1人あたりの購買量と金額は少し下がっているという。
 5周年を迎える中、「道の駅」登録という朗報が届いた。道の駅は駐車場やトイレなど道路利用者の休憩施設で、これまで近畿圏内では78駅あった。同センターでは休憩施設と87台分の駐車場、トイレなどが道の駅に登録された。道の駅設置者となる市は今後、観光ガイドブックへの掲載をする。
 吉本理事長は「鮮度のいい魚を適正な値段で料理方法も紹介しながら売っている。道の駅のメリットも最大限に生かしていきたい」と話していた。

写真は鮮魚を買い求める観光客ら


2002.10.8  

和算の問題と解答を書き奉納
朝代神社にかつて「算額」、復元を呼びかけ

 日本独自の発展をとげた数学「和算」の問題と解答を書いて、神社仏閣に奉納した算額(さんがく)が、かつて朝代神社に掲げられていたらしいことを示す資料のコピーを、舞鶴地方史研究会会長の小林清さん(75)=余部上=がこのほど入手した。山形大学図書館所蔵の算額集の中に載っており、出題者の「佐谷代助」は牧野家の記録にも出てくる人物。正三角形に接する円の直径を求める問題などが書かれている。小林さんは同神社の算額の復元を呼びかけている。
 日本の数学は、中国の数学書を日本向きに翻訳した「塵劫記」が、1627年(寛永4年)に出版され広まり、江戸時代の大ベストセラーにもなった。続いて、「和算の祖」の関孝和が出て数学を大きく発展させた。明治以後、学校教育に西洋式数学が導入され、和算はすたれた。
 和算の不思議さは実用的な利用から次第に庶民のなぞ解き、趣味の一つとなり、師匠に弟子入りする人や、和算家が各地を遊歴して教えたこと。また、難問が解けた喜びと神仏の加護を込めて奉納した算額は、農民や職人も納めたとされ、全国にあったが今は残っているものが少ない。周辺では宮津の文殊堂などに保存されている。
 元建築業の小林さんは、和算に関係する大工道具を使っていたことから和算に興味を覚え、舞鶴の寺社で算額を調べたが見つからなかった。数年前に読んだ数学書に載っていた和算の問題が、朝代神社にあった算額からの出題とあり、著書の1人の高校教諭、深川俊英さん(岐阜県可児市)に問い合わせたところ、問題の出典となった「神廟佛閣算額集 上」のコピーが送られてきた。
 算額集は最上流の算額を書き集めたもの。「丹後國田邊淺城大明神者一事」に続き、円に関する出題と答えが書かれている。奉納者には「最上流 市瀬長浜衛帷長門人 牧野駿河守家中 佐谷代助」とあった。年号は享和3年(1803)。「佐谷代助」を調べたところ、「牧野家譜録」に名前があり、寛政3年(1791)に警備の役目に召しだされ、その後学問所記録方となった。これらを手掛かりにかつて朝代神社に算額があったと考えた。
 小林さんは「これをきっかけとして舞鶴の和算をはじめとした科学史の1ページを開きたい」と話していた。西地区のまちづくりグループや友人らに算額の復元を呼びかけている。

写真は朝代神社にあったとされる算額の資料を手にする舞鶴地方史研究会会長の小林さん


カメラ店経営の奥雲さん
精巧な自転車のミニチュア模型づくり

 浜のカメラ店「トキワカメラ」経営の奥雲寿之さん(74)が、精巧な自転車のミニチュア模型を作り、店内のショーケースに展示している。タイヤも回転し、ハンドルも曲がる模型に、来店客は「ここまで細工できるとは」と感心しきり。
 奥雲さんは、カメラを修理する器用さを生かして、3年ほど前から竹細工づくりを趣味で始めた。箸ぐらい太さの竹を小刀で削って、昔の子供の遊び風景を再現した。子供はすべて猿に作り、顔に表情までつけた。さらに、だれも作らないものをとの思いから、竹細工からミニチュア模型作りに方向を転換したという。
 これまでに、長さ20ミリ、高さ15ミリの最小のものから長さ90ミリ、高さ50ミリまでのミニチュア模型14台を完成させた。フレームはボールペンのアルミ製の替え芯、タイヤのホークは安全クリップの針金を伸ばして作った。ペダルを踏んで回す歯車はカメラの部品、タイヤのゴムは電線のチューブを使った。サドルの高さ調節もでき、ブレーキも付いている。
 ミニチュア模型は、ヨーロッパの自動車メーカーが製造するスポーツタイプの自転車のカタログを見て作った。カタログの写真を計測して縮小した。1台を作るのに約10日間かかるという。奥雲さんは、現在15台目を制作中。「ブレーキ用に使える部品をカメラの部品から探して使っていますが、ワイヤーでブレーキをかける動きが難しい。何とかこれを完成したい」と話している。

2002.10.4  

染色ガイド書「口伝帳シリーズ」2冊目
ポリテク京都・助教授の北澤さんが自費出版

 上安のポリテクカレッジ京都染織技術科助教授の北澤勇二さん(48)=福来=は、染色のガイド書として利用してもらおうと、「染太郎の口伝(くでん)帳 天然染料の巻」をこのほど自費出版した。ライフワークとしている口伝帳シリーズの2冊目で、染色の知識をわかりやすく伝えると同時に、物作りの現場の職人が体験で得たカンを、理論として体系化を試みている。出版社からの誘いを断って手作りにこだわった。染織のプロや愛好者にも好評で全6巻の完成を目指している。
 実家が京都市の染め物屋の北澤さんは、大阪芸術大学工芸科染織専攻を卒業した。昭和59年からポリテクカレッジ京都に勤務。染色材料学などを専門とし、沖縄県立芸術大学の非常勤講師も務めている。ここ10年研究活動で作品づくりから遠ざかっていたが、昨年から作品展も再開した。
 植物から抽出する天然染料の研究に最も力を入れており、その研究報告を平成3年から30回にわたって、専門誌「染織α」(染織と生活社)に掲載。過去の研究者とは異なるわかりやすい内容が読者に好評だった。
 既成の染色に関する本は、学者の書くものはわかりにくく、趣味のものはごく簡単にしか書かれておらず、染色を学ぶ人には適切な教科書や参考書がないと感じた。また、職人のカンを理論化してだれでも学べるようにしたいと思い、学問と現場との橋渡しとなる本づくりの試みを温めていた。出版社からも単行本の執筆を勧められたが、新しい知識や発見をその都度加えて改定がしやすいように、数百部単位で自費出版することを選んだ。
 「染太郎の口伝帳」はB5判。「天然染料の巻」(299ページ、3000円)は五百部作った。数々の疑問と実験をもとに天然染料の成分、性質、染め方の虎の巻などを平易に伝えている。専門誌での紹介や口コミで広まり、発行から約1カ月間で約200部が売れた。昨年出した「染色心得の巻」(233ページ、2000円)は、染色の基本知識を書き、人間国宝の作家や愛好家らの間で400部の購入があった。
 北澤さんは「だれにでも手軽にできる染色は素晴らしいが、技術や知識のないままだと袋小路に陥りやすい」と話していた。書店には置かず個人売りしている。本の問い合わせはクラフトふう(電話072・895・1030)。

スポーツの全国大会で優勝した
市内の中学生3選手に府教委から記念メダル

 スポーツの全国大会で優勝した市内の中学生3選手にこのほど、綾部市川糸町の京都府中丹教育局で、森永重治局長から優勝記念メダルが授与された=写真
 メダルを授与されたのは、ウエイトリフティング競技の三谷洋平選手(15)=城北中3年▽谷口亜純選手(15)=白糸中3年=と、テニス競技の福井恵実選手(14)=青葉中3年。
 三谷選手は、第16回全国中学生ウエイトリフティング選手権大会男子58キロ級で、スナッチ62・5キロ、ジャーク80・0キロ、トータル142・5キロで優勝、谷口選手は、同大会女子48キロ級で、スナッチ32・5キロ、ジャーク45・0キロ、トータル77・5キロで優勝した。福井選手は、全国選抜ジュニアテニス選手権大会14歳以下女子シングルスで優勝した。
 贈呈式では、森永局長が、3選手に1人ずつメダルを首からかけて握手して健闘をたたえ、「皆さんは、後輩の小学生たちに勇気を与えてくれた。これからも学業と両立して立派な成績をあげてほしい」と励ました。
 優勝記念メダルは、府教委が平成10年度から中学生のスポーツ活動の振興と競技力向上のため、各種目で優勝した選手をたたえて贈呈している。

2002.10.1  

京大大学院とメーカー「ネオス」が開発
環境にやさしい 流出油処理剤の商品化にめど

 海に流出した油を処理する際、環境に負荷をかけない油処理剤を開発しようと、京都大学大学院農学研究科と化学薬剤メーカー「ネオス」(本社・神戸市)が、長浜の同科付属水産実験所で、最終の実証実験に取り組んでいる。従来の油処理剤は生物への毒性を持っていたため、環境保護の高まりを受けて、汚染源とならない処理剤の開発が求められていた。国内で初めての商品化に向けて、3年目となる実験は最終クールを迎えている。
 海に流れ出た油が分解されてなくなる仕組みは、波による自然の力と海に住む微生物が油を食べて分解することで処理が行われる。油処理剤はこうした微生物を活性化させ、分解を促進する働きをもつ。いわば微生物にとっては「健康食品」のようなもの。ナホトカ号の油流出事故でも油処理剤が使われたが、従来のものは毒性があり、環境への影響が指摘されていた。
 農水省の外郭団体「財団法人・漁場油濁被害救済基金」から、京都大学とネオス社が共同で油処理剤の研究の委託を受けた。海から打ち上げられて砂浜に残った油の分解を目的に、開発した新処理剤を実験室で試してきたが、2年前から海の現場でこの処理剤の効果を実証するため、舞鶴湾に面した水産実験所で実験を開始した。大学側は海洋分子微生物学分野の吉永郁生助手、実験所に常駐する海洋生物機能学分野の上野正博助手が担当している。
 過去2年間のデータ解析で、油処理剤の効果は確認できた。また、この実験の過程で、舞鶴湾は瀬戸内海に比べて、油を分解する微生物が10倍〜100倍多く生息しているのが分かった。今年7月からの第1クールの実験では、処理剤の形や量などのパターンを変えて、どれが一番効果があるかデータを収集した。
 最終クールの実験は9月26日から112日間にわたって行う。波うち際に砂を入れた海岸に長さ120センチ、直径15センチの観測井戸を30個設置。原油と油処理剤を混ぜた砂を袋に入れて、その井戸の中に置いた。1週間から3週間ごとに油と砂の状態をチェックし、データ解析をする。吉永助手は「環境にやさしい処理剤の商品化に向け、やっとめどがついた」と話していた。

写真は舞鶴湾で実験装置を設置する研究者ら


かもめの学校に新たに63人入学
市内在住外国人に日本語の読み書き

 市内在住の外国人に言葉や生活習慣、日本文化を教える「舞鶴日本語教室『かもめの学校』」(舞鶴ライオンズクラブ主催)の第2期修了式と第3期入学式が、9月29日、浜のホテル「マーレたかた」であり、同教室で1年間学んだフィリピン出身者ら18人に修了証書が授与された=写真
 かもめの学校は、外国人にとって生活しやすいまちづくりを推進するため、舞鶴ライオンズクラブが平成12年9月に開校した。授業は毎週土曜日の午後に行われ、外国人たちが講師の元小学校校長らから日本語の会話や読み書きを習っている。就学期間は1年。
 修了式と入学式には、生徒や講師、舞鶴ライオンズクラブの会員ら約80人が出席。藤原孝雄校長から一人一人に修了証書が授与された。この後、修了生を代表して、主婦の福田ヴィルヒニアさん(32)=溝尻=が「色々なことを学んで、言葉の意味も少しずつ理解でき、また、簡単な字も読み書き出来るようになったのは、先生のお陰です」と感謝の言葉を述べた。
 引き続いて、入学式が行われ、継続して学習する生徒も含めて63人が入学。この日、出席した26人に、佐古田彰男校長(舞鶴ライオンズクラブ会長)から入学許可書が授与された。