2003.11.28  

藤村さん宅(大波上)の檻にアライグマ
農作物を荒らすなどの被害報告も

 11月25日午前7時ごろ、大波上の藤村正己さん(73)の自宅にあった檻に、アライグマ1匹が入っていた。府舞鶴地方振興局によると、アライグマが農作物を荒らすなどの被害の報告が市内でも出ている。海外に生息地をもつアライグマだが、日本に輸入されてペットとして飼われたものが逃げだしたか、飼い主が世話に困って離すなどのケースが、舞鶴でも増えているらしい。
 檻は長さ60センチ、奥行き20センチ、高さ30センチ。藤村さんは最初タヌキだと思っていたが、近くの朝来幼稚園に持ち込んだところ、園児らが図鑑で調べて、顔に目を横切る黒帯の特徴があることから、アライグマであることが分かった。続いて朝来小学校にも運んだ。3年生の扇野千明さん(9)は「学校にアライグマがやってきてびっくりした」という。
 藤村さんは「夏ごろから大波でアライグマがちょくちょく出ていると聞いていた。ペットだったものが野生化したのかも」と話していた。
 アライグマは中央・北アメリカの森林の水辺を生息地にしている。日本には輸入鳥獣として入り、ペットとして飼われているが、見た目のかわいらしさと異なり、気性が荒く噛みついて人にけがをさせることもある。そのため飼い主がほかすなどして、野外で目撃されるケースが全国的に増えてきた。
 同振興局では、アライグマが農作物を荒らしたり、人家に入り込んでいるなどの相談が、今年4月から5件寄せられた。JR東、西駅近くの市街地でも見つけられた。雑食性で何でもエサとしている。ペットとして飼うのに届け出が不要なため、どれだけのアライグマがいるのかも把握できていない。たびたび出没するアライグマの対応に職員らも頭を痛めている。

写真=アライグマを見る朝来小の児童たち


梅垣さん(河辺由里)、亡き兄の遺志継ぎ
観音寺登山道に絵馬堂を建立

 大浦の古刹、補陀落山観音寺(松尾法空住職)への登山道の中腹に、地元河辺由里の梅垣実さん(78)が、西国33カ所の絵33枚を展示した絵馬堂(仮称)を建立し、地元の人たちや参拝客の話題を集めている。世界平和と戦友の鎮魂を願って、また兄の遺志を継ぎ10月末に完成させた。
 今年8月に81歳で他界した兄の勝さんは、生存中に趣味で多くの絵を描き残した。晩年には西国33カ所の札所寺院を色鮮やかな作品にしていた。33枚の絵はそれぞれの寺の特徴の風景や花などを入れて描き、中でも第8番札所の長谷寺の絵は舞鶴市展にも入選した。
 勝さんはこうした絵を展示公開して多くの人に見てほしいと願っていたことから、その遺志の実現に向け、また、実さんも戦争で多くの戦友の命を失い、その慰霊鎮魂をしようと、絵馬堂建立を決断した。縦50センチ、横90センチの額に絵を収めて堂内に展示し、美の世界で埋め尽くしている。
 梅垣さんは「多くの人にぜひ立ち寄って見ていただきたい」と話している。場所は府道田井線河辺由里バス停より車で3キロ、約7分。(写真と記事 ボランティア記者・河西昭彦さん)

写真=亡き兄が描いた西国33カ所の札所寺院の絵を展示している絵馬堂


京大水産実験所・益田玲爾さんの
若狭湾水中散歩20「エチゼンクラゲ」

1年で直径1メートルにまで成長

写真=越前町長須浜の水深2メートルで撮影したエチゼンクラゲ

内容は舞鶴市民新聞をお読み下さい。




2003.11.25  

迎春準備シーズン到来
大森神社で注連縄づくり

 森の大森神社(田中國雄宮司)で11月24日、鳥居や本殿などに飾る注連縄(しめなわ)づくりが行われた。氏子らが丹精込めて稲藁を手際よく縒りあげる姿は、迎春準備シーズンの到来を告げていた。
 注連縄づくりは、同神社奉賛会(田中輝昭会長)が取り組んでいる奉仕作業で、今年で7年目。それ以前には、地元の老人会が中心となって、注連縄を作っていたが、会員が高齢となり、同奉賛会が受け継いだ。
 地元の農家から提供を受けた稲藁は、1週間前に藁打ちして作業しやすいように柔らかくして準備。参加した奉賛会の会員20人が、2人や3人1組となって、それぞれ指定された長さ、太さに合わせて注連縄を縒り上げた。
 石大鳥居に飾る長さ7.9メートル、最大直径10センチの最大のものや、手水鉢屋用の長さ11.3メートルの最長のものなど23本の注連縄を完成させた。この縄は、12月27日に会員らによって張り替えられる。
 7年前から注連縄づくりに参加している高橋忠さん(56)=森=は「自分たちで作った注連縄を飾って、正月を迎えるのが喜びです。この作業をしないと正月を迎える気分がしません」と話していた。

写真=注連縄づくりに取り組む奉賛会の会員たち


府立高英語スピーチコンテストで
西高3年の多田さんが優勝

 引土の西舞鶴高校(内藤行雄校長)3年生の多田茉里さん(18)=下安久=が、このほど西乙訓高校(長岡京市)で開かれた府立高校英語スピーチコンテスト(府教委など主催)で、優勝を果たした。「The way to live a better life」と題して、英語を学ぶことで失敗を恐れずに前向きに挑戦する自分自身の体験を発表した。同高からこのコンテストの優勝者は多田さんが初めて。
 同高英語クラブに所属する多田さんは北ブロックの予選を経て、11月15日の本選に出場。15人の高校生が自分の考えを英語で持ち時間5分以内で発表し、審査員が英語力、内容、態度をチェックした。
 昨年もコンテストに出場したが、内容にオリジナリティーがないと自分で納得できずにいたところ、今年の夏休みに米国へ語学の勉強のため渡り、ホームステイしたホストファミリーから「何でも挑戦してみなさい」とアドバイスを受けた。また、小学校4年から英会話教室に通っているが、その先生からも失敗を恐れず挑戦し、自分の意見を持つことを教わった。今回はそうした体験が「前向きに生きるきっかけになった」と述べた。
 多田さんは「今回は満足のいくスピーチができましたが、優勝は信じられなかった。大学では国際政治を学びたい」と話していた。来年2月15日に滋賀県内である近畿大会に出場する。

写真=優勝の賞状を手にする多田さん


2003.11.21  

中学生の「税についての作文」
澤村さん(青葉中3年)に日本税務協会会長賞

 舞鶴納税貯蓄組合連合会(松本昭司会長)は19日、北吸の市政記念館で、平成15年度中学生の「税についての作文」の表彰式を行った。市内8つの中学校から828編の応募があり、43人が入賞。その中から青葉中3年の澤村美帆香さんが全国の審査会へ進み、日本税務協会会長賞を受賞した。中学生らは納税と税金の有効な使い方について、自分の体験を通した意見をまとめていた。
 全国納税貯蓄組合連合会が、租税教育推進の一環として、中学生に税について正しい理解をしてもらおうと、昭和42年から実施。舞鶴の同連合会でも翌年から毎年取り組んでいる。
 表彰式では入賞した生徒らを前に、松本会長が「今回は全国で約6000校から40万編にのぼる作文が寄せられ、税への関心の高さを心強く思っています。税が生活にどんなつながりを持っているのかを学び、社会への貢献を期待しています」とあいさつ。続いて入賞者に対して表彰状を手渡した。今回は舞鶴での入賞者のうち、澤村さんら4人の作品が京都府納税貯蓄組合連合会の選考へ進んだ。
 日本税務協会会長賞以外の各賞の入賞者は次の通り。同賞と市長賞の作文は後日に掲載する。
 【府納税貯蓄組合総連合会長賞】和氣美佳(城南)松村加奈(城北)木田麻衣子(白糸)【市長賞】佐藤祐(岡田)【舞鶴税務署長賞】中西絵里子(城北)【舞鶴地区租税教育推進協議会長賞】野田孝平(岡田)【舞鶴納税貯蓄組合連合会長賞】金賞=澤村美帆香(青葉)池野美輝(同)木田麻衣子(白糸)和氣美佳(城南)松村加奈(城北)▽銀賞=武内彩華(青葉)村上善信(白糸)石間昭裕(城南)末村美保(城北)吉田都久臣(若浦)野田彩音(岡田)澤田篤志(由良川)▽銅賞=瀬野公哉(青葉)小寺潤(同)瀧川菜々子(同)本間かなみ(白糸)新谷友尚(同)野村梨帆(和田)安積茉莉花(同)池田有紀(城南)四方香織(同)尾崎ゆかり(同)坂根加依(同)谷直彦(城北)依田由衣(同)島田真理子(若浦)永野満大(岡田)伊藤恵美(同)真下結依(同)大田智也(由良川)

写真=舞鶴納税貯蓄組合連合会の松本会長から表彰状が贈られる澤村さん


鹿原の金剛院で恒例の名物「大根だき」
紅葉狩りの観光客ら舌鼓

 紅葉の美しい鹿原の金剛院(松尾法空住職)で恒例の名物「大根だき」が始まり、11月16日には紅葉狩りに訪れた観光客らが、「無病息災」を願って、熱々の大根に舌鼓を打っていた=写真。大根だきは同23、24日にも催される。
 「関西花の寺」3番としても知られる同院では、12年前から紅葉のシーズンに合わせて「大根だき」が行われており、いまでは晩秋の風物詩として知られるようになった。材料の大根の栽培、調理、販売までの一切は、河辺地区の観音寺(松尾住職兼任)の檀徒総代(山本信行総代表)を中心に運営、接待は同婦人部の10人が当たっている。
 この日は天候にも恵まれ、朝からマイカーの家族連れや女性グループのほか、大阪方面から大型バス25台の団体観光客も訪れた。大阪から来た女性は「舞鶴にこんな紅葉の名所があるのは知りませんでした。名物の大根だきは売り切れで残念でした」と話していた。
 寺総代で販売責任者の児玉房次郎さん(62)は「調理の仕込みは、天候に左右されるので難しい。今日は早く売り切れてうれしいですが、多くの方に食べてもらえなくて残念です」と話していた。(写真と記事 ボランティア記者・河西昭彦さん)

2003.11.18  

舞鶴高専の奥井君(3年)
国体少年男子・クライミング競技で優勝

 白屋の舞鶴高専電気工学科3年生の奥井健吾君(18)が、静岡県水窪町で開かれた第58回国民体育大会の少年男子クライミング競技で、優勝した。東山高校(京都市)の選手とペアを組んで、昨年に引き続き京都府代表として出場した。昨年4位の雪辱を晴らした成績に喜びの笑顔を見せていた。
 クライミング競技は、強化プラスチック製の高さ15メートルの人工壁を、2人同時に登って合計の高さを競う。途中にはオーバーハングといわれる傾斜角度135度の壁もあり、腕の力だけでなくバランス感覚が求められる。
 京都市出身の奥井君は中学生時代に先生に誘われて挑戦し、登り切った達成感が楽しく競技を本格的に始めた。高専に入学後はクラブもないため1人で練習に取り組んでいたが、その後仲間が増えて学校に自分で作った高さ3メートルの人工壁で練習したり、大阪市内のクライミングジムに通ってトレーニングを積んでいる。その成果もあって、2年前にはジュニアオリンピック大会で5位に入賞した。
 国体では各都道府県代表の16ペアが予選に出場、その中から8ペアが決勝に進んだ。奥井君は13.9メートルの高さを記録し、合計の高さ28.4メートルで優勝した。奥井君は「緊張はしなかったが、大会前から優勝候補と言われていたので絶対優勝するつもりで臨みました」と話していた。11月14日には市役所を訪れ、江守光起市長に優勝報告もした。

写真=優勝の表彰状を手にする奥井君


12月19日まで「かにまつり」
舞鶴港とれとれセンター、客足順調

 11月6日のズワイガニ漁の解禁に合わせ、下福井の舞鶴港とれとれセンターは、12月19日まで「かにまつり」を開催している。土・日の週末には駐車場も京阪神などからの観光客の車でいっぱいとなり、店内でカニや鮮魚を買い求める人たちでにぎわっている。
 ズワイガニ漁のシーズンに合わせて、地元の底曳き漁船が丹後半島沖で水揚げした地元のカニをPRしようと、かにまつりを催している。
 解禁して約1週間を過ぎた11月15日は、行楽を兼ねた観光客が多数訪れていた。店内にずらりと並べられたズワイガニを見ながら品定めし、箱詰めにして買い物をする姿が見られた。同センターを運営する舞鶴さかなセンター協同組合の吉本定彦理事長は「カニの鍋シーズンとなるほど寒くはないが、客足は順調です。これから例年のように水揚げがあることを期待しています」と話していた。

写真=ズワイガニを品定めする買い物客ら


2003.11.14  

畑本久美Dance School
11月23日、40周年記念ダンスコンサート

 畑本久美Dance Schoolが創立40周年を迎え、記念のダンスコンサート2003を11月23日午後2時から北田辺の市民会館で開く。地元の民話を取り入れた創作舞踊やジャズダンスなどを幼児から高校生までに指導し、舞踊の普及に取り組んできた。これからも子供たちの感性を育み、ダンスの輪を広げたいとしている。
 円満寺の畑本さんが1964年、創作舞踊研究所を発足、93年にジャズダンス科を設立した。3年前には伊佐津にスタジオを完成させた。現在は小学生クラスなど四クラスを持ち、約30人が通っている。
 コンサートは2年に1度開いており、今年で20回目を迎える。23日は1部は「花祭り」など、2部が「美しき獲物たち」などを踊る。教室生をはじめ、貝谷八百子バレエ団教師の荒井利恵さんが特別出演。また、卒業生の2人が賛助出演する。入場無料。
 畑本さんは「今後も踊りを通して子供たちの輝きを引き出していきたい」と話していた。
【問い合わせ】電話75・0428、畑本さん。

写真=コンサートに向けレッスンに励む教室生


日星高点字クラブ、絵本などの点訳取り組み
国際視覚障害者援護協会に近く70冊寄贈

 上安久の日星高校(北村司郎校長)の点字クラブの部員23人が絵本などの点訳に取り組んでおり、完成した点字本約70冊を国際視覚障害者援護協会(東京都板橋区)に近く寄贈する。同協会はアジアやアフリカなどから視覚障害者を招き、日本語の点字などを教えているが、日星高から届けられる絵本を教材として使う。部員たちは点字のボランティアで国際交流に一役買える機会になるとして喜んでいる。
 点字クラブは市内の点訳ボランティアサークル「むつぼし会」の会長、稲野マリ子さんらから指導を受け、主に童話などの本を点訳。点字機と点筆を使ってタッグペーパーに点字を作成し本に張りつけるもので、1文字1文字を手で打つ。本はこれまで京都市内の点字図書館「ライトハウス」に寄贈してきたが、同ハウスが改築のため今年は届けるのを見送った。
 同高講師を務めるカトリック小浜教会シスターの原田従子さんが、同協会から派遣されて、福井市の指圧学校で学ぶケニア人のムガンビ・パペチュア・ムグレさん(30)と知り合い、同クラブの点訳本をプレゼントした。同協会にも送ったが、海外から招く視覚障害者に日本語の点字を教える教材として使いたいと、原田さんを通して同クラブへ依頼があった。
 部員たちは、この2年間で点訳した日本の昔話や金子みすずの詩などの本を贈る。その後も本がたまれば引き続いて届ける予定。部長で3年生の五十嵐翔子さん(18)=丸山西町=は「教材として使ってもらえることになり、目標ができて励みになります」と話していた。

写真=寄贈する絵本の点訳をする部長の五十嵐さん(右)


2003.11.11  

中小企業ホームページコンテスト京都で
舞鶴から2事業所が入賞


花咲悠省堂「札所〇番」と松本米穀「京都食市場」
 府内の商工業者を対象とした「中小企業のためのホームページ(HP)コンテスト京都2003」(京都商工会議所主催)で、舞鶴から応募した2事業所が入賞した。景気の低迷で、地方経済を取り巻く環境は厳しさを増すなか、入賞した事業所は「商圏が全国に広がるネット販売に活路を見いだすべきで、舞鶴でも広がる契機になればうれしい」と話している。
 同コンテストは、商工業者のHPの質的向上と、HPを活用した情報発信、さらにビジネスツールとしての利用促進を目的に開催しており、今年で3回目。今回は184件の応募があり、審査の結果、各部門の入賞事業所が決まり、11月6日に表彰式があった。  舞鶴から入賞した事業所は、南田辺の有限会社花咲悠省堂=南田辺=のHP「札所〇(ゼロ)番」が、法人の部優秀賞(京都市長賞)、引土の松本米穀のHP「京都食市場」が、審査員特別賞(eコマース賞)に輝いた。「札所〇番」は、昨年の審査員特別賞に続いての受賞、「京都食市場」は初受賞。
 「札所〇番」は、花咲比呂志さん(42)が作成している。四国88カ所や西国33カ所の札所を巡るお遍路さんたちの必需品をネット販売しているほか、関連情報も併せて掲載している。アクセスする多くの利用者の意見を採り入れ、昨年に入賞したHPから、より操作性を高めた。「必要な品物のカテゴリーに、すぐにアクセスできるようにしたことが良かった」と話している。
 「京都食市場」は、松本泰さん(30)の作成。丹波・丹後地方の産品をネット販売している。「府内には京都市内だけでなく、丹波・丹後にも優れた産品があることを知ってもらい、地域振興の一助になればと開設しました」と話す。産品を一目でわかるように、キャッチコピーや写真に工夫を凝らしたことが評価された。
 2人は舞鶴青年会議所のHPの開設に携わった仲。試行錯誤を繰り返して立ち上げ、この経験を自社のHP作成に生かした。花咲さんは「ネット販売はゼロからのスタートです。辛抱する期間は長くても、やり通してほしい。焦点を絞ってやれば必ず成功します。皆さんにやってほしい」と話している。
 HPアドレスは、「札所〇番」(http://www.yushodo.com/)、「京都食市場」(http://www.rakuten.co.jp/kyotosi/)。

写真=入賞した花咲さん(左)と松本さん


「ふるさと高野」みてあるこう
子ら地元の自然や歴史に触れる

 高野地域子育て支援協議会(富田久志会長)主催の第3回「『ふるさと高野』みてあるこう」が11月8日、野村寺地区などをコースに開かれ、子供たちが旧街道を歩いたり、一里塚の石柱の拓本をとる作業を体験した。
 この行事は高野小校区の自然や歴史を子供たちに知ってもらい、ふるさとへの愛着を育てようと、昨年から取り組んでいる。今回は野村寺の道しるべをテーマに、子供たちやPTAらの約60人が参加。本紙で「ふる里みてある記」を連載し、高野小学校の学校アドバイザーなどを務める村尾幸作さん(63)が講師となって道案内した。
 野村寺地区には、田辺藩時代の主要街道の1つである河守(こうもり)街道が、同地区を貫いている。高野川にかかる大橋を起点に福知山へ抜ける道で、参加者らはこの旧街道を散策した。また、元の旧街道から野村寺橋のたもとに移された一里塚の石柱の説明を受け、紙と墨肉を使って拓本を取った。

写真=河守街道の一里塚の石柱で拓本をとる子供たち


2003.11.7  

「みずなぎ学園」の障害者たちが陶芸や絵画
アート活動で個性を発揮、展覧会に出品


他県の授産施設や成生の高井さんらとともに
 鹿原の知的障害者授産施設「みずなぎ学園」(森下多恵子園長)の障害者たちが、個性的な造形の陶芸や絵画作品を次々と生み出している。実用的な製品もつくる一方、障害者たちが自分の思いを表現するアート活動へと志向を変えている。作品は枠にはまらない楽しさや、人の持つ豊かな世界と可能性を見る側に与えている。11月16日から綾部市志賀郷町の酒蔵さざ波を会場に、障害者の芸術活動に力を入れる奈良と滋賀の授産施設と、成生の高井晴美さんら作家とともに展覧会に出品し、様々な個性をぶつけ合って交流する。
 みずなぎ学園は64人が通所で利用。現在その中の14人が、自由な発想で陶芸や絵画を作って販売している。その表現の中から大小の架空の人形、遺跡の出土品を思わせる原始的な造形物など、どれも枠にとらわれない、面白くて生き生きとした作品が生まれている。以前に比べ縫製など色々な分野の作業をすることで、自分の得意な素材に出合って、作品の表現に自分の持ち味を発揮している。
 また、60人が入所する更生施設でも今年4月から、陶芸などの創作活動を取り入れた。市民からもオリジナルあふれる作品に関心が集まっている。同施設更 生部長の植田泰正さん(50)は「自分のイメージを膨らませて表現するアートに比重が移ってきた。個性的な作品づくりをして、みずなぎは面白いことをしていると思ってもらえれば」と話していた。
 展覧会「楽居(らっきょ)」には、4カ所の授産施設が陶芸や絵画などを展示する。奈良市のたんぽぽの家では、障害者が絵画や書などの作家として各地で個展を開き活躍している。滋賀県江南町のやまなみ工房、同県大津市の唐崎やよい作業所もアート活動を積極的に取り入れている。共同出品する陶芸作家は舞鶴から日展に6度入選した成生の高井さん、綾部の釜輪楽仙人さん、美山の辻朋子さん。
 同園は出品に合わせて、釜輪さんの野焼きでの作品づくりに参加し、素朴な土の風合いを残した作品が仕上がった。作品づくりをする男性利用者(51)は「これからも自分にしか出来ないものを作りたい」と話していた。
11月16、同22、同23、同24、同29、同30日
綾部市「酒蔵さざ波」へ来場呼びかけ

 出品を呼びかけた主催者の中丹養護学校教諭で、画家の西村美紀さん(29)は「1年前、やまなみ工房の作品を見て、その感動が忘れられなかった。展覧会では出品者を障害者でなく、同じ作家の目線で見てほしい」と来場を呼びかけている。展示は11月16、同22、同23、同24、同29、同30日の午前11時〜午後5時。入場無料。
【問い合わせ】電話090・3993・4550、さざ波事務局。

写真上=野焼きの作品(右側2つ)と土をねる人たち
写真中=奇妙な顔の作品
写真下=野焼きの作品



第3回舞鶴絵手紙コンクール
「舞鶴の冬」テーマに作品募る!

 舞鶴絵手紙実行委員会(松本昭司委員長)は、第3回舞鶴絵手紙コンクールの作品を募集する。今回のテーマは「舞鶴の冬」。厳しい寒さのなかにも、舞鶴の温もりを感じさせる絵手紙の応募を期待している。募集締め切りは、12月5日(必着)。
 絵手紙コンクールは、舞鶴の魅力を絵手紙で発信し、併せて市民に「ふるさと・舞鶴」の素晴らしさを再発見してもらうのが狙い。第1回は「舞鶴の魅力」、第2回は「舞鶴の秋を探そう」をテーマに作品を募集。過去2回では、舞鶴の美しい自然や風景、歴史的建造物、特産品などを題材に描いた絵に、魅力をアピールする短文が書き添えられていた。
 募集要項によると、作品は官製はがきの大きさで、絵と短文を書き添えて差し出せるもの。画材は自由で、手書きのオリジナル作品に限る。短文は31字以内で、応募点数は1人5点以内。応募作品は返却しない。また、作品の著作権は、同実行委員会に帰属する。  応募資格は、小学生以上の市民。絵手紙作品に住所、氏名、年齢(学校名、学年)、電話番号を記入する。応募先は〒624―0905福来912―1、舞鶴市民新聞社内、舞鶴絵手紙実行委員会。
 作品は小、中学生の部、一般の部に分けて審査。全応募作品の中から最優秀作品1点に「舞鶴絵手紙大賞」(旅行クーポン券、または図書券2万円分)を贈るほか、優秀賞2点(同1万円分)など各賞を用意している。
【問い合わせ】電話78・2055、舞鶴市民新聞社内、舞鶴絵手紙実行委員会。

写真=第2回コンクールの応募作品(一部)


2003.11.4  

岡田地区の農業者ら加佐ブランドの魅力PR
JA加佐支店で直売所、11月8日に秋の収穫祭

 岡田地区の農業者たちが、自分たちで作った農作物や加工品を直接販売して、その魅力を伝えようと、大川のJA京都にのくに加佐支店で直売所「農家の市かさぶらんか」を開設し、販売に取り組んでいる。若い新規就農者からベテランの女性たちまでが加佐ブランドを確立しようと奮闘している。11月8日は「加佐を味わってほしい」と秋の収穫祭を開催する。
 女性たちの加工品グルプが活発に活動し、若い後継者や新規就農者が増えている同地区では、この地で作った作物にこだわって直接販売したいという声があった。その要望を受けて同支店が場所を提供して、同支店の加佐農産物直売部会(後守貴博部会長、20人)が、8月から活動を開始した。
 加佐ブランドを浸透させたいという意味を込めて、直売所には「かさぶらんか」の愛称を付けた。ケースごとに生産者がパンジーなどの花、大根、ホウレンソウ、卵、味噌などを安い価格で販売。毎週火・木・土曜日の午前8時半〜午後1時に直売所に立っている。
 開所して3カ月が経ったが、市内の中心地から少し離れているため、今後は知名度アップが課題という。国道175号に面した場所に看板の設置や、市内の住宅街に出掛けPR活動も検討中。後守さんは「たくさんの人に来てもらえるよう、ほかの直販所にない魅力を知恵を出して作っていきたい」と話していた。
 8日のイベントは直売所で午前10時〜午後2時。手打ちそば、大鍋のおでん、西方寺平の焼き鳥、田井漁協婦人部による鮮魚販売もある。 【問い合わせ】電話82・0094、同支店。

写真=直売所で買い物客にアドバイスする後守部会長(左端)ら


護衛艦を除籍となる「きくづき」の艦長と乗組員
こども療育センターに最後のプレゼント贈る

 11月6日付で海上自衛隊護衛艦を除籍となる「きくづき」の森崎真司艦長(44)と乗組員らが10月30日、北吸の府立舞鶴こども療育センター(久保俊一所長)を訪れ、最後のプレゼントを子供たちに渡した。また、子供たちからは平成8年から続くクリスマスプレゼントのお礼にと花束を贈った。
 「きくづき」の乗組員らは護衛艦「ながつき」の後を引き継ぎ、体に障害をもつ子供たちが治療やリハビリを受けている同センターを訪問し、毎年クリスマスの時期に、乗組員らが積み立てたお金で、テレビやお菓子の詰合せなどを7年間贈ってきた。
 除籍を控えて、乗組員らのポケットマネーとこれまでの積立金の残りを合わせた寄付金のほか、きくづきで使っていたビンゴゲームセットなども贈った。幼児から高校生まで35人が集まる中、中学2年生の山口和也君に森崎艦長がプレゼントを手渡した。また、小学6年生の国本未来さんが花束を贈った。

写真=子供から花束を受け取る森崎艦長