2003.3.28  

4月6日、国病前の桜並木でロード写真展
村尾さんが「『桜トンネル』この1年…」

 アマチュア写真家として、舞鶴の自然や景色を撮り続けている村尾幸作さん(63)=丸山中町=の写真展「『桜トンネル』この1年…」が、4月6日、行永の与保呂川沿いの桜並木で開催される。桜並木の四季折々の風景を撮影した写真を、撮影現場で展示する、珍しいロード写真展となる。
 国立舞鶴病院前の与保呂川沿いの桜並木は、写真展のタイトル通り満開時には「桜トンネル」として知られる名所。この桜並木の保護・育成に努めてきた「与保呂川の桜を育てる会」(田中輝昭会長)の創立20周年記念として、写真展の開催が決まった。
 写真展では、この1年間の1月から12月まで、桜並木を毎月撮影した写真30点が展示される。1月は雪の積もった銀世界、4月は満開の桜、5月は新緑、11月は紅葉と、毎月違った桜並木の姿をカメラでとらえている。また、作品には村尾さんの桜並木に寄せる思いを綴った一文も添えられている。このほか、舞鶴の春を彩る風景写真25点も合わせて展示する。
 写真展は、国立舞鶴病院前の道路の通行規制される同日午前10時から午後4時まで。雨天の場合は、国立舞鶴病院内に会場を移す。また、同病院で同9日まで、同18、19、20日に森の南公民館で開催される。

写真上=満開の桜並木(平成14年4月)
写真下=銀世界の桜並木(平成15年1月)



市青少協が解散、新組織に改編
時代のニーズに応え子育て支援など

 舞鶴市青少年育成協会(白石明会長)は3月25日夜、余部下の中総合会館で総会を開き、時代のニーズに応える子育て支援にも取り組む新たな組織に改編するため解散を決めた。昭和57年の設立から20年間にわたって青少年健全育成活動に取り組んできた市青少協が幕を閉じた。
 総会には、各校区の青少協や関係機関、団体の役員ら約50人が出席。平成14年度の事業報告、決算見込みを承認した後、白石会長が「近年の子育て環境が大きく変化する中、地域社会による子育て支援を市民、行政、関係機関、団体などとともに発展させていくため、新たな育成組織への改編をめざしたい」と、市青少協の解散を提案。出席者の拍手で承認された。
 市青少協の解散を受け、新たな組織として設立される「舞鶴子ども育成支援協会」の発足に向けて、現在の青少協運営委員会で新組織の役員や規約、事業計画などについて準備を進めていくことも承認された。
 新たな支援協会は、各小学校単位で設立する地域子育て支援協議会や関係機関、団体の代表者らで構成、青少年健全育成活動に加え、子育て支援も推進する。発足総会は5月17日に開催する予定。今後、各校区の青少協でも、支援協議会の立ち上げに向けて準備を進める。
 市青少協は、青少年非行の戦後第3のピークと言われた昭和58年の前年に、青少年育成推進市民協議会を発展改編して設立された。当時は、校内暴力やシンナー吸引などの非行が後を絶たず、シンナー撲滅運動に全力で取り組んだ。その後、少年野球、少女バレーボール大会、子ども文化祭などスポーツ、文化行事を通じて、健全育成を図ってきた。

写真=解散を提案する白石会長


京大水産実験所・益田玲爾さんの
若狭湾水中散歩12「セトウシノシタ」

「俺はまずいぞ」と主張?

4月20日、中央公民館で益田さんが講演会「舞鶴湾水中散歩」


写真は体長15センチのセトウシノシタ=東神崎沖、水深9メートル

内容は舞鶴市民新聞をお読み下さい。




2003.3.25  

市展運営委員で画家・亀井さんの大作「空」
ミレー友好協会展で入選 、フランス本部展への出展通知

 洋画部門の舞鶴市展運営委員を務める画家の亀井清志さん(70)=福来=の作品「空(くう)〈越前一乗谷〉」(100号、油彩)が、公募展の第11回ミレー友好協会展で入選、併せて同展の入賞、入選作品の中から選ばれ、フランス本部展への出展通知が届いた。亀井さんは、自分の作品が海外に出展されるのは初めてで、「本場のパリで、日本的な油絵を多くの人に鑑賞してほしい」と話している。
 ミレー友好協会展は、「落ち穂拾い」などの作品で、世界的に知られるジャン・フランソワ・ミレーの画業を通じて日仏文化交流の促進をめざすミレー友好協会(水野忠理事長)の主催。毎年、洋画をはじめ日本画、彫刻、工芸、書の作品を公募して、入賞、入選作品を展示している。
 亀井さんは、今回初めて、戦国大名の朝倉義景の城下町だった一乗谷=福井市=に残る千体を超える石仏を題材に描いた作品「空」を同展に応募した。これらの石仏は、地蔵や阿弥陀、観音、不動尊などで、死者の供養のために建立された。イラクや北朝鮮問題で国際緊張が高まるなか、平和を願って出展したという。
 作品は、グレーを基調に、2体の石仏を描いた具象画で、石仏は微笑むような表情に表現されている。すでにイラク戦争は始まったが、イラクでは多くの難民が生まれることが予想され、難民と石仏に祀られた死者を重ね合わせて描いたという。
 亀井さんは現在、福来のバラ園「すとろべりぃあいす」で、絵画教室を開設する一方、創作活動を続けている。「仏教の我欲を超越した『空』の世界を表現しました。入選はもちろんのこと、フランス本部展に出展されることが決まり、喜んでいます。ヨーロッパの人たちに、この『空』の世界を理解してもらえれば…」と話している。
ミレー友好協会展は、4月22日から27日、大阪市立美術館で開催されるほか、5月に愛知県、富山県でも開催される。

写真=自作の初の海外出展を喜ぶ亀井清志さん


京大水産実験所・解体取り壊し中の本館
水野さん調査、鉄筋壁に「世界一丈夫なれんが造り」

 解体取り壊し中の京都大学大学院付属水産実験所(長浜)の本館を、赤れんが博物館顧問の水野信太郎さん(47)が3月22日訪れ、建物の内部構造を調べた。これまでは鉄骨れんが造りと分かっていたが、鉄筋も壁に入っていることが判明した。水野さんは「世界一丈夫なれんが造りとも言える」と驚いていた。
 本館は昭和4年(1929)に建設された旧海軍火薬廠の元庁舎で、戦後は京大水産学科の研究室に使われてきた。約20年前に壁の一部をはがすまで鉄骨れんが造りだとは分からず、市内のれんが建造物の調査でも対象にならなかった。
 老朽化に伴って京大側が建て替えを計画し、NPO法人・赤煉瓦倶楽部舞鶴が調査と保存を求めていたが、市民の関心も薄く、国内では珍しいモルタル塗りのれんが建造物は3月18日から重機による取り壊しが開始された。
 解体中の現場ではれんがの瓦礫が次々と積まれ、まだ壊されていない建物の梁の部分から溝型の鉄骨が見えている。北海道浅井学園大学教授の水野さんがその瓦礫の中から、壁の部分のれんがの間を通る鉄筋を見つけた。地震の多い日本ではいまでこそ鉄筋と鉄骨を入れるコンクリート建造物は普通だが、「赤れんが造りで両方を使った建物はまだ確認したことがない」と指摘した。

写真=解体中の本館を調べる赤れんが博物館顧問の水野さん(右)


2003.3.22  

3月29日、「こだま会」が初の朗読コンサート
中総合会館で宮沢賢治の童話の世界など届ける

 朗読入門講座を修了した人たちで結成した朗読ボランティア「こだま会」(於久田推代表、会員35人)が、初めての朗読コンサートを3月29日午後2時から余部下の中総合会館で開催する。レオ・バスカーリア作の「葉っぱのフレディー」と宮沢賢治の童話「なめとこ山の熊」などを取り上げる。会員たちは聴く人に作品世界を届けようと、物語のイメージを膨らませながら朗読の練習に取り組んでいる。
 朗読ボランティアサークル「木曜会」と市社会福祉協議会が、昨年5月と6月に入門講座を開き、同会の村田功成さんらが抑揚の変化などを指導した。その後、講座を終えた30代〜70代の35人が引き続き朗読を学んで、ボランティア活動に生かそうと「こだま会」を作った。
 昨年から今年にかけて同会は、小学校や特別養護老人ホームなどを訪れて、子供やお年寄りたちに芥川龍之介の「蜘蛛の糸」などを朗読した。また、文学作品などを読んで吹き込んだテープを、視覚障害者に向けて配る活動も開始した。
 初コンサートは朗読の楽しさを知ってもらおうと企画。第1部では14人が「葉っぱのフレディー」、第2部は15人が宮沢賢治の「雨ニモマケズ」などを、音楽と映像を交えて朗読する。会員らは間の取り方などに気をつけながら、リハーサルを繰り返している。
 会員らと於久田さん(69)=溝尻=は「同じ作品でも読み手によって印象が異なるのが魅力。舞鶴の民話を朗読して子供たちに伝えていきたい」と話していた。入場無料。 【問い合わせ】電話62・7044、市社協。

写真=リハーサルに励む朗読ボランティア「こだま会」の会員たち


大浦小児童がスイセンとお礼の手紙
教わった地元の人10人に感謝の気持ち

 平の大浦小学校の児童たちが3月17日、授業で講師を務めたり、草花を学校に届けてくれた地元の人たちに対して、感謝の気持ちを伝えようと、自分たちで育てたスイセンの鉢植えとお礼の手紙を贈った。
 総合的な学習の時間で児童たちは、お年寄りからわら草履の作り方や昔の学校の様子を教えてもらった。また、毎朝登校時に平駐在所の警察官が学校前で交通安全を指導したり、地元の男性が草花や盆栽などを学校に届けるなど、児童たちを見守っている。
 こうしてお世話になった10人にお礼をしようと学校に招き、スイセンの鉢植えをプレゼント。スイセンは昨年九月に京都地方法務局舞鶴支局から人権の意識を広げてもらおうと球根が贈られ、3年生らが花を咲かせるまで世話をしていた。
 児童会会長の6年生、河畑貴政君が「この1年間色々なことを教わりありがとうございました」と述べ、児童らは鉢植えと各学年が10人にあてたお礼の手紙を贈った。わら草履づくりを教えた安田豊さん(81)=赤野=は「日ごろ学校で元気にしている様子を見て、自分たちも励まされます」と、児童らにお礼を述べた。

写真=お世話になった人たちにスイセンを贈る児童


2003.3.18  

「丹後富士愛護会」&「舞鶴LC」
建部山ハイキングロード整備取り組み

 喜多の建部山(標高316メートル)の登山道を市民に親しまれるハイキングロードにしようと、「丹後富士(建部山)愛護会」(阿波伊佐実会長)と「舞鶴ライオンズクラブ」(佐古田彰男会長)は、ハイキングマップの看板を設置するなど整備に取り組んでいる。5月には市民を対象とした登山会を開催する予定。
 建部山は別名「丹後富士」とも呼ばれ、南北朝時代には山城が築かれ、室町時代には丹後の守護となった一色氏が入城した。明治32年に舞鶴重砲連隊が頂上に堡塁砲台を建造し、いまもレンガ積みの施設が残っている。頂上手前の場所からは遠くには青葉山、眼下に西市街地や西港を見ることができる。春にはコブシが咲き乱れる。
 喜多の登り口から約1時間20分の登山道(約3キロ)は、軍施設をつくるため車も通っていたことから、道幅も広く勾配も緩やかなため、ハイキングを楽しむ市民もいる。同クラブは結成40周年の記念事業として、同愛護会に協力する形で、もっと多くの市民に建部山の自然に親しんでもらおうと整備することにした。
 登山道入り口付近に建部山の歴史のほか、頂上までの地図や展望などを紹介した看板2枚を設置した。また、入り口そばに約15台分の駐車場を整備するほか、頂上を示す案内板も付けることにしている。

写真=喜多の登山道入り口付近に設置されたハイキングマップの看板


高田さん(西高)漢字検定・準2級に高得点で合格
日本技能検定協会連合会から「会長賞」

 財団法人日本漢字能力検定協会の準2級に合格した西舞鶴高校1年の高田裕美子さん(16)=高野台=が、日本技能検定協会連合会から「会長賞」を受けることが決まった。200点満点中、197点の高得点で合格し受賞者に選ばれた。
 高田さんは小学生のころ、漢字の辞典をパラパラめくっているうちに漢字に興味を覚えた。中学生時代には同協会の検定試験を受けたいと思っていたが受験の機会がなかった。西高では国語の授業で検定の紹介を受け、自分の力を試そうと挑戦した。
 昨年は4級と3級に合格し、今年1月に準2級を受験。準2級は小学校から高校までで学習する常用漢字の1945字が対象で、漢字の読み書き、部首名、四字熟語の書き取りなどが出題される。今回は130点以上が合格ラインだった。同級には全国で受験者36万3300人がいた中で、その中から会長賞には高田さんら3人が選ばれた。
 国語の授業での漢字テストや検定用の問題集で勉強するほか、読書中に分からない漢字があるとすぐ辞書で調べている。高田さんは「会長賞はうそじゃないかと思い、期末テストに手がつかなかった。弁護士を目指していますが、文章を正しく書く際に検定で身につけた力を役立てれば」と話していた。

2003.3.14  

舞鶴メダカの学校が
中筋小の池で救出作戦

 メダカを殖やし、生息できる自然環境の保全に取り組む「舞鶴メダカの学校」(冨崎伸博教育長、会員10人)が3月9日、公文名の中筋小学校の池で、金魚などを捕獲しメダカを救出する作戦を展開した。3年前、池にメダカを放して「中筋分校」を開校したが、金魚がメダカを食べて数が減ってきたため、会員らが金魚などを捕まえ、生き残っていたメダカを助けた。
 メダカの学校は池や休耕田など市内7カ所に分校を作り、各小学校にもメダカを贈った。中筋小には平成12年4月に約四百匹が池に放され、児童たちが環境学習で活用。その後、順調に繁殖したが、うっかりして入れた金魚などがメダカを食べていた。
 この日は会員4人がポンプで水を抜き、藻に隠れていたメダカを悪戦苦闘しながら捜索して救出、池からは体長20センチのフナやハエ、タナゴなど約30匹を捕まえた。底の泥もスコップで取り除いた。メダカは一時水槽に避難させ、4月に再び放す。
 会員らは東地区の公園の池にもメダカを放したが、ここでも金魚約100匹を捕まえた。同校事務局の嵯峨根一正さん(61)=真倉=は「今後も希望があれば学校へメダカを届けますが、大きな魚を一緒にしないでと注意も呼びかけたい」と話していた。

写真=池から金魚などを捕らえる冨崎さんら


できた!長さ10メートルの巻きずし
若浦中3年生が卒業までに最後の思い出

 卒業までに最後の思い出を残そうと、大波下の若浦中学校の3年生66人が3月11日、長さ10メートルの巻きずし作りに挑戦した。2組に分かれた生徒たちが体育館に並べた長机の上でのりやごはん、玉子焼きを置き、1列に整列していっせいに巻いた。出来上がった2本の巻きずしに大喜びし、にぎやかに味わった。
 3月14日に卒業する3年生たちに、全員が参加して記念になる体験をと、同校PTAの3年学年委員会(山本巌会長)が、10メートルの巻きずし作りを呼びかけ、生徒たちも会場やすし飯、具作りの担当を決め準備してきた。
 材料には米3升6合(5.4キロ)、卵40個などを用意。具にはツナとサラダ菜などを使い、母親らも準備を手伝った。生徒らはのりの上にごはんを敷いたが足りなくなったため、薄く広げる工夫で乗り切り、最後に山本さんの掛け声でいっせいに巻き、直径約5センチの巻きずしが完成した。
 3年生の中村綾さん(15)=杉山=は「みんなで息を合わせて巻くのは難しかったけれど、一緒に作る体験は楽しくおいしい」とうれしそうにほお張っていた。

写真=ごはんの上に具を並べる3年生たち


2003.3.11  

京大大学院付属水産実験所
赤れんが造りの本館取り壊しに

 長浜の京都大学大学院付属水産実験所の赤れんが造りモルタル塗りの本館が、近く取り壊されることになった。昭和4年(1929)に建設された旧海軍火薬廠の元庁舎で、戦争を伝える近代化遺産ともいえる。外壁がモルタル塗りのれんが造りは国内では珍しい。外見かられんが造りと分からず、市内のれんが建造物の調査対象からはずれていたが、昨年調べた専門家は学問的には最も貴重な建築物とも指摘している。本館の保存を求めてきたNPO法人・赤煉瓦倶楽部舞鶴は、姿を消すことに「非常に残念」としている。
 本館は2階建て、建物面積1766平方メートル。爆薬を製造する工場の庁舎で、戦後の同22年に京大水産学科がここにでき、本館として使用。同47年に同科が移転後は実験所となり、研究室などに使われた。約20年前に壁の一部をはがしれんが造りと判明。が、普段訪れる市民も少ないため話は伝わらず、日本ナショナルトラストが平成8年、市内の赤れんが建造物約120件の報告書を作成した時にも、調査からはずれた。
 取り壊し計画をきっかけに昨年、赤れんが博物館顧問で、建築技術史が専門の北海道浅井学園大学の水野信太郎教授(47)が調査。明治30年以降はれんががむき出しの建物が一般的な国内では、モルタル塗りのれんが造りは珍しいとした。
 さらに、大正12年の関東大震災以降はれんが造りの公的建築物は日本では全く建てられなくなったと信じられてきたが、昭和以降も海軍がれんが造り建築物を建てていたという新しい事実が最近やっと明らかになったとした上で、「その実例として愛知県など分かっている範囲内では、今回壊される舞鶴の事例が一番古い。その意味で学問的には貴重な建築物」と指摘する。
 建物は雨漏りなど老朽化が目立ち、大学では1昨年、保存して使う改修も考慮して建物を点検したが、傷みがひどく、耐震構造工事に約2、3億円かかるため取り壊しを決めた。れんがによるまちづくりに取り組む同倶楽部舞鶴は、同年に調査と保存を大学側に求めたが、当初の方針は変わらず新しい研究棟がすでに完成した。取り壊しは3月12日か13日から始まるという。
 昭和37年から10年間、学生、職員として本館で過ごした実験所所長の林勇夫教授(61)は「屋上に上がり海を眺めて研究のアイデアを浮かべた。残したいとの思いはあったが消えることになり寂しい」と話している。同倶楽部舞鶴理事長の松井功さん(50)=余部下=は「保存を訴えてきただけに非常に残念。今回のことをきっかけに今後も未確認のれんが建造物の調査に力を入れたい」と述べた。

写真=国内では珍しいモルタル塗りの本館


西山公園を再び桜の名所に
朝代自治会の青年会が苗木植樹

 西舞鶴地区の桜の名所だった朝代の西山公園に3月9日、桜の苗木が植樹された。かつて市民が花見を楽しんだ同公園を再び元に戻そうと、地元朝代自治会の青年会(美濃部勇治会長、10人)が中心になって、2年前から続けてきた整備をほぼ終え、植樹にこぎつけた。
 西山公園は、朝代神社の北側山ろくにある公園で、広さは約700平方メートル。樹齢100年近い桜の大木が数多くあり、昭和40年代まで、西地区市街地住民の花見でにぎわっていた。しかし、同公園内にあった失業対策事務所の閉鎖に伴い、同公園の手入れが行き届かなくなり、また、桜の寿命も尽きて枯れてしまった。現在も数本の桜は残っている。
 この公園を再び桜の名所にと、朝代自治会の青年会のメンバーが、2年前から2カ月に1度集まり、雑草刈りなどの整備をボランティアで続けてきた。この活動を知って、周辺自治会や国道27号線の桜街道づくりに取り組む市民グループ「モナミゼミ」の協力もあったという。
 公園内を埋め尽くしていた雑草や枯れ木がきれいに刈り取られ、子供たちの遊具のある元の公園の姿になった。しかし、桜の多くが枯れたため、この日、新たに高さ3メートルのソメイヨシノ5本を植樹した。植樹には、伊藤晶夫自治会長や子供たちも参加、1本1本ていねいに植えた。これからも植樹を行い、桜の本数を増やすことにしている。

2003.3.7  

中筋小支援ネットワーク有志が劇団「なかすじ」結成
3月12日、同校で旗揚げ公演「一休さん」

 中筋小学校支援ネットワーク(白石明委員長)の有志が、このほど劇団「なかすじ」(山中源一郎座長)を結成、3月12日、公文名の同校体育館で旗揚げ公演する。演目は、とんち話で有名な一休禅師からヒントを得た「一休さん」。地域の大人たちから、学習活動などに励む児童たちへのエールを送るとともに、助け合いや思いやりの心の大切さを訴える。
 同支援ネットワークは、中筋校区の青少年育成協議会や同校PTA、婦人会などで構成する、文字通り児童たちの健全育成を支援する組織で、昨年4月に発足した。このメンバーの有志が、地域の大人から児童たちにエールを送ろうと、劇団「なかすじ」を結成した。
 旗揚げ公演に向けて、山中座長はじめ総勢約20人のメンバーが、台本から小道具、衣装、舞台背景画まで、すべて手作りした。出演者は連日夕刻に同校体育館に集まり、熱のこもった舞台げいこを続けている。
 公演する「一休さん」では、山寺で修行する一休と弟子たち、和尚の姿を通して、現在の子供たちには想像もつかない物のない時代の生活と、そうした生活のなかでも、現在と変わらないお互いに助け合い、相手を思いやる心の大切さを表現する。
 旗揚げ公演は、同日の3学期のふるさと学習の中で行われる。「ありがとうをつたえよう!『ありがとう、友、家族、ふるさと』」の全校テーマで取り組んだふるさと学習で、児童たちが午前中に、この1年間お世話になった社会人講師「まちの先生」に感謝の心を伝える。公演は午後2時からで、全校児童が観賞する。

写真=熱のこもったけいこに励む劇団員たち


舞鶴出身の版画家・田主さん(茨木市)が社会人講師
母校の白糸中で モンゴルの暮らし紹介

 舞鶴市出身の版画家、田主誠さん(60)=茨木市=が3月3日、母校の白糸中学校で社会人講師を務めた。社会科の授業の中で、モンゴルの遊牧民の暮らしをスライドなどを使って説明した。
 田主さんは海外での国際版画展にも多数入選した。国立民族学博物館(吹田市)の勤務を経た後に独立して、海外取材などをもとに新聞に版画を発表したり、舞鶴を舞台にした絵はがきシリーズも作っている。
 1年生186人は社会科で国調べをして発表するが、その第1回目に田主さんの発表の方法やモンゴルの生活を聞くため講師として招き、スライドや民族楽器の馬頭琴(ばとうきん)を使って、その暮らしの紹介を受けた。1年生の長尾慎祐君(13)は「モンゴルの遊牧民は草原を大切にしていることがわかった。きょうの授業をフィリピンの国調べに生かしたい」と話していた。

写真=モンゴルの民族楽器を1年生に説明する田主さん


2003.3.4  

モナミゼミ「国道27号線桜街道づくり」
新たにソメイヨシノの苗木90本植樹

 国道27号線の沿線に桜の植樹活動を続ける市民グループ「モナミゼミ」(今安隆之会長)は3月2日、同線の市内京田地区と綾部市上杉、黒谷地区の3カ所に、ソメイヨシノの苗木90本を植樹した。平成10年から取り組んでいる「国道27号線桜街道づくり」で、今年で6年目を迎え、植樹した桜は計325本となった。
 「モナミゼミ」は、まちづくりを考える市民グループ。平成9年に、メンバーの田中俊樹さんが、舞鶴市が主催する「都市デザイン賞」(現まちづくりデザイン賞)の提言部門に、国道27号線の京都府丹波町から舞鶴市までの延長60キロの沿線を「桜街道に」との構想を応募し、同賞を受賞。これを契機に、翌10年からモナミゼミの事業として取り組んでいる。
 計画では、沿道の丹波町、和知町、綾部市の各地域住民と協力して、約800本を植樹、舞鶴市の大波街道の桜並木と結ぶ桜街道づくりをめざしている。これまでに真倉や京田地区に植樹、平成12年からは綾部市のグループ「白杉の会」(原田二郎代表)とも協力して、同市内区域の安国寺地区でも植樹を行い、桜街道は着々と延伸している。
 この日の植樹には、提言者で同ゼミの桜活動委員長も務める田中さんら同ゼミと白杉の会のメンバー35人が参加。府森と緑の公社、府緑化推進協議会の「緑の募金」からの提供と、今回初めて財団法人・都市緑化基金(本部・東京都)の「みんなの森づくり活動助成」を受け、ソメイヨシノの苗木90本を植樹した。
 参加者らは、沿道沿いに1本ずつ丁寧に苗木を植え、桜街道の実現をめざした。田中さんは「総数800本のうち325本の植樹を行い、4割まで達成しました。今後も植樹を続けます」と話していた。

写真=植樹する参加者(綾部市上杉地区)


市内で公設民営第1号「岡田保育園」
創立15周年で記念コンサート

 市内で公設民営第1号の保育園としてスタートした岡田保育園(篠原千鶴子園長)が、創立15周年を記念して、3月1日、志高の同園で、園児たちの発表会とプロの歌手グループによる声楽ジョイントコンサートを開催した。地元関係者や父母ら約100人が出席する中、園児たちが劇遊びや合唱を披露したり、声楽家たちがイタリア民謡や音楽劇で美しい歌声を奏でた。
 岡田地区には、かつて民間の岡田中保育園と舞鶴市立の岡田下保育所があったが、施設の老朽化と子供の減少で2カ所とも廃止となり、それに代わっていまの岡田保育園が昭和63年4月に開設された。市が土地を取得し建物を建設した後、地元でつくる社会福祉法人・岡田福祉会(山崎定雄理事長)が運営している。
 平成13年まで定員は90人だったが、少子化によっていまは60人定員。4カ月児から小学校就学前の子供たちがいる。園児の少人数化に伴って、4月からは3歳児から5歳児の混合保育を実施。それに合わせて、すでに園舎の一部改築も済ませた。
 発表会では3歳児らが「赤ずきん」、4・5歳児たちが「白雪姫」の劇遊びを披露。第2部の15周年記念コンサートでは、4・5歳児たちが篠原園長の長男で作曲家の篠原真さんのピアノ伴奏に合わせて、真さんが作った岡田保育園のうたを合唱した。続いて経種(いだね)康彦さんらテノールやソプラノ歌手が、篠原さんのピアノで「オーソレミオ」「もののけ姫」などを歌った。

写真=合唱を披露する4・5歳児たち