2003.7.29  

はまなす会、漬け込んだ梅の天日干し
8月中旬に一人暮らしの男性高齢者へ

 一人暮らしの男性高齢者に減塩梅干しをと7月24日、食生活改善推進員連絡協議会「はまなす会」(佐織一枝会長)の会員らが、余部下の中総合会館屋上で、漬け込んだ梅の天日干しを行った=写真
 はまなす会では、舞鶴市社会福祉協議会から委託を受けて、20年近く前から毎年梅干し作りに取り組んでいる。6月に90キロの青梅を塩で漬け込み、その後にシソを加えて、赤く色づいた梅を、この日、会員らが1個ずつていねいに並べて天日で干した。  漬け込む際に、塩を減らして、濃縮の酢を加えているのが特徴。佐織会長は「酢を加えることにより、まろやかな味の梅干しができ上がります。お年寄りたちに好評です」と話していた。
 天日干しして出来上がった梅干しは、ボランティアグループ「まこも会」(福田華子会長)によってパック詰めされ、8月中旬に、各地区の民生委員を通じて、希望のあった450人のお年寄りに届ける。

菅原道真公没後1100年記念事業で
倉谷の北野神社境内の整備工事完了

 学問の神様、菅原道真公の没後千百年記念事業として、同公を祀る倉谷の北野神社で進められていた境内の整備工事が完了、7月25日、同神社で天神祭に合わせてしゅん工式が営まれた。
 同神社を管理する倉谷町内会(中田敏孝会長)では、昨年3月に菅原公の1100年祭を営み、これを記念して境内の整備事業を進めてきた。これまで盛土の斜面となっていた本殿の周囲に、高さ1.5メートルの石垣を巡らせ、その上に高さ1.2メートルの玉垣を設置した。さらに、本殿北川の斜面に擁壁を施した。
 しゅん工式には、自治会の役員や地元住民らが参列。神官による神事が営まれた後、整備事業費の寄付者を刻んだ銘板が除幕され、事業の完成を祝った。また、恒例の天神祭もあり、境内には露店も出てにぎわった。

写真=寄付者を刻んだ銘板を除幕する自治会役員ら


2003.7.25  

関電舞鶴発電所、船型PR施設起工式
千歳に係留して来年8月オープン予定

 客船をイメージした関西電力の舞鶴発電所PR施設の起工式が7月23日、余部下のユニバーサル造船舞鶴事業所で行われた。プラネタリウムやエネルギー体験館などを備え、企業PR施設としては、全国で初めての船型という。舞鶴発電所1号機の運転開始時期の平成16年8月にオープンする予定。
 PR施設は、全長65メートル、幅18メートル、高さ20メートル、総トン数4000トンで、動力機関のない船舶。構造は地下1階、地上3階の4層で、延べ床面積は約2500平方メートル。来年1月に進水する予定で、舞鶴発電所の南側約1キロの千歳漁港区域内に曳航して係留する。
 PR施設の展示内容は、地下1階が「エネルギー体験館」。関西電力の環境問題への取り組みのほか、エネルギーの起源や人間とのかかわりなどを映像を使って紹介する。1階は「舞鶴体験館」とプラネタリウム。浦入遺跡から出土した約5000年前の縄文時代の丸木舟のレプリカを展示するほか、舞鶴の産業や文化を紹介する。プラネタリウムは、直径12メートルのドームに四季の星空を再現する。観賞席は百席。
 2階は「船の体験館」。モデルシップや航海用具を展示する談話室、豪華客船の船長室を再現した空間では、客船による航海を映像で映し出すなど船と航海の魅力を紹介する。3階は舞鶴湾の眺望が楽しめる「展望室」。
 起工式は、関西電力、ユニバーサル造船の関係者らが出席して営まれ、工起の儀では、両社の代表が鉄板溶接機のスイッチを押して溶接の火花を上げ、工事の安全を祈願した。
 舞鶴発電所は、石炭火力発電所で、1号機の出力は90万キロワット。来年8月に1号機の運転が開始され、引き続いて建設されている同出力の2号機は、平成22年8月運転開始の予定。

写真上=溶接の火をあげ工事の安全を祈願
写真下=PR施設の完成予想図



全国小学生バドミントン府予選会
舞鶴からの出場選手たち大活躍!

 京都府小学生バドミントン連盟主催の第12回全国小学生バドミントン選手権大会京都府予選会が7月21日、京都市の府立体育館であった。舞鶴からも多数の選手が出場し、上位入賞する大活躍を見せた。結果は次の通り。
 【男子シングルス】3年生以下=(1)清水智彦(新舞鶴小)(2)谷口祐紀(神崎小)▽4年生=(2)小谷諒(岡田下小)(3)千歳悠平(吉原小)▽5年生=(1)清水悠司(新舞鶴小)▽6年生=(1)岩崎将郎(神崎小)(2)山下正人(吉原小)【女子シングルス】3年生以下=(1)秋山侑香(高野小)(2)嵯峨根実香(同)▽5年生=(2)木村晶子(中筋小)(3)石原晶子(倉梯小)▽6年生=(3)和田沙也加(吉原小)(4)渡辺理依(明倫小)【女子ダブルス】4年生=(4)山本佳奈・山内美奈(高野小)▽5年生=(2)嵯峨根あずさ・多田隈留奈(同)▽6年生=(4)秋山佳菜・森本夕貴(高野小・神崎小)
 ※小谷君と千歳君、清水君、岩崎君、山下君、木村さん、石原さん、和田さん、嵯峨根さん、多田隈さんは9月15日に和歌山県である近畿大会に出場する。

写真=上位入賞を果たした小学生たち


京大水産実験所・益田玲爾さんの
若狭湾水中散歩16「イシダイ」

学習能力の高い体長5センチ

写真は小橋の水深50センチで撮影されたイシダイ稚魚。体長3センチ

内容は舞鶴市民新聞をお読み下さい。




2003.7.22  

桂林寺、開創600年記念事業「平成の大改修」
7月25日、本堂屋根瓦の全面葺き替えで上棟式

 紺屋の桂林寺(能登春夫住職)が、開創600年の記念事業として平成の大改修に取り組んでいる。今年3月から本堂屋根瓦の全面葺き替え作業に着手し、瓦を下ろした屋根は曲がった材をそのまま使ったはね木やもやなどがむき出しとなり、堂々とした木造建築の風貌を見せている。今回の作業で棟札は見つからず、建築年代は特定できなかった。7月25日午前10時から上棟式を行い、多くの部材をそのまま使って元の姿に復元する。
 桂林寺は室町時代の応永8年(1401)の開創という。関ケ原の戦いで石田方が田辺城を包囲した際、同寺6世の大渓(たいけい)和尚が、弟子の僧らとともに籠城戦に参戦した。現在は市内と丹後地方の曹洞宗寺院を束ねる要寺。
 2年前に600年を迎えたのを機会に、昨年6月に寺の整備の起工式を行った。本堂裏に排水路を設置するほか、傷みの激しい本堂(高さ約15メートル)屋根の葺き替えに取り組んでいる。工事は大滝工務店が担当。総工費は約2億5000万円。
 今回が初の本堂屋根の葺き替えは、屋根全体を被う素屋根を設置し、1万2680枚の瓦を下ろして、火災で焼けた部材などを取り替え補強したほかは、そのままの部材を使用。ケヤキのはね木などいまでは手に入らない大きな木が使われている。たるきを組み野地板を張り、10月ごろに瓦を上げる。完成は来年3月の予定。
 本堂の建築は江戸中期というが、建築年代を記した棟札の発見が今回期待されたが見つからなかった。が、鬼瓦には「文化6年」(1809)と刻まれ、また、小倉の国指定重要文化財の民家「行永家住宅」の瓦を製作した同じ瓦師の名前が瓦に刻まれていることから、同住宅の建築年代の文政3年(1820)と同時期の建築とも見られる。
 現場責任者の大滝工務店工務部長の和氣弘明さん(50)は「行永家の解体復元作業を担当したのが今回に生かされている。今後数百年もつ建物に復元していきたい」と話していた。上棟式は約120人の関係者が出席する。その後、住職長男の大悟君(11)の得度式も行われる。

写真=曲がった材をそのまま使ったはね木やもやなどの屋根の骨組み


福井小で終業式に先立ち「感謝の会」
登下校時のパトロール ありがとう!

 市内の小中学校で7月18日、一斉に1学期の終業式があり、子供たちは楽しい夏休みに入った。5月に飼育小屋のウサギ2匹が殺される事件があった下福井、福井小学校(水嶋純作校長、164人)では、終業式に先立ち、「感謝の会」を開き、児童の安全を守るために防犯パトロールを続けた関係者に感謝状を贈った。
 同校では、事件が起きてから、登下校時の児童の安全確保のため、教職員はじめ、同校PTA(岩城賢治会長)、舞鶴西防犯推進委員協議会水上支部(金井克成支部長)、舞鶴西署がパトロールや登校時に校門での声かけなどを続けてきた。「感謝の会」は、夏休みを前に、お礼の気持ちを伝えようと開かれた。
 児童会長の6年、亀井健太君が「ウサギが殺され、悲しい気持ちになりましたが、これまで無事に過ごすことができました。お世話になりありがとうございます」とお礼の言葉を述べ、児童会の役員が感謝状を手渡した。
 この後、舞鶴西署生活安全課の野村幸雄課長が「危険を感じたら『子ども110番の家』に助けを求めること。知らない人には、絶対についていかないこと」などと注意を呼びかけた。

写真=防犯パトロールを続けた関係者にお礼の言葉を述べる児童会長の亀井君


2003.7.18  

「まいづる作業所」障害者が「さをり織り」
縫製加工するボランティアスタッフを募る!

 平の知的障害者授産施設「まいづる作業所」は、利用者の障害者たちが製作したさをり織りの反物を、ポーチなどに縫製加工するボランティアスタッフを募っている。いま加工作業は職員1人で担当しているが、集中する注文に応えきれず、また、商店に置いてもらうセールスをしようにも在庫製品を作ることができず、頭を悩ませてきた。障害者の賃金アップにつなげたいと、市民の協力を得て商品づくりができればと願っている。
 さをり織りは専用の織り機を使うが、その手法には決まりがなく、織り手の自由な発想で織ることができるのが特徴で、各地の授産施設でも取り組まれている。たて糸には専用の糸を通し、よこ糸には糸のほか端布やビニールのひもなども使う人もいる。糸の色使いも織り手のひらめきで決まり、オリジナルな織物が人気となっている。
 35人が利用する作業所では3人がさをり織りを担当。2週間から2カ月の間に、長さ5〜10メートル、幅1メートルの反物を仕上げる。その反物を加工するにはミシンを使う必要があり、ミシンが扱える職員1人で縫製作業をしてきた。製品はポーチやコースター、ペンケース、帽子などに仕上げ、市内のイベントや夜の市などで販売し、その売り上げが障害者たちの賃金となっている。
 これまでは縫製して商品のため置きができなかったため、注文を待ってもらったり細々と販売してきたが、少しでも賃金アップになればと、セールスにも積極的に取り組みたいと考えてきた。職員の材木沙織さんは「新商品の開発もして売り込みをしていきたい。縫製が得意な方のご協力をお願いします」と話していた。縫製作業は作業所のほか、自宅でもできる。
【問い合わせ】電話68・0600、同作業所。

写真上=ペンケースなどの「さをり織り」商品
写真下=国病の看護学生らに織り方を教える作業担当者(左)



舞鶴出身で「まいづる大使」の備前焼作家・岡田さん
市制60周年を記念して市に花器寄贈

 舞鶴出身の備前焼作家で、「まいづる大使」を務める岡田輝さん(55)=備前市久々井=が7月16日、市役所を訪れ、舞鶴市制60周年を記念して、舞鶴の土を使って制作した作品「透かし飛鳥文花器」を江守光起市長に寄贈した。
 この花器は、高さ27センチ、直径20センチ。備前焼特有の紫蘇色の地肌に黒みがかった色合いで、海鳥をデザインした透かしと、舞鶴湾の穏やかな波をイメージした紋様が入っている。材料の土は、小学校時代の同級生らによって祖母谷川周辺で採取したものを使用した。
 花器の制作にあたっては、舞鶴の土の特徴を知るため、茶器などを試作して、教授を務める倉敷芸術科学大学のガス窯や電気窯で温度を変えて焼成。耐火性が強く苦労したが、備前焼に負けない色を出せることが分かったという。花器は、自宅工房の登り窯で、赤松の割り木を15昼夜焚いて焼き締めて完成した。
 寄贈を受けた江守市長は「大切に飾らせてもらいます」と感謝の言葉を述べていた。岡田さんは「ふるさと舞鶴への思い入れを込めて、舞鶴の土で制作しました。たくさんの人たちに見てもらいたい」と話していた。

写真=寄贈を受けた花器を手にする江守市長と岡田さん


2003.7.15  

田中さん(木ノ下)の畑に「おばけカサブランカ」
1本の茎にたくさんの花咲かせる

 木ノ下の田中芳枝さん(81)の畑で、一本の茎にたくさんの花を咲かせたおばけカサブランカが五本並び、花を見に来た人たちを驚かせている。茎の上にはまだ50以上のつぼみがあり、たくさんの花はあたりにいい香りを放っている。
 田中さんが3年前、ユリ科のピンクカサブランカ(正式名ネチューノ)の球根を9個購入し、畑に植えた。日陰になった場所でよく育ち、肥料をやるだけで特に世話はしていない。
 2年間はふつうのユリのように1本の茎に10個ほどのつぼみを付け、ピンク色の大きな花を咲かせた。ところが今年はそのうちの5本が、ふつうはえんぴつのような茎が帯のように平べったくなり、その上に80前後のつぼみを付け、小振りな花を咲かせている。地面から花までの高さは約150センチ。
 田中さんは「あんなのは初めて見た。何の加減でほうけたカサブランカになったのか」と不思議がっていた。

写真=左がたくさんの花とつぼみを付けたピンクカサブランカ。右は普通のもの


与保呂三字で「稲の虫送り」
夜の闇に幻想的な炎浮かび上がる

 与保呂三字協議会とグリーンサークル21は7月11日夜、与保呂地区で稲の虫送り行事を催した。あいにくの雨の中、地元の親子たちが竹で作った明かりを手に農道を歩くと、暗闇の中にいくつもの炎が幻想的に浮かび上がった。
 稲の虫送りは、稲につく害虫を松明の炎で集め、松明を持って村境まで歩いて虫を送り、その場で駆除する伝統行事。村全体で行うことで住民の連帯感を育んだり、虫の駆除のほかに悪魔払いの意味も含まれている。日本各地の農村で行われていた。
 与保呂と木ノ下、常地区でも昔は虫送りを村人で続けていたが、農業の衰退とともに生活様式も変わり、いつの間にか消えた。そんな伝統行事を復活させ地域の交流を図ろうと、3つの字で数年前に復活させた。
 3つの地区で親子やお年寄りたちが集合し、松の代わりに古い竹の先に火を付け農道を歩いた。農道に沿って松明が設置され、先頭者が鐘と太鼓を打ち鳴らす中、その道をゆっくりと動く炎が夜の闇に浮かんだ。

写真=古い竹の先に火を付け農道を歩く参加者たち


2003.7.11  

主婦の白川さん(北吸)創作楽しむ
天然石に愛猫の絵描き口コミで評判に

 北吸の主婦、白川一恵さん(46)が石に愛猫の絵を描く創作活動を楽しんでいる。手のひらサイズの天然石に、猫の毛並みや目までプロ並みの腕でリアルに描き込み、ちょこんと座るその姿が可愛いと評判になっている。猫好きの人たちの間で口コミで広がり、猫の写真を持って制作を依頼する人が増え、友人の輪も生まれた。このほかにも猫を題材にしたキルト作品なども作っており、将来はキャットアートの作品展を開いてみたいという。
 白川さんは一人娘の真弥さんが6年前にアメリカに留学したことで、心にポッカリと穴が空き、何か趣味を持つことにした。書道などをするうちに、飼い猫のリンをモデルに紙粘土に絵を描くことをしたが、粘土は乾燥するとひび割れを起こしうまくいかなかった。
 ある日、玉砂利を見て手のひらサイズの石に描けば、飾る時に愛着を感じることができると思いつき、リンをモデルにサンプルに一個描いてみた。次々に描いて友人らに見せたところ、口コミで広がり依頼を受けた。
 石はインテリアショップで市販されている中国の揚子江で採取された天然石。猫の顔と全体の写真を見て、その猫の曲線に合った石を選び、目と尻尾の構図を石を眺めながら決めている。構図を考える時間が長く、決まれば下書きはせず約2時間で描ける。以前使っていたトールペイントのアクリル絵の具で一気に描く。最後にコーティングをして仕上げる。
 高校のデザイン科を卒業し、その後はグラフィックデザインの仕事をしていたことから、構図と絵はプロ並みで、石の形と猫の表情が相まって評判になっている。これまで約60匹の猫を描いてきたが、すべて無料で引き受けてきた。白川さんは「可愛くなるようにと気持ちを込めて描いています。この石の絵のおかげで、猫好きの友達の輪ができたことが何よりうれしい」と話していた。

写真上=天然石にアクリル絵の具で描かれた猫の絵
写真下=石に描く白川さん



日星高卓球部女子(4人)が近畿大会へ
団体・ダブルス・シングルスで

 日星高校(北村司郎校長)の卓球部女子が、7月24日から大阪市で始まる近畿大会に、団体とダブルス、シングルスの3種目に出場する。1月の近畿新人大会に引き続いての出場で、部員4人は力を合わせて団体戦ベスト8を目指している。
 部員は全員二年で主将の安野裕美さん(16)=上安久=、有本佳奈さん(17)=大川=、中江真美さん(16)=上安久=、木村優希さん(16)=森。団体戦のほか、安野・有本組と中江・木村組がダブルス、安野さんがシングルスで出場する。
 6月の府大会では団体戦が4位、ダブルスで安野・有本組が5位、中江・木村組がベスト16、シングルスは安野さんが4位で、近畿大会の出場権を獲得した。昨年も夏の同大会に出ているが団体戦ベスト32に終わり、今年はそれを上回りたいとしている。有本さんは「ダブルスでベスト16を」、中江さんは「まず1回戦を勝ちたい」と抱負を話していた。

写真=近畿大会への出場を決めた左から安野、有本、中江、木村の各選手


2003.7.8  

舞鶴出身の田主さん(茨木市)
版画担当で共著「会社じんるい学」

 本紙で「ふるさとの風」を連載している舞鶴出身の版画家、田主誠さん(60)=茨木市=が、宗教人類学などの研究者たちと大阪新聞に2001年1月から12月まで連載したコラム「会社じんるい学」を、このほど東方出版社から2冊の本としてまとめて出版した。現在の大阪のサラリーマンの世相を研究者らが街に出て共同取材し、その文章に田主さんがカラー版画を描いていた。関西の世相を1枚の絵で切り取っている。
 田主さんは多数の国際版画展に入選し、1977年から国立民族学博物館に転職。民家や仮面などの「民族学シリーズ」の版画を担当した。同館退職後は世界各地を訪ね、その風景を紀行文と版画で発表。現在は日本の風景の版画を全国紙に発表し、NHK「上方倶楽部」の金曜日にレギュラー出演している。
 今回は研究者らとの共著で『会社じんるい学』(2001年11月刊、252ページ)の続編の『同PART2』(210ページ)を出版。前著は同年1月から5月にかけて連載したコラム79回分を収録。続編はコラムの107回の中から76回分を収めた。国立民族学博物館・総合研究大学院大学教授の中牧弘允さんら13人が執筆した。
 研究者たちがサラリーマンを取材し、中小企業がひしめく東大阪市で共同調査し、「会社と神さま」「職場のバレンタイン」などのテーマで日本盛りの戦略、踊るサラリーマンなどのコラムを書いた。その内容に合わせ出稿の締め切りに追われながら、田主さんが1人で版画を担当した。社内風景の1コマや電車内で居眠りしているサラリーマンなど、いつもとは趣の異なる絵を制作した。
 田主さんは「舞鶴の皆さんにも読んでもらえれば」と話していた。前著は1800円(税別)、続編は1700円(税別)。書店で販売中。

写真上=版画を制作する田主さん
写真下=出版された2冊の本



入院患者らに楽しいひと時プレゼント
「七夕祭りふれあいレクリエーション」で

 倉谷、舞鶴赤十字病院(弘中武院長)で7月4日、「七夕祭りふれあいレクリエーション」があり、日赤ボランティア(山口俊子会長)の会員らが踊りなど披露して、入院患者に楽しい一時をプレゼントした=写真
 日赤ボランティアは、入院患者に図書を貸し出す「ミニ図書館」のほか、クリスマス行事などで患者と交流する様々なボランティア活動を続けている。七夕祭りも恒例行事で、今回で18回目を迎えた。
 会場には大きな笹飾りが立てられ、七夕祭りを演出。患者らが多数車いすで訪れ、日赤ボランティア会の銭太鼓、人形劇、看護師も加わった踊りなどのアトラクションを観賞した。また、リハビリゲームや合唱もあり、会員と患者一緒に童心に帰って歌った。

2003.7.4  

舞鶴の話を映画化、森崎東監督「ニワトリはハダシだ」
志摩さん(志摩機械社長)製作総指揮で来春全国公開

 舞鶴の近代史を背景にした、舞鶴に暮らす人々の物語を映画化した作品「ニワトリはハダシだ」の製作が進んでいる。「風花」などを製作したシマフィルム代表で、志摩機械社長の志摩敏樹さん(40)=北田辺=が、「喜劇女シリーズ」などの森崎東監督に持ちかけ実現した。明治以降に海軍が置かれて発展した光と、浮島丸事件など歴史にほんろうされた影を背景に、家族の生きる姿を描いている。志摩さん製作総指揮のもと、このほど舞鶴ロケが終わり8月に完成の予定。来春の全国公開を目指している。
 志摩さんは故・相米慎二監督の「風花」の製作に関わり、昨年は「ぼくんち」のロケ地を探していた阪本順治監督に市内各地を案内し、舞鶴の協力プロデューサーとして、ロケのほぼ全てを市内で撮影するのに力を尽くした。
 今春に全国公開された「ぼくんち」では舞鶴でロケがあったものの、舞鶴そのものは物語とはならなかった。自分流の映画作りを貫く志摩さんは、「男はつらいよ フーテンの寅」や「生きているうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言」の監督で知られ、ファンでもある森崎監督を訪ね、その思いを伝えると監督が、舞鶴の歴史とそこに生きる人々を物語にした映画を撮ろうと快諾した。
 舞鶴は海軍鎮守府の設置に伴い発展した一方で、住民の強制移転、朝鮮人労働者の犠牲を出した浮島丸事件など、歴史の光に隠れた事実も抱えている。志摩さんは昨年春に森崎監督と脚本家の近藤昭二さんを招き、戦争遺産や歴史背景を説明し、舞鶴歴史研究会などにも引き合わせた。脚本は森崎監督と近藤さんが完成させた。
 浮島丸事件の生存者を母に持つ在日韓国人の女性と夫、その2人の子供たち、養護学校の女性教師と父らが登場し、冤罪事件の中で家族のあり方を描いている。舞鶴の歴史の具体的な説明はないが、それぞれの家族に歴史を投影した。
 出演は原田芳雄さんや倍賞美津子さん、主演で新人の肘井美佳さん、石橋蓮司さんら。5月14日から6月21日まで吉原や鯛建設、みずなぎ学園などで撮影。浮島丸事件の殉難の碑前でもロケを行った。吉原の自治会や婦人会など延べ400人がエキストラで協力した。
 製作総指揮として企画から製作まで全てを担当した志摩さんは「今回の映画は多くの人たちのお世話になってつくることができました。映画を見てもらえれば舞鶴に生まれたことを誇りに思うことができる、そんな共感をしていただけると思います」と話していた。

写真=吉原での撮影の様子。右が森崎東監督、左は俳優の原田芳雄さん(シマフィルム提供)


中筋体操ク女子チームが団体総合優勝
両丹体操ジュニア交流演技会に初出場

 中筋体操クラブ(松本昭司代表)の女子チームが、6月29日、福知山市問屋町のディナモ福知山体操クラブで開催された第7回両丹体操ジュニア交流演技会(福知山体操協会主催)の女子Bクラスで、初出場ながら団体総合優勝を果たした。また、チームのメンバーは個人総合、各種目別でも上位入賞するなど大活躍した。
 女子チームのメンバーは、中筋小6年の船本あかり選手、柴田ちなみ選手、高橋彩乃選手。中筋小の3、4、5、6年生でつくる中筋体操クで、毎週日曜日、同校体育館で練習を続け、演技会に臨んだ。
 3選手は、床、跳び箱、鉄棒の3種目の演技を行い、それぞれの得点を合計して競う団体総合で優勝。また、個人総合では、船本選手が2位、柴田選手と高橋選手が4位に入賞した。このほか、種目別でも床では、船本選手が1位、柴田選手が2位、高橋選手が3位と上位を独占。跳び箱では船本選手が2位、柴田選手が4位、鉄棒では船本選手と高橋選手が6位に入賞した。
 演技会には、ディナモ体操クラブの福知山、綾部、亀岡、氷上の各クラブのほか、京都市のスイトピア体操クラブなどから小、中学生167人が出場。男女とも演技の難易度別に最も高いCからB、Aクラスに分かれて演技を競った。

写真=個人総合、各種目別でも上位入賞するなど大活躍し団体総合優勝した左から船本、柴田、高橋選手


2003.7.1  

貝谷バレエ団舞鶴研究所が設立50周年
7月13日、市民会館でクラスコンサート

 貝谷八百子記念貝谷バレエ団舞鶴研究所主催のクラスコンサートが、7月13日午後2時から北田辺の市民会館で開かれる。地方でクラシックバレエの普及に務め今年50周年を迎えたが、最近は少子化の影響で団員数が減少しているため、昨年からバレエの魅力を知ってもらおうと、ミニコンサートを企画。今回は3歳から大人までの約20人が出演し、練習の成果を披露する。
 同バレエ団の創設者の故・貝谷八百子さんは、くるみ割り人形などの日本初公演を行い、バレエ界の先駆け者として活躍した。東京に本部を置き、研究所は舞鶴、名古屋など5カ所にある。舞鶴ではバレエを学びたいという市民の要望を受け、貝谷さんが講師を派遣し1953年に舞鶴研究所を設立。60年には大橋病院が余部下に建設した厚生会館をレッスン場として提供した。
 以前は50人以上の生徒が所属し、この中からプロも誕生した。が、最近の少子化や習い事が増え、現在は約20人が在籍し、週2回の練習をこなしている。このため昨年バレエの魅力を知ってもらおうと、初めてレッスン場を会場にしてスタジオコンサートを開いた。今回はもっと多くの人に見てもらうため、会場を市民会館に移した。
 3歳から小学校入学前のベビークラス、小学低学年のCクラスなど4つのクラスごとにソロで出演する。演目は「ワルティング・キャッツ」「ロシアン舞曲 黒い瞳」など。教師の荒井利恵さんと畑本久美ダンススクール教師の大石香代さんが特別出演する。
 東京から指導に通っている主任教師でプロダンサーの大竹みかさんは「ソロで踊るのは発表の力をつける機会になります。たくさんの人にバレエに触れてほしい」と来場を呼びかけている。出演する三笠小4年の増井志帆さん(10)=北吸=と志楽小4年の赤星葉月さん(9)=田中町=は「上手に踊れるように練習をがんばります」と話していた。入場無料。

写真=出演する舞鶴研究所の生徒たち


ピティナ・ピアノコンペティション舞鶴地区予選
舞鶴市長賞に二岡さん(城北中)

 第27回ピティナ・ピアノコンペティション舞鶴地区予選が、6月29日、浜の総合文化会館であり、西日本京都地区本選の出場をめざして、幼稚園児から高校生までがピアノの演奏技術を競った。
 社団法人全日本ピアノ指導者協会(略称ピティナ)主催の世界最大規模のピアノコンクールで、全国170地区での地区予選、同48地区での地区本選の通過者が、8月の全国決勝大会に進出する。
 ピティナ舞鶴支部(竹内晴代支部長)の舞鶴地区予選には、地元舞鶴はじめ近隣各市町の幼稚園児から高校生まで114人が出場。各クラス別に課題曲を演奏して審査を受けた。審査の結果、53人が、8月3、同4日に京都市山科区の東部文化会館で開催される京都地区本選の出場を決めた。
 また、地区予選通過者のなかから、次の皆さんが特別賞を受賞した。
 ▽舞鶴市長賞=二岡清美(城北中)▽舞鶴市教育長賞=森下葵(余内小)▽市川直子賞=田中美妃(高浜町・佐分利小)▽カワイ賞=坪倉由佳(三笠小)▽JEUGIA賞=津田真衣子(白糸中)▽検定の部奨励賞=村山達郎(白糸中)

写真=特別賞を受賞したみなさんと審査員ら