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歴史民俗研究会の伝統文化を訪ねて

−「吉原の万灯籠」−
(平成16年8月10日、本紙掲載)


万灯籠1   8月16日の夜、午後七時ごろから伊佐津川の河口にある大和橋の上手あたりの川の中で行われる、お盆の火祭りです。
  2日前の14日には「城屋の揚松明」があります。また、8月下旬には丹後の久美浜や若狭でも同じかたちの火祭りの行事はあるのですが、「吉原の万灯籠(まんどろ)」は、何と、川の中でおこなわれるのです。
  朝代神社に参拝し、愛宕さん(円隆寺)から神火を授かった吉原の若衆たちが勢いよく駆け戻ってくると、万灯籠のはじまりです。数十人の若者が川に入り、竹で組んだ高さ15〜6メートルの万灯籠を川の中に担ぎ出します。本体に取り付けられた松明に火がつけられると、川底に掘られた穴に柱を差し込み、真っ直ぐに立て上げます。腰までの深さがある足場の悪い水の中で、燃えさかる炎の直下、降り注ぐ火の粉に耐えながら全員が協力して重く巨大な万灯籠をぐるぐると回します。
  若者たちのかけ声と気迫、水面に映える炎が印象的なこの行事ですが、今から約300年近く前の享保年間に始まったと伝えられています。クラゲの大発生によって全く漁ができず大変な難儀をした時、海神の怒りを鎮めるために海中で大火を焚いて祈りを捧げると、クラゲが海流に流されて退散し、漁獲もだんだん回復していったとのことです。
  なお、当日の朝から、伊佐津川右岸の現地で、切り出した竹を魚形に組み立て、松明を取り付けて万灯籠本体をくみ上げる作業が行われています。(佐)

写真=息を合わせて回される万灯籠
写真=竹で万灯籠を組み立てる


万灯籠2
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