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歴史民俗研究会の伝統文化を訪ねて

−「平八幡たいらはちまん)神社の祭礼」−
(平成18年10月27日、本紙掲載)


神楽  平八幡神社は、大浦半島南端に位置し舞鶴湾に臨む「平区」にあり、平区の氏神であるとともに、中田区、多祢寺区、赤野区の総氏神でもあります。  平八幡神社の祭礼は、例年11月3日(祝日)で、午後1時30分頃から神楽(かぐら)、三番叟(さんばそう)、振物(ふりもん)が奉納されます。神楽は中田区、三番叟は赤野区、振物は平区で伝承され、各区がそれぞれの芸能を奉納します。  平成16年の平八幡神社祭礼からその概要を紹介します。各区とも祭りの約1カ月前から練習を始め、ホンビ(祭当日)には、ヤグラ(楽台)の飾付けを行い、各区の氏神に奉納したり区長宅などで演じたりし、行列を組んで区内を巡行し、午後1時に平区三叉路で集合します。3区長あいさつの後、平区を先頭に中田区、赤野区の順に平八幡神社へ向かい宮入します。奉納は、中田区、赤野区、平区の順に舞台で行われます。なお、宮入と奉納は、中田区と赤野区は隔年で交代します。  「神楽」(中田区) 2人立ちの獅子舞で、胴衣を被るのは頭だけで、「尻持」は終始胴衣の外に出ています。「鈴と御幣の舞」、「太刀の舞」の祓いの神楽曲と、「カニホリ」、「寝獅子」、「乱花」、「オヤジボイ(親爺追い)」の獅子舞曲が連続して演じられます。  「三番叟」(赤野区) 能の「翁(おきな)」に準じたもので、天下泰平、国土安穏(あんのん)、五穀豊穣を祈る「祈祷の儀式」です。「一番叟」は、子供が面箱を捧(ささ)げて舞台を1回りし、扇子に持ち替え「露払の舞」を舞い、「二番叟」は翁の面を被り、扇子をもって舞います。「三番叟」は「前踏み」・「問答」・「後踏み」から構成され、前踏みでは扇を手に「揉(も)みの段」を舞い、一番叟と舞手が替わった三番叟との問答があり、一番叟から鈴を受け取り、鈴と扇による「鈴の段」を舞います(後踏み)。  「振物」(平区) 2人1組で刀、棒、薙刀を持って切り込みを演じる「組太刀型」の太刀振で、「露払」、「大薙刀」、「柿ぼり」、「小薙刀」、「間抜(まぬけ)」、「小太刀」、「大太刀」の順に奉納されます。「露払」は幼児が行い、青年が介添えをします。「大薙刀」では、赤と黒のシャグマ(頭の被り物)を被り、「間抜」以降は相撲の化粧まわし風の「前ダレ」を着けます。曲目が後になるほど技が難しくなり、攻撃技と防御技の組み合わせで激しくわたりあいます。  「大太刀」が終了後、「笹持ち」が登場し、かけ声とともに短冊などで飾られた笹竹を左右に大きく振られると、天井に吊されていた「くす玉」が割れ、お菓子などの景品が飛び散り見物の子供達が舞台に駆け上がり奪い合い奉納は終了となります。  静と動の演目で、時に厳かに、時に激しく、時に華麗にと見応えのある奉納です。舞鶴のお祭りは、各地とも個性豊かで、市民の宝物として守っていきたいですね。(春が待ち遠しい 筆)

写真=神楽(中田区)
写真=三番叟「問答」(赤野区)
写真=振物(平区)長雲寺で演じる


三番叟「問答」 振物
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