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歴史民俗研究会の伝統文化を訪ねて

−「田口神社 秋の例祭」−
(平成21年11月13日、本紙掲載)


宮入り  田口神社は、舞鶴市の東北部「朝来(あせく)谷」の中央に位置する朝来中地区に鎮座します。「丹後国加佐郡旧語集」によれば、近世は、6ヵ村(大波、下谷、白屋、中村、長内、岡安)の氏神でしたが、現在は、大波上、白屋、新町、吉野、朝来中の5地区となっています。下谷は現在の吉野で、長内及び岡安は、昭和16年頃火薬廠建設により消滅しました。  秋の例祭は、かつて10月23日に行われていましたが、現在は、近くの休日に行われ、今年は10月25日(日)で、全地区の屋台が繰り出される3年に1度の周りでした。  各地区では7時30分から練り込みが始まり、神社では9時前から宮司による神事、お面と御幣の奉納が厳かに執り行われ、10時前から各地区の屋台が大波上、白屋、新町、吉野、朝来中の順に宮入りし、境内にて白屋氏子中による「神楽奉納」、各地区合同の「大太鼓一斉打ち込み」(境内定位置)が行われ、宮入りの逆順に宮下りとなり例祭は終了しました。  漆塗りの箱に収められたお面、御幣の奉納は、大波上地区(3年毎の輪番制)から責任総代、宮司に拝受された後、本殿に奉納されました。どの様なお面か役員の方にお聴きしたところ、非公開とのことで、どの様なお面が納められているのか興味津々でしたが、残念ながら教えていただけませんでした。  宮入りは、笛、太鼓、かっこ、ささらにより演奏され、各地区とも特徴ある囃しを聴くことができました。白屋地区では、インフルエンザのため、奏者が減ったとのことで残念がっておられました。宮入りに当たっては、屋台を引き上げて石段を登らなければならず、引き上げられた時には、参加者から労いの大きい拍手がありました。  各地区が宮入り後、白屋地区による神楽奉納がありました。先ず、神楽始の儀式である鈴と御幣による舞、お頭を左右に振って四方を祓い清め、剣により邪気を切り祓います。その後はコミカルな内容で、獅子がカニを食べ過ぎて腹痛を起こし苦しみ、獅子の後の人に絡む内容となっています。  祭礼は、地域の人の絆を強くするもので、今求められている里力、地域力につながるものです。この伝統芸能が、子供達に引き継がれ、継承されることを祈ると共に、この不定期な連載が、少しでも後押しになればと思います。(春よ来い 筆)

写真上=宮入り 階段を上がるのも一苦労
写真下=神楽の奉納


神楽奉納
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