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歴史民俗研究会の伝統文化を訪ねて

−「河辺八幡神社の祭礼」−
(平成16年9月10日、本紙掲載)


奉納舞「鉾の舞」  河辺中にある河辺八幡神社の祭礼は、毎年行われる例祭と、3年に1度の大祭があります。大祭は来年のため、今年は9月12日(日)の例祭をご紹介します。  この祭礼には、「鉾の舞」・「太鼓の舞」・「獅子の舞」・「ヒザズリ」の田楽系芸能(注)が奉納されます。この芸能は、「宮講」と呼ばれる組織で守られており、第二次世界大戦中も途絶えることなく奉納され、伝えられてきました。  当日は、神社の長床(ながとこ)で練習・打ち合わせが行われ、はじめに八幡神社の土地を寄進された藤原家由来の祠の前で、次に神社拝殿で奉納されます。  「鉾の舞」は2人で行われ、前に立っている方を「サキ」、後ろを「アト」といいます。アトは、サキの所作をこっけい味を出してまねる役です。サキは、鼻高の面をかぶり、御幣のついた鉾を持ちます。アトは、素朴な面をつけ、鉾の代わりに扇子を持ちます。鉾や扇子を回したり、突いたりする動作をします。  「太鼓の舞」は、首から太鼓を下げた2人による舞で、向かいあったり、背中合わせになりながら太鼓をたたきます。「獅子の舞」は、2人立で囃子にのって舞い、最後に厄除と無病息災のために子供の頭を獅子の口で噛みますが、中には怖がって逃げる子や泣き出す子もいます。「ヒザスリ」は、当日の役の者全員が参加し、片ヒザを舞台板についてしゃがみ、片袖で顔を隠し、「ヨイサ ヨイサ ヨイサ」のかけ声で前へ進みます。これが3回繰り返されます。  「百聞は一見にしかず」。衣装も舞も非常に素朴で、とても心が癒されます。当日は午前11時ごろから拝殿で奉納があります。  (注)田楽系芸能とは、平安から鎌倉時代にかけて職業的田楽法師が演じた芸能を基本として、地方の祭礼などで素人が模倣・伝承してきたものです。(春よ来い筆)

写真=藤原家ゆかりの祠への奉納舞「鉾の舞」。鼻の長い面(右)が「サキ」、他方が「アト」
写真=「獅子の舞」


「獅子の舞」
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