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歴史民俗研究会の伝統文化を訪ねて

−「湊十二社の祭礼」−
(平成16年10月1日、本紙掲載)


踊る青年  舞鶴って、お祭りの追っかけを始めるとはまりますよ! 10月は“お祭りだらけ”で忙しい〜! その中でもちょっと異色の選りすぐりをご紹介いたしましょう。  由良川河口の右岸にある湊(みなと)十二社は、東神崎地区と西神崎地区の氏神さまです。お祭りは毎年10月の第2土曜日(宵宮・よいみや)と日曜日(本宮・ほんみや)の2日間にわたって地区をあげて行われます。  初めの日は早朝から地区の青年たちが家々をまわり、1軒1軒笛や鈴の音とともに神楽(獅子舞)を奉納。床の間の神さまとカマドを清めるのだそうです。その間に神社の境内ではオフネ(小ぶりの北前船みたいな船屋台)が組み立てられています。その後、太鼓台とオフネが子供達によって地区の中をまわります。普通ならこのあたりで堪能し始めるのですが…、神崎はまだまだここからなのです。  夕方からは、オフネの曳き手が青年と壮年たちに代わり、暗い中提灯の灯りでお祝い事のあった家やお商売の家などをまわります。祝い歌とともに数十人が揃って踊る姿は一見の価値アリ。昔、北前船の行き来のあった頃に松前藩から伝わったというものです。これが夜中の12時までですよ。「こんな宵宮を経験して育つこの地域の人たちは、すごい芸達者に育っていくのだろうな」って勝手な想像が始まります…。  次の日は子供たちの御神輿が巡行し、正午からは東西のそれぞれの地区からお宮入りの行列が出発します。皆さん夕べの疲れも見せず、とてもいい顔をしておられるのが印象的でした。2つの立派な傘鉾の片方には、中に男性器を模したものがぶらさがっていて、ギョッ。  午後2時過ぎ、神社に到着した行列がお宮入りをすると、いよいよ本祭が始まります。それは「お庭入り」「練り込み太鼓」「東西口上」「神楽踊」「打ち込み太鼓」「室町踊」の順で進みます。この中で「神楽踊」と「室町踊」は、京都府登録無形文化財の“扇踊り”で、黒紋付き羽織袴(はかま)の年輩の方々が扇子をもって踊る奉納舞です。  青い裃(かみしも)に烏帽子(えぼし)姿の“東西屋さん”と呼ばれる男の子が口上を述べ、子供たちが元気に太鼓を打つ姿もとても素敵。元気な神崎の町を象徴しているみたいに輝いて見えました。ぶっ続け2日間「すごーい」の連発!(の)

写真=祝い歌とともに踊る青年たち
写真=オフネの宮入り


オフネの宮入り
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