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NO.21 一本松地蔵(伊佐津)   

 池内川と真倉川の合流地点には九枠橋が架かっている。「伊佐津川水辺のみち」を360メートル下ると地蔵さんが安置された祠を見つけた。その中の、高さ100センチほどのやさしい顔をしたお地蔵さんには、こんな由来が―。その昔、藩内には3本の川が合流しており、雨が降るたびに川が氾濫し、田辺城まで泥水が広がった。そこで藩では、池内川と真倉川を合流させ、舞鶴湾に注ぐ「伊佐津川瀬替え」の築堤工事を、庄屋の長佐衛門に命じたのである。庄屋には年ごろの美しい娘があり、いつも父親のもとへ弁当を運んでいた。やがて娘のことは人夫たちの評判となり、このため工事ははかどらず遅れるばかり。「あの娘さえいなければ……」とある夜、藩の役人が娘を秘かに斬り捨てたという。こうして伊佐津川は完成したが、村人たちは犠牲になった娘を哀れがり、堤防脇に石地蔵を建て、松を1本植えて祀ったお地蔵さんの話。散歩の途中、合掌してひと休み。これで、道往く人もひと安心か―。

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