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NO.23 東郷元帥の「一心池」(余部下・司令長官邸)   

 中舞鶴の交差点から東へ100メートル先を左に逸れて上がると、旧水交社(現在公務員宿舎)があり、その西側には「日露戦争の日本海海戦」で有名な、東郷平八郎元帥や歴代の司令長官が居住していた旧長官の官邸がある。明治34年10月1日、舞鶴鎮守府が開庁され、初代長官に東郷中将が着任した。東郷元帥は約2年間の在任中、官邸の庭に小さな池を作り、これを「一心池」と名付けた。そして忙しい実務の疲れをこの池でいやし、静かな水面を眺めながら対露戦争の秘策を練ったと言われている。池の広さは100平方メートル、心の文字を型造り、そのかたわらには昭和16年当時の小林宗之助長官が元帥の意志を継ぎ、与保呂で採れた自然石で「東郷元帥、一心池」と彫り込んだ石碑もある。すでに100年が経過した今、旧海軍の歴史を後世に伝える貴重な遺跡である。

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