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NO.40 荒木邸(大川)   

 由良川左岸にある大川神社は、最も由緒ある平安初期の大明神。災禍を避けて山裾に並ぶ民家より一段高い鳥居をくぐると、荘厳な境内にマッチした茅(かや)ぶきの旧家「荒木邸」がある。間口8間(14.4メートル)、奥行き4間(7.2メートル)、丹後地方の代表的な民家で、「格調高い入側縁の造作と立派な妻飾りを持った家」として、「京都府文化財図録」にも登載。チョウナ削りの柱、クギを使わない建築様式は文化財的価値が極めて高い。昭和6年に棟札が見つかり、田辺藩との関係や3、400年経っていることも立証された。しかし、茅の確保が限界であるともいう。筆者は、縁あって当主荒木英文氏の招きで本家を訪ねた。広い土間、年季の入った踏み台。「控の間」から奥座敷の「中の間」へ。さらに茶室、田辺藩主の休憩所「奥の間」に着座した。黒光りの違い棚や金箔の小ぶすま。障子を開けると、部屋を囲む広縁の向こうに築山が、幾重にも広がって栄華の姿を今に伝えている…。大きなカメには季節の生け花。お茶のもてなし。日本人ならではの伝統と、時を語る談義に「ふるさとの心」が尽々と蘇るひとときだった―。

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