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NO.51 民話の博奕岬(瀬崎海岸)   

 大浦半島の西端に位置する岬は博奕(ばくち)岬で灯台もある。しかし何故、船の安全を見守る要所を「ばくち」と呼ぶのか。舞鶴クレインブリッジから約6キロ、3つトンネルを抜けると民話の瀬崎海岸へ―。昔、この岬に名前が付いていなかったとき、竜神とクジラ大王が出くわした。互いに自分が1番強いと思っており、2人は自慢を始めた。「おれは広い世界のどんな深い海でも潜り、おれより大きな魚はいまい」。「私は大空高く誰よりも速く飛べるのよ」と。自慢の種は尽きず、腕づくで決着となったが、竜神は女性であったため知恵くらべをすることになった。近くの海岸に転がっている黒と白の石を使って囲碁の勝負をしたが、結果は引き分けに。これが博奕岬と呼ばれるようになった由縁で、その証拠に今も海岸には白と黒の大きな碁石のような石が線引きして分かれ、岬の突端にはこのとき勝負した30メートルほどの碁盤石が海に切り立っている。かつて浦入から登るみかん山も今は火電に変身。でも「民話のふるさと」だけはこのままに―。なぜなら竜神とクジラ大王の2人で囲碁ができなくなると困るから…。

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