鶴が羽を広げた姿に似ている舞鶴港。大正2年のふ頭完成以来、貿易の拠点である西港第2ふ頭に、コントラストをつけて映える赤い巨体が…心引かれて現地へ直行―。港湾建物群の中を走る臨港道路500メートル先の突端は、9万平方メートルの広大なコンテナヤード。その2号岸壁に「巨体」は2本足で立っていた。これが港のシンボル「多目的クレーン」である。設備は、海上輸送のコンテナ化に対応して平成元年、約7億円をかけて設置。京都府が管理、荷役業の「港運会」によって運用されている。本体重量570トン、高さは60メートルもあり、最大で45トンを持ち上げる。作業半径36メートルの長い腕が、自由に伸びて動き回り、コンテナを一度に摘んで荷役する「怪物」。また、足元の軌道幅16メートルで185メートルのレール上を移動し、船の形状やあらゆる荷物形態にも対応できるという。舞鶴港の貨物量は約780トン(平成13年)。韓国、中国、TSCSコンテナ船航路のほか、ロシア、パナマからも。木材、麦、鉱石のバラ荷などが入荷する。入港後はこのクレーンが荷役して広場で荷さばき、フォークリフトからトラックに積んで、京阪神へと走る物流コースに乗る。15年目のクレーンに、早くも怪獣クレージーゴンにも似た次なる新世紀ロボットの姿を描く…。港のシンボルに夢が膨らんだ!。
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