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NO.67 「火の見やぐら」(溝尻)   

 万代橋〜千歳橋で信号が赤になった。ふと上流に目を移すと、祖母谷川に馴染んだ風景が広がり、しかも橋詰には木製の「火の見櫓(やぐら)」が建って昔の面影が…。櫓とは火災を早く知らすための望楼。天井には半鐘が吊るされて、今なお「健在」である。明治末期、新舞鶴消防組が発足し、東地区を四部で編成。櫓は第3部地区の市場竜宮橋南詰にあったが、昭和24年?老朽化により解体され、3、4部地区用として現在地へ。昭和40年ごろまで鐘を鳴らして使われていた。叩き方は●―●●●訓練出動、●●●連打が火災出動。記した木札を掛けて、住民への周知を図っていたという。鐘は銅製、撞木(しゅもく)で叩いていたが今はない。櫓は10メートルほどの電柱3本に筋斜交いにして建て上げ、梯子で登る構造となっている。昭和45年の大晦日前夜、年末警戒の打ち上げ解散直後に近隣倉庫から火災が発生!帰宅途中の団員が、この鐘を連打して初期消火に貢献したエピソードも。昭和28年の団条例により、市は20団と制定。火の見櫓を有する東消防団は団員57名。消防自動車3台を持つ筆頭の団として誇り高い。また、祖母谷川は蛇行した「天井川」なるも、改修されて消火水利の役割を果たしている。消防の今と昔。火事の恐ろしさ。ふと見落としていた「火の見やぐら」から、見落としの注意すべきは「火の用心」への心がけ!

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