旧加佐郡、由良川筋6ケ村の1つ「神崎」へ。上東から由良川沿いの一本道を北に約7.5キロ、河口と海に囲まれた自然豊かな村である。由良川に並行して走るディスカバリーが東雲(しののめ)駅から丹後神崎駅に。線路はここで左に急カーブして“由良川の鉄橋”を渡る…。
KTR宮津線とは、JR西舞鶴駅から豊岡まで19駅を結ぶ83.6キロである。その全線で最長の橋がこの「由良川橋りょう」。右岸の西神崎から左岸の由良に架けて全長約552メートル。水面から軌道まで約6.4メートルの高さ、23本の橋脚が河口を横断している。大正13年4月に竣工。実に見事な橋りょうの一言に尽きる。
そこで、この鉄路が秘める80年の「あゆみ」をたどると―舞鶴宮津間は大正13年4月12日、旧国鉄峰山線として開業。昭和7年、舞鶴豊岡間が全通し宮津線と呼ぶ。その後、廃線の危機に直面するも地域住民の生活や経済を守る鉄道として平成2年4月1日、JRからKTR(北近畿丹後鉄道)に転換された。利用客は年間約155万人。1日41本の列車がこの橋りょうを通る。また、この河口周辺では川と海の魚も釣れ、サーフィンと釣り人たちで賑わう場所でもある。
春を告げる“ながらも”(岩場の海藻)の香り…電化の舞鶴線に比べてなお一層のローカル気分が最高!橋りょう完成から80年。ふる里みてある記も80番。“八十(やそ)”にちなんで、走り続けよKTR宮津線!
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