舞鶴市民新聞社の運営する舞鶴市近郊ローカルニュースサイト
      Web みなと舞鶴    http://www.maipress.co.jp
現在地は?
ホーム>> 過去のトピックス >>2004年9月
2004年9月28日

九州などに多く生息するイシガケチョウ
余部下の鷲尾さん、府北部で2例目の採集
 九州などに多く生息するイシガケチョウを9月21日、余部下の鷲尾敏郎さん(72)が自宅裏庭で採集した。府北部では初めての採集記録となった2001年7月以来の2例目。暖地性のチョウが府北部で確認されるのは珍しく、丹後・若狭虫の会は温暖化の影響と台風に乗ってやってきたのかもとしている。  イシガケチョウは主に九州や南西諸島、四国などに分布しており、羽の模様が石垣に似ていることからこの名が付いている。同会の会員、一瀬政人さんが01年7月に大浦半島の空山で採集し、これが府北部での初記録となった。  21日、鷲尾さんの自宅裏庭の池で水を飲んでいる1匹のイシガケチョウを小学生が見つけ、見たこともないチョウだったことから鷲尾さんがネットで採集。チョウはオスで前ばねから後ろばねまでの長さは約4.5センチ。すぐさま桃山町に住む弟で同会会員の鷲尾仁郎さんに届けた。  同会によると、初夏のころから台風が何度も通過したが、これらの台風に乗ってメスのイシガケショウが飛来し、採集場所近くのクワやビワの木に産卵、羽化して発生したものではという。同会事務局長の安川謙二さんは「温暖化が進んだ影響もあり、このあたりでも羽化して見られるようになったのだろう」と話している。

写真=鷲尾さんの自宅裏庭(余部下)で採集されたオスのイシガケチョウ
外国出身女性ら日本語上達、仲間づくり
舞鶴LC「かもめの学校」修了式と入学式
 舞鶴ライオンズクラブが主催する舞鶴日本語教室「かもめの学校」の修了式と入学式が9月25日、浜のホテルマーレたかたで開かれた。韓国やフィリンピンなどの出身で舞鶴に定住する女性の4期生14人が、1年間の勉強を終えて修了証書を送られた。修了生らは日本語が上達し仲間づくりもできたとお礼を述べた。また、5期生となる43人が入学し、日本語などを学び交流する。  海外から舞鶴に来て在住する人たちに、日本語と日本文化を習得してもらおうと、同クラブが開校。小・中・高校などを退職した校長らが指導を担当し、10月から1年間の毎週土曜日、上級〜初級クラスに分かれ、中総合会館で日本語の会話、料理教室、家族ぐるみの交流をとクリスマス会などをしている。  2003年〜04年の4期生で修了したのはフィリピンやタイなど出身の14人。同クラブ前会長でかもめの学校校長の長崎良一さんがお祝いを述べた後、1人1人に修了証書を手渡した。  引き続き04年〜05年の5期生の入学式を開催。4期を終えた人らも含め43人が入学した。同クラブ会長で新校長の松本昭司さんが「今年度から多くの先生方の協力を得て共催をしていただきます。今年も一生懸命勉強して下さい」とあいさつ。5期生を代表して、中国出身の碇美智子さんが元気よく抱負を述べた。  4期を終えた韓国出身の金子芝愛さん(44)=下福井=は「6年前に日本へ来ましたが、最初の2年は言葉がわからず病院に通うほどまいっていました。かもめの学校を勧められ入学し、日本語能力試験で2級に合格でき、先生や友人のおかげと感謝しています。学んだことは日常生活に役立ち、ますます勉強へのやる気が生まれました」と話していた。

写真=長崎校長から修了証書を受ける4期生たち
2004年9月24日

10月9日、心臓病の症状に合わせ運動指導
共済病院・舞鶴ハートケアクラブ
 浜の舞鶴共済病院は、心臓病の予防や再発防止に食事やリハビリなどのアドバイスをしようと、昨年に舞鶴ハートケアクラブ(心臓病と上手につきあう会)を結成し、第2回目の取り組みを10月9日に開催する。心臓病の程度に応じて野外でハイキングやウォーキングコースに分かれ、医療スタッフが同行して指導する。  同病院は、府北部で心臓病(狭心症、心筋梗塞など)と血管系の疾患治療の中心的な役割を果している。特にメスで体を切らずにカテーテル(細管)で行う冠動脈形成術で、昨年は649例の手術をし、近畿内の病院ではトップ。昨年8月には専門医が同乗して現場に向かい、車内で治療ができる移動車型心臓病集中治療室(モービルCCU)を導入。毎月10〜12回の出動がある。  心臓病は治療を受けても再発の可能性があり、治療後は患者の病気への正しい知識と再発防止の指導が大切なことから、患者と病院が連携してケアに取り組もうと、同クラブを昨年12月に設立、1回目は食事療法の講演と指導をした。  2回目は、心臓に不安があるためにどの程度の運動をしていいか分からない人のために、医師らが症状に合わせて運動を指導する。心臓病の治療中の人を対象に、参加希望者は事前に心臓のチェックを受け、状態に応じてハイキング(定員30人)、ウォーキング(同)、院内でのリハビリテーション(定員20人)の3コースに医師が振り分ける。野外の2コースにはモービルCCUが同行。参加は無料。  会員以外の人、他の病院に通院している人も参加できる。
【問い合わせ】電話62・2510、同病院内同クラブ事務局。

写真=症状に合わせ運動をアドバイスする循環器科の多々見主任部長
藍の絞り染め作品づくり
ポリテク2年生が栽培から始め
 上安のポリテクカレッジ京都染織技術科の2年生20人が9月22日、5月から栽培してきた藍で作った染液を使って藍染の作業をした。学生たちはハンカチや麻の布を染液に浸し、絞り染めの技法などで様々なデザインの作品を仕上げていた。  藍の栽培から染める工程まで学生に体験してもらおうと、染色材料学演習で初めて藍染の実習を取り入れた。福知山藍同好会会長の塩見敏治さんが非常勤講師として指導。5月にたで藍の苗を構内の畑に植え、7月と8月中旬に刈り取り、葉を乾かした。  8月25日に大きなポリ容器に葉と水を入れ、発酵させるすくも作りを2週間続けた後、今月(9月)15日に石灰などを混ぜる藍建てをして、約60リットルの染液を完成させた。見事な紫紺の色の染液に、学生らは縫い絞りなどを施したハンカチを3度浸し、実習の体験を作品にまとめた。  2年生の濱元美奈さん(20)は「毎日混ぜる作業はにおいがすごく大変でしたが、きれいに染まってうれしい。卒業制作には糸を藍で染めて作品を作ります」と話していた。

写真=栽培から取り組んだ藍の染液(手前)と染めた作品を手にする学生
2004年9月21日

9月26日に「ミュージアムトークとシンポ」
「糸井文庫」の俳諧史資料の研究成果公開
 市指定文化財の「糸井文庫」の俳諧史資料の研究成果を公開しようと、市は9月26日、北田辺の市民会館などで、ミュージアムトークとシンポジウムを開催する。近世から近代にかけて丹後の俳諧文化と俳諧に関わる人たちの姿を、調査を担当した研究者らが解説や講演などで明らかにする。また、シンポを記念して市郷土資料館では企画展を10月2日から開く。  糸井文庫は、岩滝町出身の実業家、糸井仙之助が収集した丹後に関係する近世の書籍・古文書で、昭和24年にその多くを市が譲り受けた。丹後国内伝説に関する資料など六部で構成され、平成14年度から立命館大学と協力し、デジタル保存に取り組んできた。  同文庫の第2部が「俳諧史資料」。俳諧(俳諧の連歌)の最初の句(発句)を、松尾芭蕉が文学性の高いものへと確立し、明治になって正岡子規が発句だけを残し、俳諧の発句を改め「俳句」と呼ぶようになった。  26日午前10時から西公民館で、研究チームが資料を解説。午後1時から市民会館で「俳苑の光彩〜糸井コレクションにみる丹後〜」と題してシンポジウムをし、英知大学の竹内千代子助教授が「中興期丹後俳壇と芭蕉塚」など3人が基調講演と討論をする。参加は無料。  同資料館の企画展「糸井文庫〜俳諧コレクション〜」は、芭蕉の100回忌に建立された丹後の芭蕉塚建立に関する俳書などを展示をする。10月31日まで。入館無料。

写真=調査研究が行われた「糸井文庫」の俳諧史資料
鷲田マリさんが「be動詞編」第2弾
楽しみながらカードで英会話学ぶ
 英会話教室を主宰する丸山西町の鷲田マリさんが、2枚のカードを組み合わせた英会話の教材「PANDA card ENGLISH」の第2弾「be動詞編」をこのほど完成させた。be動詞を使った肯定文や疑問文の出だしのカードと、日常でよく使う形容詞などの単語のカードを組み合わせた。英会話の基本をこれまでとは異なる発想で、楽しみながら学べる教材として活用してほしいという。  鷲田さんは長年、英会話を教えている体験から、日本人が英会話につまずきやすい点を研究。日本語の会話の構造を分析・分解し、それに対応した英会話の基本的な思考回路をカードでトレーニングする方法を考えついた。  4月に第1弾の一般動詞編(黒パンダ)を作成し、日本語の微妙な言い回しを使い分け、2、3年間の海外留学で身につく感覚を、だれでもカードで学べると人気を集め、京阪神の丸善やジュンク堂などの書店でも販売している。また、南公民館や倉梯第2小学校でもこのカードを使って英会話を指導。最近ではユニバーサル造船所の職員に教え、基本的な英会話ができる職員らも新しい発想法に関心を高めているという。  続編のbe動詞編(茶パンダ)は256枚のカードからなる。表には「私は(の)(で)ある/いる(ま)す」、裏にはそれを英語にした「I am〜」と書いた肯定文と疑問文、否定文の3パターンの出だしカード、表に「楽天的な」、裏にその英語の「optimistic」などの形容詞、受動態、進行形の単語を書き、これらを組み合わせて使う。1セット2100円。浜のナナハウス(電話63・7177)とホームページ(http://www.geocities.jp/washidanana/)、市内の書店などで販売している。

写真=新しい発想で学べると話す鷲田さんと続編のカード教材
2004年9月17日

9月26日に「2004交通安全フェス
子供たちが交通ルールの大切さ学ぶ
 秋の全国交通安全運動(9月21日〜同30日)の一環として、子供たちが楽しみながら交通ルールの大切さを学ぶイベント「2004交通安全フェスティバルin舞鶴」が、9月26日午前9時半から上安の舞鶴自動車学校コース広場で開かれる。舞鶴市交通対策協議会、財団法人舞鶴交通安全協会など主催。  イベントでは、市内の小学校低学年児童と幼稚園児を対象とした「こども安全教室」(午前10時半〜正午)がある。内容は、児童50人と保護者を対象に、特設コースを自転車で走行する実技テスト、筆記テストの「親子自転車教室」、自由参加のチャイルドシート装着クイズなど交通安全の7つのクイズ・コーナーをスタンプラリー形式で回る「親子でチャレンジ!交通安全物知りコース」。  このほか、子供たちに人気のキャラクターショー「特捜戦隊デカレンジャー」(午前10時と午後0時50分からの2回上演)、京都府警察平安騎馬隊の体験乗馬(午前10時半〜正午)、海上自衛隊舞鶴音楽隊の演奏(正午から午後0時40分)がある。また、会場にはサービスコーナーを設けて、参加者に交通安全の広報資料を配布するほか、うどんやお茶、ジュースなどを提供する。
【問い合わせ】電話75・1613、舞鶴交通安全協会内の同フェスティバル事務局。

写真=イベントをPRするちらし
河辺八幡神社で「獅子舞講」
古式豊かに「鉾の舞」など3つの舞
 河辺中の河辺八幡神社(坂根章宮司)で9月12日、五穀豊穣・無病息災を祈願する秋の伝統祭礼行事「獅子舞講」があり、さわやかな秋空の下、古式豊かに3つの舞が奉納された。  この祭礼は、昭和59年5月に舞鶴市の無形文化財に指定され、河辺地区の6集落の八幡神社宮講が保護団体となって伝承している。この日は同神社宮係や区長らを中心に氏子約200人が参加した。  祭礼は、各地区の氏子が約30本の幟旗を持っての宮入りで始まった。坂根宮司の神事に続いて、本殿前の拝殿で、各地区から選ばれた12人の舞人が、3つの舞を奉納した。古式にのっとり、スローなテンポの笛の音に合わせたユーモアたっぷりの「鉾の舞」(王の舞)、シンプルなリズムで太鼓を打ち鳴らす「太鼓の舞」、大きく真っ赤な獅子頭が天や地に向かって舞う「獅子の舞」があり、見物客から大きな拍手が起こった。  また、子供の健やかな成長を願って、舞い終わった獅子頭の口に、親が抱いた子供を噛んでもらったが、泣きだす幼児もいて、境内に笑いを誘った。  河辺老人会の岸正道会長によると、3つの舞は、平安から鎌倉時代の伊勢方面の流れをくんでおり、河辺地区では室町時代から奉納されているという。
(記事と写真 ボランティア記者・河西昭彦さん)

写真=獅子頭に噛んでもらい泣きだす幼児
2004年9月14日

市防災センター・東消防署
9月18日からライミング施設開放
 舞鶴市消防本部は、浜の市防災センター・東消防署に設置している山岳救助訓練用のクライミング施設を、スポーツクライミングの練習に活用してもらおうと、9月18日から市民に開放することにした。開かれた消防活動の一環として、一定の条件を付けた上で利用を開始する。  防災センター・東消防署は今年四月に完成した。消火体験室や立体映像シアターなどを備え、市民が防火・防災を体験しながら学ぶことができる施設。また、救助者を下から引き揚げて救出する訓練などの設備も併設した。  建物東側の壁に設置したクライミング施設は、山岳での遭難者を救助する想定で、隊員らが訓練に使っている。コンクリート製で高さは15メートル、幅1.5メートル。壁面に付くプラスチック製のホールドに足や手をかけて登る。上に向かって緩やかに手前に傾斜し、頂上部では1メートル迫り出している。落下防止で上から命綱を付けて訓練をする。  同センターの建設にあたり市民に開かれた消防を目指そうと、クライミング施設の一般開放を検討。建物の完成後は市民からの利用の要望も受け、隊員らが4月から訓練で使う中で安全面の確認の準備を続けていた。  利用は5人以上の団体のみで、時間は午前9時〜午後5時。雨天や同センターの休館日(12月29日〜1月3日)、消防業務がある場合は利用できない。幼稚園児・小学生は保護者の立会いが必要。初心者には消防本部救助係員が指導する。中学生以下の人が上まで登り切れば完登証を交付する。利用希望日の7日前までに同センターに利用申請書・誓約書を提出。申し込みは同センター(電話65・0216)。

写真=開放される高さ15メートルのクライミング施設
新鮮な魚介類など即売「昼市」
舞鶴漁協青年部、毎月第2日曜日午後
 舞鶴漁協青年部(田村信二部長)の「昼市」が9月12日、下安久の舞鶴漁協荷さばき所で開かれた。魚介類の消費拡大を狙いとした鮮魚の即売で、この日は岩ガキ、サザエ、ササガレイ、オキギスが格安で販売された=写真。  「昼市」は、同青年部が「魚介類を食べよう・もっと海を身近なものに推進会」(北村俊雄代表)を設立、平成15年3月から夏場を除いて月1回定期的に開催している。これまでに口コミなどで客層が広がり、特にカニのシーズンはにぎわうという。  今回で10回目を迎えた「昼市」には、9月から解禁された底引き網漁で水揚げされたササガレイ、オキギス、青年部員がこの日朝に捕った岩ガキ、サザエが販売された。自転車で訪れた女性は、岩ガキとサザエを購入、その安さに驚いていた。また、「昼市」では、サザエなど、その場で賞味できるよう、毎回炭火を準備している。  「昼市」は、来年4月まで毎月第2日曜日午後2時から同5時まで開かれる。荒天の場合は中止。
【問い合わせ】携帯090・8829・2527、北村さん。

2004年9月10日

11月、「ニワトリはハダシだ」舞鶴で先行上映
「シマフィルム」志摩さん製作総指揮の映画
 舞鶴をロケ地にして、舞鶴の近現代史を背景に、そこで暮らす家族の物語を描いた映画「ニワトリはハダシだ」(森崎東監督)の上映が決まった。11月5日に浜の総合文化会館、同7日に北田辺の市民会館で上映する。その後、同13日から東京渋谷シアター・イメージフォーラムで公開され、順次全国で上映される。今年2月の第54回ベルリン国際映画祭に招待を受け、高い評価を受けており、公開が待たれていた。  映画製作をする「シマフィルム」の志摩敏樹代表(41)=北田辺=が製作総指揮にあたった。これまでにも故・相米慎二監督の「風花」に関わった。今回は舞鶴を舞台にした映画づくりの思いを「生きているうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言」などで知られる森崎監督に伝え、メガホンをとる快諾を得た。  映画は旧海軍のもとに発展した町の歴史を背景に、浮島丸事件の生存者の在日朝鮮人を母にもつ2世の女性とその夫、彼らの子供で知的障害をもつ少年の家族、養護学校の教諭の家族の物語。警察の汚職や家族の絆など、社会が抱える問題をユーモアを交え、エンターテイメントとして仕上げた。出演は原田芳雄さんや倍償美津子さんら。  昨年5月から6月に吉原やみずなぎ学園、浮島丸殉難の碑などでロケが行われ、地元の人たちもエキストラ出演。ベルリン映画祭・フォーラム部門に招待を受け絶賛され、ドイツなどでの上映の申し込みがあった。国内ではザナドゥの配給で上映が決まり、舞鶴で先行上映される。志摩さんは「作るよりも公開の難しさを感じただけに舞鶴での上映はうれしい」と話していた。  5日と7日の上映はいずれも(1)正午(2)午後3時(3)同6時。前売り1500円(当日300円増し)。チケットは両会館、CASネットワークなどで発売。
【問い合わせ】電話64・0880、市文化事業団。

写真=映画「ニワトリはハダシだ」をPRするちらし
「食をモチーフ」命への尊厳を込めて描く
9月13日まで、きぬかわことみさん絵画展
 西神崎在住の画家、きぬかわことみさんの絵画展が、浜のギャラリー・サンムーンで開かれている。「ライフ・シリーズ」として、食卓にのる玉ネギや青リンゴの水彩と油彩の新作、人の貪欲さを描いた初公開の作品など37点を展示。人の命を支えるすべてのものの命への尊厳を込めている。9月13日まで。  きぬかわさんは神崎の海辺のアトリエで創作活動を続け、ギャラリーを併設して作品を展示している。明るい色彩感の花などの静物画、自分の感じたことをイマジネーション豊かな表現で描き上げた作品がある。  ここ数年、食の安全を揺るがす事件が続き、その根底には人の欲望の果てし無さと他の命に対する謙虚さがないことを感じ、命に対する尊厳を感じてほしいと、食をモチーフにライフ・シリーズを制作した。青いテーブルクロスの上の皿に1つの玉ネギがのる「食卓/オニオン」は、これから食べられる玉ネギが静かに語りかけている。同作品は水彩と油彩の2作を描き、対比できるようにした。  また、食べられる命の一方で、喰らう人の貪欲さを描いた4点のシリーズも初公開。不可視な敵の放射能に汚染されていく人をクレヨンなどで描いた「毒を呑みこむ」など、強いメッセージが込められている。きぬかわさんは「人は他の命を犠牲にして命をつないでいますが、最近は無意味に多くの命を取り上げている。すべてのものに対して命を感じる謙虚さを持ちたい」と話していた。期間中、画廊に滞在している。
【問い合わせ】電話63・4858、サンムーン。

写真=ライフ・シリーズ「食卓/オニオン」の水彩と油彩対比作品
2004年9月7日

山口選手に市スポーツ特別優秀賞
アテネ五輪「陸上・男子1600メートルリレー」4位
 アテネ五輪陸上競技の男子1600メートルリレーで、日本チームのメンバーとして4位に入賞した舞鶴出身の山口有希選手(20)=東海大3年=に9月6日、江守光起市長から市優秀スポーツ賞の特別優秀賞が授与された。山口選手は「大舞台での経験を生かして、北京五輪に出場できるよう頑張りたい」と抱負を述べた。  この日、山口選手は中学時代の恩師、城北中学の秋原栄人教諭(42)とともに市役所を訪問した。玄関前では、市職員らが拍手で出迎え、花束が贈られた。この後、市役所特別応接室で、江守市長から特別優秀賞の賞状と記念トロフィーを受けた。  江守市長は「1600メートルリレーでは、3位とわずか0・09秒差でメダルを取れず残念だったが、よく頑張ってくれました」と健闘をたたえ、「北京五輪に向けて、ケガと紙一重の差の激しい練習になると思いますが、これに耐えて出場をめざしてほしい」と励ました。  山口選手は「1600メートルリレーは、チーム種目なので失敗が許されず緊張しました。しかし、昨年8月のパリ世界大会より力が出せました」と感想を話していた。

写真=江守市長から市ポーツ特別優秀賞のトロフィーを受ける山口選手
岡本清美さん・勢さん夫妻の『孫育て日記』
教職の経験生かして成長記録出版
 明倫小学校などで校長を務めた岡本清美さん(63)と妻の勢さん(64)が、次男夫婦の孫を預かり育てた198日間の記録をまとめた『孫育て日記』(新風舎、2A5判、169ページ)を出版した。退職と同時に神奈川県川崎市に引っ越した2人は、教職の経験を生かして、その成長ぶりを見つめて記録している。これから子育てを始める人にも参考になればという。9月上旬から市内の書店で販売する。  清美さんは2001年に明倫小校長を最後に退職、勢さんも同じ年に中筋小の教諭を最後に退職した。退職後は2人の息子たちのそばで過ごそうと川崎市に転居し、次男夫婦と同じマンションの隣同士で暮らしている。  かつて仙台市に住んでいた岡本さん夫妻は共働きで、当時いまのように乳幼児の保育所がなかったため、生後1カ半の2人の子供を近所の夫妻に、長男が5歳、次男が4歳になるまで日中預かってもらった。そうした子育ての苦労の体験から、次男の妻の育児休業が明けたら孫を預かろうと思った。  02年11月18日から4カ月の京太朗ちゃんを預かったが、次男夫婦に引き継ぎ、子育ての改善に役立てばと 二人は日記をつけ始めた。飲んだミルクの総量、おむつ替えの様子、ちょっとした変化や感想など11項目を設けた。土・日曜などを除き翌年の9月25日まで198日間預かり、毎日続けた。  日記を形に残し、孫が大きくなった時に振り返ってもらえればと、出版社に日記を持ち込み、感想などを選び収録。孫を見守るほほえましい祖父母の心情を書くほか、厳しくしつけるなどの注意も掲載した。清美さんは「赤ちゃんの成長を記録した内容にもしましたので、子育てのお役に立てれば」と話していた。いま孫育てと日記も再開している。1冊1890円。舞鶴堂書店、浪江書店などで発売。

写真=岡本清美さんと妻の勢さん共著の本
2004年9月3日

宗派・教派をえ「舞鶴宗教者懇話会」結成
10月31日に弁論大会、発表者を募る
 宗派・教派を超えた市内の宗教者が「舞鶴宗教者懇話会」(能登春夫代表)を結成し、10月31日午後1時半から浜の総合文化会館で、「市民による宗教弁論大会」を開催する。混迷の時代にあって心と宗教の果たす役割を見直そうと、市民にふだんの生活の中で心の支えとしている思いや体験を語ってもらい、生きる指針を探ろうと企画。懇話会のメンバーらも市民に向けてメッセージを述べる。発表者を募っている。  各地で紛争が続き、経済優先のもとに人の命が軽んじられ、自殺や虐待などの深刻な問題が社会に影を落としている。そうした社会にあって宗教者として何ができるかを考えようと、桂林寺の能登住職が呼びかけ、問題意識を共有する宗教者有志が、昨年六月に同懇話会を設立。天理教、キリスト教、仏教など宗派・教派を超えて参加している。  その取り組みの第1回として、「市民による宗教弁論大会」を企画。自分の心に向き合い心の拠り所をもう一度取り戻す機会にしてもらうと、市民に発表してもらう。ほぼ毎月1度、桂林寺で会合を開き大会に向けて準備を積んできた。先月からは発表者(弁士)を募集しているが、大人に混じって2人の高校生が応募した。寄せられた原稿の中から事前に審査を行い、8人の発表者を決める。  発表テーマは自由だが、「祈るこころ〜生きる力〜」に沿ったものを募っている。発表時間は8分以内(400字詰め原稿用紙5、6枚)。応募資格は年齢・性別・国籍を問わない(宗教者、宗教団体の代表役員を除く)。応募締め切りは9月30日。大会では、ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さん、曹洞宗総合研究センター所長の奈良康明さん、松尾寺住職の松尾心空さんが論評委員、文教大学教授の青木利夫さんがコーディネーターを務める。  能登代表は「市民の皆さんにふだんの言葉で思いを伝えてほしい。今後も連帯して懇話会の活動も続けたい」と話していた。申し込みは弁士審査申込書と原稿を添えて、〒624―0936紺屋町69 桂林寺内「市民による宗教弁論大会」事務局。詳しくは同寺(電話75・0168)か、ホームページ(http://www.eonet.ne.jp/~ekakusan/)で。

写真=弁論大会に向け話し合う宗教者たち
花家族絵手紙サークルが作品展
9月15日まで東舞鶴郵便局ロビーで
 浜の東舞鶴郵便局ロビーで、花家族絵手紙サークル(北川節代代表)の作品展が開かれている=写真。9月15日まで。  同サークルは、今年7月に北川代表ら7人の絵手紙愛好者で結成。月2回のペースで集まり、絵手紙の創作を続けている。今回初めて、「絵手紙がたのしくて」とのタイトルで作品展を開いた。夏の花のヒマワリや百日草、夏野菜などの絵に一文を添えたはがきの作品73点が展示されている。  北川代表は「これかろも季節ごとに作品展を開く計画です。次回は年賀状の絵手紙作品展を予定しています」と話している。

サイトマップお問い合わせメールマガジンお申込み
当サイトに掲載されている情報・画像を、無断で転用・複製することを禁じます。
Copyright © maizurushiminshinbun all rights reserved.