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2005年8月30日

西高の大江君、自己ベスト更新し優勝
全国高校定時制通信制陸上・砲丸投げ
 8月11日から14日まで東京の国立競技場で開かれた第40回全国高等学校定時制通信制陸上競技大会で、西舞鶴高校通信制課程2年の大江佑樹君(18)=宮津市小寺=が、男子砲丸投げ種目で13メートル03を投げて優勝した。投げるたびに自己ベストを更新した。「集中できたのがよかった。来年は他の種目でも上位を目指したい」と喜びを表した。  大江君は宮津市の栗田中学校時代に陸上部で、3種B競技で近畿大会に出場。通信制入学後は夕方から仕事をしているため、日曜の通学時や平日の午前中と限られた練習しかできない中、府予選会で11メートル81で優勝した。  全国大会には87選手が出場した。予選の通過記録は11メートル50で、1投目に11メートル90を投げてクリアし、12人が決勝に進んだ。決勝の3投目で12メートル90でトップに立ち、その後ベスト8の選手八人で優勝を争い、1投目で13メートル03を投げた。  大江君は「目標が12メートル50だったのでびっくりした。松岡先生のアドバイスでリラックスできた」と話す。陸上部顧問の松岡功教諭は「大会での自己ベスト更新の優勝は素晴らしいことだ」と讃えた。  また、東舞鶴高校浮島分校の3年、井上拓磨君(17)=余部下=が400メートルリレーと走り幅跳び、同、高橋了斗君(同)=朝来中=が800メートルに出場した。井上君はリレーで決勝に進出、走り幅跳びは84人中13位、高橋君は88人中23位とそれぞれ自己ベストを更新した。

写真=大会の優勝トロフィーと賞状を持つ大江君
「縄文丸木舟再生プロジェクト」発足
市教委公募の市民スタッフ22人
 舞鶴市の浦入遺跡から出土した縄文時代の丸木舟の復元に取り組む市教委の「縄文丸木舟再生プロジェクト」が、このほど発足した。公募の市民22人がスタッフとなり、復元のための道具作りなどを行い、10月8、9日に開催される赤れんがフェスティバルで作業を開始する。完成は平成19年3月の予定。  再生プロジェクトでは、作業開始に先立ち、このほど事前学習として、小浜市の若狭歴史民俗博物館、若狭町(旧三方町)の若狭三方縄文博物館を訪問した。スタッフ19人に市教委の職員3人が同行した。  若狭歴史民俗博物館では、同館所蔵の鳥浜1号丸木舟を見学しながら、敦賀短期大学の網谷克彦助教授から縄文時代の木工道具、舟造り技術など丸木舟再生のための基礎技術を学んだ。  若狭三方縄文博物館では、実際に丸木舟の再生に取り組んでいる事例報告、作業の進め方などについて、担当の学芸員から説明を聞いた。この後、展示されている鳥浜貝塚ユリ遺跡出土の丸木舟と再生された丸木舟を見学、スタッフは丸木舟をカメラに収め、縄文の高度な技術に驚いていた。  浦入遺跡の丸木舟は、平成10年2月に出土した。約5300年前の縄文前期の丸木舟(全長約8メートル)で、国内では最大最古級。外洋にも使用されたと推測されている。再生プロジェクトでは、今後、丸木を削る石斧に使用する石を集め、石斧に取り付ける柄の製作などを行う。 (記事と写真 ボランティア記者・河西昭彦さん)

写真=若狭三方縄文博物館で展示されている丸木舟を見学するスタッフら
2005年8月26日

浮島丸事件 殉難60周年集会
追悼する会、事業継続へ決意新た
 終戦直後に多数の朝鮮人らが犠牲となった浮島丸事件の殉難60周年追悼集会が8月24日、下佐波賀の殉難の碑公園で行われた。事件から60年の節目を迎えたことから、犠牲者の遺族や遺体の収容活動に関わった人をはじめ約400人が訪れ、冥福を祈った。また、集会を主催した「浮島丸殉難者を追悼する会」は事件から東アジアの平和をテーマに考えるシンポジウムも開き、追悼を続けることで誤った歴史を繰り返さないとの決意を語り、パネリストたちが追悼の意義の重要さを述べた。  労働に従事させられていた朝鮮人とその家族を乗せた船「浮島丸」が青森県から出航し、1945年8月24日に朝鮮半島へ向かう途中で舞鶴湾内で謎の爆沈をし、日本人乗員らも含め549人が亡くなった。舞鶴市民らが毎年追悼を続けるとともに、事件を題材とした映画「エイジアンブルー 浮島丸サコン」も作られた。  集会では、野田会長が「事件から教訓を学び取り、平和の確立に向けて力を尽くしたい」と追悼の辞を述べた。今年は長年の追悼事業に感謝したいと、駐大阪大韓民国総領事名の感謝状が、金庚壽(きむきょんす)領事から野田会長へ贈呈された。また、京都朝鮮学園の生徒や在日朝鮮人の女性コーラスグループらが追悼歌を合唱し、美しい歌声が海に響いた。  平海兵団にいた花崎保さん(78)=福知山市=は事件の翌日、遺体の収容作業にあたった。事件のことがずっと気になり、この日、初めて集会に参加した。「朝目が覚めたら重油の臭いが充満していて驚いた。ああしたことが2度と起こらないよう、朝鮮・韓国の人たちと手を取って仲良くしなければ」と、60年ぶりの爆沈現場の海を見つめていた。

写真=金領事から感謝状が贈られ、お礼を述べる野田会長(左)
中国・内蒙古自治区の砂漠緑化へ
舞鶴東RCが派遣団、植樹や枝打ちなど
 舞鶴東ロータリークラブ(稲田尚会長)が、中国・内蒙古自治区のシリンホト砂漠などへ、緑化活動のための派遣団を結成し、8月26日〜同31日の日程で、現地においてポプラの植樹や枝打ちなどに取り組む。NPO法人・沙漠緑化アミダの森(本部・広島市)が取り組む植林活動を支援する形で、クラブの会員をはじめ、呼びかけに応じた若者や市民ら19人が参加する。  中国では乱開発や過伐採、地球温暖化による少雨によって、内陸の砂漠化が急激に進んでいる。場所によっては1年に200〜1800メートルの速度で砂漠が広がる。砂漠化をくい止めようと、鳥取大学教授の故遠山正瑛さんが、中国での緑化活動をスタート。遠山さんに賛同した同アミダの森は、緑の協力隊として1997年から活動を始め、クブチ砂漠など3カ所で約200万本の木を植えた。  間伐などの手入れを続け、いまでは植えた木が防風林の役目を果たし、内側でムギや野菜などが育てられている。また、木の苗木は地元の人に育ててもらい、それを同法人が買い取っているが、その費用が子供たちの教育基金になっている。  稲田さんは約7年前からほぼ毎年、同アミダの森に協力して現地で植林活動をしてきた。今回は東ロータリークラブの事業として取り組むことを決めた。会員6人、10代と20代の若者10人らが参加し、クブチ砂漠などで植樹などを行う。  稲田さんは「これらの地域は本来森だった所が数十年の内に砂漠になってしまったが、いま木を植えれば森に戻すことができる。手をこまねいているよりはまず行動を」と話していた。

写真=植樹した木にバケツリレーで水をやる緑化活動(2002年中国ホルチン砂漠)=NPO法人「沙漠緑化アミダの森」提供
2005年8月23日

全国JOCジュニアオリンピックカップ
夏季水泳大会に舞鶴から3選手
 26日から30日まで東京辰巳国際水泳場で開かれる全国JOCジュニアオリンピックカップ夏季水泳競技大会に、アイエムスポーツ倶楽部舞鶴所属の日笠優太選手(城北中2年)と安食佳奈選手(中筋小6年)、まいづるスイミングクラブ所属の森脇正悟選手(朝来小6年)が出場する。日笠選手は自由形50、100、200メートルの3種目に出る。3人とも自己ベストの更新を目指している。  6月に同大会予選会があり、日笠選手が男子自由形50メートルにおいて、26秒02で1位、安食選手が女子自由形50メートルにおいて、29秒65で1位になり、全国大会の標準記録を突破し出場を決めた。日笠選手はすでに100、200メートルの標準記録も破り、出場権を得ていた。安食選手は初出場となった。  日笠選手は水をつかむ感覚がするどく、過去4年間の春季と夏季のジュニアオリンピックカップに出場した経験がある。「目標としていた3種目の出場を果たすことができうれしい」という。ぜんそくを克服するために水泳を始めた安食選手は、大きな体を使ったダイナミックな泳ぎをする。「全国大会の出場をこれまでも狙っていましたが、最後の試合でキップを手にできてうれしい」と話していた。  森脇選手は同予選会で男子背泳ぎ50メートルに出場し、標準記録を突破する33秒49の2位で、初の全国大会出場を決めた。水に慣れ親しむため小学1年生から同クラブに通い、選手コースに入るまでに上達。常藤俊彦主任コーチは「コツコツと努力型で内に闘志を秘めている。120%の力を出してがんばって」とエールを送る。森脇選手は「自己ベストの33秒41を切りたい」と張り切っている。

写真左=アイエムスポーツ倶楽部舞鶴所属の日笠選手((城北中2年・左)と安食選手(中筋小6年)
写真右=まいづるスイミングクラブ所属の森脇選手(朝来小6年)
8月28日、箏アンサンブル斗為巾コンサート
沢井一恵さんらゲストに市民会館で
 箏アンサンブル斗為巾(立道明美代表)主催の第15回コンサートが、8月28日午後1時から北田辺の市民会館で開かれる。世界的な箏曲の演奏家、沢井一恵さんらをゲストに迎え、メンバーらが共演する。  生田流箏曲の立道さんと主宰する教室で学ぶ人たちが出演する。 今回はヴァイオリニストの五嶋みどりさんとも共演した沢井さんと、若手演奏家で作曲家でもある沢井比可流さんをゲストに迎える。現代邦楽の独奏のほか、メンバーらとジョイントする。  曲は「Kのための斗為巾」「ままの川」「祭の太鼓」「鳥のように」「童謡メドレー」など。入場料は1000円。
【問い合わせ】電話62・2496、立道さん。

写真=ゲストに迎える世界的箏曲演奏家の沢井さん
2005年8月19日

少年・鶴友クAと学童上級・中筋が優勝
全舞鶴少年野球、8月20日に学童下級1・2回戦
 第16回全舞鶴少年野球選手権大会(舞鶴野球連盟主催、舞鶴市民新聞社など後援)は8月13、14日、行永の舞鶴球場で、少年の部と学童上級の部の準決勝、決勝が行われ、少年の部は、鶴友クラブAが2年ぶり7回目、学童上級の部は、中筋少年野球クラブが4年連続4回目の優勝を果たした。  少年の部の決勝は、鶴友クAと高野ドジャースで争われた。鶴友クAは初回、鮮やかな集中攻撃で一挙4点を奪い、高野ドの反撃を1点に抑えて、4―1で勝った。  学童上級の部の決勝は、中筋少年野球クと南舞鶴スポ少の対戦となり、初回に6点、2回に3点と得点を重ねた中筋少年野球クが、9―5で勝った。南舞鶴スポ少は2回に2点、3回に3点を返す粘りを見せたが及ばなかった。  決勝戦の後、表彰式があり、舞鶴野球連盟の倉橋貢会長が、優勝した鶴友クA、中筋少年野球クに市長旗と舞鶴市民新聞社杯を授与して、決勝に勝ち進んだチームの健闘をたたえた。  学童下級の部は、8月20日午前9時から行永の東舞鶴公園陸上競技場で、1、2回戦を行いベスト4が決まる。準決勝、決勝は同28日午前9時半から余部下の市民グラウンドで行われる。
 結果は次の通り。  【少年の部】準決勝=高野ドジャース3―0鶴友クC、鶴友クA4―0中筋少年野球ク▽決勝=鶴友クA4―1高野ドジャース  【学童上級の部】2回戦=中筋少年野球ク8\1志楽ドリームズ▽準決勝=南舞鶴スポ少13―6志楽少年野球ク、中筋少年野球ク5―4舞鶴東スポ少▽決勝=中筋少年野球ク9―5南舞鶴スポ少

写真左=少年の部で優勝した鶴友クラブA
写真右=学童上級の部で優勝した中筋少年野球クラブ
NPO法人・まちづくりサポートクラブ
母親の視点で子育て支援情報誌
 NPO法人・まちづくりサポートクラブ(増山寛一代表理事)は、子育て支援情報誌「まいづる発信 えがおのもと〜子育て情報〜」をこのほど発行した。子供連れで安心して利用できる美容院とお薦めの近隣の公園を、母親の視点から紹介している。希望者には、西市民プラザや市女性センター(中総合会館)などで無料で配布している。  子育てをテーマに取り組む同クラブの親子部会は昨年、子育て支援ネットワーク名刺交換会を開き、参加した子育て真っ最中の女性たちが、子育て支援事業を自分たちの手でと、「舞鶴親子ネットワーク スリーピース」を結成した。その活動の1つとして子育て情報を発信しようと、スリーピースで冊子チーム(幸寺幸代表)を作り、取材・編集を担当した。  子育て支援情報誌はA5判、14ページ。子供同伴で安心して利用できる美容院の情報として、舞鶴市美容師組合加盟店と加盟外の口コミで知った店に対し、子供用の絵本やおもちゃの有無、子供が遊ぶスペースの有無など5つの質問とその回答を掲載した。また、実際に美容院を取材しての報告もある。公園探検のコーナーでは市内の公園のほか、大飯町のきのこの森など6カ所の公園の遊具やおむつ替えコーナーなどについて紹介している。  1000部作成した。総事業費は60万円。独立行政法人・福祉医療機構子育て支援基金の助成を受けた。今年度内にもう1回発行する。
【問い合わせ】電話77・0086、同クラブ事務局。

写真=子供連れで利用できる美容院などを紹介した情報誌
2005年8月12日

全国中学陸上に舞鶴から男子3選手
城北中と青葉中から中上、今崎、小林選手
 第32回全国中学校陸上競技選手権大会(8月19〜同22日、岐阜市長良川陸上競技場で開催)に、舞鶴から男子3選手が出場する。いずれも標準記録を突破しての出場で、全国大会での活躍が期待される。  出場選手は、100メートルの中上拓司選手(城北中2年)、1500メートルの今崎俊樹選手(同3年)、砲丸投げの小林克己選手(青葉中3年)。  中上選手は、府大会(7月27、28日、西京極陸上競技場)の2年100メートルで、11秒23の大会新記録で優勝、標準記録(11秒30)を突破した。近畿大会(8月6、7日、同競技場)でも、向かい風の中、11秒47で優勝した。全国大会の100メートルは、共通種目となり、3年生とも争う。中上選手は「2年生なので楽しく走り、準決勝進出が目標」と話している。  今崎選手は、全国通信陸上(7月3日、西京極陸上競技場)の1500メートルで、4分7秒78をマークして、標準記録(4分12秒)を突破した。自己ベストは、中丹大会(6月19日、丹波自然運動公園陸上競技場)で記録した4分7秒13。今崎選手は「自己ベストで決勝に進出したい」と話している。  小林選手は、全国通信陸上で、標準記録(14メートル50)を突破する14メートル60台の記録をマークした。その後も記録を伸ばし、近畿大会では、自己ベストの15メートル48で2位に入賞した。15メートル台の記録を連発しており、16メートル台の記録も期待できる。小林選手も「16メートルを投げて、入賞をめざす」と話している。  城北中陸上部顧問の秋原栄人教諭(43)は「中上選手は軸がしっかりした力強い走りが特徴。今崎選手は足の長さを生かした柔らかい走りができ、優勝も狙える」と期待している。青葉中陸上部顧問の阪口靖敬教諭(32)は「小林選手はコツコツと努力する選手で、全国大会では気負わず悔いのない試合をしてほしい」とエールを送っている。

写真=全国大会への出場を決めた小林、今崎、中上選手(左から)
「浮島丸殉難者を追悼する会」に
韓国政府から感謝状、8月24日に追悼集会とシンポ
 終戦直後に起きた浮島丸事件の犠牲者の追悼を続ける「浮島丸殉難者を追悼する会」(野田幹夫会長)に対して、韓国政府から感謝状が贈られることになり、8月24日の追悼集会で、駐大阪大韓民国総領事館の領事が出席して伝達する。一方、同会は戦後60周年を迎えるのを機に、事件をテーマに東アジア国際平和シンポジウムを開くが、資金集めが難航している。カンパの協力を呼びかけている。  青森県で土木作業を強いられていた朝鮮人労働者とその家族を乗せた「浮島丸」が、帰国のため朝鮮半島釜山に向け航行の途中の1945年8月24日に舞鶴湾に寄港、謎の爆沈をし、朝鮮人と日本人乗組員の549人が死亡した。市民らが毎年追悼を続けて浮島丸事件を語り継ぎ、映画化や韓国市民との交流も実現した。  戦後60周年の機会に、追悼の取り組みをする日本人に感謝の気持ちを伝えたいと、韓国政府から感謝状が贈られることになった。同領事館のキム・キョンス領事が集会に参加する。同会の須永安郎事務局長は「日韓の政府間の関係がぎくしゃくする中、市民交流の点でも評価されたのでは」と話している。  シンポはこの日の午後2時から浜の市商工観光センターで開催。広島市立大学広島平和研究所所長の浅井基文さんがコーディネーターを務め、中国と韓国の研究者をパネラーに迎える。入場無料。京都市や滋賀、石川などからも参加したいと関心は広がっている。  その一方、渡航費や同時通訳者など約300万円の費用がかかる。当初は2つの基金に申請したが補助が受けられず、市民や団体にカンパを募ることにした。これまでに45件、約50万円のカンパが寄せられた。募金の振込先は郵便振替01030―7―59465 浮島丸受難者を追悼する会。
【問い合わせ】電話62・2374、須永さん。

写真=事件現場の海を見つめ静かに立つ殉難の碑
2005年8月9日

舞鶴出身の田主さん(茨木市)が新作14点
カラー版画を市商工観光センターに展示
 舞鶴出身の版画家、田主誠さん(62)=茨木市=が、百景の制作を目指しているカラー版画「いいとこ舞鶴」の新作14点を完成させ、浜の市商工観光センター1階に展示している。戸島でコンサートのように聴こえたヒグラシの鳴き声、神崎の松林など、舞鶴のすばらしい自然と思い出を素朴で詩情あふれるタッチと色彩で描いた。この内、8点は版画絵はがきの第2集として近く販売される。  東舞鶴高校を卒業した田主さんは独学で版画を学び、多数の国際版画展で入選。国立民族博物館に転職し、民族博物誌シリーズなどの版画を制作したほか、独立後は新聞などにも作品を発表してきた。本紙でも「ふるさとの風」で文章と版画を掲載している。  ふるさとへの思いも強く、いつか舞鶴の姿を版画で伝えたいと、2001年に第1集の版画絵はがき8点を発表した。赤煉瓦倉庫群や与保呂川沿いの朝市などを描き、独自のシルクスクリーンの技法で、奥行きや透明感ある色彩の作品に仕上がった。それらの版画作品は寄託を受けた同センターで展示されていた。  百景を目標に取り組む予定だったが、その後体調を崩すなどし、4年ぶりに続編となる新作を制作した。戸島でのヒグラシの降るような鳴き声を三角形の点を連ねて描いた「ヒグラシのオーケストラ」、冠島の祭礼で上陸した子供たちを描いた「雄島参りの小学校」、田主さんが子供時代から願をかけていたという思い出の樹木である「松尾寺の大スギ」などがある。これまでの8点と入れ換えて、同センターで展示している。入場無料。  田主さんは「あわただしく変化する情報化時代の中にあって、ふるさとのしみじみとした風景と情味が伝われば。近いうちに百景を描いて版画集を作りたい」と話していた。  また、新作の発表を記念して、田主さんと東高の同期の同窓生有志が、同センターでこのほど「田主誠さんと舞鶴を語る集い」を開き、関係者ら約70人が出席。松尾寺の松尾心空住職らが「今後の一層の活躍を」とエールを送り、田主さんは「ふるさと舞鶴がもっと文化の高いまちに育ってほしい」と語った。

写真左=版画作品「ヒグラシのオーケストラ」
写真右=田主さん
「道の写真コンテスト」で
舞鶴市長賞に野崎さん(行永)
 8月の「道路ふれあい月間」にちなんだ国土交通省福知山河川国道事務所の「道の写真コンテスト」の入賞者の表彰式が8月7日、浜の市商工観光センターであり、舞鶴市長賞(優秀賞)を受賞した野崎洋子さん=行永=に賞状が贈られた。  「道の写真コンテスト」には、107点の応募があり、審査の結果、野崎さんの作品「黄金に輝くトンネル」と、北垣正則さん=京丹後市=の作品「光跡と漁火」(福知山河川国道事務所長賞)の2点が優秀賞に選ばれた。  このほか、「歴史を感じる道」「赤煉瓦がある道」など4部門の部門賞各1点と佳作が決まった。作品は会場に展示され、来場者らが「道」をテーマにした写真を熱心に観賞していた。表彰式に続いて、郷土史家、横川淳一郎さんの「伊能忠敬の測量とその素顔」と題する講演が行われた。  また、表彰式に先立ち、「伊能忠敬の測量体験」のイベントもあり、市民ら約60人が、江戸時代の測量技法で、東地区海岸の測量を行い、地図上に地形を記した。
 「道の写真コンテスト」の各部門賞と佳作に選ばれたのは次の皆さん。  【歴史を感じる道】部門賞=上月均▽佳作=永木孝夜、山田宣子、塩見淑子  【赤煉瓦がある道】部門賞=由里章▽佳作=西村哲夫、杉部正晴、尾松厚生  【海が見える道】部門賞=足立衛▽佳作=白木勇治、生橋健治、梅原隆  【自然あふれる道】部門賞=小幡尚子▽佳作=古川淳寿、安達初夫、熊谷正春、林正武

写真=優秀賞を受賞した野崎さんの作品「黄金に輝くトンネル」
2005年8月5日

全国小・中学生箏曲コンクールで優良賞
泉知里さん・ひかりさん姉妹がそろって
 小中学生が出場する箏の全国大会で最もレベルの高いことで知られる「第23回全国小・中学生箏曲コンクール」の中学生個人の部と小学生同部で、白糸中学校3年の泉知里さん(15)=小倉=と志楽小学校6年の泉ひかりさん(12)=同=の姉妹が、3位の優良賞を受賞した。演奏のタイプの異なる2人は互いに刺激を受けながら稽古に励んできた。姉の知里さんは今回が最後の出場の機会となり、そろって受賞できたことを喜んでいる。  同コンクールは7月28、29日に広島県福山市で開催。各流派を越えて新しい才能を育てるコンクールで、プロを目指す出場者も多い。邦楽界を代表する演奏家らが審査員を務め、高いレベルの音色や表現力が求められる。今回は小・中学生の部に計45人が出場、予選と本選が行われた。ひかりさんは昨年の同コンクールに初出場し、優良賞を受けた。  泉さん姉妹はともに小学2年生から、生田流の沢井箏曲院教師の立道明美さん=矢之助町=の教室に通って指導を受けている。知里さんは表現力に優れ、歌うような曲を得意とし、ひかりさんは小学生とは思えない指の動きで速い曲を弾く技術を持つ。2人の特徴に合わせて立道さんがコンクールで演奏する自由曲を選曲し、知里さんは「楽」、ひかりさんが「翔たき」を10カ月かけて稽古した。  5回目の挑戦で本選出場を果たした知里さんは「予選で力を出し切り本選の演奏はいま一つだったので、優良賞にびっくりした。昨年、妹が初出場で賞をもらって悔しかったこともあり、2人でとれてうれしい」、本選では緊張感から不本意な演奏になったひかりさんは「お姉ちゃんはライバル。中学生になったら最優秀賞をとりたい」と話していた。立道さんは「タイプが異なる演奏をする姉妹が、そろって受賞することは中々ないことでうれしい」と讃えた。  2人は立道さんが主宰する箏アンサンブル斗為巾のコンサートにも出演する。8月28日午後1時から北田辺の市民会館で開かれる。入場料1000円。

写真=姉の知里さん(左)と妹のひかりさん
8月7日、市政記念館でロビーコンサート
舞鶴出身の小滝さんが凱旋ライブ
 関東を中心に音楽活動をする舞鶴出身のミュージシャン、小滝コージさん(26)=東京都国分寺市=が、8月7日に北吸の市政記念館で開かれるロビーコンサート(市文化事業団など主催)に出演する。昨年に続いて2回目の凱旋ライブ。ピアノの弾き語りでオリジナル曲を演奏する。来場を呼びかけている。入場無料。  子供のころから歌が好きだった小滝さんは海洋高校を卒業後、京都市内のANミュージックススクールに入学。在学中、日本のゴスペルミュージックの先駆け者である亀渕友香さんの目にとまり、上京して音楽事務所に所属してソロ活動を開始した。  その後、音楽事務所「ROOM503」を設立、ビクターと契約しライブ活動をしたり、ヴォイストレーナーやアレンジャーなどを務めている。これまで2枚のCDアルバムを発表し、現在ニューアルバムの製作を進めている。来年は全国ツアーを行う予定。  ロビーコンサートは午後1時半から第1部で葉風会が出演。同2時からの第2部で小滝さんが出演する。曲は「花」「平行線」など。
【問い合わせ】電話66・1096、同館。

写真=関東を中心に音楽活動する小滝さん
2005年8月2日

千葉大・菅原教授が『平野屋町文書目録』
8月6日、完成記念講演会
 平野屋自治会に伝わる江戸時代から昭和までの古文書を調査した千葉大学の菅原憲二教授が、『丹後国田辺城下平野屋町文書目録』としてまとめ発刊した。「会所」と呼ばれた町の集会所が、田辺城下の各町にあったことが明らかになった。全国的にも極めて少ない例で、田辺の町人の自治の高さを知る貴重な記録。地元町内会や郷土史の研究家たちも、調査などに協力した。目録の完成を記念して、8月6日午後7時から円満寺の西市民プラザで、菅原さんらの講演会が開かれる。  1580年(天正8年)、丹後に入国した細川藤孝・忠興親子によって田辺城の建設が始まり、本町、ヨコ町(いまの平野屋町)などが作られ、町の骨格が成立した。その後も次々と町屋ができ、11町で構成されるようになった。平野屋は鍛冶職など火を扱った職人が多かった。  平野屋町古文書は市教委などで一部調査が行われただけだったが、近世都市の運営に関心を寄せる菅原教授が、2001年から学生らと全面的な調査を開始。ほとんど未調査の町屋文書の解明を進めようと、舞鶴地方史研究会や市郷土資料館も協力し、目録カードを作成した。その目録を同自治会の松田正之助さんがワープロで入力して冊子に仕上げ、それを基にデータベース化して今回の目録が刊行された。  目録はA4判で133ページ。1639年から昭和までの607通の文書について、祭礼や宗教など8つに分類し、差出人などを掲載した。平野屋で営まれた商売を一覧にした「諸職諸商売書上帳」などがあり、当時の暮らしぶりや祭礼の様子を知ることができる。  近世後期に平野屋町に町会所があったのは、平野屋町屋敷間数図から分かった。町会所は町の寄り合いのほか、祭礼道具の保管などに使われた。菅原教授は目録の解説で、「特権的町人の少ない、市民的要素の強い町が町屋敷を購入して集会所とし、道具とともに証文を今日に伝える事実は特筆に値する」と記す。同自治会の日置敏夫会長(77)は「いまの人たちに町に親しみをもってもらう機会になれば」と話していた。四百部作成し、全国の大学などに配布した。  記念講演会では、菅原教授が「江戸時代の平野屋町」、同研究会副会長の加藤晃さんが「城下町田辺はどのように作られたか」と題して話す。入場無料。
【問い合わせ】電話75・2452、日置さん。

写真=文書と平野屋太神楽の獅子頭を前に完成した目録を見る日置会長(右)ら
貝谷バレエ團の舞鶴・福知山研究所
8月21日に合同発表会
 貝谷八百子記念貝谷バレエ團の舞鶴と福知山両研究所の第31回合同発表会が8月21日、綾部市里町の府中丹文化会館で行われる。合同発表会は四年ぶりで、バレエの小品やドラマティックバレエ「コッペリア」を演じる。  東京に本部のある貝谷バレエ團は、貝谷八百子さんが創設して約70年の歴史を誇っている。舞鶴研究所も半世紀の歴史があり、福知山研究所は舞鶴の10年後に創設された。  合同発表会には、幼児から大人まで舞鶴から26人、福知山から45人が出演する。2部構成で第1部は小品を発表、第2部は「コッペリア」の踊りを中心とした3場面を演じる。福知山市出身のプロバレリーナ、杉本芸録さんも特別出演する。  大橋厚生会館内(余部上)の舞鶴研究所では、主任教師の大竹みかさんの指導で、けいこが続けられている。幼い子供たちから大人まで、合同発表会に向けて、音楽に合わせて真剣な表情で踊っている。  合同発表会は、午後2時半に開場、同3時に開演する。入場料は1000円。

写真=合同発表会に向け、けいこに励む舞鶴研究所の出演者ら
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