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2006年10月31日

旧三越大阪店解体で阪鶴鉄道のレール里帰り
11月4・5日、赤れんがフェスタで展示
 11月4、5日、北吸の赤れんが倉庫群一帯で開催される赤れんがフェスタin舞鶴2006(市など主催)で、赤れんが博物館は旧三越大阪店(大阪市)の解体工事で見つかった、建物の鉄筋として使われていた鉄道レールを展示する。その中には、舞鶴と関係する明治時代の阪鶴鉄道のレールのほか、日本では現存例が少ないとされる「幻のレール」も含まれる。近代化が進む中での鉄材利用や製鉄技術の変遷を伝える史料といえる。  昨年五月に閉店した同店の解体工事で、鉄道レール約500本が出てきた。同店は鉄筋コンクリート7階建てで1917年に完成したが、当時は鉄が貴重だっため、古い鉄道レールを集め再利用したとみられる。レールに残る刻印から製造者と製造時期が判明、多くは1800年代後半の英国や米国製で、旧山陽鉄道など明治期の近畿各地の鉄道に使われていたらしい。  レールは交通科学博物館(大阪市)などに贈られるなど、研究者の間で注目を集める。解体に関わった柴山建築研究所(大津市)は、さらに保存展示先を探し、北近畿鉄道友の会舞鶴支部(福原習作支部長)を通して赤れんが博物館に打診。同館にも使われる米国カーネギー社製のレールもあり、近代化遺産として収集を決め、工事をした長谷工コーポレーションから23本の寄贈を受けた。  米国イリノイ製鋼会社によるレールには「1897 HANKAKU」の刻印があり、製造時期と納入先の阪鶴鉄道が示される。同鉄道は1893年(明治26年)に設立、日露戦争を前に軍用鉄道として1904年に完成した舞鶴鎮守府までの福知山〜新舞鶴間の官設「舞鶴線」を借り、大阪〜新舞鶴間を開通させた。  世界最古のレール製造会社の英国ダーリントンによる1870年製のレールは、上下の断面が同じ形の「双頭レール」で、鉄道初期のごく一部にしか使われていない「幻のレール」といわれ、1872年に日本で初めて開業した新橋〜横浜間のものの可能性が大きいという。  同博物館は「大阪のれんが建築」としてこれらのレールをはじめ、大阪府内の鉄道構造物の写真などを展示する。11月30日まで。また、同舞鶴支部が海舞鶴線などの資料と写真を並べたり、ミニチュア列車の走行や鉄道の映像を上映する。支部の催しは4、5日のみ(入場無料)。
【問い合わせ】電話66・1095、同館。  同フェスタは市政記念館で機動戦士ガンダムの大型模型、グリコのおもちゃのコレクションの展示、旧商工会議所の壁面アート、赤煉瓦倉庫群の窓枠アート、近代化遺産写真展、北吸浄水場の公開、グルメコーナーなどを催す。アート&クラフトフェアの会場では、彫金ストラップづくりなどのワークショップもある。実費必要。時間は午前11時〜午後4時。

写真=寄贈された「1897 HANKAKU」と刻印されたレール(左端)など
本社など後援「MOA美術館舞鶴児童作品展」
奨励賞に松永さん(絵画)と嵳峩さん(書写)
 第12回MOA美術館舞鶴児童作品展(MOA美術館主催、舞鶴市民新聞社など後援)の入賞者が決まった。最優秀賞のMOA美術館奨励賞には、絵画の部で中筋小6年、松永千波さんの「くつひもをむすぶ友だち」、書写の部で三笠小6年、嵳峩陽さんの「理想」が選ばれた。  作品展は、子供たちの豊かな創造力を育むことなどを目的に、毎年児童から絵画、書写の作品を公募して開かれている。今年は絵画281点、書写193点の計474点の応募があり、審査の結果、MOA美術館奨励賞など各賞と佳作の入賞者が決まった。  作品展は、11月11日午後1時〜同5時、同12日午前10時〜午後3時、北吸の市政記念館ホールで開かれ、応募のあった全作品が展示される。また、表彰式は作品展初日の11日午後2時から行われる。  MOA美術館奨励賞を除く入賞、佳作に選ばれたの次の皆さん。  【絵画の部】舞鶴市長賞=石田颯(新舞鶴小)▽舞鶴市教育長賞=谷直樹(福井小)▽舞鶴市民新聞社賞=森廣治(朝来小)▽金賞=藤野魁人(福井小)▽銀賞=菅沼友樹(新舞鶴小)▽銅賞=川井翔悟(中舞鶴小)▽佳作=齋藤彩女(福井小)島田蒼夜(朝来小)江宮文音(余内小)田村花(新舞鶴小)中筋あすか(朝来小)福村和真(同)井上球輝(福井小)  【書写の部】舞鶴市長賞=中川美智子(神崎小)▽舞鶴市教育長賞=西野薫(大浦小)▽舞鶴市民新聞社賞=平井美咲(大浦小)▽金賞=岡本和樹(神崎小)▽銀賞=島田繭実(大浦小)▽銅賞=堀家千和里(神崎小)▽佳作=櫻井亮一朗(大浦小)中川裕太(中筋小)橋本芽依(同)

写真左=奨励賞・松永さん(中筋小6年)の絵画「くつひもをむすぶ友だち」
写真右=奨励賞・嵳峩さん(三笠小6年)の書道作品
2006年10月27日

過疎と高齢化進む長谷で「ゆずの里」づくり
11月12日、苗木植樹などボランティア募る
 日限(ひぎり)地蔵で知られる山間の集落で、過疎と高齢化が進む岡田地区の長谷(ながたに)区(10戸)を守ろうと、地元の人や若手農業グループが、「ゆずの里」づくりを計画している。1昨年の台風23号で受けた被害の復旧を終え、市や府の支援も受け柚子で村おこしを図る。11月12日にはボランティアの協力を得て、遊休農地に柚子の苗木を植えたり、小豆の収穫作業に取り組む。ボランティアを募っている。  長谷は国道175号から細い山道を約12キロ入った先に、地名が示すごとく長い谷に民家や農地が広がる。隠れ里のような佇まいを残し、日を限って願をかけることから名付けられた日限地蔵は、御利益の高さで知られ全国からの参拝者が絶えず、特に進学や就職の時期に多い。  昭和20年代から21戸が続いたが、現在は10戸14人が住む。特にここ数年で7人が亡くなり一人暮らしの高齢者が増え、80歳以上も6人と半数近い。2004年の台風では、河川と農地に被害を受けた。  そんな集落を守ろうと、西方寺などの若手農業者の「若い衆でやろかい」が同区の遊休農地で小豆栽培を開始。また、地元住民も台風被害の復旧を終え、復興を目指そうと若者や市の協力で、「ゆずの里」づくりを計画した。柚子は寒冷地にも育ち、四国の山間地で村おこしの産品にもなる。兵庫県内の柚子園を見学するなどし、今年3月に130本を植えたが、大雪のため全て枯れてしまい、再度定植に挑む。  農事組合長の剛谷(こわたに)進さん(78)らが、重機を使って遊休地約20アールを開墾し畑の土を入れるなどし、農園づくりを進める。植えて5〜7年後には実を付ける。地元で剪定など世話をし、将来は柚子のオーナー制や加工品販売の夢を若手農業者に託す。  剛谷さんは「街の人たちとの交流を毎年行い、将来は移住してくれる人も出てくれれば」、区長の神内正さん(71)は「先祖が開いた耕地はこのままでは荒廃するばかり。若者や街の人に協力してもらい、なんとか残したい」と話していた。  12日は午前10時半ごろから日限地蔵の散策道の補修、購入した柚子の苗木150本を植え、地元の新米のおにぎりやぜんざいで交流する。定員は25人(18歳以上、先着順)。参加費1000円。申し込みは同6日までに市農林課(電話66・1023)。

写真=柚子を植えるため遊休農地を耕す地元の人たち
ベスト尽くしてプレーを!
府民総体へ舞鶴市選手団結団式
 第29回京都府民総合体育大会に出場する舞鶴市選手団の結団式がこのほど、余部下の中総合会館で開かれた。選手たちは総合優勝目指し、ベストを尽くしたいと決意を誓った。  府内の市町村で選手団を結成し、バスケットボールなど13種目の対抗競技とグラウンド・ゴルフなど2種目の交流競技がある。今年は10月22日にソフトテニスがすでに行われたほか、来年2月まで府内各地を会場に開かれる。  舞鶴市は昨年は総合7位。今年は男女選手、役員ら合わせて250人が出場する。結団式では岡山恭治団長ら選手らが出席、市体育協会会長の安達渉さんが結成の言葉を述べた。続いてテニス競技に出場する林原弘さんが「全力を尽くしてプレーしたい」と決意を披露し、畠山一男総監督が「がんばろう」と檄を飛ばした。

写真=決意を述べるテニス競技の林選手
2006年10月24日

府消防協会長の「表彰旗」受章を控え
現地調査で中筋消防団、規律ある訓練披露
 安心・安全な地域づくりの一翼を担う中筋消防団(西野則雄団長、団員38人)が、平成18年度京都府消防協会長の「表彰旗」の受章を控え、10月22日、公文名の中筋小学校で現地調査を受けた。団員たちは、統制の取れた規律ある訓練を披露して、調査官から高い評価を受けた。  府消防協会長(府知事)の「表彰旗」は、優良消防団に授与され、毎年舞鶴の消防団から1個団が表彰されている。現地調査は、表彰される団に対する審査の一環として実施されている。府立消防学校の大槻康博校長ら3人が調査官を務め、中筋消防団の訓練を審査した。  消防団員は、指揮者の号令で動くことを基本に、方向変換や2列から4列の縦隊で行進する小隊訓練、小型ポンプとポンプ車の操法訓練などを行った。また、最後に消火訓練として、中筋小学校給食室から出火したとの想定で、ポンプ車と小型ポンプを使って一斉放水を行った。  訓練終了後、大槻校長は「団員一人一人の規律の取れた訓練で、これまでの訓練の成果が十分に発揮されていた。成績は極めて優良だった」と講評した。この調査結果をもとに、「表彰旗」の授与を決定する。

写真=消火訓練で一斉放水する消防団員
元美術教師・塚本さんの遺作展
10月26日まで総合文化会館小ホールで
 1992年9月に56歳で病没した中学校の美術教師、塚本浩策さん(白浜台)の遺作展が、同僚や教え子らの呼びかけで、10月24日から浜の総合文化会館小ホールで開かれている。分けへだてなく生徒のために行動した思いやりと熱血漢ある人柄が、亡くなって14年経ったいまも慕われている。闘病中に制作して贈られた切り絵など81点を同僚らが持ち寄り、塚本さんとともに過ごした時間を蘇らせていた。同26日まで。  大学で彫塑を専攻し、66年から19年間を和田中、85年から若浦中で勤務。和田中では同和教育に取り組み、親代わりになって生徒のために奔走する姿から、神様のように慕う教え子らもいる。浮島丸事件の殉難の碑建立に際し、77年に碑の原画を描き制作も手掛けたが、心臓手術のため後輩に後を託した。  先に亡くなった妻の智子さんや自分の見舞いのお礼にと切り絵を友人らに贈るなど、多くの作品を残している。家族ぐるみで付き合いのある元教師らが友人らと遺作展を企画、作品を探し歩き借り受けた。約30人が水彩画、同僚や妻の似顔絵のほか、屋台で1杯ひっかける塚本さんの写真なども並べた。  塚本さんの影響で中学校の美術教師となった橋本栄治さん(53)は「少年のように澄んだ目で、桁外れに豪快で優しい先生だった」、次女の奈美さん(37)は「会場から父の声が聞こえてきそうです。多くの作品を持ち寄り、心のこもったプレゼントをしていただいた皆さんに感謝しています」と話していた。入場無料。25日までは午前10時〜午後9時、最終日は午後3時まで。
【問い合わせ】電話63・2539、余江さん。

写真=塚本さんの作品を前に語り合う次女の奈美さん(左)ら
2006年10月20日

チボリ・ジュニア・サクソフォン・コンクール
田中さん(倉梯第二小6年)が日本一に
 10月8日に倉敷市で開かれた「第2回チボリ・ジュニア・サクソフォン・コンクール」(倉敷チボリ公園主催)の小学生の部で、倉梯第二小学校6年生の田中すみれさん(11)が、念願の1位を射止めた。昨年は惜しくも2位だったが、JEUGIA西舞鶴センター音楽教室講師の永井実穂さん(33)=溝尻町=から指導を受け、持ち味の表現力と技術を磨いた。  田中さんは舞鶴のビックバンド「ニュー・サウンズ・オーケストラ」の演奏会で、女性メンバーがサックスを演奏する姿に憧れ、小学3年から永井さんに教わる。永井さんは東舞鶴高校吹奏楽部でサックスを演奏し、作陽音楽大学に進学した。その後、舞鶴を拠点にソロや同オーケストラに所属し演奏を続けながら、北近畿で数少ない指導者として活動する。  コンクールはソロの自由曲をピアノ伴奏で演奏する。田中さんは昨年、ベートーベン「メヌエット」などを演奏し2位になった。今年は優勝を目指そうと永井さんと2人3脚で、息の入れ方や指使い、タンギングと呼ばれる奏法など基礎的な練習を繰り返した。  この1年間で肺活量も増え、息を長く保つことができるようになり、4年生からピアノを習っていることも重なり、指もよく動くようになった。元々表現力の豊さに優れていたが、クラシックやジャズをよく聴き、持ち味に磨きがかかった。  今回は小学生の部に全国から8人が出場。田中さんは高度な技術が求められるボノーの組曲第1と第4楽章を選び、2カ月前から練習に取り組んだ。ピアノの伴奏に合わせるのが難しかったが、3人の審査員から表現力とビブラートなどに高い評価を受けた。  永井さんは「すみれちゃんは度胸があって本番に強い。最高の演奏でした」と讃える。田中さんは「結果発表を聞きとてもうれしかった。もっと難しい曲を吹きこなし、いつか永井先生と同じステージに立ちたい」と話している。

写真=音楽教室講師の永井さんからサックスのレッスンを受ける田中さん(右)
物故会員偲びスナップ写真集を自費出版
「七日市みのり会」副会長の冨田さん
 七日市地区の老人クラブ「七日市みのり会」(天野敏弘会長、会員50人)の副会長、冨田良行さん(82)がこのほど、物故会員や現会員のスナップ写真集「あの日の笑顔」(A4判、58ページ)を自費出版した。「今は亡き会員の皆さんの供養と、会員のより一層の親睦を深めることに役立てれば…」と話している。  みのり会は、昭和39年に中筋老人会として結成された。当時は中筋校区の八字地区の合同の老人会で、同50年に七日市地区だけの「みのり会」となった。同会では、中筋老人会時代からの物故会員名簿を作成、平成17年度末で81人を数えている。また、毎年秋に慰霊の法要を営み供養している。  冨田さんは、平成2年から11年まで、みのり会の会長を務め、物故会員の思い出を集めた文集の出版を提案した。しかし、原稿が集まらず、また、冨田さん自身も家庭の事情などで多忙となり、この計画は一時断念した。16年になって、毎月1回の例会で、文集ではなく写真集にすればと気づき、写真の提供を呼びかけることを決めたという。  写真集には、物故会員の遺族や知人らから提供された、ありし日を偲ぶスナップ写真と現会員の写真合わせて80点を掲載している。物故会員の写真は、昭和33年ごろの親睦旅行での記念写真や各行事で撮影した写真などが集められた。また、中筋老人会からの「みのり会」の歩みを記した年表も掲載されている。500部作成して、会員や近隣の老人会に配布した。  冨田さんは「やっと長年の思いが実現できました。物故会員のなかには、私たちが子供のころに世話になった人たちも多く、よい思い出になります」と話している。

写真=写真集を手にする冨田さん
2006年10月17日

不登校児童・生徒の「聖母の小さな学校」
小さな運動会で大きな一歩
 不登校の児童・生徒のための民間教育施設「聖母の小さな学校」のスポーツ・フェスタ2006が10月14日、上安の同学校グラウンドで開かれ、4人の生徒に対して約70人の関係者や卒業生らが応援し、一緒に競技を楽しんだ。生徒たちは否定してしまいたい自分と願いを深く見つめ、話し合いの積み重ねの中でテーマにまとめてパネル絵で表現した。ありのままの自分を見てと一歩踏み出した小さな運動会。温かい光で包まれた。  学校は梅澤秀明さんと良子さん夫妻が、特別養護老人ホーム「寿荘」西側の施設で1989年に開設。過去17年間で約200人が卒業、それぞれの進路に向かった。公立学校の教師らが授業を指導したり、地域の多くの団体が活動を支援。OBらの支える会も募金活動をし、運営を応援している。現在は通学する中・高校生ら4人を含む7人が在籍する。  フェスタは今年13回を迎える。いまの自分の心を見つめ、仲間との話し合いを通しテーマを決め、共同作業で絵に表現する。人前に出るのが苦手な生徒たちにとり、大きな挑戦となる手話歌を披露する。今年も9月から生徒たちは心の叫びに向き合い、「こんなこと(不登校)なかったことにしたい」「本当の自分を見て」などを言葉に書き出し、その気持ちを1人膝を抱える自分と闇の中に差し込む一筋の光の絵にした。  開会式では男子生徒の「中1の2学期から不登校になった。話しかけてくれる人もおらず、たった1人でつらかった。聖母に来て、理解してくれる先生と同じ悩みを持つ仲間がおり毎日でも通いたくなった。今の目標は人に自分のことが出せるようになること」とのメッセージが発表され、女子生徒がパネル絵の説明をした。生徒たちは歌詞に共感した「I Believe」を手話歌で発表したり、出場者に参加賞を渡すなど自分にできることに取り組んだ。  秋晴れのもと、父母、教育関係者、舞鶴西更生保護女性会、準備から駆けつけた社会人の卒業生らも、紅白リレーなどに出場。元中学校校長の青木信一さんが青木賞の楯を贈り、舞鶴ライオンズクラブから図書券が寄贈された。  梅澤夫妻は「今日の成果だけが大事ではない。一緒に考えて努力してきたプロセスを大切にして」「本当に大切なことは心の目でしか見えないことを、生徒たちから学んで下さい」と参加者に語りかけた。

写真=応援に駆けつけた人たちも生徒と一緒に競技を楽しんだ
市民病院が4科の外来診療を再開
明石回生病院などの支援受け常勤医3人着任
 診療体制を大幅に縮小していた溝尻の市立舞鶴市民病院は、明石市の医療法人社団愛明会明石回生病院(西垣秀尊理事長)などの支援を受け、常勤医3人を確保し一般内科と外科、整形外科、脳神経外科の4科の外来診療を10月16日から再開した。また、療養病棟(23床)の入院の申し込み受け付けを始めた。  市は1月に市民病院の自主再建を断念し、4月から民間に委託して療養型医療を中心とした病院に変更すると発表。その後、委託先として交渉していた京都市の恵心会京都武田病院が4月からの実施は困難として、市も委託を当面延期としつつ、4月以降は療養型に移行を図る期間とし、外来診療を休止、救急機能をなくした。  外来の一部再開を目指し退職した医師らに替え、7月には舞鶴医師会の協力で、堀澤医院理事長の堀澤眞澄医師が院長代行に就任、自衛隊舞鶴病院などの医官8人を7月〜9月、平日の夜間などに派遣を受けるなどしてきた。また、武田病院との交渉を続ける中で、明石回生病院の支援を受けることが決まり、常勤医2人が派遣された。これで常勤医は堀澤院長代行と京都大学からの1人を含め4人、非常勤医は京都大学からの7人を含む11人となり、外来の診療科目8科になった。  療養病棟は病気の再発防止や安定した状態を維持するため長期リハビリなどを行う。現在は2人が入院している。市民病院では「今後も医師の派遣について関係機関に打診し、全面委託に向けて明石回生病院と話し合いたい」としている。

写真=10月16日から4科の外来診療を開始した市民病院
2006年10月13日

アミダの森京都隊・沙漠緑化ロータリーの森
メンバーら昨年と今年の派遣団の合同報告会
 舞鶴東ロータリークラブ(畑東海男会長)などで組織する「アミダの森京都隊・沙漠緑化ロータリーの森」(稲田尚隊長)のメンバーらがこのほど、浜の昭光保育園で、昨年と今年の派遣団の合同報告会を開いた。中国・内モンゴル自治区のクブチ砂漠などでの植林や剪定作業などに取り組んだ。その様子を記録した写真を大型テレビで映しながら、活動を振り返り今後も緑化の輪を広げようと話し合った。  中国は乱開発や地球温暖化などの影響で、内陸部の砂漠化が急激に進行。それをくい止めようと、鳥取大学の故遠山正瑛さんが植林活動を唱え、賛同者たちと緑の協力隊を作って1991年から活動を始めた。300万本以上を植え、林となった地域では麦や野菜などの栽培も可能になった。地元の人に育ててもらった苗木を買い取り、その報酬が地元の子供たちの教育資金になっている。  舞鶴からは稲田さんと友人らが、植林を続けるNPO法人沙漠緑化アミダの森に協力し、現地で活動。昨年からは同クラブの事業で取り組み、第1次隊の市民ら19人が参加した。第2次の今年は綾部のロータリークラブなども加わり、12人が8月20日〜25日に訪中した。  昨年は報告会ができなかったため、合同で開催し13人が集合。クブチ砂漠でポプラ30本を植え、繁りすぎた木々800本の剪定もした。シリンホト砂漠では地元の小学生たちと一緒に、ニンキョウ120本、松120本などを植えたり、昨年植樹したポプラが根付いているのも確かめた。こうした様子が次々と映され、穴掘りの重労働や素朴な子供たちとの交流を振り返った。  初参加の女性(58)=北吸=は「緑化活動を伝える市民新聞の連載を読み、関心を持ちました。作業はしんどいですがとても充実感があります。多くの人に参加してほしい」と話した。

写真=植林の様子を記録した映像を見るメンバーたち
中学生硬式野球チーム「舞鶴リトルシニア」
来年3月の全国選抜出場かけ関西連盟秋季大会へ
 中学生の硬式野球チーム、舞鶴リトルシニア(谷本匡史監督)が、10月15日から大阪・万博球場で開幕するリトルシニア関西連盟秋季大会に出場する。同連盟東部ブロック(京都、奈良、滋賀)予選で初優勝を果たしての出場で、来年3月の全国選抜大会の出場権をめざす。  舞鶴リトルシニアは、東部ブロック予選の1回戦で桜井(奈良)を2―1、2回戦で京都を4―3、準決勝で郡山(奈良)を5―3、決勝で奈良磯城を4―1で破り優勝した。関西連盟秋季大会には、同予選で準優勝や上位に進出して過去4回出場しているが、優勝しての出場は初めて。  東部ブロック予選では、主戦の田岡投手が4試合を投げ抜いた。右腕から繰り出す速球と大きな落差のあるカーブを武器に、得点をゆるしたもののほぼ完璧な投球を見せた。田岡投手は、打撃でも予選4試合を通じて打率7割を超え、1番を打つ金田捕手が好機をつくり、牧田左翼手、佐久間1塁手の中軸打線で得点を挙げた。  関西連盟秋季大会には、近畿2府四県はじめ、中国地区の予選を勝ち抜いたチームが出場して、優勝を争う。同大会でベスト8以上に入ると、来年3月の全国選抜大会の出場権が与えられる。  谷本監督は「守備を強化して1点を与えない野球で、全国選抜大会の出場をめざしたい」と話す。竹本主将は「全員野球で優勝します」と決意している。
 舞鶴リトルシニアのメンバーは次の通り。
 田岡優孝(城南中2年)金田悠吾(城北中2年)佐久間圭(城南中2年)竹本佑紀(和田中2年)平野達也(城南中2年)山崎啓吾(城北中2年)牧田翔(同)永野尋也(城南中2年)國屋太佑(同)田中京樹(白糸中2年)境谷省吾(城北中2年)新宮隆之介(城南中2年)臼井佑太(由良川中2年)井田拓志(城南中2年)木村拳士(若浦中2年)谷口健太(城南中2年)宮川卓也(和田中2年)湯浅圭祐(白糸中2年)大山淳平(城南中2年)松本優(城北中2年)隅垣勝成(白糸中1年)鹿田航平(青葉中1年)高田京(和田中1年)

写真=東部ブロック予選で初優勝した舞鶴リトルシニアチーム
2006年10月10日

小倉・阿良須神社本殿と拝殿の修復完了
2004年の台風23号、倒れた大木で被害
 2004年の台風23号で、倒れた大木によって被害を受けた小倉の阿良須神社本殿と拝殿の修復工事が完了し、10月7日、現地で地元関係者が集まり竣工式があった。90年ぶりに御屋根洗いの儀が行われた後、地元の小中学生女子による神子舞が奉納された。地元の人たちは新しくなった地域のお宮さんを守っていこうと思いを新たにした。  同神社の由緒は、崇神天皇の時代(前97〜同30)、丹波道主王が青葉山の凶賊である土ぐも陸耳御笠の討伐にあたって、豊受大神を神奈備の浅香の森に祀ったのが始まりとする。本殿は文政12年(1829)に再建された。鹿原や吉坂など5地区が輪番で秋の祭礼を行うほか、来年の稲の豊凶を占うおまつ神事が開かれる。  04年10月20日の台風23号では、拝殿わきの樅の大木(高さ約40メートル、直径約1メートル)が根元から倒れ、本殿と拝殿を直撃し、本殿屋根西側が崩れ拝殿東側回廊が全壊した。  氏子総代で修復委員会(新谷仁委員長)、専門部会として学識経験者で修理委員会(委員長・益田兼房立命館大学教授)を組織し、修復計画を検討。坂根工務店が昨年7月から工事を担当し、本殿を解体し破損した部材の修理、新しい部材に古めかしさを出す彩色処理をするなど元通りに復元した。府と市の補助を受け、総事業費は4100万円。  御屋根洗いの儀は明和2年(1765)、屋根葺き替えの完成を祝って行われたのが最初で、以後10年ごとに営まれていたが、大正6年を最後に途絶えた。今回は氏子総代4人がササを持って屋根を洗う所作をした。続く遷座式では社務所からご神体を本殿に移し、上田中地区に伝承される神子舞を奉納。志楽小4年の井本亜土さんが舞姫、白糸中3年の矢谷文乃さんらが謡姫を演じた。  最後に、修復副委員長の森田重信さんが「これからも私たちのお宮さんとして守っていきたい」と、新谷委員長のお礼のメッセージを代読した。森本太郎夫宮司(72)は「地元の願いがかないひと安心です。10年後も御屋根洗いの儀を行えれば」と話していた。10月29日には吉坂区の担当で祭礼が営まれる。

写真=修復が終わった本殿前で神子舞を奉納する小中学生ら
舞鶴出身の田主さん(茨木市)の指導で
岡田下小5・6年生が版画づくり
 久田美の岡田下小学校(木下きく枝校長)の5、6年生26人が、舞鶴出身で茨木市在住の版画家、田主誠さんの指導を受けて、ふるさとの自然や人をテーマとした版画づくりに取り組んでいる。10月6日にはNHKの取材があり、その製作の様子が収録された。児童たちは寺院や養鶏などの農作業の様子をはじめ、岡田地区ならではの営みを版画にし、26点を1枚のパネルにして完成させる。  国際版画展に入選や世界の博物誌シリーズの作品発表、新聞連載など活躍する田主さんは、文化庁の学校への芸術家派遣事業によって、岡田下小に6月から指導に訪れている。児童たちの生き生きとした作品に触れて、ふるさと岡田の人と自然をテーマに大作をつくろうと発案。児童たちは夏休み中に神社やめがね橋、農作業をしている祖父などの様子をスケッチした。  その後、田主さんは9月に版木を彫る作業を指導、続いてこの日、刷りの仕上げで助言した。児童たちが万願寺甘とうの仕事の様子、由良川でのカヌー遊び、上野家などをB4サイズの作品に刷る姿や、児童たちの作品を講評する田主誠さんをNHKの取材クルーがカメラに収めた。番組では岡田地区の風景も紹介される。11月10日午前11時5分からの「ぐるっと関西」で放映される予定。  田主さんは「とてものびのびと力強く、レベルの高い表現の作品ばかり。豊かな自然の中で育つ子供たちは観察力もあり、感性も磨かれている。大人たちに見てほしい」と話していた。版画は1枚のパネルにして完成させる。12月8日に披露する予定。

写真=刷り上がった作品を田主さんに見てもらう児童。その様子をNHKが取材した
2006年10月6日

市内在勤の公務員・浜谷さん(宮津市由良)
アドルノ哲学『否定弁証法』の概説書自費出版
 市内に在勤する公務員の浜谷直隆さん(54)=宮津市由良=が、ドイツの哲学者テオドール・W・アドルノの『否定弁証法』(作品社)の概説書である『アドルノ 非同一性への憧憬』(東京図書出版会、167ページ)を、このほど自費出版した。15年の構想を練り、1年半かけて執筆した。想像力を放棄し、精神の退行に陥る人間への警鐘を鳴らし、主観の力の復権を唱えたアドルノの思想を紹介する。  和歌山大学経済学部に在籍中、歴史を科学的に解き明かすマルクスの著作に触れ、哲学に関心を向けた。30代のころ、アドルノとマックス・ホルクハイマーの共著『啓蒙の弁証法』に出会って感銘。続いて『否定弁証法』を読み、ナチズムが席巻し、戦争最中の1945年前後の世界の姿を分析しようとする彼らの思想に共鳴した。  ユダヤ系のアドルノは1903年〜69年に生き、第2次世界大戦中にドイツからアメリカへ亡命。主著の『否定弁証法』は、研究者の間で20世紀の古典として評価されている。が、概説書がほとんどないことから、自分で書こうと挑戦した。3度読み返し、休日に執筆して400枚を書き上げた。500部発行した。  ホルクハイマーらによる、ドイツの大衆が容易にナチズムに陥ったことの指摘や、主体的な判断力を喪失し、どの情報が利益をもたらすかだけを考える理性の道具化の進行を紹介した。浜谷さんは批判的精神はオウム真理教に見るように、以前にもまして加速度的に失われていると論評、アドルノの「哲学は知的かつ現実的な自由をめざす決断である」の言葉を引き、「人間の精神に最後の信頼をおく思想」の重要性を述べた。  浜谷さんは「アドルノらの思想は、より自分で考えることをしなくなった現代において、有効だと思う。出来上がった本は私の分身のような存在です」と話す。書店で注文して購入できる。定価は1575円(税込み)。

写真=1年半かけて執筆した自著『アドルノ 非同一性への憧憬』を手にする浜谷さん
市教委が「心をえがくアートセラピー」
10月13日から計4回、参加者を募る!
 市教委主催の「心をえがくアートセラピー」が、10月13日から11月15日までの4回、余部下の市女性センターで開かれる。心の奥にある自分を色や形で表現し、これまで知らなかった自分に出会い、心を解放させる。参加者を募っている。  心の奥にしまったままの感情を絵に描くことで外に出し、自分を知り心を軽くさせるセラピー。心の色コースでは10月13日に水彩絵の具を使って今の気分などを描く▽10月27日は色カードを使って、色の持つ癒しの効果を実感する。癒しの色コースの11月1日は自分の生きてきた心の軌跡を描く▽11月15日は自分にとってほっとできるスペースを描く。時間はいずれも午後7時〜同9時。  講師は赤田くみこさん。大学時代に心理学を学び、脳性麻痺の人たちの絵本づくりをきっかけに、独学でアートセラピーを学ぶ。絵を中心にしたアートワークショップも開く。定員は各コース15人(先着順)。受講は無料。託児もする(1人200円、要予約)。
【問い合わせ】電話65・0055、同センター。

写真=アートセラピーで描いた自分の過去・現在・未来の絵
2006年10月3日

日本空手協会舞鶴田辺支部長の内田さん
「日本スポーツマスターズ」男子組手で優勝
 日本空手協会舞鶴田辺支部長の内田慎一郎さん(44)=喜多=が、このほど広島市で開かれた「日本スポーツマスターズ2006」の男子組手一部空手道競技で、優勝した。若いころから日本一を夢に持ちながらも、次第に試合から遠ざかり、指導者として空手を続けてきたが、昨年10年ぶりに公式戦に出場。今年は同支部で教えている子供たちと日本一になることを約束し、見事その期待に応える活躍を見せた。  トーナメントの同大会組手一部は、40〜44歳の各都道府県の代表47人が出場。試合は2分間。突きや蹴りを相手に決め、6ポイント差をつけた方が勝者となる。全日本空手道連盟公認5段の内田さんは、昨年この大会に出場し5位だった。その成績を考慮され、今年は府推薦で出場した。  体を鍛えようと内田さんは、10歳から空手を始めた。藤元達雄さんの指導を受け、常に目標を立て練習を重ねた。中学、高校時代には京都と近畿大会で優勝、20代で国体3位、日本代表にも選ばれた。いつかは日本一をと思った。  その後、試合出場の機会をなくし、指導に力を入れるようになり、城南中生徒が世界選手権3位に入賞するなど、有望選手も多く輩出した。会社勤務後、城北中で週2回夜、幼児から社会人まで約50人を指導する。  そんな中、子供たちにがんばれというだけでなく、自分の取り組む姿を見せようと公式戦の出場を決意。2年目の挑戦の今年、子供たちから「日本一になって帰ってきて」とエールを受けた。試合に向け特別なことはしなかったが、ふだん教えることが練習にもつながった。  内田さんは「子供たちとの約束と長年の夢を果たし、感無量の思いです。来年の出場は決めていませんが、出るなら2連覇を目指したい」と話している。

写真=日本スポーツマスターズで優勝した内田さん
大庄屋上野家のパンフレットを点訳
「むつぼし会」がNPO法人に50部寄贈
 点訳ボランティアグループ「むつぼし会」が、西方寺の大庄屋上野家のパンフレットを点訳し、同会の稲野マリ子会長(88)がこのほど、上野家を管理運営するNPO法人KYO・ふるさと加佐の弓削寿理事長に、点字パンフレット(ほぼA4判サイズ)50部を贈った。  むつぼし会は、目の不自由な人たちの情報伝達手段である点字を使って、出版物の点訳や点訳者の養成に務めている。これまでカタカナ語辞典、引揚記念館の点訳パンフなどを作成、公共施設に寄贈した。  江戸時代に大庄屋だった上野家の屋敷を市が交流拠点として整備。そのパンフを元に点訳した冊子を、点字を必要とする市内の視覚障害者20人に配布したが、今春に上野家が国登録有形文化財になり、多くの視覚障害者に知ってもらおうと、会員13人が6月から点訳作業に取り組んだ。  入院先の岸本病院(浜)で手渡した稲野さんは「多くの視覚障害者の人たちに訪れてほしい」と話した。受け取った弓削さんは「これまでにも視覚障害者の人の来場があり、今後はこのパンフをお渡ししたい」と感謝していた。来春までにさらに50部作成し寄贈する。

写真=点訳したパンフレットを弓削理事長に贈る稲野会長(左)
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