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2007年1月30日

災害時に河川から飲料水、浄活水装置試作機
舞鶴高専の学生に小阪金属工業ら協力
 舞鶴高専の機械工学科の5年生たちと森の小阪金属工業(小阪憲一社長)らが協力し、災害時に河川などに持ち運んで取水して、飲料水を作りだすことができる浄活水装置の試作機をこのほど完成させた。2004年の台風23号の被害を教訓にして開発に取り組んだ。学生4人は卒業研究として発表するとともに、3月をめどに大型化した実用機を作りたいとしている。  同機械工学科の川勝邦夫教授が、台風23号で水道が断水した被害から、近くの河川から飲料水を確保できないかと発案した。これまでも浄活水機を製造してきた小阪金属工業の協力を得て、川勝教授の指導を受けた学生たちが研究を開始。また、市などで構成する京都・まいづる立命館地域創造機構(MIREC)の産学共同研究の一環として、3者が一緒にアイデアを話し合った。  装置は河川から水をくみ上げるポンプ、同社が製造したステンレス製の容器(直径20センチ、高さ40センチ)4台などをつなぐ。一番最初に濁った河川の水から汚れをカットするため、取水口に取り付けるフィルターの決定に一年かかった。海岸での工事で濁った海水の拡散を防ぐプラスチック製のフィルターを教えられ、これを利用した。  容器の中に入れる材質も実験を繰り返し、セラミックや活性炭を詰め、濁りと色を除去、殺菌効果を高め浄化に成功した。由良川で試作装置を使った結果、1分間に1リットルの流量で濁度1.69、色度3.2、殺菌もでき、水道水の基準をクリアした。従来の同種の装置よりも保守管理が簡単で、災害場所などに持ち運びができる利点がある。  開発を担当した学生の薄木航さん(20)と田原詳悟さん(同)、福田篤士さん(同)、松本利保さん(19)は「取り組みを通してものづくりの楽しさを学べました。災害時に市民の飲料水の確保に役立てれば」と喜んでいる。  今後は1分間に20リットルを確保できるよう、浄化能力を10倍アップした装置の実用化を目指す。川勝教授は「装置を大型化しても2トントラックに積み込める。災害時だけでなく、水環境の悪い発展途上国での利用も考えられる」と話していた。

写真=試作機を完成させた学生らと川勝教授
舞鶴ひまわりク男女4ペアが全国大会へ
府小学生ソストテニスインドア大会で優勝など
 小中学生のソフトテニスクラブ「舞鶴ひまわりクラブ」(南部照一代表)の選手8人が、今月に開かれた第6回京都府小学生ソストテニス4・5年生インドア大会で、優勝するなどの活躍を見せた。3月にある全国大会の男子と女子の部で、8人の4組が京都府代表として出場することが決まった。  府大会は20日、福知山市の三段池体育館で開催された。男子ではひまわりクから出場した神社峻広君(新舞鶴小4年)・井上昂君(高野小2年)組が、4年生以下の部で準優勝した。  女子では石角唯花さん(余内小4年)・濱田裕里奈さん(倉梯第二小4年)組が4年生以下の部で優勝、上羽陽香さん(中筋小3年)・塚本真未さん(明倫小3年)が同部で準優勝。また、中沢茉那さん(中筋小5年)・馬場いつみさん(明倫小5年)組が、5年生の部で3位となった。  優勝した石角さんは早いボールで攻め、濱田さんはあきらめずにボールを拾うプレーで勝ち上がった。2人は「練習の時に対戦する相手の乱打を見て、苦手なところを探して考えてプレーした。全国大会でも優勝を目指してがんばりたい」と話している。南部代表は「ねばり強くつなぎのテニスをして、みんな決勝トーナメントに進出してほしい」とエールを送る。  全国大会は3月29日〜同31日、千葉県白子町で開かれる。

写真=府大会で活躍した小学生選手たち
2007年1月26日

戦時中の米国兵娯楽のSPレコード「Vディスク」
市政記念館で展示、館内にジャズの曲流れる
 戦時中に戦地にいる米国兵の娯楽のため、米国政府が製造したSPレコード「Vディスク」が、北吸の市政記念館2階に展示され、館内に曲を流している。市内の男性が舞鶴にあった75枚を寄贈したもので、ベニー・グッドマンなど、大物ジャズミュージシャンの初期の演奏を収録した貴重な音源。NPO法人赤煉瓦倶楽部舞鶴(馬場英男理事長)は「戦後の舞鶴とジャズの関係を示す品」とし、他のVディスクも探している。  Vディスクは1942年〜49年にかけ、製造された30センチの78回転のSPレコード。最前線の戦地や戦後海外に駐留する米兵の娯楽の目的とともに、レコードの普及で失業した音楽家たちに仕事を提供する救済策として、ジャズや軽音楽を中心に録音が進められた。レコードは割れにくいビニライト製。落下傘で蓄音機と一緒に投下された。  軍隊のラジオ・セクションにいた録音技師ロバート・ヴィンセントがこの企画を提案したことから、彼の名前の「V」とVictory(勝利)の「V」をとってVディスクと名付け、800万枚が世界に広まった。その後、金属マスターは破壊され、配布された盤も回収されたが、その網から漏れたものをいまもコレクターが保存する。  旧海軍の町、舞鶴も戦後にGHQが進駐し、Vディスクが持ち込まれ、それらの盤が市民の手元に残ったらしい。同倶楽部舞鶴に寄贈された75枚の中には、デューク・エリントン・オーケストラやレイ・ブラウンなどの初期の演奏が収められる。昨年、神奈川県座間市在住で、200枚のVディスクを収集する大西正則さんが鶴来、寄贈品を調べ講演した。  同倶楽部舞鶴は管理運営する市政記念館で75枚を保管し、その内の一部を展示室に並べる。また、収録されている全曲をCD5枚に入れ直し、同館内で曲をながしている。馬場理事長は「戦後、日本にジャズが根づいた原因の1つになったのかも。舞鶴でも市民が聞いただろうし、他にも残っていないか収集を呼びかけたい」と話す。

写真=市民から寄贈された「Vディスク」
中筋小6年生、下級生の下校を見守る
防犯推進委員と通学路安全パト
 公文名、中筋小学校(梅原義範校長)の6年生128人が1月23日、舞鶴防犯推進委員協議会(瀧口國雄会長)のメンバーと一緒に下校時の通学路に立って、下級生たちの安全を見守った。最高学年としての姿を示すとともに、日ごろお世話になっている防犯推進委員の安全パトロールを体験した。  6年生はこの1年、「最高学年としての姿を見せよう」をテーマにした総合学習に取り組んだ。この学習成果として、安全パトロール活動に参加。防犯推進委員14人と一緒に通学路16カ所に分かれて立ち、下校する下級生たちに交通事故などに遭わないよう声をかけるなどした。通学門に立った女子児童は「防犯推進委員の皆さんは、寒くて大変だと思いました。感謝しています」と話していた。  同校では、2月16日に開く全校集会で、防犯推進委員に感謝の気持ちを伝える。

写真=下級生の安全を見守る6年生と防犯推進委員
2007年1月23日

舞鶴の歴史学ぶ同好会の1年間の活動発表
2月末まで市郷土資料館で史料など展示
 市郷土資料館を拠点に舞鶴の歴史について学ぶ同好会のこの1年間の活動を発表した展示が、北田辺の同資料館(市民会館内)で開かれている。市民たちが読み進めてきた田辺藩家老を務めた野田笛浦が書いた手紙、踏破した山城の図面と地図、関連する江戸期の西国巡礼の絵図や紀行文なども並べた。知的好奇心と探究心を満たす研究活動の楽しさの一端を紹介している。2月末まで。  郷土の歴史に関心を持つ市民たちが自主的に同好会を結成し、同資料館がその研究活動を支援する。メンバーたちは同館資料室を会場に使い、市や個人などが収蔵する古文書の利用の協力を受け、解読する活動を続ける。また、舞鶴の中世や近世の山城を見学するフィールドワーク主体の「山城クラブ」も作った。現在は5つの同好会があり、月1、2回集まる。  「古文書を読む会」は、江戸時代末に田辺藩の御用大工だった瀬尾家の文書「寸法控帳」などを読み解き、それらの史料を展示した。江戸の昌平校で学んだ田辺藩家老の野田笛浦を研究する同好会は、残されている手紙を史料に読んでおり、糸井文庫に収められている手紙を並べた。2004年に発足した「山城クラブ」は毎月1回、市内の山城を歩く。その成果として図面などを製作した。  近世文書の内、漁村に残るものを浦方文書と呼ぶ。それらを読む会では大庄屋だった佐波賀の斉藤久左衛門家と、船を背負って山を越えたという「大男ニショモン」の伝説がある三浜の大谷西右衛門家の文書を扱っている。それに関連し、田辺藩御用絵師が描き牧野家子爵夫人が模写した、小橋などの沿岸絵図も出品した。  「古典に親しむ会」は、江戸初期の田辺の怪談話を集めた「丹後之国変化物語」を解読し、05年に翻刻版を作成した。その当時の田辺を知る参考史料として、西国巡礼の絵図と紀行文の「わかさの記」を並べた。同好会の参加者は「1人では難しくて読めなくても、集まってああだこうだと話し合う中で、こんな解釈もあったんだと分かって楽しい」と話していた。  入館無料。月曜は休み。
【問い合わせ】電話75・8836、同館。

写真=展示された解読する文書や関連史料
市民参加で里山の保全や森林整備活動
NPO法人・山悠遊森林サポートまいづる
 市民参加で里山の保全や森林の整備を進めようと、NPO法人・山悠遊(ゆうゆう)森林サポートまいづる(山田つる江代表)が、山に入って樹木の伐採などの活動に取り組んでいる。今後も市民や山主にも呼びかけ山の手入れを図るとともに、木と森の魅力を伝えることにしている。  市が間伐材の伐採方法などを講習する森林ボランティア事業を実施し、その参加者たちが2002年に市民団体である「森林ボランティアまいづる」を結成。市などの支援を受けながら学校などの依頼で林の整備をしたり、森林観察やきのこ教室、夜の市で木にふれあう木工教室などを開く活動をしてきた。  市の面積約342平方キロメートルの内、森林が約80%を占めている。林業に携わる人が減少し、山の手入れがされず竹林が広がるなど、山の荒廃が目立つようになってきた。市民に森林への理解を深めてもらい、こうした山を協力して整備しようと、任意団体からNPO法人格をこのほど取得した。会社員や主婦、定年退職者、自営業者ら42人が会員となっている。  手入れのされない樹木が住宅付近の山林にも増えていることから、最近では市民からの相談や整備の依頼が増えているという。昨年12月には、倉谷の大泉寺からの依頼で、同寺裏山の墓地に覆いかぶさる木々の伐採に取り組んだ。会員たちがノコギリやチェンソーを手に作業した。  山田代表は「今後も地域の人や山主さんにも参加してもらって、一緒に整備を進めたい。また、子供たちにも山の魅力を伝える啓蒙活動をしていきたい」と話している。会員を募集している。
【問い合わせ】電話63・3088、事務局(ぎゃらりーこもれび内)。

写真=樹木の伐採に取り組む会員たち=倉谷の大泉寺裏山で
2007年1月19日

不登校児童・生徒の「聖母の小さな学校」
中国北京・大連への学習旅行へ
 不登校の児童・生徒のための民間教育施設「聖母の小さな学校」(上安)が、勉強の意欲を伸ばし国際交流の機会にしようと、中国の北京と大連への学習旅行を計画している。大連市と友好都市である舞鶴市の協力も得て、中国語教室の講師の派遣を受け会話を学んでいる。生徒たちは昨年4月から進める準備の中で、少しずつ自信をつけてきた。2月27日から3月3日の日程で、ホームステイ体験や中学生らと交流する予定。  元中・高校教諭の梅澤秀明さんと良子さん夫妻が1989年に開設した。不登校の子供たちの成長と自己実現を援助しようと、宗教法人や団体、多くの市民らがボランティアで授業を手伝ったり、募金を贈るなど協力する。これまでに約200人が通い、現在は中学生2人、高校生6人が在籍している。  昨年1月に中国語の授業を受けた際、生徒の中から異文化への興味が生まれた。人前に出るのが苦手な生徒たちだが、夢の実現に向けて活動の意欲を引き出そうと、初めて中国への学習旅行を計画。文部科学省から研究委託を受ける「不登校への対応におけるNPO等の活用に関する実践研究事業」も活用し、費用の一部の補助を受ける。  昨春からの事前学習として、大連市から来た舞鶴市国際交流員の包楽(ホウ・ラク)さんと市職員から、月2回中国語の基本的な会話を教わったり、他の講師から中国の文化や料理づくり、太極拳のほか、日本の文化を紹介しようと茶道なども学ぶ。  16歳〜19歳の生徒2、3人が参加を考えており、梅澤夫妻も同行する。万里の長城や戦争記念館、大連での中学生との交流などを予定している。大連市でのホームステイ先や交流する中学校との調整などで、市の協力を受けている。  1月17日には包さんから中国の旧正月の風習やトイレの尋ね方、数字の数え方などを教わった。生徒たちは「人前で話すことに少し慣れた」とし、旅行に向けて「万里の長城や中国料理に関心がある」「中国と日本の市民との生活の違いを見たい」と話していた。包さんは「上達が早く一緒に勉強していて楽しい。貴重な体験となるのでがんばって」と励ます。  一緒に同行したい中高校生の参加も歓迎する。
【問い合わせ】電話77・0579、同校。

写真=市国際交流員の包さん(左端)から中国の風習を聞く生徒ら)
舞鶴RC、市内植樹計画へ第一歩
舞鶴養護学校に桜の苗木30本寄贈
 舞鶴ロータリークラブ(古橋良秀会長)は1月16日、堀の舞鶴養護学校に桜の苗木30本を寄贈、さっそく会員と小学部の児童が協力して10本を植樹した。残る20本は、中学、高等部の生徒と一緒に同23日に植樹する。  同クラブの所属する国際ロータリー第2650地区では、今年度の平井義久ガバナーの「『絆』をテーマにして、奉仕活動の感動を共に分かち合おう」との方針に基づいて、市民らと協力して市内に100本の桜の苗木の植樹を計画。その第一歩として、平成17年4月に開校した同校で植樹に取り組んだ。  贈呈式には、全校生と教職員ら約180人が出席。古橋会長が「桜が成長して、皆さんの喜びになればうれしい」とあいさつ。小学、中学、高等部の代表に桜の苗木を贈っり、小学部の児童代表が「大事にして、早く花が咲くのが見たいです」とお礼の言葉を述べた。  この後、児童たちが花の苗などを栽培するビオープで植樹で行った。会員と児童たちが力を合わせてスコップで穴を掘り、高さ2メートルのソメイヨシノの苗木を植えた。  同クラブでは、舞鶴西港の舞鶴21ビル周辺や五老岳山頂にも順次、桜の苗木を植樹する。

写真=ソメイヨシノの苗木を植樹する会員と児童たち
2007年1月16日

城北中出身の今崎さん(トヨタ自動車)
2007ユニバーサル技能五輪国際大会へ
 城北中学校出身でトヨタ自動車勤務の今崎智也さん(21)=愛知県豊田市=が、昨年10月に開かれた第44回技能五輪全国大会の木型部門で金メダルを受賞した。11月に国内では22年ぶりに静岡県沼津市で開かれる2007ユニバーサル技能五輪国際大会に、日本代表として出場する。  技能五輪は製造業などにつく23歳以下の若者を対象に、日ごろ磨く技能を競う大会。香川県で開かれた今大会には45職種に1158人が出場した。木型は自動車部品の原型となるもので、砂で固めてから木型を抜いて、その空洞に金属を流し込んで部品を仕上げる。同部門には7人が出場、設計図に示された木型を2日間で手作業によって作り、0.1ミリ単位の精度を審査される。  今崎さんは城北中を経て、府立工業高校(福知山市石原)情報システム科を2004年に卒業。トヨタ自動車に就職し、入社3年目になる。金メダルと大会で仕上げた木型を手にこのほど母校の工業高校を訪れ、倉垣誠校長に優勝を報告した。  また、2年生を対象とした進路ガイダンスで、「1昨年初めて技能五輪に参加して、入賞できなかったことがバネになり、訓練を続けていく内に面白さを感じるようになった。何か一つ、一生懸命になれるものを見つけたら、高校生活が有意義になると思う」と後輩たちを前に話した。  現在は国際大会に向けての訓練に専念しており、その後は自動車レースの「F1」のエンジン開発部門で仕事をする予定という。

写真=全国大会で作った木型を手にする今崎さん(府立工業高校提供)
都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス
舞鶴から女子4選手が全国大会へ
 舞鶴と福知山の中学生8人でつくる中丹ブロックのソストテニスチームが、このほど開かれた第18回都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会・京都府選考会の女子の部で優勝し、3月に予定されている本大会に府代表として出場することが決まった。舞鶴から出場する女子4選手は自分の力を出し切り優勝に貢献、全国大会に向け合同練習に励んでいる。  選手は舞鶴から石角彩花さん(城北中)と海老原智絵さん(同)組、市村英未さん(青葉中)と近藤亜美さん(白糸中)組、福知山からは出口瞳さん(日新中)と梅垣美里さん(三和中)組、田辺紗也佳さん(成和中)と中馬千香さん(同)組。いずれも2年生。監督は三和中の上羽雅彦教諭が務める。  府選考会は中丹、山城、京都市、丹後など5ブロックに分かれ、各ブロックで選出された8選手4組でチームをつくり、5チームがリーグ戦をして優勝を争った。昨年12月に太陽が丘体育館で開かれた。  舞鶴の四選手は、小学生時代からソフトテニス教室の「舞鶴ひまわりクラブ」でペアを組み、何度も全国大会に出場する実力を持つ。昨年の都道府県対抗の全国大会にも、近藤さんと海老原さん、石角さんは出場した。  後衛の石角さんは府でもトップクラスの高い打点でトップスピードのストロークが武器。前衛の海老原さんは体格は小さいが、全身を使ったスマッシュとボレーが得意。後衛の市村さんは鋭いボールを打つ。前衛の近藤さんは積極的に前に出てボールを拾う。府選考会では中丹チームは対戦チームに全勝、4選手ともに善戦し活躍した。  上羽教諭は「昨年の全国大会では初戦で敗退したので、今回はなんとか初戦を突破したい。8選手に期待しています」と話している。本大会は3月26日〜同28日、伊勢市で開かれる。

写真=中丹ブロックチームの前列左から石角、出口、中馬、田辺さん。後列左から海老原、近藤、市村、梅垣さん、監督の上羽教諭
2007年1月12日

「みずなぎ高野学園」が産廃収集・運搬・処分業
府の認可受け発泡スチロール原料にリサイクル
 社会福祉法人みずなぎ学園(隅山充樹理事長)の運営する野村寺の知的障害者授産施設「みずなぎ高野学園」(定員40人)がこのほど、産業廃棄物の収集・運搬・処分業の認可を府から受けた。スーパーから発泡スチロールの魚箱を回収し、原料としてリサイクルするためペレット化して販売する自主事業に取り組んでいる。ごみを減らす循環型社会に役立つとともに、利用者の工賃アップを目指す。  高野学園では利用者が市リサイクルプラザで不燃ごみの分別の作業をし、活き活きと働く姿から社会に役立つ仕事の開拓をと考えてきた。その後2002年、喜多の豆腐容器製造メーカー「ヨコタ京都」の下請け事業として、製造過程で発生するプラスチックシートの残片を、施設内に設置する破砕機と再生機を使い再原料のペレットへと加工する仕事を開始した。  こうした仕事を自主事業として展開しようと、必要な資格の認可を府に申請し、昨年11月末から本格的に稼働を始めた。府内の障害者施設で産業廃棄物処理の事業をするのは初のケース。スーパー「フクヤ」の市内7店舗から週6日、魚箱やトレイをトラックで回収。多い日は1日約100キロも集める。  魚箱に張られた紙やシールを利用者らが手作業ではがし、大まかに砕いた後、同じ装置でペレット化する。ペレットは1時間に270キロでき上がり、平日で約1.5トンを仕上げている。下請け先に納入するほか、山形県新庄市の容器製造メーカー「ヨコタ東北」に売却。処理費用と売却益が入り、収益は以前に比べ3割増となっている。  高野学園では「まだ処理能力に余力があるので、電気製品などの梱包に使う発泡スチロールなど、処分に困っている事業者からの回収ルートを増やしたい」とする。

写真左=回収した発泡スチロールの魚箱からシールをはがす利用者ら
写真右=再資源化へ加工されたペレット
1種目で優勝、3種目で準優勝など活躍
京都ホープス以下卓球で一条ク小学生選手
 一条卓球クラブ(小畑喜生代表)の小学生選手たちが1月6日、京都市の府立体育館で行われた平成18年度京都ホープス以下卓球大会で、1種目で優勝、3種目で準優勝するなど活躍した。  同大会には、府内のクラブチームの小学生選手が出場、ホープス(小学6年以下)、カブ(同4年以下)、バンビ(同2年以下)の男女シングルスで優勝を争った。  一条クラブは、女子バンビで藤原雅選手(7)=高野小1年=が優勝したほか、男子ホープスで松田幸大選手(12)=三笠小6年=、同バンビで千坂達也選手(8)=余内小2年=、女子ホープスで矢野和佳子選手(12)=中筋小6年=が準優勝した。このほか、6選手が3位に入賞した。  小畑代表は「もう一歩のところで優勝を逃した選手もあり、全体に力を出し切れなった。さらに練習を重ね優勝をめざしてほしい」と話していた。  3位に入賞した選手は次の通り。  ▽男子ホープス=西村航大(新舞鶴小)▽同カブ=古田敬悟(中筋小)▽同バンビ=内藤雅明(新舞鶴小)倉啓太(中筋小)▽女子カブ=内藤沙織(新舞鶴小)椋本早紀(中筋小)

写真=優勝など上位入賞した一条卓球の選手たち
2007年1月9日

日星高なぎなた部の安久・井崎選手
演技の部で高校選手権近畿大会へ
 上安久の日星高校なぎなた部の選手2人が、来月に姫路市で開かれる高等学校なぎなた選手権の近畿大会の演技の部に出場する。2人は「納得のいく演技でまず1勝をしたい」と張り切っている。  2年の安久梢江選手と1年の井崎太寿美選手。昨年11月に木津町で開かれた京都府大会の演技の部に出場し、5位に入賞した。演技の部は2選手がペアを組み、3分間に3本の型を披露し、服装や技の正確さなど10項目を採点される。6位以上が近畿大会の出場権を得られる。  安久選手は「自分たちの実力を試すいいチャンス」、井崎選手は「近畿大会に出ることに実感が湧かなかったが、自分の力を出し切りたい」と話していた。2月3、4日に兵庫県立武道館で開かれる。

写真=ペアを組み出場する安久選手(右)と井崎選手
緊急「110番」通報の正しい使い方を
舞鶴署、クイズ式のアンケートで広報活動
 舞鶴署は1月8日、南浜町のショッピングセンター「らぽーる」で、事件・事故の緊急「110番」通報の正しい使い方を知ってもらうため広報活動を行った。  府警察本部の平成17年中の「110番」通報の受理件数は28万件を超え、1分52秒に1回、府民九人に一人が利用した計算になるという。しかし、緊急性のない通報もあり、市民の安全・安心を守るために重要な通報をアピールするため広報に取り組んだ。  買い物客の親子連れらを対象に、「110番」通報に関するクイズ式のアンケートに答えてもらい、全問正解者には、反射材のリストバンドや警察官のマスコット人形などがプレゼントされた。  舞鶴署地域課の橋本洋課長は「いつ、どこで、何があったか、犯人は逃げたか、今の状況は、そして名前を的確に通報してほしい」と話していた。また、緊急を要しない相談や問い合わせには、「♯9110」の利用を呼びかけている。

写真=「110番」通報のクイズ式アンケートに答える子供たち
2007年1月5日

世界チャンピオンの夢に向け新しい一歩
日星高卓球部の上田選手、「デフリンピック」へ
 昨年2月の全日本ろうあ者卓球選手権大会・女子シングルスで、初優勝した日星高校卓球部2年の上田萌さん(17)=浜=が、2009年9月に台湾で開かれる聴覚障害者のオリンピック「デフリンピック」の代表候補に選ばれ、1月6日〜同8日の強化合宿に臨むことになった。2年後の大会には、日本チームのエースとしての期待がかかる。世界チャンピオンの夢に向けて、新しい一歩を踏み出す。  生まれつきほぼ両耳が聞こえない上田さんは、5歳から卓球に親しむことでそのハンディを克服した。小学6年生で全日本選手権ベスト8入り、中学時代にも全国大会で活躍して、健常者と互角に戦った。日星高では2年連続で高校総体にダブルス、今夏は団体でも出場した。プレースタイルは左利きのペンドライブ。  いつもは練習と試合で補聴器を付けているが、ろうあ者の大会では外さなければならない。また、健常者と異なり球の変化にくせがある。昨年2月の同大会ではそうした点に最初戸惑ったが、デフリンピック元金メダリストの選手を破り初優勝した。  日本ろうあ者卓球協会が神戸市で強化合宿を主催。女子選手は元金メダリストも含む高校生〜30代の10人が招集された。日本女子は前回05年のデフリンピックで団体・単・複全てで金がなく、次回は金を狙って実力の底上げを図る。今後も年に数度強化合宿や遠征試合が計画される。  上田さんは「昨年2月に優勝して、同じ障害を持つ人たちから励ましを受けました。合宿ではフォアハンドとフットワークを強化し、試合経験豊富な選手から聞こえない世界での戦い方を学びたい」と話す。09年の団体・単・複で代表入りを目指す。  日星高卓球部監督の谷上宏樹教諭も、合宿にコーチとして招かれ、練習メニューの作成を担当する。谷上さんは「ふだんろうあ者との対戦がないので、経験を積むいい機会になる。国際大会を知る選手たちと交流し、次は自分が中心になるんだと自覚を持ってほしい」とサポートする。

写真=目標に向けて練習する上田さん
画家の森下さんが日本最古の編物「あんぎん」
城南会館で作品展、古代の技法再現し講座も
 縄文時代にルーツをさかのぼり、日本最古の布とされる編物あんぎんによるタペストリーなどを展示した作品展「あんぎん物語」が、女布の城南会館ロビーで開かれている。近くに住む画家の森下一夫さんが、約2年前から乏しい資料を調べ、道具も手作りして古代の技法を再現した。完成度の高い緻密に編んだ布で、現代にマッチした作品を今後も作りたいとする。今月(1月)からは同館で講座も開く。  あんぎんは織物以前の布と言われ、語源は「編衣」とされる。縄文時代の遺跡から出土し、古代人たちの衣服として発達したらしい。江戸時代には、新潟の山村で広く着用していたが、その技術伝承者は昭和30年代に1人だけいたという。  素材は苧麻(ちょま)やアカソなどの皮の植物繊維で、撚り合わせて細い糸を作る。たて糸の編み目を刻んだ横木とそれを支える脚、たて糸を巻いて重りとなるコモヅチの道具で編む。すだれや俵などを編む技法とよく似ている。  森下さんは畑仕事中に土器片を発見し、考古学ファンになったのをきっかけに、古代の衣食住に興味を向け、衣服を調べる内、あんぎんに突き当たった。その手作業を自分で体験しようと、少ない専門書などを参考にして独学した。  市販の麻糸を購入するほか、田んぼの土手に自生する苧麻などを刈り取って糸に撚る作業も体験。その麻糸を手作りした道具を使って編んでいく。慣れればタペストリーなら2週間で仕上げることができるまでになった。  この2年間の成果を発表しようと、同館ロビーでの第7回ミニミニ作品展に出品。生活の中で使えるテーブルセンターやポシェットをはじめ、道具も展示している。作品を鑑賞した織物の専門家は「編目が詰まっていて、現代的なポシェットに仕上げるなどデザインも美しく、完成度が高い」と評価する。  森下さんは「あんぎんの素朴な魅力を知ってもらえれば。工夫をして作品の可能性を広げていきたい。出前教室もします」と話す。展示は今月末まで。  あんぎん作りの講座は1月24日、2月7日、同21日、3月7日、同21日。毎回午前9時半〜正午。市販の糸でコースターを作る。定員は15人(先着順)。参加費1回1100円(材料費含む)。申し込みは同館(電話78・1800)まで。

写真=麻糸で編んだ作品と製作した森下さんら
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