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2008年3月28日

「ふれあいホーム 真愛」開設から1年
通い・宿泊・訪問サービス、地域の高齢者支援
 住み慣れた地域で高齢者の在宅生活を支援しようと、社会福祉法人真愛の家が運営する北田辺の小規模多機能型居宅介護事業所「ふれあいホーム 真愛」が、開設から1年を迎えた。従来分散していた「通い」「宿泊」「訪問」のサービスを民家の一カ所で同じスタッフが担当し、本人や家族の急な要望にも柔軟に応えている。お隣の知人宅で預かるような親しい関係の中で支援を続け、お年寄りらも家庭的な雰囲気の中で笑顔を見せ穏やかに過ごす。  ふれあいホームは、カトリック西舞鶴教会そばの二階建て民家で、昨年2月から市内で初の小規模多機能型居宅介護事業を開始した。要介護認定を受ける城北中と城南中校区の高齢者を対象に、登録定員は22人。現在、市内には安寿苑が中舞鶴地区に1カ所運営する。  これまで「通い」など3つのサービスは別々の施設でスタッフも異なり、利用者と家族はとまどうことが多かったが、この事業では顔馴染みの安心感を持つことができる。また、高齢者の気持ちに向き合って臨機応変にサービスを変える▽24時間365日途切れることなく支援するなどが大きな特徴。迎えに行き朝食がまだならホームで朝食を取ったり、通いの時間延長、急な宿泊、夜間の訪問など様々なケースに応える。  中心となる「通い」では、利用者は野菜や食事作り、買い物、散歩など思い思いに自宅と同じ過ごし方をするほか、舞鶴幼稚園や地蔵盆での交流もした。地域との連携を目指し、自治会長らもメンバーとなる運営推進会議を開いたり、広報誌で情報発信する。  介護支援専門員で管理者の嵯峨根直宏さんは「急な時にも即対応できるメリットがあります。小スペースで利用者は安心して過ごし、家族からは笑顔が増えたと聞きます。今後は地域への浸透やボランティアの受け入れをもっと進めたい」と話す。  登録者は2月末で59歳〜93歳の17人。介護度の平均は1.88で、認知症の症状はあっても体を動かせる人が多い。2月の延べ利用者は「通い」173人、「訪問」79人、「宿泊」46人。「通い」の1日平均は約8人。  真愛の家在宅福祉部部長でケアマネージャーの竹内知子さんは「経営的には厳しいですが、施設に預ける感覚ではなく、お隣で過ごすような感想を持ってもらいました。地域の元気な高齢者にもお茶を飲みに立ち寄ってもらえる場になれば」とする。サービス内容や料金などの問い合わせは電話75・0115、同事業所。

写真=家庭的な雰囲気の中、笑顔でレクリエーションを楽しむお年寄りら
3月30日まで「舞鶴勤労者美術展」
知事賞など132点を東公民館ホールで展示
 第21回舞鶴勤労者美術展(同実行委員会主催)が、3月28日から浜の東公民館ホールで開かれている。勤労者らが創作した絵画、書道、写真などの作品132点が展示されている。同30日まで。  勤労者の文化的教養を高めることを目的に、勤労者とその家族を対象に作品を公募して開かれている恒例の美術展。今回は、知事賞などが贈られる審査対象の洋画31点、日本画16点、書道18点、写真57点のほか、審査対象外の工芸品など10点が出展された。  審査の結果、知事賞には、洋画の部で北村和子さん(福来)の「LOVE・Madrid」、日本画の部で小林ヒロ子さん(溝尻)の「炎天」、書道の部で岡野美惠子さん(昭和台)の「劉長卿の詩」、写真の部で市田島枝さん(伊佐津)の「リラックスタイム」が選ばれた。
 その他の入賞者は次の皆さん。
 【市長賞】洋画=梅木千鶴子(上安)▽書道=小林靖生(小倉)▽写真=藤原泰男(安岡)
 【実行委員会会長賞】洋画=新川幹雄(行永東町)▽書道=菅野あい子(寺田)▽写真=金森宏子(森本町)
 【府中丹広域振興局局長賞】日本画=山田三穂(丸山中町)▽書道=西野美知子(上根)▽写真=高橋秀雄(高野由里)
 【府議会議長賞】洋画=泉靖子(行永)▽書道=影井玲子(東吉原)▽写真=河田長友(志高)
 【市議会議長賞】洋画=東彌太郎(鹿原)▽書道=南和彦(池ノ内下)▽写真=早松くに子(森)
 【努力賞】日本画=分野英子(溝尻)▽書道=山口正(東吉原)▽写真=中沢壽藏(田中)
 【佳作】洋画=高宮武久(吉野)▽書道=村上敏正(久田美)▽写真=吉野耕司(南田辺)
 【新人賞】洋画=柴田美千代(倉谷)▽日本画=西良一(南浜町)▽書道=清水美枝子(森)▽写真=加藤重夫(行永)

写真=洋画の部で知事賞を受賞した北村さんの作品「LOVE・Madrid」
2008年3月25日

城南中1年のソフトテニス部・野田選手
府代表チームの一員として全国大会へ
 城南中学校ソフトテニス部1年の野田和明選手(13)=七日市=が、3月26日から伊勢市で開かれる第19回都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会に、府代表チームの一員として団体戦に出場する。代表チームは西城陽中など山城地区の2年生選手が中心だが、その実力が認められ1年生ながら府北部からただ1人選出された。部員たちからも励ましを受け試合に臨む。  昨年秋の新人戦の中丹大会で、野田選手は同級生の井川佳祐選手とのペアで個人戦2位、団体戦は優勝した。続く府大会の個人戦は2回戦で敗退したが、団体戦には城南中や青葉中の選手で構成する中丹チームで出場し、2位になった。1位になった府南部の山城チームの監督がこの大会での野田選手のプレーを見て、全国大会の府代表チームの練習への参加を誘い代表に決めた。  府代表チームは選手8人で、西城陽4人、男山2人、洛西1人の7人はいずれも2年生。一年は野田選手のみ。後衛でプレーするが、右からのフォアハンドを得意とする。合同練習ではチャンスボールでのミスや、ファーストサーブでアドバイスを受けた。  父や2人の姉の影響で小学1年から競技を始め、小中学生のソフトテニス教室「舞鶴ひまわりクラブ」で指導を受け実力を伸ばした。小3から6年まで4年連続で全国大会にも出場した。2番目の姉も中2で、同じ全国大会に出た。  野田選手は「代表に選ばれてうれしい。全国大会では思い切ったいいプレーをしたい」と話す。同部の谷口智子顧問は「粘り強いプレーとチャンスに決める力を持っています。1年生が選ばれるのはいままでにないことなので頑張ってほしい」とエールを送る。

写真=「思い切ったいいプレーを」と話す野田選手
智恵蔵そうぞう塾でレインスティック
田主さん講師に中南米の民族楽器づくり
 舞鶴出身の版画家、田主誠さん(65)=茨木市=が講師を務める智恵蔵そうぞう塾の第1回目が3月22日、北吸のまいづる智恵蔵で開かれた。子供から大人まで約30人が、中南米などの民族楽器のレインスティックづくりをし、さらさらと流れる雨のような心地よい音に耳をすませた。  田主さんは国立民族学博物館勤務時代に世界の民族文化を研究、題材にした版画を製作した。各地の博物館に招かれワークショップで世界の文化を紹介する。そうぞう塾の第一弾は、中南米で雨乞いの儀式や赤ん坊をあやす時などに使われるレインスティックを取り上げた。空洞のサボテンに外からサボテンの針を刺し、中に小石などを入れて傾けると雨のような音がする。  今回はサボテンの代わりに紙の管を使った。管にキリで穴を開けて爪楊枝で栓をした。中には小石や小豆、米、貝殻などを選んで入れ両側に蓋をし、最後に管の周囲に様々な絵を描いて完成させた。子供たちは思い思いの材料を管の中に入れて、雨の雫の絵などを書き込んだ。  志楽小学校五年生の藤原純さんは「小豆と小石とお米を混ぜて入れ、きれいな音が出ました」と話していた。大人たちも童心に戻り優しい音に癒されていた。  12月まで5回の予定で開催する。第2回目は5月25日にアメリカ・インディアンの仮面、7月はオオミズナギドリのモビールなども作る。

写真=講師を務めた田主さん(右)と音を聴く親子
2008年3月21日

災害時の要援護者リスト作成へ
SOSサポート・プロジェクト会議
 南舞鶴地区の森・行永民生児童委員協議会や南舞鶴自治連合会、地元消防団など7団体で構成する「緊急・災害時、要援護者SOSサポート」プロジェクト会議(村尾幸作委員長)は3月19日、4月から要援護者リストの作成を始めると発表した。要援護者を漏れなく把握するために有効な「同意方式」を採用、9月末を目途にリスト作成して災害時に備える。  同プロジェクト会議は、昨年7月、地域の安心と安全を守る取り組みとして、森民協と行永民協が合同で発起団体となり、地元自治連や消防団の協力を得て設立。3月までに10回の会議を開き、要援護者リストの作成に向けて、個人情報保護法に基づく個人情報の取り扱いやリストの様式などについて検討を重ねてきた。  要援護者リストは、これまでに森・行永民協が把握している緊急時の要援護者700人を対象に、民生児童委員43人が各担当地区の対象者を個別に訪問。リスト作成の趣旨を説明して同意を得た上で、各種の個人情報を聞き取り調査して「緊急・災害時SOSカード」に記入する。このカードを基にリストを作成する。  このカードの裏面には、要援護者の所在地を示すマップ、リストの裏面にも同様に要援護者の所在地の一覧マップを掲載する。カードとリストは、担当の民生児童委員が、腕章やネーム札、発電式懐中電灯、ホイッスルなどの防災グッズとともに非常持ち出し用バッグに保管する。災害時には、コピー禁止や第三者への提供禁止の誓約を取り、消防団などの救援組織に開示する。  また、森・行永両民協では、要支援の1700世帯を対象に「安心カード」を作成する。避難場所や緊急時の連絡先などを記入するカードで、自宅に保管してもらい、自分自身や救援者に役立てる。  村尾委員長は「要援護者リストの作成などを通して、地域が一体となった『地域自主防災安心ネットワーク』の結成をめざしたい」と話している。

写真=防災グッズなどを前にする村尾委員長(中央)ら
まちづくりサポートク、アンケート調査
安心して子育てができる地域へ報告会
 NPO法人まちづくりサポートクラブは、産前産後の家事支援と子育て支援サービスに関するアンケート調査などを実施し、3月19日、円満寺の西市民プラザで子育て支援の関係者らが集まり報告会を開いた。調査で得た声を、安心して子育てができる層の厚い地域作りに役立てたいとする。  産前産後の家事でどんな支援が必要か探り、子育て支援の提言をするため、キリン福祉財団の助成で昨年、子育て中の家庭を10回訪れ、調理、送迎などの支援のモニター調査、乳幼児を持つ母親に対して子育て支援サービスの利用の有無などを尋ねたアンケートを実施した。87人から回答を得た。  保育士や助産師、市関係者ら約20人が調査結果を聞いた。自由回答欄で「妊娠中に支援センターの見学をしたい」などの声もあった。参加者らは結果から「保育所でのショートステイなど知らない人が多く、PRの必要を感じた」「助産師と保育士の連携が必要」など意見を交換した。  同クラブ副代表の谷口英子さん(36)は「調査で浮かび上がった問題を地域で考える問題として広め、民間と行政との話し合いのシステムを作り、顔の見える情報を発信したい」と話す。3月末に報告書を作成し、関係者や市民に配布する予定。

写真=調査で浮かび上がった問題を話し合う参加者ら
2008年3月18日

不登校の児童・生徒の「聖母の小さな学校」
苦しい中に希望見いだし男子生徒1人卒業
 不登校の児童・生徒のための上安の民間教育施設「聖母の小さな学校」(梅澤秀明・良子代表)で3月15日、1人の男子生徒(16)の卒業式が開かれた。生徒は「1人ぼっちで苦しかったことを聖母で話すことができるようになった」と1年間の歩みを述べた。茶道や中国語などを指導し見守ってきた人らも出席し、生徒と思い出を語り卒業を祝った。  聖母では卒業単位が決まっているわけではなく、自分を見つめて次のステップに踏み出す力のついた生徒を卒業という形で送りだしている。今年は中学卒業後の約1年間、聖母で学んだ男子生徒がこの日を迎えた。  生徒は中学2年ごろ、学校に行けなくなった当時を「死にたいと思うほど苦しかったけれど、誰もまともに係わってくれなかった。もう1人で生きるより仕方がないと思った」と振り返る。穏やかな表情の内の苦しい気持ちを、打ち明けることができない日々を過ごした。聖母に入学して6カ月後、少しずつ自分を受け止めることができるようになった。  卒業式では、梅澤秀明さんや同学校を支援する元中学校校長の青木信一さんらが1年の成長の様子を紹介し、「君は1人ではありません。多くの人が応援しています」と述べた。生徒も「梅澤先生たちがぼくのことで一生懸命になってくれて、人と話をしたいと思えるようになり、苦しい中でも希望が持てました」と感謝の気持ちを伝えた。生徒は今後、仕事や学業に向けて歩みだす。  また、卒業式に先立ち、在校生らが参加した中国大連・北京の学習旅行(2月18日〜22日)の報告会もあった。大連市民の家や旅順の農家で家庭料理で歓待を受けるなど、一般の旅行では体験できない交流をしたことを発表した。  学校の運営を支援する「聖母の小さな学校を支える会」(川崎弘会長)は、市民に募金への協力を呼びかけている。特に今年度は低調で昨年度の3分の2ほどの募金状況となり、厳しい運営が続いている。  学校は基礎教科などの学習のほか、困難に向き合う力をつけようとサマーキャンプや多くの体験学習も採り入れ、教育関係者や市民たちもボランティアで講師を務める協力をする。現在8人が在籍する。民間施設であるため運営は厳しく、不足分を同会が募金で補っている。昨年度は約350万円を贈った。  寄付は1口1000円。郵便口座番号は00980―1―162920 聖母の小さな学校を支える会。
【問い合わせ】電話77・0579、同学校

写真=梅澤さんから卒業の色紙を贈られる生徒
日星高・森下選手が 初の試合で腕試し
全国高校なぎなた選抜大会男子個人戦へ
 上安久の日星高校(北村司郎校長)なぎなた部1年の森下裕貴選手(16)=高野台=が、3月22日から伊丹市スポーツセンターで開かれる第3回全国高等学校なぎなた選抜大会の男子個人戦に、府代表として出場する。日星からは3年連続の出場。府内の高校でただ1人の男子部員の森下選手は「初めての試合なので精一杯がんばりたい」と練習に励んでいる。  小学校時代にサッカーや水泳を経験した運動好きで、日星入学後は高校でしかできないスポーツをしようと、昨年5月に入部。4人の女子部員に混じって部活動を続ける。  府内には3つの高校にしかなぎなた部は存在しない。夏の全国大会は女子の部のみで、男子の部は春の全国選抜大会に3年前に設けられた。1回と2回大会には、日星高の長尾拓真選手が出場した。京都高体連の推薦で府代表に選ばれた。今大会・男子個人の部には全国から26選手が揃う。  身長180センチと長いリーチはなぎなた競技では有利に働くが、それ以上に動くスピードや試合の駆け引きなどが勝敗を大きくわける。先輩の2年生の女子部員との対戦でもまだ勝つことができない。同部顧問の堀田和美教諭は「スピードと技の正確性が身につけば今後が楽しみ」と話す。  森下選手は「なぎなたは難しいことだらけですが、精神的には強くなった。試合には勝つ気持ちで臨みたい」と話し、新1年生の男子の入部を待ち望んでいる。同級生部員の品川真里奈選手と外賀瑞葵選手は「あきらめずにがんばれ」とエールを送る。

写真=防具を身につけ構える森下選手
2008年3月14日

「ドングリの里親になりませんか」
松下政経塾で学ぶ小原さんら、森づくりの取り組み
 「ドングリの里親になりませんか」 松下政経塾(神奈川県茅ヶ崎市)で学ぶ小原舞さん(33)らが「coro coro(コロコロ) club 」を結成し、舞鶴の森づくりの取り組みを始めた。市民にコナラのドングリを苗木に育ててもらう里親を依頼し、将来それを植える。地球の緑を守る物語のドラえもんの映画を上映中の舞鶴八千代館で3月20日、鉢などの100セットを配布する。  ふるさとの舞鶴のまちづくりに役立つ人材になろうと、東高出身の小原さんは京大大学院を修了し、昨春から同塾で3年間の研修に励んでいる。昨年7月、和歌山県内の森林での営林実習で森の恵みの大切さを学ぶ一方、一見緑豊かな森が手入れされずに元気がない姿も目にした。  舞鶴の森が気になり、地元の人らの案内で2週間山を歩き、森林組合などで聞き取りを実施。人工林の間伐が進まず、苗木を植えた後に手入れがされず枯れるなどを知り、今後も山の荒廃を危惧した。まずは森に関心を持ってもらおうと、苗木の育成と植樹を通して森の現状や役割を伝える活動を発案し、まちの活性化に取り組み舞鶴TMOのメンバーらと6人で同クラブを作った。  福知山市内でコナラのドングリ約千個を譲り受け、ドングリ3個と土、鉢などをセットにし、「ドラえもん のび太と緑の巨人伝」を上映中の同館で配布する。里親には、メールマガジン(http://wmg.be)で苗木の育て方、植樹祭の日程などを発信する。20日の配布は午後1時50分と同4時10分の上映終了後の2回(同3時50分、同6時10分)。無料。  小原さんは「苗木が育つには2年かかりますが、その間にミニ植樹も考えています。森林ボランティアの人たちとも連携しながら、小さなことから裾野が広がる継続した活動にしていきたい」と話す。植樹の日程や場所は今後発表する。
【問い合わせ】電話62・4600、TMO事務局(商工会議所内)

写真=「森の大切さを伝えたい」とドングリを手にする小原さん(左)ら
水ケ浦の上流域で府中丹広域振興局
3月22日、森づくりの植樹イベント
 若狭湾国定公園内にある漁村、田井地区の水ケ浦の上流域で、集落の水源を守り豊かな漁場を育てるため、府中丹広域振興局は府民に森づくりに参加してもらう植樹イベントを実施する。5年前この地域に広葉樹を植えたが、シカの食害で約70%が枯れ、府が再び森林整備を進めている。3月22日に府民の協力で300本の広葉樹の苗木を植える予定。  水ケ浦上流域で府は生活用水の取水のため、2002年にダムを建設、翌年から森林整備事業として、荒廃する森の3.77ヘクタールに、イロハモミジなど1万1310本の苗木を植えた。森を育てることで降った雨が土にしみ込み、養分を含んで海に注ぎ、豊かな漁場づくりにつながるとされる。  その後、下草刈りなどをしてきたが、シカが苗木の芽を食べて約70%の8000本の木が枯れる被害が出た。そのため苗木を補植し、被害防止にネットで覆う作業を開始した。その一部で府民に森づくりに参加してもらおうと、ケヤキやコナラなど300本の植樹イベントをする。  時間は午前9時半〜正午。市漁業協同組合田井支所に集合し現地に移動する。参加は無料。定員は30人(先着順)。申し込みは同17日までに同振興局農林整備室(電話62・4621)。

写真=シカの食害防止でネットに覆われた広葉樹の苗木
2008年3月11日

定年を期に村上さん、女布に木の店オープン
全国の木工作家たちの協力で作品展示
 全国の木工作家たちの協力で作品を展示した店「EBER(エーベル)」が3月11日、オープンした。元サラリーマンの村上貴是(たかし)さん(60)が、温めてきた夢を定年をきっかけに実現させた。シンプルさとデザインにこだわり、六畳ほどの小さな店内に生活道具やレリーフ、おもちゃ、楽器、自作のオリジナル品がぎっしり詰まっている。修理をする「木のおもちゃ病院」も兼ねる。  父親が左官職人だった影響で小学生のころから物作りに興味を持ち、中学生時代には木でテーブルと椅子も作る腕前だった。その後はショッピングセンターで仕入れを担当するサラリーマンを務めながら、木工を趣味で続けていたが、好きな木とデザインを扱う仕事をする夢を抱き、昨年の定年を機に店を持つ決意をし、自宅前に作った。  北欧の木工作品のように、生活の中にデザインを取り入れたシンプルな作品をコンセプトにした。各地で活躍する木工作家に協力を依頼し、北海道札幌市や小樽市、長野県などの5人の作家とデザイナーから寄せられた木目の美しい一輪挿しやレリーフ、皿、ナイフ、フォーク、箸、様々な形のボタンなどを並べる。また、子供たちの想像力を伸ばすパズルや積木などの知育おもちゃ、太鼓や木琴などの知育楽器も扱っている。  自分自身の工房も立ち上げ、長年アイデアを温めてきた子供の成長記録器を制作した。持ち運びが簡単で、柱にビスで取り付けて子供の身長の伸び具合を測定できる。村上さんは「全国の作家たちの協力で実現できました。木は表情や安らぎ、香りといったように五感で楽しむことができます。その魅力を伝えていきたい」と話していた。  城南会館の東側。時間は午前10時〜午後8時。電話090・8523・1589。

写真=木工作家や自作の作品を並べた店「EBER(エーベル)」を開いた村上さん
森歯科クリニックが安心治療で保育士配置
母親が診療中、キッズルームに専門スタッフ
 竹屋の竹屋町森歯科クリニック(森昭院長)が、母親に安心して治療を受けてもらおうと、キッズルームにこのほど保育士の資格を持つ専門スタッフを配置した。母親が診療中に待合室横の専用ルームで、保育士が乳幼児を預かっている。  乳幼児を持つ母親から歯の治療になかなか通えないとの声を聞き、同クリニックは数年前にスタッフルームだった部屋を子供を預かるキッズルームに改装。女性スタッフが子供の世話をしていた。  子育て支援の一つとして、保育園での勤務経験のある保育士の川端なつ美さん(26)が、専門スタッフとして1月から勤務している。六畳ほどの部屋におもちゃやヌイグルミ、絵本、ビデオなどを備え、預かった乳幼児と遊んだり世話をする。いまは事前に保育の予約を受けて対応しているが、今後は常勤勤務の体制に変更する。  川端さんは「お母さんたちから安心して治療に出掛けることができると喜んでもらっています」と話していた。
【問い合わせ】電話76・9186、同クリニック

写真=母親の診療中、幼児を預かる保育士の川端さん
2008年3月7日

かるたを使って地域のよさ見直し
地元の人も協力、岡田上小全校児童37人が作成
 かるたを使って地域のよさを見直そうと、地頭の岡田上小学校(宮本雅子校長)の全校児童37人が、地域の山・川、神社や祭り、農産物などを題材にした「岡上ふるさとかるた」を作成した。地元の人たちからふるさとの自慢を教えてもらって、自筆の五・七・五の読み札と絵札を元に440セットを印刷して完成させた。校区内の314世帯にも配布する予定で、地域でかるた大会が開ければとする。  昨年の加佐合併50周年を記念して、子供たちが遊びながらふるさとに関心を持ってもらえるものをと、かるた作りに昨年10月から取り組んだ。岡田上村おこし委員会など地元の大人たちから書き出してもらった遺跡・生き物・寺社などを元に、約80の題材をピックアップ。その中から児童たちが選び、自分の体験を交えた読み札を考え、現地でスケッチするなどしてマーカーペンでB5判の絵にした。  44枚の札を1人が1〜2枚分担、自筆の文字と絵のままで、縦7.5センチ、横6センチの札に印刷した。「おどったよ 岡上ソーラン どうどうと」「たのしいな うだにがわでの さかなとり」「ひろったら 地頭遺跡の 土器だって」をはじめ、朝市や台風23号などをリズムのいい言葉と活き活きとした絵で表した。製作費は府や市などから補助を受けた。  児童たちは3月3日、協力を得た地域の人たちを学校に招き、完成したかるたを披露、さっそくかるた会を一緒に楽しんだ。地頭の稲荷を札にした5年生の井上みなみさん(11)は「かるた作りを通して岡上はきれいな場所だと分かりました。新1年生にもカルタで遊んでほしい」と話していた。児童全員がかるたを持ち帰った。  岡田上公民館長の仲川春雄さん(64)は「子供たちの手作りかるたは私たちにとっても宝物。家庭で遊ぶことができ、地域のつながりにも役立てることができる」と喜んでいた。

写真=完成したかるたを手にする児童と協力した仲川さん
3月14〜16日、八千代館で上映会
舞鶴でロケ撮影の中国映画「呉清源〜極みの棋譜〜」
 囲碁界に一時代を築いた実在の天才棋士を描き、舞鶴でロケ撮影も行われた中国映画「呉清源(ごせいげん)〜極みの棋譜〜」の上映会が、3月14日〜16日、浜の舞鶴八千代館で開かれる。  呉清源は1914年中国に生まれ、14歳で来日した。当時の日本のトップ棋士たちと対戦し次々と打ち負かし、20世紀最高の天才棋士と評された。日中戦争の中でも日本に留まり、囲碁と人生を厳しくつきつめ、戦後は日中の国交正常化にも努めた。  台湾の新進スター、チャン・チェン、日本からは柄本明、松坂慶子らが出演した。監督は「青い凧」など美しい映像美で知られる田壮壮監督。舞鶴では2004年11月に赤煉瓦倉庫などでロケが行われ、市民エキストラらも出演した。映画は06年に完成、上海国際映画祭で最優秀監督賞などを受けた。  舞鶴フィルムコミッション上映会として開く。14日は午前九時50分と午後7時、15日と16日は午後7時から。会場は150席。入場料は500円。
【問い合わせ】電話62・3583、同館

写真=映画のちらし
2008年3月4日

西高通信制で25人、東高浮島分校は16人
働きながら学び卒業にたどり着く
 府北部の府立高校で2月29日、一斉に卒業式が行われる中、西高通信制課程の25人と東高夜間定時制の浮島分校の16人は、働きながら学び3年以上かけて卒業にたどり着いた。中でも通信制は単位制に変更後、在籍する生徒の半数は不登校を経験したり、他の高校から転編入する生徒が占め、以前に比べて増えている。様々な歩みをする者が集い、全日制とは違った学びの場としての役割が高まっている。  通信制は1年間に約35日程度、日曜日に学校に通って授業を受けるスクーリング、教科書を元に自宅学習でレポートを作成するなどが柱となっている。以前は学年制の4年課程だったが、6年前から単位制に変更、必要な74単位を取得すれば3年で卒業が認められる。留年しても全科目を取り直す必要がなくなり、最高で10年かかって卒業できる。  通信制といえば、高校に進学する機会がなかった人が定年後に入学したり、働き盛りの3、40代が高校卒の資格を取るため、様々な年齢層の人たちが多く学んでいた。しかし、最近は様変わりをし10代が占める。  現在、在籍生徒は206人。ここ数年は年間約90人が入学してくるが、中学からの進学は約20人、他の高校からの転編入は約70人。その内、約半数は小中学校時代に不登校を経験するなどした。自宅学習や単位制によって、マイペースで学べる理由で希望者が増え、卒業生はこれまで平均10数人程度だったが、ここ3年間は毎年30人前後になる。  その一方、卒業できるのは全体の3分の1〜4分の1。奥野正宜副校長は「自分のペースでできるという利点はありますが、毎日学校で授業を受けるわけではないので続けるには強い意志が必要です」とその厳しさを指摘する。今年度も25人の内、3年間で卒業できたのは数名のみで、多くは単位を積み上げてこの日を迎えた。  中学時代に不登校を経験し、京丹後市から2時間かけ通学した女子生徒(18)は「通学中、友達とのおしゃべりが楽しい思い出。友達がいたから3年間で卒業できました」とし、保育士を目指し短大に進学する。海上自衛官の松井政勝さん(24)は新潟在住時に通信制に通い、舞鶴で入隊後に転校し計8年かけて卒業した。「高校を卒業していなかったことにコンプレックスがありましたが、いまは達成感でいっぱいです」と話す。  卒業式では北野茂校長が1人1人に卒業証書を手渡し、「大変厳しい学習環境の中で勝ち取った卒業に誇りを持ってほしい。皆さんは多くの人に勇気を与える存在です」と祝福した。続く卒業を祝う謝恩会では、卒業生たちは学校の先生や介護士などの目標を述べた。  奥野副校長は「通信制でも登校できなかった生徒が、職員室に顔を出してくれるようになり、アルバイトやボランティア活動もして成長をはっきりと見ることができました。卒業は困難なだけに本当に立派です。アルバイトを続けてお金を貯めてから大学へ進みたいという生徒もおり、自分で学ぶ姿勢が強くなっています」と話していた。  テストの日程の関係で第2次の卒業式は3月21日にあり、さらに5、6人が卒業の予定。就職や専門学校、大学などの新しい道へ踏み出す。  溝尻の浮島分校では16人が毎日、昼間仕事をして夕方から授業に出て卒業を果たした。四年課程だがこちらも4年で卒業する生徒は少なく、苦労を重ねて学業を修めた。  式典では田口生夫校長が「昼間働き夜勉学や部活動をしてきた努力が、1枚の卒業証書に込められています。その努力を讃えるとともに生涯学ぶ姿勢をもってください」と祝辞を述べた。  卒業生を代表して新城祐司さん(19)が「仕事と学業の両立は想像以上に厳しく、何度も挫折しそうになり、先生の助言や家族の支えで建て直すことができた。だれ1人として平坦な道を歩んできていません。定時制の生徒だけが知る喜びと自信を持って社会に向かっていきたい」と振り返った。

写真=西高通信制卒業生に北野校長から卒業証書が手渡される
高野小「6年生を送る会」で最後の演奏
「高野スイング・ガールズ&ボーイズ」
 高野台の高野小学校(中川努校長)でこのほど、「6年生を送る会」があり、6年生36人でつくるジャズバンド「高野スイング・ガールズ&ボーイズ」が、感謝の気持ちを込めて最後の演奏を発表した。  同バンドは、昨年10月に当時5年生で結成された。1年先輩の「6年生を送る会」での演目を相談、全員でジャズのビッグバンドを編成して演奏することを決めた。トランペット、トロンボーン、鍵盤ハーモニカ、キーボード、ドラムの楽器をそろえ、担当を決めて始業前に練習を続けた。  音楽を趣味とする中川校長が、各パートごとの譜面をそろえて指導。昨年の送る会で見事な演奏を発表した。6年生になっても練習を続け、地元町内会のイベントなどにも出演した。  6年生を送る会では、1年生から5年生の合唱や演劇の発表に続いて出演。「サンクス・ジャズコンサート」と題して、「インザムード」「ムーンライトセレナーデ」などジャズの名曲を演奏。最後に中川校長の指揮で「シング・シング・シング」を演奏して、在校生や見学に訪れた保護者から拍手が送られた。

写真=高らかにジャズを演奏する6年生たち
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