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2008年4月30日

育てる会、花回廊をさらにグレードアップ
若狭富士を描くようにツツジを植樹
 五老岳のドライブウエー沿いや頂上散策路に植樹されたツツジを世話する市民グループ「五老ケ岳花回廊を育てる会」(西村敏弘代表)は4月27日、花回廊をさらにグレードアップした景観にと、山側斜面に若狭富士(青葉山)を描くようにツツジを植樹した。今後、五老岳頂上から眺められる丹後富士(建部山)も植樹して描くことにしている。  若狭富士の形にツツジを植樹したのは、頂上付近のドライブウエーの山側斜面。同会の会員20人が、高さ約40センチの赤い花を付けたキリシマツツジ約150本を植樹した。ドライブウエーから斜面を眺め、山の稜線をロープで形取り、それに沿って斜面に植樹していった。  同会では、花回廊のグレードアップに、植樹したツツジが並ぶ斜面の上に、さらにツツジでウエーブをつくることを計画。この一環として、すでにドライブウエーの登り口に富士山を描くようにクルメツツジを植樹、今回は第2弾として、若狭富士を描いた。  花回廊づくりは、平成12年に舞鶴東、舞鶴両ロータリークラブが社会奉仕活動の一環として、舞鶴の美観と活性化をめざして取り組んだ。ドラブウエー沿いや頂上散策路の延べ約6キロに約4000本のツツジを植樹した。昨年4月、この活動を同会が引き継ぎ、市民ボランティアらも協力してツツジの世話を続けている。  西村代表は「市民や観光客が訪れる五老岳の景観が、さらに向上すればうれしい」と話している。

写真=若狭富士の形にツツジを植樹する会員たち
メーン日の5月4日に多彩な催し
連休中の恒例行事「舞鶴つつじまつり」
 第25回舞鶴つつじまつりが、5月10日まで行永の東舞鶴公園一帯で開かれている。メーン日の4日には白やピンクなどの花を咲かせる会場の特設ステージで、市民らによる演奏や舞踊、野点、子供の遊びコーナーなどが設けられる。連休中の恒例行事として多くの市民で毎年賑わう。  つつじは市の花にもなっており、同公園一帯には約2万5000本が植えられ、この季節には多くの花々が競いあうように咲き誇っている。まつりは地元の人たちでつくる同協賛会(山下公次会長)が主催し、10日まで夜間はボンボリも点灯している。  3日は午後3時からバンド演奏や子供アニメの上映をする。4日は午前9時40分に開会し、倉梯第二小学校の児童の演奏、老人会の踊り、よさこいグループの踊り、太鼓演奏などをステージで繰り広げる。また、各コーナーではエアートランポリン(有料)、盆栽展示、地元特産品の販売もある。JR東駅南口から会場までシャトルバスを運行する。雨天の場合は主な催しは南公民館で行う。

写真=つつじまつりをPRするポスター
2008年4月25日

神崎4地区の歴史や自然を再発見
地元の人たちが協力して写真集作成
 神崎4地区の歴史や自然を再発見してもらおうと、地元の人たちが協力してこのほど、「神崎地区写真集」(A4判、55ページ)を作成し、205の全世帯に配布した。昭和30年代の海水浴場の賑わいや蒲江の振り物、橋や駅の建設など多数の写真が掲載されている。地域を知る手掛かりに役立てるとともに、子供たちがふるさとに愛着を持つきっかけになればとしている。  少子高齢化が進む東・西神崎、蒲江、油江の神崎4地区は、地域を見直し元気な神崎を作るため、貴重な文化遺産や伝説、暮らしを写真にまとめようと昨年9月に話し合った。神崎里おこし委員会を中心に住民が協力し、今年1月中ごろから写真の提供を呼びかけ、府の地域力再生プロジェクト事業の補助も受け、約53万円で220部を完成させた。  多数集まった写真の中で生活に密着したものを選び、地域別と海運業、山王神社などのテーマ別に明治〜平成までの写真と最後に解説を載せた。大正14年の由良川橋の建設、昭和20年の区民運動会の仮装行列、信仰を集める寺社の文化財や祭礼などを収録し、装丁もこげ茶色で印象的な仕上げになっている。  編集委員長を務めた西之上至さん(69)と前年度の神崎区長会会長の井上茂さん(62)は「編集作業を通して他の地区の祭礼を改めて知った。地域の歴史を次の世代につなげたい」「作成をきっかけに家に残る古い資料や写真を探す人も出てきたり、奉納相撲を復活させたいといった話も生まれてきました」と話している。

写真=地域の暮らしや祭礼などを収めた写真集
市民に開かれた寺院へ講演とライブ
4月29日、開山忌に合わせ「桂林寺」で
 紺屋の桂林寺(能登春夫住職)は開山忌に合わせ、4月29日午前11時から同寺本堂で講演会、続いてライブ・パフォーマンスを開催する。多国籍企業に勤務し同時通訳でも活躍する肥田良夫さんが「人ってなあに―21世紀の日本人の視点から」と題して話し、歌手の多田周子さんが日本の歌を披露する。無料。  室町時代の応永8(1401)年に開かれたとされる桂林寺は、府北部の曹洞宗寺院の要寺として信仰を集める。4月29日は初代住職の法要にあたる開山忌を営んでいるが、市民に開かれた寺院活動の一環として、だれでも参加できる文化事業を毎年企画している。  肥田さんは慶応義塾大学大学院や米国ミシガン大学大学院などを修了し、海外での仕事の経験を活かし、ヒューテックを設立。科学技術分野の通訳・翻訳と能力開発などに務める。世界自由宗教連盟会員でもある。多田さんは童謡の里歌唱コンクールで最優秀歌唱賞を受け、阪神淡路大震災のメモリアルコンサートにも出演した。心に響く日本の歌とオリジナル曲も歌っている。法要は午前10時から。
【問い合わせ】電話75・0168、桂林寺

写真=日本の歌を披露する歌手の多田周子さん
2008年4月22日

小学・中学・高校生府北部空手選手権
舞鶴田辺支部が総合6連覇達成
 第32回小学・中学・高校生京都府北部空手道選手権大会が4月13日、福知山市の三段池公園総合体育館で開かれ、社団法人日本空手協会舞鶴田辺支部(内田慎一郎支部長)が、個人戦と団体戦の組手と形の部の9種目で優勝するなどし、6年連続で総合優勝を果たした。1人1人が自分の力を出し切り、2位の綾部支部を大差で突き放しての6連覇に全員が喜びを分かち合っている。  社団法人日本空手協会京都府北部連合会主催の同大会には、舞鶴と綾部、福知山の5支部が出場。14種目があり、舞鶴田辺支部は個人7種目、団体2種目で1位に。総合でも49点を獲得し、2位の綾部支部の22点に大きな差をつけて総合優勝した。  同田辺支部は園児から高校生の約40人が毎週火曜と金曜夜、城北中学校体育館で5人の指導者と練習に励む。全員が1年の始めにあたり1年間の目標を立て、年間約10試合に臨んでいる。  内田さん(46)は「6連覇は子供たちの一生懸命の気持ちが集結した結果です。空手を通して目標に向け努力する心や礼儀の心を育てたい」と話す。個人・形の部の高校生男女混合で優勝した西舞鶴高校2年の横川里紗子さん(16)=女布北町=は「みんな小さなころから一緒に稽古しているので仲のいいライバルです。次は全国を目指したい」と5月の京都大会に向け気合を入れ直している。  子供から大人までだれでも入部できる。生徒を募っている。
【問い合わせ】電話FAX77・2151、内田さん。
 舞鶴田辺支部の上位の結果は次の通り。
 【個人・組手】小学生低学年男女混合=(1)杉谷未歩▽小学生中学年男子=(2)大機啓吾(3)廣野秀斗▽同女子=(1)土井友姫乃(2)藤井瑞▽小学生高学年男子=(1)原田龍吾(2)廣野悠斗(3)大機涼太▽中学生男子=(1)大機祐也(2)岩室賢太郎▽同女子=(2)増田楓
 【個人・形】小学生中学年男女混合=(2)大機啓吾▽小学生高学年男女混合=(1)大機涼太(2)原田龍吾(3)藤井遙▽中学生男女混合=(1)大機祐也▽高校生男女混合=(1)横川里紗子(3)森優也
 【団体・形】小学生低学年=(1)舞鶴田辺A(廣野秀斗、内田有紀、井上忍)▽同高学年=(1)同A(大機涼太、原田龍吾、廣野悠斗)(3)同C(大機啓吾、土井友姫乃、藤井瑞)▽中学・高校生=(2)同A(岩室賢太郎、森優也、大機祐也)(3)同B(横川里紗子、大江美咲、増田楓)

写真=6連覇の喜びを分かち合う子供と指導者たち
赤煉瓦倉庫7棟が重文指定へ
国の文化審議会が文科大臣に答申
 国の文化審議会が4月18日開かれ、北吸の赤煉瓦倉庫群12棟の内、現在市政記念館などに活用されている7棟を一括して重要文化財に指定する答申が、文部科学大臣に出された。いずれも明治時代に建築された旧舞鶴鎮守府の建物で、近代化遺産として地域に大切に保存されてきた。市ではこれを機会に赤れんがの町・舞鶴をPRしたいとする。  対象は舞鶴海軍の兵器廠魚形水雷庫(赤れんが博物館)▽同予備艦兵器庫(市政記念館)▽同弾丸庫並小銃庫(まいづる智恵蔵)▽智恵蔵西隣の同雑器庫並預兵器庫▽文庫山学園入口西側の需品庫需品庫3棟。1902(明治35)年〜03年に建設された。また、1918(大正7)年に作られた第3水雷庫1棟(舞鶴倉庫の北吸7号倉庫)が付録の附(つけたり)になった。  文化庁によると、「魚形水雷庫は本格的な鉄骨構造の建物として国内で現存するものでは最古級」と評価。また、市内には約130件の煉瓦建造物が残り、特に赤煉瓦倉庫群は特色ある景観を作り、当時作成された行政文書や設計図書も防衛省防衛研究図書館に保存され、建物とともに近代建築史を知る上で貴重な資料という。  市は記念講演会や赤レンガフェスタなどを通して、重文指定の機会をまちづくりに活用していきたいとする。今回で市内の重文指定は4件になる。

写真=重文指定と附となる赤煉瓦建造物
2008年4月18日

毎日放送が児童養護施設「舞鶴学園」8カ月密着
小舎制実践ドキュメンタリー、4月20日深夜放映
 泉源寺の児童養護施設「舞鶴学園」(桑原教修園長、園生65人)が、心に傷を負った子供たちの自立の力を養おうと、生活単位を小さくした小舎制を導入してから7年。家庭に近い環境で暮らすことで、子供たちは人との関係づくりに着実に変化を見せている。こうした学園の実践を毎日放送(大阪市北区)が取材、子供たちと自立を支える職員の姿を8カ月間にわたってカメラが追った。4月20日深夜のドキュメンタリー番組「映像’08」で放映される。  学園は30人を1グループとして集団生活を送る大舎制だったが、2001年の移転を機に七棟の木造住宅を建設、1棟を生活単位とする小舎制に移行した。幼児〜高校生の約10人が暮らし、住み込み職員ら3人が担当。家ごとに生活費を渡され相談しながら使い、時には自分たちで食事の献立を決めて作る。  職員も個々の子供たちの変化を肌で感じ取り、家庭的なケアに努めることができるようになった。親からの虐待を受け人への不信感を持つ子供たちが、小舎制の暮らしで子供たちは自分の役割を考えるようになり、職員との疑似家族の体験を通し、人との信頼関係を回復している。  同放送報道局番組センターの米田(こめだ)佳史ディレクター(34)が、小舎制で全国でも注目される舞鶴学園を知って番組を企画・取材。数年前奈良での虐待事件を取材したが、増加する虐待の渦中にある子供たちの声を聞きたいと思った。大阪府内の施設でも取材を申し入れたがことごとく断られた。  昨年8月から今年4月まで普段の生活や登山、卒園などの様子を子供たちと職員に密着し、延べ40日間にわたって収録した。また、小舎制への転換をする施設も出てきたが、職員の負担は大きく失敗するケース、国の支援体制の遅れなども番組で報告する。  米田さんは「職員の献身的なサポートが、子供たちの生き生きした笑顔につながっていると感じた。学園で作られる家族の姿を通して、希薄になりつつある家族の絆を問いかけたい」と製作した。桑原園長は「家族があってもその関係が壊れていることが増えつつある今、施設の養育の実践を社会に発信することも意味があるのではと思いました」と話す。  番組「家族の再生〜ある児童養護施設の試み〜」(仮題)は、4月21日午前0時15分〜同1時15分。

写真=3月の巣立ちのセレモニーを取材するカメラマンら










元歯科医の画家・山根さん、赤煉瓦絵はがき寄贈
4月20日から販売し6月には油絵展も
 元歯科医で画家の山根由一さん(83)=平野屋=が、市内の赤煉瓦建築物を描いた油絵を元に絵はがきにし、8枚入り1000セットを作成して赤煉瓦倶楽部舞鶴(馬場英男理事長)に寄贈した。10年間に制作した約30点から厳選し、春の風景やホフマン窯などの印象的な絵はがきになっている。4月20日からまいづる智恵蔵などで販売、6月には山根さんの油絵展も開かれる。  山根さんは独学で油絵を始め、舞鶴市展賞や二元展の内閣総理大臣賞など数々の受賞をし、二元会の審査員も務めた。絵画教室での指導や、グループ「柊」を主宰し地元で洋画の発展に尽くしている。  10数年前から赤れんがのまちづくりへの活用に関心を持ち、絵のモチーフに描いていた。が、腰痛や妻の介護もあって、昨年2月に歯科医院を閉業したのを機会に、赤煉瓦のPRと活用に取り組む同舞鶴の支援にと、絵はがきの寄贈を思いついた。  20号の作品の中から、大雪の朝の倉庫や夕潮台から望む赤れんが博物館など8枚を1セットにして、絵はがき「赤れんがの街 舞鶴」を作った。山根さんは「海軍の歯科軍医だったこともあり、海軍が作った煉瓦倉庫に親しみが湧きます。煉瓦の赤色や古びた所が、いまの時代とマッチしている魅力を感じます」と話す。  同舞鶴は1セット500円で販売し、収益金はれんがの保存・活用の活動に役立てたいとする。6月24日〜同29日、まいづる智恵蔵で山根さんの油絵展も開く。赤煉瓦やその他の作品を展示する。

写真左=絵はがきの元になった油絵と山根さん
写真右=市内の赤煉瓦建築物を描いた8枚の絵はがき
2008年4月15日

舞鶴から黒岩さん、原さん、玉林さん
4月20日の全日本トライアスロン宮古島大会へ
 4月20日に沖縄県宮古島で開催される第24回全日本トライアスロン宮古島大会に、舞鶴から3人が出場する。水泳とバイク(自転車)とフルマラソンをこなす過酷な鉄人レースで、数ある大会でも宮古島でのレースは最も人気が高く、選手にとっても憧れの舞台。3人は互いに励まし合いながら完走を目指したいとし、直前まで厳しいトレーニングに汗を流している。  出場するのは白浜台の植木職、黒岩健三さん(67)▽吉坂の舞鶴共済病院放射線技師、原宗義さん(48)▽白浜台の会社役員、玉林直人さん(43)。ほぼ島を一周するコースが設定され、水泳3キロ、バイク155キロ、42.195キロのフルマラソンの3つの異なる種目をし、制限時間14時間以内にゴールを目指す。3人にとっては今年の初レースで、全国から1500人の選手が集まる。  黒岩さんは数々の大会に参加するベテラン。宮古島大会には過去4回出場した。これまで同大会は六十五歳以下の年齢制限があり、昨年は66歳で出場できなかったが、撤廃を求める多くの選手の声を受け今年から制限がなくなった。黒岩さんを含め制限で出れなかった4人が再びチャレンジする。  原さんはキャリア20年。宮古島は今回で連続4回目になり、自己の最高順位は360位だった。トライアスロンは年間4、5レースに参加するほか、フルマラソンやスキューバダイビングもするスポーツマン。  キャリア3年の玉林さんは、これまで山岳マラソンも経験したが、さらに刺激を求めてトライアスロンに挑戦した。出場できるとは思わず応募した宮古島大会が、初のトライアスロンになり、大会の2カ月前に自転車を購入して練習したエピソードを持つ。  3人はともに出場できることに、「心強く刺激になる。声を掛け合ってがんばりたい」とする。黒岩さんは「年齢制限が撤廃された大会に選ばれたからにはリタイアせず完走し、孫におじいちゃんのがんばる姿を見せたい」、原さんは「12時間を切り300番台が目標。ベストを尽くしたい」、玉林さんは「10時間を切って100位以内に入りたい」と話していた。

写真=ともに出場する玉林さん、原さん、黒岩さん(左から)
「日本代表が目標」の岸口君と岡安君
京都スポ少選抜メンバーとして韓国遠征
 舞鶴少年サッカークラブの岸口由春君(11)=余内小6年=と舞鶴中筋FCスポーツ少年団の岡安優也君(11)=中筋小6年=が、サッカーの京都スポ少選抜チームのメンバーに選ばれ、このほど韓国遠征を行った。「日本代表が目標」という夢を持つ2人は、韓国チームと対戦して、大きな経験を積んだ。  選抜チームは、京都サッカースポーツ少年団連盟が、府内各チームから選考した35人の強化選手で編成。府北部からは、岸口君、岡安君と福知山から1人の計3人が選ばれた。選抜チームは、A、Bの2チームに分かれ、4月3日から6日まで韓国に遠征、ソウル市などで地元チームと、各4試合を戦った。  岸口君は、AチームのFWとして4試合に出場、1ゴール、3アシストの活躍を見せた。チームは3勝1敗の成績。得意とするスピードに乗ったドリブルからアシストした。韓国選手の印象は「チェックが速く、フィジカルが強かった」という。  岡安君は、BチームのMFとして3試合に出場、ゴールはなかったが、2アシストの活躍。チームは2勝1敗1分け。得意するスペースへのスルーパスを生かした。「身長が高く、フィジカルが強かった」と印象を話す。  2人は「日本代表になって、ワールドカップ出場」という夢に向かって、韓国遠征で第1歩を踏み出した。

写真=韓国遠征で活躍した岡安君(左)と岸口君
2008年4月11日

松山市「坂の上の雲1000人のメッセージ展」
田主さん(舞鶴出身の版画家)が絵を出品
 作家、司馬遼太郎さんの代表作、『坂の上の雲』の舞台となった愛媛県松山市にある「坂の上の雲ミュージアム」で、舞鶴出身の版画家、田主誠さん(65)=茨木市=が、企画展「『坂の上の雲』1000人のメッセージ展」に作品を出品している。司馬さんとゆかりがあり、各分野で活躍する芸術家ら50人の招待作家が作品を寄せる。田主さんは明治の青春群像と時代のエネルギーを、三角形を多数重ねた抽象画で表現した。  司馬さんは40代の10年間を費やし、小説「坂の上の雲」を完成させた。新聞記者となり俳句の革新に力を尽くした正岡子規、陸軍の騎兵を育てた秋山好古、海軍で近代戦術を確立した秋山真之の兄弟。同時代を駆け抜けた松山出身の3人を中心に、近代国家を目指す明治の日本を日露戦争を交えながら描く。  松山市は3人の足跡が残るまち全体の拠点施設「坂の上の雲ミュージアム」を昨年4月に開設。企画展ではこの小説が発するメッセージを絵や写真、短歌などで表現することをテーマにし、司馬さんと縁のある作家50人の作品、全国公募の439点を展示する。銅版画家の山本容子、建物を設計した建築家の安藤忠雄、写真家の荒木経惟らが想いを寄せた。  国際版画展に入選した田主さんは、国立民族学博物館勤務時に世界の民族文化を題材に版画を制作、独立後は新聞連載や個展で作品を発表する。司馬作品については以前から愛読し、生前や自宅で亡くなる直前にも面会した。いまも夫人らとの親交は続き、司馬遼太郎記念館(東大阪市)の会誌発行などの活動に協力している。  出品した作品は絵画「明治想曲」(100号)、陶板(35センチ四方)の「風と雲」「雨と波」の3点。「明治想曲」は、電信、号砲、騎馬や兵隊の駆ける音、主人公らの青春を謳歌した叫び声など明治のエネルギーを、舞鶴の海と波をモチーフにした三角形だけで表現し、ブルーの色鉛筆で彩色した。展示は来年3月下旬まで。  田主さんは「3人の交友を軸に近代化に向かってゆく気概のある日本人が描かれている一方、戦争で多くの兵士たちが上官の命令のまま死んでいった惨状があり、明治の兵士たちはこれほどまでに国家のために死んでいったのかと、むなしさが募る。戦争とは、国家とは、日本人とは、人間とはと問いかけられた」と、小説から受けたメッセージを話していた。

写真=小説のメッセージを表現した絵と田主さん
市身障センター開設25周年を記念して
シンボルとして陶板レリーフ設置
 市身体障害者福祉センターの開設25周年を記念して、利用者やボランティアらが共同制作した陶板レリーフがこのほど、余部下の同センター玄関横の壁面に設置された。身体・知的・精神の3つの障害者が、一層の社会参加に向けて力を合わせるシンボルとしてのデザインになっている。  障害に関わる幅広い活動の拠点となる同センターは昨年25周年を迎え、「人間ってすばらしい」をテーマに市民から図案を募集し、3つの障害を表す3人の人物と、背景にひまわりの花が広がるデザインを採用。費用もバザーの収益金など市民の支援で賄った。  28枚のパーツからなるレリーフは縦80センチ、横140センチ。センターの陶芸教室の肢体不自由などの11人とボランティア、職員らが、陶芸家の高井晴美さんらの指導を受け分担して共同制作した。完成後は昨年10月の記念式典で披露され、15周年記念で作ったレリーフの横に春を待って設置をした。  制作に参加した内海洋子さん(73)=行永=は「みんなで作り上げていく過程が楽しかった。すばらしい作品に仕上がったと思います」と話していた。

写真=玄関横の壁面に設置された陶板レリーフと制作者ら
2008年4月8日

4月10〜13日、舞夢工房の初教室展
アート盆栽と粘土細工で野の草花や松など
 アート盆栽と粘土細工づくりを楽しむ舞夢工房の初めての教室展が、4月10日から田中町の同工房で開かれる。指導をする田端みつ子さん(65)と教室生の7人が、四季折々の野の草花や松などの樹木を題材に制作した。1つ1つの花びらや葉、枝ぶり、幹の樹皮の形と色彩に様々な工夫を凝らし、驚くほど本物と見紛うほどの出来栄えに仕上げている。同13日まで。  講師の資格を持つ田端さんが9年前から自宅で教室を始め、女性の受講者らが毎月2度指導を受ける。その成果を一堂に披露しようと、これまで作った中から1人5点を自選し、四季ごとのテーブルに鉢植えの草花、山野草、樹木など約40点を展示する。春のランやイチゴ、ツクシ、夏のホウヅキ、キュウリ、冬の椿、紅梅など様々。  葉はサテン、絹などを型紙に沿って切り、アクリルや顔料などの絵の具で染め、アイロンで成形する。アザミの細かな花びらは、本物を分解して型紙にとる凝りよう。樹木などの幹や枝、うろはワイヤーの骨組みに石粉粘土を塗ってボリュームを出し、形を表した。  中でも松はアート盆栽でも最も難しいとされる。針のような葉は、針金にフローラテープを巻いて縒り、1つの鉢に数千本を作った。巻くだけで2カ月以上かかり、指紋が消えるほどの細かな作業を要する。幹の樹皮には液体粘土におが屑を混ぜ、さらに絵の具に土を混ぜて、ウロコのような木肌感を表現した。  田端さんは「本物の盆栽や草花をよく観察し、身近で入手しやすいものを画材などに利用しています。自然に近づけ完成させた時の喜びは大きい」と話す。このほか粘土細工でお茶会をするウサギの人形も並べる。時間は午前10時〜午後4時。入場無料。場所は志楽幼稚園の東隣。
【問い合わせ】電話64・2168、田端さん

写真=本物そっくりのアザミやランなどの鉢植え
校庭の桜が満開、新1年生は890人
市内20小学校で一斉に入学式
 市内の20校の小学校で4月7日、一斉に平成20年度の入学式が行われ、890人(昨年度950人)が校庭の桜の満開となった校門をくぐった。  新1年生は新舞鶴136人▽三笠47人▽倉梯97人▽倉梯第二52人▽与保呂22人▽志楽67人▽朝来35人▽大浦15人▽中舞鶴62人▽明倫56人▽吉原12人▽余内72人▽池内13人▽中筋109人▽福井25人▽高野44人▽岡田上4人▽岡田下5人▽八雲13人▽神崎4人。  布敷の池内小では13人が体育館に入場、名前を呼ばれると元気に返事をした。阿波伊佐実校長が「みんなの笑顔を見て、元気な1年生を迎えることができうれしい。登下校の際には交通事故に気をつけて下さい」とあいさつ。6年生16人が春の花見や秋の運動会など学校行事を紹介し、在校生の91人が「スタートライン」の歌と振り付けを交えて披露し、入学を歓迎した。

写真=入場する新1年生たち=池内小で
2008年4月4日









嶋田さん(森)が書道芸術院大賞受賞
淡墨で力強く自然の壮大さを表現
 このほど開かれた第61回書道芸術院展(財団法人書道芸術院主催)で、森の府教委職員、嶋田寛子(のりこ)さん(雅号・麗雲、34)が、漢詩や現代書など各部門を合わせた中から、最も優秀な作品に贈られる書道芸術院大賞を受賞した。歌人の佐々木幸綱さんの短歌を、淡墨で力強く自然の壮大さを思わせる作品に仕上げた。嶋田さんは「これからも書と向き合って、多くの作品を作り残したい」とする。  佐々木さんの歌「北風を天の怒濤と聞きながら抱く一魂の巌となり」に、自然の大きさを感じて題材に選んだ。縦60センチ、横180センチの紙に、2カ月かかって約200枚を仕上げた中から、現代書の部に出品。5部門の審査会員候補(918人)の作品の中で、「にじみと乾筆のバランス、力強さがすばらしい」と講評され、ただ1人の大賞に選ばれた。  「気持ちよく書けて満足していたので、受賞の知らせにはびっくりしました」と感想を述べる。大賞を受けたことで、今後は同展の審査員を務める。  祖父の姿を見て小学校1年生で筆を持ち始め、中学校2年で入った書道教室で、いまな亡き中村江月さんから書の面白さを教わり、書道を続けることを約束した。その後現在まで南田辺の松山龍雲さんの教室に通うほか、関西書道協会会長の砂本杏花さんにも師事。集中して創作に浸る喜びを感じようと、年間15〜20の公募展や展覧会に出品を続ける。舞鶴市展の委嘱作家もする。  「小品を書いて家に飾ってもらうことも楽しみ」とし、3月まで事務職員として勤務した舞鶴養護学校では、卒業証書や生徒たちの製品の題字にも筆を奮った。「その日の湿度などによって紙と墨の状態が異なり、思わぬ作品に仕上がったり、いまの自分の気持ちを写す鏡にもなる面白さが書にあります」と、筆を持つ楽しさも伝えていければとする。

写真左=大賞の賞状を手にする嶋田さん
写真右=佐々木幸綱さんの短歌を作品にし大賞を受けた嶋田さんの書
志楽ダイヤモンド会館改修終え披露式典
4月5日、地域の昔の暮らし伝える写真展も
 小倉の志楽ダイヤモンド会館の改修が終わり、披露式典が開かれる4月5日、志楽ダイヤモンド協議会(片又喜八郎理事長)は、志楽地区の昔の様子を伝える写真を展示する。戦前の暮らしぶりや、志楽小学校の木造校舎の解体を逐次撮影した写真などを並べる。  志楽ダイヤモンド会館は旧JA志楽支店を譲り受け、府の補助金と地元企業や住民の寄付で改修し、志楽住民の活動拠点として利用していく。5日午前中に式典を行うが、午後からは一般公開し写真展を開く。  地域を自分で撮影したり、地元の昔の様子の写真を多数所蔵する小倉の前田精一さん(82)が写真展に協力し、地域住民に古い写真の提供を呼びかけ、寄せられた写真など約50点を選んで展示する。  東舞鶴郵便局に勤務した鹿原在住の人が、職場の人たちと昭和16(1941)年11月の青葉山登山の記念に松尾寺で撮影した写真、昭和52年に志楽小学校木造校舎の解体が順次進む様子を小高い山から定点観測した写真がある。また、昭和11年のベルリンオリンピック棒高跳び競技で友情のメダルの逸話で知られる舞鶴出身の大江季雄さんが、五輪後に帰郷し浜の浮島グラウンドで競技を披露した時の写真も置く。  時間は午後1時〜同4時。場所は志楽小学校の東側。

写真=昭和16年11月、青葉山登山記念に松尾寺で撮影された写真
2008年4月1日

舞鶴高専が民間企業と筋交いを共同開発
炭素繊維で耐震補強、学生寮で試験的に施工
 白屋の舞鶴高専(小野紘一校長)は、炭素繊維の先端材料を筋交いに使った耐震補強の工法を、民間企業と共同開発し、鉄筋コンクリート造りの学生寮で試験的に施工した。従来の鉄鋼を用いるのに比べて、強度があり費用が安く工事期間も短縮できる。今後は木造住宅への適用に向け研究を進める。  国は建物の耐震化に向け改修を促進しているが、費用の面から耐震補強は進んでいない。土木工学を専門とする小野校長は、1995年の阪神・淡路大震災の被災地の状況をつぶさに見て復旧に携わった体験から、耐震化の普及を図る工法を開発しようと、素材メーカーや地元の金属加工会社ら5社と同高専で連携し研究にあたった。耐震診断で強度不足だった学生寮で実験を試みた。  横揺れから倒壊を防ぐ筋交いを建物に入れる工法は従来からあるが、その筋交いにゴルフクラブに使われる炭素繊維のロッドを利用。軽量素材ながら鉄の10倍の強度がある。直径10ミリのロッド3本を1束にして、長さ7.5メートルの筋交いに加工し建物外部に取り付けた。鉄骨に比べ費用と工期は3分の2で済み、建物の外観に与える影響も少ない。50トンの力に耐える。設置には圧縮の力が抜ける工夫も施した。  小野校長は「補強には費用がかかるため高齢者の住宅ではなかなか進んでいない。今回の実験を踏まえて木造民家に適用できるよう、さらに研究をしたい」と話す。

写真左=筋交いで補強した学生寮
写真右=筋交いに使った炭素繊維のロッド
4月6日まで、テディベアなどの人形ズラリ
高岡さん(京月町)がコツコツ作り初作品展
 テディベアや人形づくりなどを楽しむ京月町の主婦、高岡加代子さん(63)の初めての作品展が、上安の喫茶店「ゆっくり茶房 森のとけい」2階で開かれている。フェルト羊毛や古布などの素材で作った犬やブローチ、洋菓子など様々な作品は、思わず手で触れたくなるような可愛らしさにあふれている。4月6日まで。  約20年前から作品づくりを始めた。本を見て自分で工夫しながら1針1針縫い、次第に題材にする範囲が広がっていった。素材もボアやモヘヤ、チリメンなどを使う。自宅でコツコツと作って楽しむことに留めていたので、人に見てもらう機会がなかった。  多くの作品の中から選んで展示した約180点は、ウエディングドレスを着たテディベア、可愛らしい表情の犬、エプロンシアター、ストラップ、キーホルダーなど多彩。高岡さんは「何でも作品にできないかと思って見ています。出来上がった時の充実感が楽しい」と話していた。午前10時〜午後6時。火曜休み。
【問い合わせ】電話76・1153、同店。

写真=可愛らしい作品と作者の高岡さん(右)
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