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2008年9月30日

トイレ清掃、便器を磨いて自分の心も磨く
「掃除に学ぶ会」舞鶴でも設立
 全国各地でトイレ掃除を通して自己研鑽の場としている「掃除に学ぶ会」が舞鶴でも設立され、このほど市民有志の6人が浜の白糸中学校のトイレで清掃に取り組んだ。今後も定期的に同校で実施していく。  業界第2位の自動車用品の大型小売店「イエローハット」の創業者、鍵山秀三郎氏(現在は同社相談役)が約40年前、人の心の荒廃をなくしたいと1人で清掃活動に取り組み、その哲学に賛同する人たちで1993年、NPO法人日本を美しくする会(田中義人会長)を設立。各地にその趣旨の元、「掃除に学ぶ会」ができ上がり、今年8月末に118カ所にまで広がった。  「舞鶴掃除に学ぶ会」は府北部で第一号。実業の第一線を退いた竹部義弘さん(61)=矢之助町=が、鍵山さんの活動に触れ、白糸中の後野文雄校長の協力で同校で1月から1人でトイレ掃除を実践した。その後、会社経営者らも加わり5人の発起人で学ぶ会を立ち上げ、第1回目の掃除に取り組んだ。  6人はサンドメッシュなどを使って、校舎2階の男子トイレの便器の汚れを素手で落とした。老朽化した校舎は数年後には建て替え予定だが、校舎に感謝する気持ちを込めて同校教諭も参加し、汚れが落ちていく様子に充実感が広がっていた。竹部さんは「掃除は自分の心を磨くことで、感謝の気持ちやいろんな気付きにつながります」と話していた。  次回は10月25日午後1時半から同校で行う。
【問い合わせ】電話62・6234、竹部さん

写真=白糸中の男子トイレを素手で掃除する市民ら
本社後援、10月5日に8時間野外ライブ
常連客らも協力し西地区のバー4店舗が企画
 西地区のバー4店舗の店主らでつくるグループが、音楽で舞鶴を盛り上げようと、常連客らも協力して八時間のライブイベント、Music Campを開催する。ブルースやロック、フォークなどのプロやアマチュアミュージシャンが野外演奏する。下福井・喜多の大野辺緑地公園(とれとれセンターの裏)で10月5日正午からスタート。入場無料。来場を呼びかけている。  引土のブルースバー「DOCKERY FARMS」、円満寺の「BARANCE」、引土のアコースティクバー「GUILD」、堀上の「TUKTUK」でつくる「西舞鶴BAR NETWAORK BEAN BALL」の主催。依頼した企業などにスポンサーになってもらったほか、常連客らも協賛し開催を応援する。舞鶴市民新聞の後援。  ブルースのライブ活動を続ける稲葉浩幸さんが、ドッカリー・ファームを開店し、ジャンルは異なるが同じく音楽活動をしながら、ほぼ同じ時期に近隣でバーを開いた店主らに呼びかけ、2005年に同グループを結成。定期的に集まり仕事の情報交換をしたり、イベントについて話し合い、昨年第1回のミュージック・キャンプを企画した。  舞鶴市内外のアマチュアバンドが出演し、オリジナルロックや津軽三味線、インド古典音楽などを奏でる。また、京都で伝説のブルースハウス・ブルースバンドを結成し、近藤房之助さんの育ての親でもあるブレイクダウンのリーダー、服田洋一郎さん(ギター・ヴォーカル)、「機動戦士Vガンダム」の主題歌「Don’t stop Carry On」を歌うシンガーソングライターの諸岡ケンジさんを特別ゲストに迎える。  雨天の場合は中止。
【問い合わせ】電話76・2141、ドッカリー・ファームス

写真=音楽イベント「Music Camp」をPRするポスター
2008年9月26日

聴覚障害者五輪「デフリンピック」プレ大会卓球女子
今春日星高卒業の上田さん、3種目全てで金メダル
 今春日星高校を卒業した東京富士大学1年の上田萌さん(18)が、来年9月に台湾で開かれる聴覚障害者の五輪「デフリンピック」のプレ大会(9月5日〜10日)で、卓球女子の団体・ダブルス・シングルスの全ての種目で金メダルを獲得した。日本代表チームのエースとして実力を発揮し、6月の国際大会に引き続きメダルの活躍を見せた。1年後の本大会に向け大きな弾みになった。  聴覚障害者の五輪大会はパラリンピックではなく、同じく4年に1度のデフリンピック。感音性難聴でほぼ両耳が聞こえない上田さんは、高校総体に出場し健常者と互角に戦い、全国ろうあ者卓球選手権でも3連覇し、デフリンピックの卓球女子の日本代表候補に内定している。  プレ大会の国際ろう者招待大会の卓球競技は、本大会と同じ台湾の台北アリーナを会場に、日本、台湾、香港、韓国が出場。日本の女子メンバーは4選手。日星卓球部監督として上田さんを指導した谷上宏樹教諭が女子の監督を務めた。上田さんは女子チームの主将を担った。  リーグ戦の団体は全勝、ダブルスでは佐藤理穂選手(東京都)と組み、決勝で韓国ペアに3―1で勝った。シングルスは決勝で韓国選手と対戦し4―0と圧倒。6月の世界大会(ブルガリアで開催)で苦戦した中国選手が出場しなかったとはいえ、厳しいマークの中、金メダル三つの結果を残した。世界大会では団体が銀、副・単が銅だった。  試合を見守った谷上教諭は「調子はよくなかったが、競ったゲームをしっかりとれた。これから研究されるだろうが、本大会でも金メダルの可能性は十分にある」と話す。上田さんは「国際大会で初めての金メダルはうれしい。来年と同じ会場でのプレーはいい経験になり、本大会では中国選手を倒して金を取りたい」と話した。  上田さんは帰国後も全国ろうあ者体育大会の卓球競技(9月12〜14日)で優勝、10月9日から始まる全日本学生卓球選手権でも、大学の部員として関東代表で出場し健常者と競う。

写真=チームのメンバーと団体の金メダルを手にする上田さん(左から2人目、日本ろうあ者卓球協会提供)
松尾寺、開山1300年迎え宝物殿オープン
10月1日から国宝の仏画を77年ぶりに開帳
 西国29番札所、松尾の松尾寺(松尾心空住職)が、開山1300年を迎える。記念事業で建設していた収蔵庫(宝物殿)のオープン式典が9月30日、10月1日から国宝の仏画、普賢延命菩薩像の77年ぶりの開帳、修復が完了した阿形像の公開、舞鶴出身の版画家、田主誠さん=茨木市=の西国札所を描いた作品を展示する。10月1日午前9時半から開帳法要を営む。  青葉山の中腹に位置する松尾寺は、奈良時代初めの和同元年(708)のころ、唐の渡来僧、威光上人が山に登り、松の大樹の下に馬頭観音を感得し、草庵を結んだのが創建の始まりとされる。平安時代には鳥羽天皇らの帰依を受け寺領4000石に及んだが、戦国時代に織田氏によって焼失。その後、細川幽斎ら藩主が復興を進めた。農耕の守り神として庶民はじめ、海上安全を願う海の民の信仰も集めている。  数々の貴重な文化財も所蔵しているが、管理する施設がなかったため、国宝や重要文化財の6点は東京や奈良などの国立博物館に寄託されていた。そのため記念事業として総工費約1億2000万円をかけて収蔵庫を建設。普賢延命菩薩像や仏像の阿弥陀如来坐像、昨年10月から京都国立博物館内で修復作業にあった仁王像(阿形像)など7点が、9月25日に戻り収容された。同30日午後4時からオープンのテープカットを行う。  1300年記念の開帳は10月1日から1年間の予定。文化財を順次公開する。仏舞の面や衣装、寺に残る近代の美術品なども展示する。第1回目の収蔵庫の公開は10月1日〜11月3日の午前9時〜午後4時。  また、田主さんが2003〜04年、NHKの番組で西国巡礼33所を巡って発表した版画作品33点を、本堂右の大師堂で展示する。人々の巡礼のひとこまや心の風景を描いた作品は、放映中に大きな反響を呼び、作品展が開かれたり版画文集にもなった。10月1日は田主さんも訪れサイン会をする。
【問い合わせ】電話62・2900、同寺

写真左=寺に戻り公開される国宝の普賢延命菩薩像の仏画
写真右=展示される田主さんの版画「松尾寺」
2008年9月24日

岡田中学でオペラ公演「カルメン」上演
合唱部3年生の12人がプロとともに歌い踊る
 岡田由里の岡田中学校(舩本忠成校長、生徒67人)で9月18日、プロ歌手とスタッフらによるオペラ公演「カルメン」が上演された。文化庁主催の舞台芸術体験事業の一環で、歌手らから指導を受け練習してきた同校合唱部3年生の12人も第2幕で共演し、プロとともに歌い踊り見事に演じ切り、カーテンコールで「ブラボー」の掛け声を受けた。  オペラは楽器演奏と歌、芝居、美術、衣装などを兼ね備えた総合芸術。今作は舞台美術などを担当するオペラ・アーツ振興財団(東京都)が制作、アーツ・カンパニーの歌手が出演する同事業に応募した新潟などの小・中学校などで巡回している。岡田中は昨年もこの事業でプロ歌手らによる合唱を体験し、2連続の公演が実現した。  「カルメン」はスペイン・セビリアが舞台。美女のカルメンを巡って、2人の男の愛憎を軸に展開する。公演は場面を抜粋した全4幕で日本語で演じらる。本番に先立ち7月同校に歌手らが訪れ、村人に扮する男子生徒、ジプシーに扮する女子生徒たちに発声法や演技を指導、その後も生徒たちで練習を重ねた。  この日は地域の人ら約120人が鑑賞する中、第2幕の村人らで賑わう酒場のシーンで、生徒12人も衣装に身を包み舞台に立った。出演した合唱部部長の瓜生朱里さん(15)は「一生の思い出になりました」、部員の小谷諒君(14)は「歌で盛り上がるところが最高に楽しかった」と話していた。歌の指導をした歌手の山田大輔さんは「表情もよく出ていて満点」と評した。  総勢40人のプロの舞台美術と打楽器などの演奏、演技の迫力と華麗さに、終幕後は来場者から大きな拍手が送られた。

写真=第2幕でプロと共演した生徒たち
9月27・28日に陶芸、絵画、書道など約100点
府肢体障害者協会舞鶴支部西福祉会が初の作品展
 京都府肢体障害者協会舞鶴支部西福祉会(田中武久会長、会員72人)が9月27、28日、伊佐津の西駅交流センター3階ホールで、初めての作品展を開催する。会員たちが趣味で取り組む陶芸や絵画、書道など約100点を並べる。入場無料。  西地区に在住し、手足などに障害を持っている人たちが会員になっている。親睦の行事などをするほか、市身体障害者福祉センターの地域活動支援事業で絵画や陶芸などの趣味を楽しんでいる。1年に1度、市内の障害者全体の作品展はしているが、西福祉会で初めて企画した。  様々な障害を持ちながらも前向きに活動している姿を、ランプや置物などの陶器、手芸、写真などの作品で紹介する。田中会長は「たくさんの人に見てほしい」と来場を呼びかけている。両日とも午前10時〜午後4時。

写真=陶芸に取り組む会員ら
2008年9月19日

キャリア1年半の大塚聖子さん(上安)
舞鶴市柔道連盟で初、主婦の黒帯・初段誕生
 柔道を始めて約1年半の上安の主婦、大塚聖子さん(34)が、このほど初段の昇段試験に合格し、夫の潔さん(47)とともに念願の黒帯を締めることができた。舞鶴市柔道連盟(畠山一男理事長)では主婦の初段は初めての誕生という。小学2年生と保育園児の2児と一緒に大塚さん一家は、松ケ崎柔道教室で仲間といつも稽古に励んでいる。  海上保安官の潔さんが3年前に海上保安学校に転勤し、学校柔道部で指導を受けて柔道を始め、2年前に初段を取得した。泉源寺の海上自衛隊舞鶴教育隊を練習会場とする同教室で稽古を続けているが、長男の蒼君(7)も昨年2月に教室に通うようになった。聖子さんは付添いで同行していたが、「一緒に稽古を」と声を掛けられ、「体を動かす機会になれば」と同時期に始めた。  昨年7月に1級に昇段後、黒帯を目標に稽古にも熱を入れたが、初段に4度挑戦して失敗。ともに黒帯を締めようと励ましてきた潔さんが、休日には文化公園体育館で打ち込みの練習相手を務める協力をし、その甲斐あって5度目の試験で黒帯を手にした。  いまでは次男の暁君(4)も加わり、同教室で教育隊教官から指導を受けている。聖子さんは「たまたま家に柔道着があって始めましたが、柔道がいまでは家族共通の話題になっています。黒帯はうれしいですが、試合に出場して1勝をしたい」と次の目標を掲げていた。

写真=夫の潔さんとともに黒帯を締める聖子さん。子供たちも一緒に稽古する
喜多住民有志と福井小児童たち
犬の糞害防止へ手作り看板を設置
 喜多地区の住民有志と福井小学校の児童たちが、犬の糞害防止を呼びかける啓発看板を手作りして、このほど通学路に設置した。児童たちは登下校時に放置されている犬の糞を踏んでしまい、いやな思いをしていることから、「飼い主の人が持ち帰ってほしい」と呼びかけている。  犬の糞害防止は、住民有志が3年前から取り組みを始めた。市役所に相談して市の啓発看板を設置したが、思うような効果があがらなかった。2年前からは地元住民が取り組んでいること知ってもらうため、独自に犬の糞の放置された場所に、イエローコーン(標識)を置き、飼い主に注意を促すようにして、後日犬の糞を回収している。  住民有志は、道路沿いの雑草刈りも行い、犬の糞を放置しにくい環境づくりにも取り組んでいる。また、児童の登校時に見守り活動にも加わり、放置された犬の糞を見つけている。こうした活動の成果が実り、これまで月40個の犬の糞を回収してきたが、現在では10個ほどに減ったという。  啓発看板は、子供のころから犬に飼い主のマナーについて知ってもらおうと、児童たちに呼びかけて作った。地元の援助を受け、プラスチック板(縦40センチ、横30センチ)に、児童たちが犬の絵などとともに「犬のふんはいや。きれいな道にしよう」「さん歩のときはふくろをもとう」などと書き込んだ。15枚作り、通学路に杭を立てて設置した。  福井小4年の藤澤加鈴さん(10)は「犬の糞を踏んで、友達がいやな思いをしました。飼い主の人は犬の糞を持ち帰ってほしいです」と話していた。

写真=自分たちで作った啓発看板を前にした児童たち
2008年9月16日

9月23日に「まいづる市民自治研究所」
かまぼこのよさ再発見、調査報告とフォーラム
 舞鶴の名産品となっているかまぼこのよさを再発見し、地域経済の振興につながる提言をしようと、まいづる市民自治研究所(品田茂代表)が、製造業者から聞き取りや市民アンケート調査などに取り組み、9月23日、伊佐津の西駅交流センターでフォーラムを開催する。現状や課題の報告と提言の発表に続き、大学教授や行政担当者らをパネラーに迎え、議論を交わす。来場を呼びかけている。入場無料。  同研究所は、地域や自治体に関する研究活動を行い、豊かな地域生活づくりに役立とうと、市民有志で2005年に設立。約30人の会員と大学の研究者ら九人が応援会員となる。市内で様々な活動をする団体や事業所などから話を聞く定例会、講演会などを開いてきた。  にぎやかなまちづくりのため、自ら地域を歩いて調査し提言にまとめる実践活動にも力を入れようと、その第1回として舞鶴の名産で定例会でも1度話を聞いたかまぼこをテーマに選んだ。会員と公募の市民で「行け行け!かまぼこ調査隊」を5月に結成、応援会員で地域経済を専門とする京都大学大学院教授の岡田知弘さん、舞鶴蒲鉾協同組合参事の辻義雄さんらのアドバイスを受けた。  市内のかまぼこ製造の5社の工場見学のほか、製品の特徴▽購買層▽商圏▽課題などを聞き取った。また、市民を対象にしてかまぼこの購入先▽調理法▽舞鶴かまぼこの特徴についてなどのアンケートを実施、845通の回答を得た。調査結果を分析し、かまぼこの地産地消につながる提言を検討している。  フォーラムには岡田教授がコーディネーター、パネラーに辻さん、市経済部商工観光課長の砂原由明さんらを招く。舞鶴かまぼこの試食コーナーを設け、おいしい食べ方も紹介する。午後1時半〜同5時。  品田代表は「多くの市民から意見をいただき、身近な食べ物であることを実感しました。全国でも珍しい舞鶴かまぼこの取り組みなど、製造業者のこだわりも知り、よい提言をしたい」と話していた。
【問い合わせ】電話FAX75・5753、品田さん

写真=市内のかまぼこ製造メーカーで説明を受ける調査メンバーら(同研究所提供)
映画「地球交響曲」上映協力スタッフを募る!
府中丹文化会館で全作品6本、9月23日から順次上映
 財団法人京都府中丹文化事業団は、上映実行委員会(高澤弘明会長)とともに、映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー」(龍村仁監督)の全作品6本を今月から順次上映する。上映に一緒に取り組んでくれる協力スタッフを募っている。第1回の上映は「第六番」を9月23日、綾部市里町の府中丹文化会館で行う。  「地球交響曲」は、自然と共生したり人間を深く見つめる生き方をする人を主人公に、その活動やメッセージを収めたドキュメンタリー映画。第一番から第六番まで製作され、環境問題や命のつながりなどを描いた根強い人気がある。  上映は2006年製作の第六番が23日午前10時半と午後1時半。耳には聴こえない音楽を描きだした作品で、20世紀最大の楽聖と称されるシタール奏者のラヴィ・シャンカール、ザトウクジラが歌うことを発見した海洋生物学者のロジャー・ペインらが出演する。入場料は1000円(当日200円増し)。  次回以降は来年1月18日に第一番、4月5日に第二番、その後は3、4カ月ごとに上映する予定。協力スタッフは高校生以上。
【問い合わせ】電話0773・42・7705、同事業団

写真=9月23日上映の「地球交響曲 第六番」のちらし
2008年9月12日

浮島丸事件の犠牲者追悼活動をまとめた
品田さんの著作本、韓国の「釜山日報」が報じる
 故野田幹夫さんと須永安郎さん(83)=溝尻中町=が中心になって取り組んできた浮島丸事件の犠牲者の追悼活動をまとめた著作『爆沈・浮島丸 歴史の風化とたたかう』(高文研)が、韓国釜山市の新聞「釜山日報」に紹介された。釜山は、輸送艦「浮島丸」が到着する予定だった地。韓国での講演依頼や翻訳などの反響を呼んでいる。  終戦直後の1945年8月24日、釜山を目指して青森県を出港した「浮島丸」が、寄港した舞鶴湾で爆沈し、韓国・朝鮮人ら549人が亡くなった。元中学校校長の野田さんと元市職員の須永さんらが追悼に長年取り組んできた。  今夏、浮島丸殉難者を追悼する会事務局の品田茂さん(49)=七日市=が執筆した。韓国でも舞鶴市民の追悼への想いを知ってほしいと、韓国大邱"(てぐ)市の大邱大学に語学留学中の大学生の長女、結さん(21)が本を預かり、追悼集会にも参加し親交を深めた韓国の大学関係者らを訪れ献本した。  事件は当時の日本では報道されず、体験者が釜山に戻って話し、同年9月18日に釜山日報が初めて報じた。結さんは同紙国際部に本を届けると記者から取材を受け、8月27日の紙面で写真付きで掲載され、さっそく釜山の市民グループから講演の依頼が届いた。  光州市の東新大学教授で日本文学を研究する柳在淵さんは「浮島丸事件の日本の市民運動は、韓国でも多くの人が知るべき。翻訳をする価値がある」と感想を寄せた。  2002年に須永さんらと光州市で市民と交流した品田さんは「事件は日韓の関係を考えるキーワードになる。お互いに事件を知ることから話し合うきっかになれば」と話している。

写真=追悼活動をまとめた本を報じた「釜山日報」の記事
元プロボクサーが教室を開設
選手育成へ加藤さん、エクササイズ採り入れ
 元プロボクサーの加藤吉信さん(35)=和江=が、府北部で馴染みの薄いボクシング競技の普及を目的に、このほど円満寺の西市民プラザで、ボクシング教室を開設した。初心者に興味を持ってもらうため、体力づくりのボクシングエクササイズを採り入れて指導、将来は競技会に出場する選手の育成をめざしている。  加藤さんは、由良川中出身で、ボクシングの名門・南京都高に進み競技を始めた。さらに、法政大学でもボクシングを続けプロに転向した。高校時代にはインターハイで準優勝、さらに法政大学時代には国体で準優勝した。  プロは大阪アポロジムに所属して活躍、フェザー級の日本ランキング1位となった。しかし、体力の限界を感じて、27歳で引退。その後、大阪でボクシングエクササイズの指導など続け、最近、舞鶴に帰郷した。現在は父親の経営する不動産会社で働いている。  ボクシング教室は、ボクシングファンで友人の辻孝幸さん(35)=布敷=と共に、「府北部でボクシングの普及を」と開設した。9月からスタートした教室は、毎週水曜日午後8時〜10時、西市民プラザであり、現在、若い女性や中年男性、少年ら約10人が参加している。  参加者は、ボクシングのフットワークを交えた体操やパンチの基本的な打ち方などの指導を受け、心地よい汗を流している。加藤さんは「ボクシングは殴り合う競技。人の痛みのわかる選手を育てたい」と話している。  参加費は月額5000円(グローブ代含む)。
【問い合わせ】電話76・8879、カイロプラクティック「かなめ」の辻さんまで。

写真=パンチの打ち方を指導する加藤さん(右)
2008年9月9日

引揚最終船入港50周年と引揚記念館開館20周年
記念事業で「岸壁の母」案内板除幕やフォーラムなど
 引揚最終船入港50周年と引揚記念館開館20周年の記念事業(市など主催)が9月6、7日、浜の総合文化会館などで開かれた。引揚桟橋がかつてあった浜の五条海岸に案内板が設置され、はめ込まれた写真で父の帰りを待つ母子の関係者らも除幕に参加した。また、フォーラムや献茶、大浦小学校6年生たちの発表もあり、引き揚げを語り伝えるとともに平和のメッセージを発信した。  NPO法人舞鶴・引揚げ語りの会が、「岸壁の母」の案内板を設置。写真は旧ソ連に抑留された小谷嘉七さんの帰りを桟橋で待つ妻のちゑさんと兄弟の2児が撮影された。嘉七さんは抑留先で48年に38歳で亡くなった。長男の嘉一郎さんは今年2月65歳で亡くなり、妻の登志子さん(64)=彦根市=が除幕に参加した。   嘉一郎さんは小学校1年生だった時に父に宛てた手紙を書き、「友達にはお父ちゃんがいるけれど、ぼくにはいないので寂しい」の一文が紹介された。登志子さんは「生前夫は戦争の悲惨さを語り伝えなければいけないと言っていました。今日は感慨もひとしおです」と話していた。  6日は平の引揚記念公園で献茶式があり、斎藤彰市長や裏千家・木村宗秀社中の木村智子さん(65)=行永=が帰国を果たせなかった人たちの慰霊をした。また、大浦小学校6年生たちが引き揚げの学習の成果を発表した。  引揚関連市連携企画展は9月11日まで浜の総合文化会館小ホールで開かれている。呉市、横須賀市など各地から引き揚げの写真・資料が並べられた。入場無料。

写真=除幕された「岸壁の母」の案内板(五条海岸)
東舞鶴FCのフットサル教室で子ら
現役プレーヤー・Fリーグのドゥダ選手の技学ぶ
 日本フットサルリーグ(Fリーグ)のシュライカー大阪(大阪市)でプレーするドゥダ選手(35)が9月4日来鶴し、「東舞鶴FC GILL FUTSAL CLUB」(竹辺エイジ代表)で指導した。小・中・高校生らが現役で活躍するドゥダ選手のプレーを目にするとともに、ドリブルやパスなどを教わり、集中してボールを追いかけていた。  フットサルは室内で行うミニサッカーで、5対5でプレーする。日本では2007年にFリーグが設立、全国の8チームが加入する。ブラジル出身のドゥダ選手は、母国のプロフットサルチームでもプレー。日本でも多くのチームを経て、現在シュライカー大阪でコーチ兼選手として活躍する。以前、竹辺さんと同じチームに所属し、今回依頼を受けて指導に訪れた。  東舞鶴FCのクラブは今春、市内で初めてのフットサル教室として発足した。南米パラグアイのプロサッカーチームの元選手、竹辺さん(24)=朝来中=が指導する。日本各地のフットサルチームでプレーした。約60人が平の大浦小学校体育館で練習する。  小学生クラスの26人に、ドゥダ選手はボールを止めてコントロールしパスを蹴る方法、ドリブルからのシュートなどを指導。3対3のミニゲームの実戦的な練習もし、「ボールを見すぎないように。パスは大切なので時間をとって練習を」とアドバイスした。  朝来小5年の谷口晃紀君は「リフティングが苦手だけど、今日コツを教わったのでできるようになりたい」、中舞鶴小5年の大野滉貴君は「パスやドリブルが上手で勉強になりました」と話していた。

写真=小学生を指導するシュライカー大阪のドゥダ選手
2008年9月5日

サンムーン個展に出品した若森さん(岐阜県中津川市)
「ほのぼの屋」に半立体作品を寄贈
 立体造形や絵画などで世界的にも評価を受ける芸術家、若森良夫さん(59)=岐阜県中津川市在住=が、浜のギャラリー・サンムーンでの個展で出品した半立体の作品「天国の窓」2点(100万円相当)を、障害者たちが働く大波下のカフェレストラン「ほのぼの屋」にこのほど贈った。縁のできた舞鶴で作品を楽しんでもらえればと、若森さんのファンの市民らが寄贈先を探す協力をした。  様々な職業を経て40歳でアートの世界に入った若森さんは、石の彫刻から木、絵画、陶芸などへと独自の創作世界を広げている。2001年パリで最も権威のある美術展の1つ、サロン・ドートンヌ展で入選、03年にはイタリア美術賞展立体特別賞を受けるなどした。枠にとらわれない線と形、透明感のある色彩の作品から、楽しみながら創作に向き合う姿が伝わる。  サンムーンでの3回目の個展は、8月31日まで開かれた。「天国の窓」は、アクリル板やアルミ線などを材料に色鉛筆などで青を基調に彩色した大作。1点は縦95センチ、横185センチの大きさ。約3カ月かけて完成させた。  舞鶴とサンムーンが気に入る若森さんが、この作品を市民に贈りたいと想い立ち、画廊オーナーの佐藤保明さん、若森さんの作品と人柄に引かれる市民らが多くの人に見てもらえる施設への寄贈先を探した。現代美術の草間彌生作品を店内に飾るほのぼの屋に持ちかけ、施設長の西澤心さんが快諾。同店入口通路の壁に近く展示する。  斬新なデザインの店で海とまちの夜景を眺めた若森さんは「とても素敵な場所。作品に合うところを見つけてもらってうれしい。また舞鶴に来ます」と喜んでいた。西澤さんは「若森さんのブルーと緑の作品が海に近い店に合うと思いいただきました。店をサポートしていただいている多くの方の想いで、作品がここに来てくれたと思います」と感謝の気持ちを伝えた。

写真=寄贈した半立体作品「天国の窓」と若森さん(左)
住民と京大の研究者が協力し共援組織
府の支援事業活用、松尾集落の村づくりへ
 府の「ふるさと共援活動支援事業」を活用し、松尾集落と京都大学大学院農学研究科星野研究室が「松尾集落ふるさと共援組織」を設立し、9月3日、北吸の市役所で両者の代表による協定書の調印式があった。高齢化と過疎化が進む松尾の村づくりに向け、住民と大学の研究者が3年間にわたって取り組む。  青葉山中腹の松尾は世帯数16戸、人口27人。この内65歳以上が18人。西国巡礼29番札所の松尾寺の門前の集落として賑わったが、後継者不足で遊休農地が広がり、有害鳥獣の被害も増えている。肥沃な土地を活かしたゴボウ栽培で知られる。  同事業の活用は、京丹後市の2集落に続いて3カ所目。松尾の住民代表の谷義雄さん(66)と、同大学大学院の星野敏教授(50)が出席し、定住促進▽都市と農村の交流促進など5項目を盛り込んだ協定を交わした。初年度の事業費は府と市合わせて100万円を補助する。  1年目は、大学院生ら17人が地域で現状を調査、2年目から具体的な活動をする。谷さんは「10年後には村が崩壊する危機感がある。若い学生たちの知恵を借りて、跡継ぎが戻ってくる村にしたい」、星野教授は「村の人の熱意と可能性を感じた」と話していた。

写真=協定を結んだ松尾代表の谷さん(右)と京大の星野教授
2008年9月2日

9月7日「こどもたちからのメッセージ・記念講演」の
オープニングで市民有志ら、歌劇で引き揚げ者の出迎え演じる
 引揚最終船入港50周年と舞鶴引揚記念館開館20周年の記念事業として、9月7日、浜の市商工観光センターで開かれる「こどもたちからのメッセージ・記念講演」のオープニングで、七夕会と老人会の市民有志45人が、引き揚げ者を出迎えた婦人会や家族を演じる歌劇「岸壁の母」を発表する。出演者らはステージを通して、市民らの出迎えの活動や悲惨な戦争の史実を伝えたいと練習に励んでいる。  10年前、長岡京市での民生児童委員の全国大会で、引き揚げ時の様子を発表した委員らが七夕会を結成し、年に一度会食などで親交を続けている。今回は市主催の記念事業でもオープニングイベントとして発表をと提案し、城南、高野、中筋地区の同会と老人会のメンバーが出演する。  その一人、伊佐津の主婦、安達一重さん(82)は、引き揚げ者を熱心に出迎え、「引き揚げの母」として知られる元市議の田端ハナさん(2006年に没、99歳)と同じ師範学校で学び、小学校教員として教えを受け、その活動を目にした。  歌劇は引き揚げ者を出迎える様子を、コーラスや詩吟、舞踊などで構成した内容。「異国の丘」のコーラスに始まり、ゲートルに雑嚢(のう)姿の引き揚げ者、看護婦、迎えの旗を手にした婦人会、親子らに扮し、再会を果たす場面を演じる。約1カ月前から各パートで練習に取り組んできた。  安達さんは「田端先生や女性たちの姿をいまの人に伝えたい」とする。元小学校教諭の岸本美佐枝さん(78)=岸谷=は「子供たちを連れて引揚者の出迎えや慰問に行った当時を思い出し歌いたい」、後野千代子さん(67)=真倉=は「戦争のことを忘れず、悲しむ人を出してはいけいという気持ちで演じたい」と話していた。  7日午後1時から開演。歌劇に続いて大浦小学校6年生らの引き揚げについての発表、作家の辺見じゅんさんの講演がある。発表に先立ち同日午前10時45分から三条海岸で、入港を再現した行事でも出迎えを演じる。

写真=引き揚げ者の出迎えを演じる市民有志ら
日星高校の将来ビジョンなどを話し合う
教職員や卒業生、市民ら協力しワークショップ
 日星高校(水嶋純作校長)の将来ビジョンなどを話し合うワークショップ「フューチャー・サーチ 築こう日星の夢 つなごう舞鶴の未来」が8月29日〜31日、余部下の中総合会館で開かれた。教職員や卒業生、市民、教育・福祉関係者ら約90人が協力し、日星の過去と現在を見つめ、将来像と行動計画を考えた。  日星は普通コースなど270人、看護専攻科62人が学ぶ市内で唯一のカトリック系私立高校。今年から人間関係をつくる力など新しい教育目標を実践する。来年の創立80周年を機会に、新しい将来構想や地域に貢献する学校づくりを考えようと、南山大学(名古屋市)の専門職大学院等教育推進GPプログラム事業「フューチャー・サーチ」を実施することにした。  フューチャー・サーチは、当事者や幅広い関係者が対話を通して、学校のビジョンのテーマを共有し作り上げる。日星や南山大学の担当者で日星高校フューチャーサーチ計画会議を組織し準備にあたってきた。市教委、現役教員と生徒、各分野で活躍する卒業生らが九グループで作業をし、同大学の津村俊充教授らが進行役を務めた。  初日は、将来構想を歴史的な視点から検討しようと、日星や社会、個人レベルで過去30年間の出来事を書き出し、それらが今後にどうつながるか考えることからスタートした。卒業生や教員たちから以前に比べて宗教教育が希薄になっているのでは、インターネットを使った情報発信をといった意見が出た。  現役生徒は「小さい存在の人が見捨てられがちの社会の中、私は日星に受け入れられ成長できた。そんなところに日星の存在意義がある」と体験を述べた。最終日には3カ月の短期的な行動、今後3年の長期的な行動計画をまとめた。
 (将来構想の具体的内容は後日掲載する)

写真=小グループで話し合う参加者たち
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