舞鶴市民新聞社の運営する舞鶴市近郊ローカルニュースサイト
      Web みなと舞鶴    http://www.maipress.co.jp
現在地は?
ホーム>> 過去のトピックス >>2009年12月
2009年12月25日

シリーズ刊行「軍港都市史研究」第1巻「舞鶴編」
舞鶴出身の広島大・坂根教授らの研究グループ
 広島大学大学院の坂根嘉弘教授(53)らの研究グループが、これまで未開拓の分野だった戦前の軍港並びに戦後の海上自衛隊と地域社会との関わりを、政治・経済・社会など多方面から総合的に分析し、その成果として「軍港都市史研究」シリーズの刊行(清文堂出版)をスタートさせ、舞鶴出身の坂根さんが編者と執筆者の1人を務めた第一巻の「舞鶴編」が完成した。1901年の舞鶴鎮守府開設で地域社会が激変したことを、多くの資料を元に初めて具体的に明らかにするなど、大きな成果を示している。  明治に海軍の鎮守府が置かれた横須賀、呉、佐世保、舞鶴を中心に、要港部の鎮海(韓国)なども対象地域にし、各軍港に特有の問題や共通点、比較分析の研究をした。「舞鶴編」(A5判、426ページ)は、坂根さん(近代日本経済史)ら6人の研究者がわかりやすい記述で書き、軍事機密で公表されなかった舞鶴の地形図なども載せた。  軍港都市は陸軍の軍都と異なり、海軍工厰の併設により、ヒト・モノ・カネの大きな流れが形成され、急激な変革が地域社会に起きた。その一つに、戦前の日本では軍港都市が最も短期間に人口急増と人口減少が発生し、軍人や職人、商人などの人口流動も最も激しいことが分かった。  舞鶴軍港の論考では、飯塚一幸大阪大学大学院准教授が、西舞鶴湾を商港として地域振興を図ろうとした舞鶴町と、反対した陸海軍との政治過程を系統的に明示した。地域経済の変容をテーマにした坂根さんは、新舞鶴町などで増えた資産家や米穀流通の構造変化など3点から分析、貴重な所得税調査資料を使いその変貌ぶりを初めて具体的に解き明かした。  筒井一伸鳥取大学講師は舞鶴の財政・地域経済と海上自衛隊をテーマにし、舞鶴市財政の中で基地交付金の歳入に対する割合は、他の海上自衛隊所在都市に比べ最も高く、海自隊への依存度が大きいと指摘。防衛省への行政文書開示請求により、従来ほとんど表に出なかった舞鶴地方総監部の契約実績のデータを得て、契約金額は舞鶴市内の業者が70%と最も多く、地域経済への波及効果の大きさを初めて数値で裏付けた。  今回の研究は、坂根さんが舞鶴高専教授の三川譲二さんに呼びかけ、05年に発足した舞鶴近現代史研究が母体。参加した同高専の吉永進一准教授ら9人の内、6人が舞鶴高専の現・元教員などで、「舞鶴編」でも4人が執筆している。その後、他の軍港都市を含めた研究グループ「軍港都市史研究会」へと発展した。  坂根さんは「最も開庁が遅い舞鶴軍港は海軍内の序列が低い位置付けで、工厰の規模も最小だったにもかかわらず、地域に与えた影響は絶大だった。これまで軍港と地域社会との関係の分析は全くされてこず、初めての本格的な研究のこのシリーズが、今後の軍港都市史研究の基礎文献になると確信しています。舞鶴の若い人たちにも地域の歴史を学んでほしい」と話している。  今後6、7年かけ6冊を刊行の予定。舞鶴に関する研究課題は戦後の政治状況などが残っており、今後の続刊に収めたいとする。「舞鶴編」は1冊7600円(税別)。来年1月から各書店で販売される。
【問い合わせ】電話06・6211・6265、清文堂(大阪市)

写真左=シリーズ第1巻目の『軍港都市史研究 舞鶴編』
写真右=坂根嘉弘さん
創作陶人形作家の吉永さん(山口市)作品展
十二支の動物たちや猫が勢揃い、1月10日までサンムーン
 創作陶人形作家の吉永尚子さん=山口市=の作品展が、浜のギャラリー・サンムーンで開かれている。楽しそうな表情の十二支の動物たちや猫たちが勢揃いし、こたつにあたるなどの姿で来場者の笑顔を誘っている。1月10日まで。  吉永さんは同画廊主催のイヌねこ作品展の全国公募展で、特選を受賞し作家デビューした。今回は楽器を演奏する寅、干支のひな人形、囲碁をするネコとネズミなどが、年末年始を笑いで迎えてくれる。  また、吉永さんと同画廊オーナーの佐藤保明さんがやりとりした絵封筒も展示。吉永さんの封を切ると立体の絵が飛び出すような仕掛けが並ぶ。大晦日は午後5時まで。1月1、2日は休み。  1月6日〜10日、2010年の年賀状展を開く。市民からも届いた年賀状を公募している。未投函のものでも可。1月3、4日に同画廊に持参を。電話63・4858、サンムーン。

写真=こたつにあたる猫の作品
2009年12月22日

カフェレストラン「ほのぼの屋」六田さんの日々描く
DVD・ドキュメンタリー映像が反響を呼ぶ
 精神障害者たちが働く大波下のカフェレストラン「ほのぼの屋」で、裏方や利用者たちのまとめ役などを担う六田宏さん(27)の日々を描いたドキュメンタリー映像が、DVD「しごとのいみ」にまとまり、反響を呼んでいる。障害を抱えながらも仕事を通して変わっていき、家族を支えに生きる様子が伝わる。「お客さんに満足してもらえることが僕の喜び」と誇りを持って仕事に向き合っている。  障害者たちの働く姿から人の働く意味を考えてほしいと、教材制作などの会社代表でベストセラー本『全脳思考』の著者の神田昌典さんの支援で、きょうされん(共同作業所全国連絡会)と同社が各地の福祉施設で働く障害者3人を主人公にドキュメンタリー映像を制作した。  その中にレストラン、ホテル、ウエディング事業で収益を上げ、雇用と賃金を確保し注目を集めるほのぼの屋が選ばれ、利用者20人の中でリーダーを務める六田さんが取材を受けた。2007年から8年にかけ撮影が行われた。  02年のオープン当時から勤務の六田さんは、強迫性障害を持ち薬を服用しながら働く。クロスなどのクリーニング、予約人数に合わせてのテーブルと人員の配置、ウエディングの準備など全体の指揮をとる。同じ職場で働く知的障害の女性と結婚し、5歳の長男と4歳の次男の父親にもなり、来年3月には3人目が産まれる。  42分の作品には開店準備の様子、家族ができ仕事に対する気持ちが強くなった姿、子供たちと過ごす風景も収録され、病気で自信を失いかけていたが、仕事や家族への想いが力強く描かれている。また、心を閉ざす夫の心を開けようと、寄り添う妻の印象的なシーンもある。福祉関係者の会合などで上映されたり、今秋から一般販売も行われ、「元気をもらえた」などの感想が寄せられた。  六田さんは「薬を飲みながら毎日働くことは大変ですが、それは僕だけではありません。障害を持つ多くの人たちの必死に頑張っている姿を知ってもらうきっかけになり、少しでも偏見がなくなれば」とし、「ほのぼの屋は自分を表現できる場所。障害を言い訳にせずプロの自覚を持ち、楽しく厳しく仕事に臨みたい」と話している。  3作品を収めた3枚組DVDは1万5000円。きょうされん会員は1万500円(会員は年会費3000円)。ワークショップほのぼの屋(電話66・7710)で扱っている。

写真=開店準備をする六田さん








地産地消給食等メニューコンテスト入賞
特養ホーム「グレイスヴィルまいづる」
 布敷の特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」(淡路由紀子施設長)が、田園に立地する地の利を活かし、生産者やボランティアの協力で、地元産野菜や米を使った食事をつくる地産地消の取り組みをしている。提供するメニューの中には、舞鶴発祥とされる肉じゃががあり、利用者の健康状態に応じ食べやすいよう調理に工夫を凝らす。この1品が、農林水産省主催の第2回地産地消給食等メニューコンテストで入賞した。  2005年開設の同施設は、地域の農業振興に役立つとともに、利用者に安全な食事を食べてもらおうと、地元の池内産の米を100%使用したご飯を提供している。また、隣接する畑(6アール)を借り、職員やボランティアらで約20種の野菜を栽培・収穫し、食材に使っているほか、利用者や近くの池内小学校児童も加わり収穫祭や加工品作りも楽しむ。こうした活動で07年、府の「たんとおあがり京都府産」施設の認定を受けた。  利用者にとって人気メニューの肉じゃがは、ジャガイモや玉ネギなど地元産を材料に使用。高齢者の健康状態や要望に対応し、3つの形態の肉じゃがを作った。普通食は専用の厨房機器を使って、調理の省力化と素材の新鮮さを保持できる調理法のクックチルで仕上げる。  一方、噛み砕きにくい人には、真空調理法で素材の形を残したまま繊維を柔らかくし、歯茎でも噛めるようにしたソフト食、飲み下しにくい人には下ごしらえの時に材料を1品ずつミキサーにかけペースト状にし、舌の力でつぶせる柔らかさで素材の色や形に固めたムース食を工夫した。高齢者の嚥下食といえは刻んだりして元の献立の姿と異なるものになっていたが、2つの調理法は元の見た目と味わいを損なわないようにできる。  昼食の場合、特養ホームの利用者80人、デイサービス25人など125食を準備。お年寄りたちからもおいしいと評判になっている。メニューコンテストでは学校給食・社員食堂部門で近畿農政局長賞を受けた。  管理栄養士の南陽子さんは「作りたての野菜のおいしさがわかり始めました。この取り組みを今後も広げていきたい」、淡路施設長は「材料が足りなければ隣の畑で野菜を取ってきています。地産地消の食事づくりは手間がかかりますが、農家やボランティアの皆さん、調理スタッフとの連携と協力があるからこそ実現できました」と話す。

写真=左から農園の世話をし、食事作りで連携するボランティアと調理スタッフ、職員ら▽肉じゃが普通食と地元産の野菜を使った品々 ▽肉じゃがソフト食 ▽肉じゃがムース食
2009年12月18日

舞鶴少年野球・MJBリーグのシーズン終了
高野ドジャースが初優勝、MVPには亀井選手
 舞鶴少年野球・MJBリーグの2009年のシーズンが終了し、高野ドジャース(平野光雄監督)が初めて優勝に輝いた。メンバーは15人と少ないが、守りを中心にした全員野球で勝ち抜いた。最高殊勲選手賞(MVP)には同チームの亀井航平選手が選ばれた。12月13日、溝尻の新舞鶴小学校体育館で表彰式があり、白石明会長から優勝旗が贈られた。  MJBリーグは、舞鶴の中学生の軟式野球クラブの七チームが加盟する。11シーズン目を迎えた今期は3月に開幕。2回戦総当たりのリーグ戦で、それぞれのチームが12試合を戦い、優勝を争った。  高野ドジャースは今シーズン、主将の堀田悠平選手がチームを引っ張った。15人と少ない選手数だが「好きで始めた野球だから、もっと上手に、もっと楽しく」をスローガンにチームワークのよさと、バッテリーを中心とした守り、1年生たちも出場する全員野球で臨み、8勝3敗1分で初優勝した。また、亀岡以北のチームが参加する西京都少年野球大会では、春と夏に3位に入った。  平野監督は「小さなクラブですが、本当に好きな野球を楽しくでき、MJBで優勝できたことを子供たちは喜んでいました。また父母会のチームへの応援が大きな力を与えてくれました」と話している。  表彰式では優勝旗の授与のほか、各チームの選手に優秀選手賞、敢闘賞も贈られた。2位以下の成績は次の通り。
 (2)志楽シャークス、舞鶴東スポーツ少年団6勝4敗2分(4)中筋少年野球ク(5)舞星野球ク(6)与保呂スポ少(7)南舞鶴スポ少

写真=初優勝した高野ドジャースの選手と関係者(同チーム提供)
城南中の生徒ら漬物のぬか床づくり体験
「おばあちゃんの知恵袋」来年1月に本漬け
 京田の城南中学校で12月16日、「おばあちゃんの知恵袋」と題した活動があり、地元の柴田ツタヱさん(76)=引土=が、生徒16人にぬか床づくりを指導した。生徒たちはぬか床を持ち帰り約1カ月間かき混ぜるなど世話をして完成させ、来年1月に本漬けをする。  地域の人たちとの交流の機会にと、農産物の加工販売グループ「ふれあい工房」メンバーの柴田さんを講師に招き、ぬか床と漬物づくりを学ぶことにし、生徒会の呼びかけで男子8人を含む生徒らが参加した。  1人分のぬか500グラムなどを材料に、湯に塩を溶かしてぬかに入れて手でかき混ぜ、発酵を促すためのパン、うま味を出すためのコンブ、ぬかを滑らかにするため捨て野菜と呼ぶ白菜を一緒に入れた。野菜は5日ほど漬けてエキスを出させ捨てるのを2、3回繰り返す。  3年生の藤田昌太君は「感触が少し気持ち悪いですが作るのは楽しい。ちゃんと世話をします」と話す。柴田さんは「生徒たちは熱心なので教え甲斐があり本漬けが楽しみ。日本の伝統食のぬか漬けを引き継いでほしい」と指導した。

写真=地元の柴田さん(左)から教わり、ぬか床を作る生徒たち
2009年12月15日

高専生・細見さん、BDFの煤の低減メカニズム解明
アジア・シンポでエコテクノロジー最優秀学生賞
 環境の改善技術をテーマとしたエコテクノロジーを審査する第16回アジア・シンポジウムがこのほど中国・大連市で開かれ、舞鶴高専建設生産システム工学専攻の2年生、細見尚希さん(21)が、最優秀学生賞を受賞した。バイオディーゼル燃料(BDF)の普及に寄与しようと、BDFを使った際のディーゼルエンジンから排出される煤(すす)の低減のメカニズムを明らかにして発表した。  同シンポジウムは中部日本海側の高専が持ち回りで主催。大連市を会場にした今年は、日本から金沢大学や滋賀大学など、海外から中国やマレーシアなどの高専生や大学生、研究者ら55人がプレゼンテーションの発表の部に臨んだ。  環境への負荷を減らす研究に関心を持つ細見さんは、機械工学科の野毛宏文助教(30)の指導を受け、昨年春から「バイオディーゼル混合燃料の熱分解と微粒子低減に関する基礎研究」をテーマにしている。植物などを原料にしたり、廃油を精製してできるBDFの混合燃料を燃焼させると、一般のディーゼル燃料を使った場合に比べ、微粒子である煤が減ることが知られているが、その低減と熱分解との関係を調べた。  熱分解によって発生するガスのアセチレンに注目すると、BDFの混合燃料では減少し、それが煤の低減につながっていることが分かった。一般のディーゼル燃料には酸素が入っていないが、BDFには酸素が含まれており、熱分解が進む中でアセチレンが酸化され減少するメカニズムを解明した。シンポではそうした研究内容を冷静に説明し、質疑応答にも十分に答えた。  細見さんは「発表自体はうまくできましたが、最優秀賞はまさかという気持ちでびっくりです。さらにBDFのメリットを明らかにし、ボイラーなどへの実用化が進めば」と話している。野毛助教は「このシンポへは舞鶴高専から初出場で最優秀賞を受けることになり、とてもうれしい」と喜ぶ。

写真=実験に取り組む細見さん(左)と指導する野毛助教
プロ選手から学ぶ「舞鶴リトルシニア野球教室 」
オリックスの本柳投手が小中学生選手らコーチ
 舞鶴リトルシニア野球協会(高井清二会長)が、プロ野球のオリックス・バファローズの本柳和也投手(33)を招き、12月13日、行永の東舞鶴公園陸上競技場で野球教室を開いた。本柳投手は下半身を使った投球フォームや守備の捕球態勢などの手本を見せ、小・中学生選手たちがさっそく練習に取り組んだ。  本柳投手は日本通運を経て2001年のドラフトでオリックスに入団し、主に右のセットアッパーとして活躍している。プロゴルファーの妻、陽子さんの実家が舞鶴にあることからコーチを引き受けた。  この日は、学童野球の余内や朝来などのチームの小学生らを合わせ約50人の選手が参加。本柳投手はピッチャーの基本は下半身を使うこととし、「ステップする足を一歩大きく踏み出せば体の開きも直り、ボールを長く持つ間ができ打者のタイミングがはずせる」と説明し、続いて捕手を相手に見本の投球フォームでストレート、カーブなどを投げ込んだ。また、内野手の捕球態勢の構えも指導した。  舞鶴リトルシニアの齋藤佑哉投手(和田中3年)は「これまで気がつかなったことを教えてもらったので、これから練習に取り入れたい」と話していた。

写真=小中学生の選手らに投球フォームの手本を見せる本柳投手
2009年12月11日












日展 今年は舞鶴から2人が入選
書家の金村さん3年連続、陶芸家の高井さんは9度目
 日本の美術界をリードする日展に、今年は舞鶴から2人が入選した。書家の金村柏園(はくえん)さん=本町=が書部門で3年連続で通算4度目、陶芸家の高井晴美さん=成生=が工芸美術部門で3年ぶり通算9度目。2人ともひたむきに創作活動に向き合い、日本で最高峰の公募展に挑戦している。第41回日展の京都での巡回展は、12月12日から来年1月15日まで京都市美術館で開かれる。  金村さんは日展最高顧問の古谷蒼韻さんに師事し、その社中で研鑽を積んでいる。また自らも椿書道会を主宰し、舞鶴書道連盟の常任理事や舞鶴市展委員も務める。日展には2003、07、08年に入選した。また、読売書道展で奨励賞なども受けた。  今回は中国の元・明時代の高青邱(こうせいきゅう)の詩の中から、気に入った漢字を含む詩を作品「寒塘(かんとう)」(縦230センチ、横53センチ)に仕上げた。金村さんは「文字の雰囲気を採り入れ、さわやかな風が吹いているような作品になるよう心掛けました。今後も1回でも多く日展に出品したい」と話している。  高井さんは仕事場の目の前に広がる故郷の海を一貫してテーマに追求し、大作のオブジェを発表している。日本現代工芸美術展に入賞し、昨年はパリの公募展でも受賞した。日展は07年から東京都内での展示会場が変更されたのに伴いスペースが狭くなり、入選数が100点以上減って審査が厳しくなった。  入選作は「海鳴」(縦57センチ、横67センチ、幅39センチ)。波が重なったイメージを生み出した。テーマは変わらないが、これまでとは違ったものを作ろうと、自分自身の幅を広げるため創作以外の様々な仕事も引き受け、他ジャンルの作家らとも交流する。高井さんは「作品は自分の分身なので私も幅のある人になり、これまで以上にテーマを深く考えとらえていきたい」と話す。

写真=左から金村さんの入選作品「寒塘」、金村さん 、高井さんの入選作品「海鳴」、高井さん
舞鶴湾の冬の味覚「カキ」の出荷始まる
青井かき組合、筏に吊るして養殖
 舞鶴湾の冬の味覚、カキの出荷が始まった。青井の青井かき組合(大下敏明組合長)では、組合員たちが、筏に吊るして養殖したカキの水揚げ作業に取り組んでいる。出荷は来年3月まで続く。  同組合では、青井沖に浮かぶ筏61台で、5月からカキの稚貝の付着したホタテ貝の貝殻を海中に吊るして育てた。舞鶴湾は、ミネラルやプランクトンが豊富で、カキの養殖に適しているという。  組合員たちは、殻長約12センチになったカキを水揚げして、カキの生育を遅らせるカキ殻についた貝を取り除き、再び籠に入れて海に吊るして蓄養したカキを出荷している。カキは殻付きやむき身にして出荷され、同組合作業場では、むき身作業も行われている。  山口正敏副組合長(66)は「これから海水温が低くなれば、カキはさらに大きく成長して、身も引き締まる」と話していた。  舞鶴湾では、青井のほか吉田、大丹生、千歳でカキを養殖している。昨年の生産量は21.1トン(2140万円)だった。

写真=海に吊るして養殖したカキを水揚げする組合員
2009年12月8日

人形劇団公演「はこ」、ろう者と聴者で斬新な演技披露
12月20日、市民会館でデフ・パペットシアター・ひとみ
 ろう者と聴者でつくる人形劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」(川崎市)の公演「はこ/BOXES じいちゃんのオルゴール♪」(市文化事業団主催)が、12月20日午後2時から北田辺の市民会館で開かれる。「文明と家族」をテーマに、大小100個以上の箱が車や建物になり、言葉に頼らず人形と役者の動きを組み合わせた斬新な表現で演じられる。両者が協力する活動を観てほしいと、舞鶴の聴覚障害者たちも呼びかけている。  同劇団は、現代人形劇センターが1980年に結成し、耳の不自由なろう者と聴者が出演する。作品は台詞や手話、文字パネル、マイムなどを織りまぜ、誰にでも伝わるような斬新な手法で演じる。国内はじめヨーロッパなど公演の場を広げている。3年前には、京都府聴覚障害者協会舞鶴支部などが実行委員会をつくり、舞鶴市内で公演が行われた。  新作の「はこ」は、少年が少女にオルゴールをプレゼントし、やがて2人は結婚し家族ができる。時代は急速に文明が発展し、様々な便利な機械が登場し、家族はそれぞれの部屋でバラバラに過ごすようになった。大小100個以上の箱が電化製品などになり、台詞を使わず人形と役者の躍動感ある動きで喜怒哀楽を表現し、観る人の想像力をかき立てる。  同支部事務局長の内藤道子さんは「観ているだけでは誰がろう者か聴者か分かりません。言葉のない表現活動を楽しんで」と話している。チケットは高校生以上1500円、4歳〜中学生800円。
【問い合わせ】電話75・0513、同館

写真=「はこ/BOXES じいちゃんのオルゴール♪」の舞台(デフ・パペットシアター・ひとみ提供)
全国高専ロボコン2009で舞鶴高専チーム
ファン投票1位、ベストカップル賞と特別賞も
 舞鶴高専の創造技術研究会の学生チームが、このほど東京都内で開かれた全国高専ロボットコンテスト2009で、ロボットのダンスパフォーマンスが評価され、中学生以下の観客によるファン投票で1位に輝くとともに、ベストカップル賞と特別賞を受賞した。  今年のロボコンのテーマは「ダンシング・カップル」で、2台のロボットにダンスを踊らせ、そのパフォーマンなどで競い合う。舞鶴高専の学生たちは平安時代の貴族と巫女をイメージしたロボット「鶴恋慕(カクレンボ)」を製作し、近畿地区大会でもベストカップル賞を受けた。  全国大会ではマシントラブルによって第1ステージで敗退したが、観戦した中学生以下の子供たちによるファン投票で25チーム中、1位に選ばれ、投票上位のロボットによるエキシビジョン・ゲームで見事な舞を披露した。その結果、2つの賞を受けた。チームリーダーの西本淳一さん(電子制御工学科5年)は「見た人が楽しんでもらえるロボットを作りたいと思っていたので、ファン投票1位になったことは何よりもうれしい」と喜んでいた。  全国大会の模様は12月28日午後10時からNHKでダイジェスト版、来年1月1日午前10時からNHK・BS2で全試合が放送される。

写真=ダンスを踊る2台のロボットと操作する高専生ら(舞鶴高専提供)
2009年12月4日

12月5・6日、城南会館で世界の児童画展
70年前、ヨーロッパや米国などの子供たちが描く
 約70年前にヨーロッパや米国などの子供たちが描いた絵画約90点を紹介する「よみがえる世界の児童画展〜心のかよいと子どもの絵〜」が、12月5、6日、女布の城南会館で開かれる。美術評論家の久保貞次郎氏(1909〜1996年)が各国で収集して持ち帰った絵で、一時行方が分からなくなっていた。戦火の拡大が進む時代の中でも、子供たちが生き生きと伸びやかに表現していた様子が伝わる。会期中はワークショップなどもある。  久保氏は創造美育協会の設立など戦後の日本の美術教育を牽引し、町田市立国際版画美術館館長なども務めた。戦時下の1938年、米国や英国などに出掛け3000点の児童画を収集し帰国。その後、各地に貸し出されるなどして散逸し、行方が分からなくなっていたが、久保家に約300点だけ保存されているのが見つかり、昨年久保コレクション展が開催された。  大内野町と綾部市で風の子共同保育園を運営するNPO法人ひとなす風のこっこ代表の和田きよみさんは、子供たちの絵画活動に力を入れており、同展で生き生きと描かれた絵を見て紹介しよう企画。70年前の日本の子供たちが主に写生画を描いたのとは異なる自由な絵の世界に驚いた。  ノルウェーやスリランカなど、20カ国の10歳前後の子供たちの作品を展示する。自転車レース、坑夫などを色鉛筆や絵の具などで仕上げた絵はどれも楽しく、表現する喜びが伝わる。和田さんは「絵から子供たち一人一人が尊重され、大人たちと心を通わせている様子が分かります。いま大人たちは決めつけを持って子供たちに接しているのでは。絵に触れて子供への見方を広げてほしい」と話す。午前10時〜午後4時。入場無料。  展示に合わせ5日は子供の絵を囲んでの個人懇談会。子供の絵の持参を。参加費1000円。6日午前は学習会、午後は講演とワークショップ。参加対象は大人。費用は1000円。講師は児童美術研究家の高森俊さん。
【問い合わせ】電話76・4972、同法人

写真=海外から収集された子供たちの絵画の数々
中学生の「税についての作文」で舞鶴納貯連
入賞の白糸中3生徒に賞状、各校を順次訪れ表彰
 舞鶴納税貯蓄組合連合会(松本昭司会長)は12月2日、浜の白糸中学校で、平成21年度中学生の「税についての作文」で入賞した同校生徒3人に賞状を贈った。各校を順次訪れ、入賞者を表彰する。  同連合会では、税についての知識と理解を深めてもらうため、市内の中学生を対象に作文を募集、優秀作を表彰している。今年度は市内八校から799点の応募があり、審査の結果、舞鶴市長賞、舞鶴税務署長賞などを決めた。また、優秀作は全国納税貯蓄組合連合会に送られ、全国審査された。  白糸中学校の表彰式では、松本会長から全国納税貯蓄組合連合会優秀賞を受賞した瀬川砂帆さん(3年)に賞状が伝達されたほか、舞鶴納税貯蓄組合連合会長賞の川原真佐美さん(3年)、舞鶴市長賞の藤原史記さん(3年)に賞状が贈られた。
 他校の入賞者は次の皆さん。
 ▽京都府納税貯蓄組合連合会長賞=中川美智子(由良川中)藤田昌太(城南中)▽舞鶴税務署長賞=亀谷淑恵(城南中)森本希武(青葉中)▽舞鶴地区租税教育推進協議会長賞=磯田彩織(青葉中)▽舞鶴納税貯蓄組合連合会長賞=栗山萌(和田中)奥野陽葉(城北中)佐藤皓彦(岡田中)渕井亮輔(若浦中)

写真=全国納貯連優秀賞の賞状を受ける瀬川さん
2009年12月1日

日星高・点字Sクラブ部長の三浦さんに
「ボランティア・スピリット賞」コミュニティ賞
 日本教育新聞社など主催の第13回「Spirit of Community ボランティア・スピリット賞」で、上安久の日星高校点字クラブの3年生、三浦友理奈さん(18)=安岡=が、このほどコミュニティ賞に選ばれた。絵本の点訳や小学校で点字の指導をしたり、Sクラブ部長として障害者や高齢者たちと交流するボランティア活動を続けてきたことが評価された。  同賞は12歳〜18歳の青少年が、積極的にボランティア活動に参加できる社会の環境づくりを目指し1997年に創設された。今年は全国から2万8728人が活動を綴った2118通の応募が寄せられ、継続的な取り組みに対しコミュニティ賞が150の個人・団体に贈られた。  友人に誘われ点字クラブに入部した三浦さんは、視覚障害を持つ子供たちに贈る絵本の点訳や、点字を知ってもらおうと中舞鶴小学校で点字の授業を部員たちと取り組んだ。小学生に点字が日常生活でも使われていることを伝えるため、ビール缶などにも点字が打ってあることを紹介した。  また、点字と手話、ボランティアの3つのクラブで構成するSクラブの部長も務める。これまでまいづる作業所の運営を支援するバザーの手伝いや、12月には地域のお年寄り宅へ手作りのクッキーとクリスマスカードをプレゼントする友愛訪問を続けてきた。  三浦さんは「最初、障害者の皆さんとどうやってコミュニケーションを取っていいのか戸惑いましたが、いまは笑顔を第1に接するようにしています。活動を通して自分が人のために役に立っていることが実感できました。後輩たちにもぜひ体験してもらえれば」とし、日星のボランティアの灯を守ってほしいと願っている。

写真=受賞の盾を手にする三浦さん
収穫の苦労とおいしい料理を味わう
「松尾集落ふるさと共援組織」ゴボウ掘り体験会
 松尾の住民と京都大学大学院農村計画学研究室でつくる「松尾集落ふるさと共援組織」(谷義雄代表)が11月28日、松尾地区の畑でゴボウ掘り体験会を開いた。小雨がぱらつく中、市民14人がスコップで土を掘り起こす作業をし、収穫の苦労とともにおいしい料理を味わった。  過疎と高齢化が進む松尾地区の活性化を目的に、両者が設立する同組織が集落のあり方や特産のゴボウづくりの試験栽培に取り組んでいる。松尾では火山灰土などを含む土がゴボウの栽培に適し、太くて真っ直ぐで香りのいいゴボウが人気。一方で、収穫には50センチ以上の穴を掘らなければならず、高齢者には重労働になっている。  この日は子供や大人、大学院生たちが参加。地元の農家からゴボウを傷つけないように穴の掘り方を教わった。雨で土がスコップや長靴について作業が難しい中、50センチのゴボウが取れると歓声が上がった。昼には地元産の野菜入りのけんちん汁などを食べて体を温め、掘ったゴボウをお土産に持ち帰った。  余部上の主婦、太田陽子さんは「松尾のゴボウはとてもおいしい。いつも何気なく食べていますが、こんなに収穫が大変だとは思いませんでした。農家の方の苦労がわかり、もっと値段が高くてもいいのでは」と話していた。

写真=掘り起こしたゴボウに喜ぶ子ら
サイトマップお問い合わせメールマガジンお申込み
当サイトに掲載されている情報・画像を、無断で転用・複製することを禁じます。
Copyright © maizurushiminshinbun all rights reserved.