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2010年2月26日 |
舞鶴高専電子制御工学科5年生・伊福さんと赤松さん 卒業研究の飛行船快調に飛ぶ、改良重ね試作機第3号 舞鶴高専電子制御工学科の5年生、伊福悠伍さん(20)と赤松陽介さん(同)が、飛行船づくりに取り組み、このほど卒業研究として発表した。2004年の台風23号で水没した被災地に近づけなかった経験をヒントに製作、船体の先端に装着したカメラから空撮のライブ映像を送る。先輩たちが卒業研究で開発してきたテーマを引き継ぎ3年。改良を重ねた試作機3号が、これまでの苦労を晴らすように快調に飛んだ。 飛行船の浮体部分(全長4メートル、直径1.2メートル)は特殊なフィルムで作製し、ヘリウムガス(3.5立法メートル)を入れた。下部のゴンドラにモーターと高度測定のセンサー、プロペラ4基、カメラなどを装備。総重量は約3キロ。パソコンに高度などを入力して無線LANで飛行船に送信する。手動の無線機で推進用プロペラを操作し、進行方向と速度を変える。 同科の仲川力准教授(42)が、由良川流域で被害をもたらした台風23号で、地頭の実家の様子を見に行こうとしたが国道175号が水没し通行できなかった体験から、元々機械工学を学んだ経験を活かし、被災地の状況を空から知る機器の製作をと、2007年の5年生から卒業研究として指導している。 1年目はパソコンを飛行船に積んだため重くなり浮いた程度。2年目は高度調整をしながら飛ばすことの難しさに直面した。3年目、先輩たちの苦労しつつも楽しんで物づくりをする姿に感化された2人が、昨年4月から課題の解決に挑んだ。電気・通信担当の伊福さんが通信手段と操作性を改良、機械担当の赤松さんが浮体部分の形状を考え、フィルムの貼り方を工夫しガスが漏れない機密性を確保。また、軽量化にも成功した。 体育館で行った試験飛行では、一旦浮かんだ後に高度が下がると自動的に上昇用のプロペラが起動し、天井に届きそうになるほど浮かび、進行方向を自由自在に操作して、静かにゆっくりと飛び回った。伊福さんは「通信のやりとりがうまくいかなかったが、原因を究明して最後は徹夜作業だった。うまく飛んで最高」、赤松さんは「自分が手掛けた物が飛んでくれて感動しました。次は耐久性を重視した飛行船を作ってほしい」と次回作を後輩に託す。 仲川さんは「引き継いだ課題をクリアして、3号機目はうまく制御できるようになった。野外で飛ばせる実用化に向け、バッテリーとモーターを大型化し推進力を高めることが今後の課題」と話している。 写真=浮上する飛行船と製作した伊福さんと赤松さん、指導した仲川准教授(左から) |
地元の底引き船長・長崎さんが捕獲 吉原小に深海からの使者「リュウグウノツカイ」 乙姫の使いとも言われる深海魚のリュウグウノツカイが2月25日、東吉原の吉原小学校にやってきた。地元の底引き漁船の船長、長崎忠雄さん(81)が、前日の操業で捕獲した1匹だ。銀色で平べったく細長い体を持つ不思議な深海からの使者を、児童たちは興味深げに見入った。 リュウグウノツカイは最大10メートルになるものもおり、珍しく浅瀬で見つかると地震の前ぶれとの言い伝えもある。16歳から漁をする長崎さんもこれまでに数回程度しか網に入っていないとするリュウグウノツカイだが、この2月に3匹入った。 同24日は経ヶ岬沖10キロの水深約200メートルの海域で操業し、最後に投入した網で全長1.5メートルのものを揚げ、児童たちに見せようと持ち帰った。同小1年の平岡拓馬君は「顔が大きくてすごい」と驚いていた。 今冬、山口県から富山県にいたる日本海沿岸の各地で見つかっている。神崎浜で釣り上げたり、宮津では定置網に入るなど10匹以上が捕れたと報告される。京都大学舞鶴水産実験所の甲斐嘉晃助教(魚類分類学)は「深海魚でもあり捕獲数が少なくデータがほとんどない魚です。なぜ今年になってこんなに多く沿岸に現れるのか原因は分からない」と話す。 写真=リュウグウノツカイを見る児童らと長崎さん(右端) |
2010年2月23日 |
振付家の砂連尾さん、特養ホームでコミュニティダンス 3月7日、高齢者と小学生で「とつとつダンス」公演 地域や福祉施設などを訪れ、関わりを持ちながらコミュニティダンスを作り上げる試みをする、振付家でダンサーの砂連尾(じゃれお)理(おさむ)さん(44)=高槻市=が、布敷の特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」でダンスワークショプに取り組み、同施設で暮らす高齢者と市内の小学生たちが、言葉と身体で対話を重ねている。まいづるRBが企画した。3月7日、北吸のまいづる智恵蔵で開かれる公演「とつとつダンス」に、高齢者らも出演し発表する。 同RBのアート・プロデューサーの森真理子さんと、昨年舞鶴で開かれた全国アートNPOフォーラムに出席した砂連尾さんが企画を温め、同施設が協力した。コンテンポラリー・ダンスで活躍する砂連尾さんは、ドイツや日本で障害を持つ人やホームレスとのワークショップを重ね、ダンスと社会の関わりの可能性を模索している。 同施設でのワークショップは昨年12月から。高齢者3人と市内の小学生2人が、時間になると地域交流スペースにぽつりぽつりと集まり、両者と砂連尾さんも交え、耳の聞こえにくい高齢者とは、ノートの筆談や身振り手振りでコミュニケーションを取る。 既知のダンスを見慣れた者には、明らかに異なる動きだ。高齢者と子供たちが互いに踊りのステップを教え合ったり、背中に指で文字を描いて次々に伝言していく。円になったメンバーたちが、空中に浮かぶティッシュペーパーを落ちないように渡しあう。最後にいまの自分の気持ちを身体を動かして表現する。振付指導は一切なく、全員が身体を通した丁寧な対話を重ねる過程そのものが作品に映る。 砂連尾さんは「お年寄りと子供では動くスピードも範囲も違い、両者の間で揺れながら肯定的に受け入れることを教わっています。どうコミュニケーションを取っていくのか、物事や効率にとらわれず考えてもらえる舞台になれば」と話す。 淡路由紀子施設長は「参加者は毎回楽しみに待っている様子です。どうやって利用者の気持ちを動かせばいいのか、ケアって何なのか考えさせられます」とワークを見守っている。 公演は市とNPO法人赤煉瓦倶楽部舞鶴の主催。3月7日午後2時と同4時の2回。一般1000円(1ドリンク付き)。高校生以下無料。午後5時からはダンス批評家らも交えた座談会で、発表までのプロセスなどを話し合う。入場無料。公演に先立ち、砂連尾さんによる一般向けダンスワークショップも開く。3月5日午後6時〜同8時、北吸の市政記念館で。定員20人(高校生以上、先着順)。参加費500円。 【問い合わせ】電話66・1096、RB事務局 写真=ティッシュペーパーを落とさないように渡しあう参加者たち。中央が砂連尾さん |
舞鶴ユネスコ協会へ書き損じはがき約1万枚 発展途上国の子らを支援「世界寺子屋運動」 学校に行けない発展途上国の子供たちを支援する世界寺子屋運動に協力しようと、運動に取り組む舞鶴ユネスコ協会(古森輝彦会長)の元に、市内の学校や事業所などから次々と書き損じはがきなどが届けられ、同協会が2月20日、はがきと募金を集計した。今月下旬に日本ユネスコ連盟に送る。 教育支援の国際協力活動として、同連盟が1989年から書き損じはがきの提供と募金を呼びかける寺小屋運動を展開。書き損じはがきは1枚45円に換金される。はがき1枚がネパールでは鉛筆七本に相当する。 舞鶴ユネスコ協会でも97年から学校や企業、団体の協力を受け実施。昨年ははがき1万1800枚(換金額53万3504円)、募金12万798円が寄せられた。13年間の総額は785万7167円に上る。 書き損じはがきの回収に取り組んで3年目の舞鶴養護学校では、高等部評議委員会の生徒らが今年は毎朝登校する小・中・高校生に協力を呼びかけ350枚を集め、来校した同協会理事の桜井妙子さんに手渡した。委員長の山井郁美さん(3年)は「みんな心よく協力してくれました。少しでも役に立てればうれしい」と話していた。 集計の結果、はがき約1万枚(換金額約52万円)、募金約9万5000円が寄せられた。カンボジアでの学校建設の支援に活用される。 また、公文名の中筋小学校児童会が2月19日、来校した舞鶴ユネスコ協会の波多野貞夫副会長に、書き損じはがき232枚を手渡した。 児童会では、全校児童に呼びかけて書き損じの年賀はがきなどを集めた。児童会長の村上日向さん(六年)ら本部役員が、「役立ててください」と、波多野副会長に書き損じはがきを託した。 写真=協会理事に書き損じはがきを手渡す舞鶴養護学校の高校生たち |
2010年2月19日 |
舞鶴で唯一の造酒屋「池田酒造」 本格的に自家醸造を復活 地域も応援 舞鶴で唯一の造酒屋である中山の「池田酒造」(池田崎子社長)が、本格的に自家醸造を復活させ、今シーズンから純米のしぼりたて生原酒や大吟醸の仕込みもスタートし、生原酒の出荷を始めている。サラリーマンから家業を継いだ専務の池田恭司さん(40)の元には、酒造りの復活を歓迎し応援する声も多く寄せられ、将来は舞鶴産の酒米での仕込みや、地域とタイアップした商品の開発もと夢を広げている。 池田酒造は1879(明治12)年の創業で、由良川に架かる八雲橋近くに位置する。汲み上げた地下水を使って但馬杜氏が仕込みの陣頭指揮をとっていたが、需要の減少に伴って、大手酒造メーカーから原酒を買い上げる「樽買い」が次第に増え、ここ20年間は醸造を休止していた。 恭司さんの叔母の孝子さんが、苦しい時期に会社を切り盛りしていたが、何とか自家醸造を復活させたいと、酒造りを一から勉強し杜氏を務める。建設資材などの営業畑のサラリーマンだった恭司さんも、迷った末に家業を継いで酒造りに夢を託した。 4年前から試験的に仕込みに取り組み、1昨年秋から本格的に醸造を開始した。京都産の酒米を使って純米酒「池雲」や吟醸酒、にごり酒などを生産する。現在は同社で出荷する全量の3割を自家醸造が占める。今シーズンの仕込みから新たに純米酒のしぼりたて生原酒の生産にも取り組み、18日から出荷を始めた。1.8リットル瓶で2300円。60本限定。 醸造の再開を地元の人たちも応援し、純米酒も評判になりファンを増やしている。同じ加佐地区で大庄屋上野家を運営するNPO法人KYO・ふるさと加佐のスタッフと、タイアップした商品づくりをと語り合う。インターネットの通販サイトの開設や、5年以内に全て舞鶴産の酒米にする計画を立てる。 そうした製造方法や支援者を目に見える形にし、5年間の成長目標を設定した取り組みが、府知事の「知恵の経営」で府北部第1号の承認を受けた。恭司さんは「多くの人に喜んでもらえ、やった甲斐がある。地道に技術を磨いてうち独自のお酒を造り、いつかオール自家醸造にしたい」と話している。主な酒販店で扱っている。電話82・0005、池田酒造。 写真=酒を仕込む池田恭司さん |
「舞鶴国際ふ頭」完成記念イベント 3月14日のみずなぎフェスに来場呼びかけ 舞鶴国際ふ頭の完成式典に併せて、3月14日、下安久沖の同ふ頭で完成記念イベント「舞鶴みずなぎフェスティバル」が開催される。物産展やステージイベントのほか、同ふ頭内をコースに小学生ミニ駅伝大会がある。 舞鶴商工会議所、舞鶴青年会議所、京都舞鶴港振興会などでつくる「舞鶴みずなぎフェスティバル実行委員会」主催。舞鶴国際ふ頭を広く府民にPRすることを目的に企画した。開催時間は午前10時〜午後4時までで、市民の来場を呼びかけている。 物産展は「舞鶴色、京都色、世界観」をキーワードにした飲食・物品販売ブース約30店が出店する。舞鶴漁港に水揚げされた魚介類の販売や肉じゃがの飲食ブースのほか、近隣の京都名産品、対岸諸国の中国、韓国、ロシアの物品などが販売される。 ステージイベントでは、まぐろ解体ショー、和太鼓演奏、チャッタマンショーなどがある。スタンプラリーもあり、各ポイントには、「チョキまる」などキャラクターが登場する。このほか、同ふ頭に接岸する巡視船「だいせん」が一般公開(午後1時半〜同4時)される。 小学生ミニ駅伝大会は、舞鶴国際ふ頭〜舞夢みなと大橋の約2キロの往復コース、5区間10キロで行われる。小学4年生〜6年生(男女不問)の5人以上でチームを編成する。出場チームの約30チームを募集している。 【問い合わせ】電話66・1037、市役所みなと振興課内、同実行委員会事務局 写真=ふ頭完成予想図とイベント会場 |
2010年2月16日 |
育てる会「五老岳花回廊」グレードアップへ まもなくドライブウエーの植樹も完了 舞鶴の観光名所・五老岳の魅力アップにと、ツツジを植樹して世話を続ける市民グループ「五老ケ岳花回廊を育てる会」(西村敏弘代表)は2月14日、同岳のドライブウエー中腹で植樹会を開いた。同会の呼びかけで東舞鶴高校野球部員も参加して、レンゲツツジの苗木50本を植樹した。 五老岳の花回廊づくりは、舞鶴、舞鶴東両ロータリークラブの社会奉仕活動の一環として、2000年10月に始まった。ドライブウエー沿い約3キロと頂上散策路など延べ6キロに約4000本のツツジを植樹。この活動を継続するため、07年4月に「五老岳花回廊を育てる会」が設立され、ツツジの維持・管理と、若者を中心に市民に参加を呼びかけ、定期定に植樹会を開いている。 この日の植樹会には、会員6人と東舞鶴高校野球部員と女子マネジャーら32人が参加。ドライブウエー沿いに掘られた穴に、野球部員らは、スコップを手に花芽のついた高さ80センチのレンゲツツジを1本ずつていねいに植えた。このレンゲツツジは、5月の連休ごろに橙色の花を咲かせるという。 野球部主将の石本貴也君(17)は「五老岳は自然が豊かで頂上からの眺めが素晴らしい。ここに植樹させてもらって、うれしく思います。きれいな花が咲いたら見にきたい」と話していた。 同育てる会では、2月21日に西舞鶴高校生、同28日に海上保安学校生が参加して植樹会を開く。この植樹で、ドライブウエー沿いの植樹を完了する予定。また、花回廊をグレードアップするため、ドウライブウエーの法面にツツジで若狭富士や丹後富士の形を描く取り組みを進める。 西村代表は「あと5年で市民や観光客が楽しめる夢のような花回廊にしたい」と話していた。 写真=ドライブウエー沿いにツツジを植樹する東高野球部員 |
帽子をかぶっておしゃれを楽しもう! 「ハット倶楽部」が初のファッションショー 帽子をかぶっておしゃれを楽しもうと、市民有志による「ハット倶楽部」の初の帽子ファッションショーが2月11日、北吸の市政記念館で開かれた。子供からお年寄りまでの男女の参加者が、3人のデザイナーが作った様々な帽子をかぶってモデルに挑戦、スポットライトを浴びてステージを歩いてポーズを決めた。 帽子をかぶっておしゃれなまちに、とNPO法人理事の鷲田マリさんが呼びかけ、帽子作りをする市民らと同倶楽部を発足。初のショーには、舞鶴出身でモデルとして活躍する藤原弘子さんが、歩き方の指導をしたり、司会やメークなどに地元の女性が協力した。 来場者約80人の中から、デザイナーたちが自分のモデルを決めたり、参加者が好みの帽子を選んだりして、様々な色合いのベレー帽やキャスケット、ハンチング帽などをかぶった約40人が、藤原さんのレッスンを受けながら舞台を歩いた。中には自前の帽子をかぶって出演する参加者も。また、手作り帽子を作る清野麻友子さんが帽子の着こなし方をアドバイスした。 帽子を出品した洋裁教室主宰のよしだ敦子さんは「カジュアルからウエディングまでの帽子を作りました。ファッションを楽しむアイテムとして欠かせない」、ニットの帽子を出品した手編み指導員の橋本さとみさんは「作ってきた帽子は一品一品に思い入れがあります。モデルの子が帽子を気に入ってくれ、作り手としてうれしく、触発されました」と話す。 写真=帽子をかぶってポーズを決めるモデルの市民 |
2010年2月12日 |
近畿小学生インドアソフトテニス・女子の部 舞鶴ひまわりク、上羽(中筋小)田中(明倫小)ペアが準優勝 舞鶴ひまわりクラブ(南部照一代表)の上羽陽香さん(中筋小6年)と田中真未さん(明倫小6年)のペアが、このほど滋賀県長浜ドームで行われた第13回近畿小学生選抜インドアソフトテニス大会(近畿ソフトテニス連盟主催)の女子の部で準優勝した。全国的に近畿のレベルは高く、優勝を逃したものの京都勢では初の快挙という。 上羽さんと田中さんは、小学3年生からペアを組み、3年連続して府予選を勝ち抜いて全国大会に出場した。近畿選抜大会は、昨年11月の府予選で優勝、2年連続の出場。昨年は予選リーグで敗退したが、今回は雪辱を期して臨んだ。 近畿選抜大会には、近畿各府県の予選を勝ち抜いた72ペアが出場。上羽さんと田中さんのペアは、予選リーグで3戦全勝で決勝トーナメントに進出した。2回戦では西日本大会3位の兵庫県のペア、3回戦では近畿選手権大会2位の和歌県のペアを破った。準決勝では、兵庫県のペアに4―0のストレート勝ちした。 決勝戦では、近畿選手権で優勝、全日本選手権で3位の和歌山県のペアと対戦。大接戦を繰り広げ、3―4で惜しくも敗退した。これまで京都勢は、全国レベルの大阪、兵庫、和歌山、奈良勢に押され、近畿大会で決勝に進出できなかった。 上羽さんは「強豪を相手に準優勝できてうれしかった」、田中さんは「自分の持っている力を精一杯発揮できた」と話していた。 指導した同クラブの寺田勉コーチは「小学生の最後の大会で、勝ちたいという強い気持ちが、強豪を次々に破ったと思う」と健闘をたたえた。 写真=準優勝した上羽さん(左)と田中さんペア |
桃山町のウイズビル内に貸しギャラリー 文化発信の場にとオープン、利用呼びかけ 桃山町のファッションビル「ウイズビル」2階に、貸し画廊スペース「ウイズギャラリー」が開設された。京町家の雰囲気を合わせ持った手頃な大きさの空間になっている。ビルを運営するタケベプランニグ(五嶋仁代表)は、プロの作家から趣味で創作活動をする市民まで、文化の発信の場として利用をと呼びかけている。 ウイズビルはブティックやスイートのカフェなどが入るビルで、元美容室だった空間をギャラリーとして活用する。昨年12月には絵手紙展の会場として愛好家たちが利用したが、おしゃれな雰囲気で広すぎず狭すぎずが好評だった。そのため貸し画廊の体裁を整え、本格的に利用をスタートさせる。 広さは約30平方メートル。格子戸や板張りの床、小石を敷きつめた入口など京町家のような雰囲気と、白を基調にした壁の空間を合わせ持っている。室内には舞鶴出身の木工作家、奥田芳樹さんが製作した展示台も備えている。隣はカフェだが、入口は別であるため気軽に入ることができる。作品展示のほか、講習会の会場としての利用の申し込みもある。 五嶋代表は「文化的な空間として、作品を見ながらゆっくり過ごしてもらえる場にしていきたい」と話している。利用は1日3000円、6日間は1万5000円(販売目的の場合は別料金)。開廊時間は午前11時〜午後6時。火曜は定休。 【問い合わせ】電話62・1930、ウイズビル内カフェハナノキの竹部さん 写真=京町家の空間を合わせ持つ貸し画廊スペース「ウイズギャラリー」 |
2010年2月9日 |
ろう者と健聴者、手話で織りなす映画「ゆずり葉」 2月20日、府聴覚障害者協会舞鶴支部が上映会 聴覚障害者の社会参加の推進に取り組む全日本ろうあ連盟が、創立60周年を記念し製作した映画「ゆずり葉―君もまた次のきみへ―」が2月20日、浜の市商工観光センターで上映される。ろう者と健聴者の出演者とスタッフが力を合わせて撮影に臨み、手話で織りなす物語が完成した。主催の京都府聴覚障害者協会舞鶴支部は来場を呼びかけている。舞鶴市民新聞社など後援。 耳の聞こえない生い立ちの中で、同じ障害を持つ子供たちを支える映像教材を推進する早瀬憲太郎さんが、脚本と監督に挑戦した。ろう演劇界からは全国的に活躍する庄崎隆志さん、ベテラン俳優の井崎哲也さんらが出演。また、聴覚障害の子供を持つSPEEDの今井絵里子さん、大和田伸也さんらも出演し、ろう者と健聴者のスタッフとキャストが協力した。 物語の舞台は東京の下町。ベテラン大工の敬一は障害者の資格制限などの差別撤廃運動を盛り上げるため、20数年前に途中でストップしていた手作り映画の製作の再開に、弱った体を押して参加した。その映画のオーディションに応募し主演に選ばれた吾郎、恋人のさやか、その妹で薬剤師国家試験に挑戦するろう者の尚美。苦労する映画づくりと支援の輪、周囲に支えられながら新しい人生を切り開こうとする若者たちの姿が描かれる。 同舞鶴支部は「今までにないろう者の演技が見られて素晴らしい映画になっています」と話し、上映の成功に向け取り組んでいる。上映時間は(1)午後2時(2)同6時。前売りは大人1200円(当日300円増し)、高校生以下800円(同200円増し)。余部上の市聴覚言語障害者支援センター(電話64・3911)、市商工観光センター(電話64・6800)で扱っている。 写真=映画のちらし |
伝統木版画家・井堂さんが「宮沢賢治の世界展」 2月14日までサンムーンで水彩画などを展示 伝統木版画家として活躍する井堂雅夫さん(64)による「宮沢賢治の世界展」が、浜のギャラリー・サンムーンで開かれている。賢治独自の宇宙観などを井堂さんがインスピレーションを受け、今回の企画展のために制作した水彩画などを展示した。賢治が宇宙と交信する様子を自由なイマジネーションで表現している。2月13日は井堂さんによるトークがある。入場無料。 井堂さんは京都市内に「ギャラリー雅堂」を開設し、1994年からは京版画を継承するための版元を主宰する。NHKテレビで木版画講師も務めた。大地の自然や暮らしに根ざした空想力で童話や詩、演劇などを残した賢治の思想を伝えようと、99年に岩手県にNPO法人花巻文化村を設立し活動する。 賢治の世界をテーマにした作品展は、今回が関西で初めてという。水彩画で描いたシリーズ作品などで、満天の星々の宇宙と交信する様を描いている。また、賢治が描いた水彩画の「日輪と山」を井堂さんが再現した作品、信仰した法華経からイメージを膨らませた肉筆画、このほか「イギリス海岸」など多くの賢治作品に触れた絵が並ぶ。13日午後2時から朗読会とトーク。展示は2月14日まで。火曜休み。 【問い合わせ】電話63・4858、サンムーン 写真=宇宙と交信する賢治を描いた水彩画 |
2010年2月5日 |
舞鶴養護学校開校5周年で記念作品展 智恵蔵で2月11〜14日、輝く感性と心届ける 様々な障害を持つ児童・生徒が学んでいる堀の舞鶴養護学校(室木義治校長、123人)が開校5周年を迎え、本校と北吸、行永分校の3校による記念作品展「生命(いのち)の太陽〜光とならん〜」を、2月11日〜14日、北吸のまいづる智恵蔵で開催する。全員で取り組んだ共同作品、小・中・高等部ごとに制作した作品、個人の絵画や詩などを通し、子供たちのアーティストとして創作に見せる輝く感性を伝えようと、卒業生の作品も含め初めて約200点を一堂に展示する。 同養護学校は、児童・生徒たちがこれまで自分の想いを表現した絵画など美術作品は、学校外の行事で紹介したり店舗で常設展示してもらっているが、5周年を機に多くの市民に発信しようと地域で作品展の準備を昨年九月から進めてきた。 全ての児童・生徒が1人1人、紙を溶かして色を塗って作った思い思いの太陽を、ボード(縦2.3メートル、横5メートル)に貼りつけた共同作品を仕上げた。小学部の35人が手袋や靴下で色を塗ったり、足の裏にも絵の具をつけ走り回って彩色した縦2メートル、横4メートルの共同作品「みのりの樹」を、中学部の35人は縦90センチ、横25メートルの木綿をグラウンドに広げて染料を塗るなどし、どれも枠にはまらないダイナミックな作品が完成した。 個人作品では、体育祭の思い出やカブト虫など、この一年間で描いた中から1点を選んで出品する。中には重度の肢体不自由で少ししか動かない右手で、学校に行きたい想いを描いた書作品も。それぞれ知的障害や自閉症などの障害を持ちながら、創作の中で自分を精一杯表現した。そうした子供たちの想いを様々な形で表現できるようにと、教員たちも美術研修を受け助言し、作品としての奥行きも広がった。 また、高校生たちが自分を見つめ、素直に心情を書き留めた詩、共同作品の制作の様子を撮影した映像、保護者たちが描いた手手紙なども並べる。室木校長は「素晴らしい感性と表現力を持った子供たちのことを知ってほしい。それが子供たちの生きていく励みになります」と話している。入場無料。午前9時〜午後5時(最終日は午後3時)。 【問い合わせ】電話78・3133、同校 写真=グラウンドに広げた布に描いて共同作品をつくる中学生たち(同校提供) |
来年府内で国民文化祭、舞鶴国際芸術祭(仮称)企画 準備委員会結成し美術家ら招き意見交換 2011年に京都府内で開かれる第26回国民文化祭に合わせ、NPO法人赤煉瓦倶楽部舞鶴などが、舞鶴国際芸術祭(仮称)を企画しようと準備委員会を結成し、美術家やアートディレクターらがこのほど、市内の商店街や寺院、旧丸山小学校などを見学し意見交換した。2月20、21日は先進地の事例の発表などをする。 舞鶴市は国民文化祭の会場の一つになっており、来年10月の開催に合わせて、赤煉瓦倉庫だけでなく地域に出て、アート活動をする舞鶴国際芸術祭を企画。府などが募集する「京都ならでは公募事業」に採択され、文化庁から費用の支援を受けることが決まった。 準備委員会は京丹後市の美術家、池田修造さん、NPO法人京都藝際交流協会理事長の石田淨(じょう)さんらを招き、会場候補地を回って計画の企画書作成のための意見交換をした。同舞鶴理事らが案内し1日目は東地区、2日目は西地区を視察。八島商店街を見学した一行は、作品をアーケードから吊るすなどのアイデアを出した。 池田さんは「行政と地域の市民、作家のネットワークを作れるかが成功の鍵」と話した。委員を公募して四月に正式に委員会を立ち上げる。 写真=八島商店街を見学する一行 |
2010年2月2日 |
日星高「コミュニケーション授業」の試み(上) 保育所と特養ホーム、3年生が2年間の実習終える 「役立ち感」「自己肯定感」「思いやる心」を育てることを目的に、2008年4月から始まった日星高校のコミュニケーション授業の試み。この授業を初めて体験した3年生10人が2年間の実習を終えた。1年目に西乳児保育所(円満寺)で幼児たちと交流した様子を継続して報告した。2年目は特別養護老人ホーム「安寿苑」(上安)での実習。高齢者との交流と2年間で学んだことについて取材した。 コミ授業、昨年2月の保育所での取材から1年、生徒たちはどう変わっただろうか。1月の安寿苑での最終回の実習に訪れた。保育所とはまったく勝手が違い、高齢者との交流では、大きな変化は期待できないのではと予想した。昨年5月から計11回の実習は毎回、一対一のペアを組む高齢者の元へ行き話したり、隣で食事を一緒に取ることを繰り返した。見た目にはあまり動きはないが、心の内はそうではなかった。 自宅で祖父母と住む生徒たちも、施設で暮らす高齢者との交流は初めてで、最初は戸惑うことばかりだった。何を話していいかわからず、話しかけても反応がない、毎回同じ話の繰り返し。「授業がつらく行きたくない」と思う生徒もいた。生徒に出来たことは、隣に座って笑顔で高齢者の食事を見守ることだけだった。 辛抱強く寄り添う生徒たち。そんな姿にお年寄りが気づかって話しかけ、食事の席を取ってくれた。生徒たちも職員のアドバイスを受け、趣味や学校生活など話題を10個ほど準備して会話を続ける努力をした。その甲斐もあって生徒を見る表情が和らぎ、「私のかわいい孫や」と訪問を楽しみにしてくれるようになった。 ただ、回を重ねても関わりの難しさを感じる場面も多かった。毎回、「僕のこと覚えていますか」と聞いても「知らん」と返される。「長生きしていてもいいことないし」と言われ、返答に窮する。食事がうまく取れない様子にどうしていいか困った。また、夏休み明けに訪れると、ペアのお年寄りが亡くなっておりショックを受けた。 しかし、そうしたことに間近に接することで、生徒は「老いと死について考えさせられた」と一様に述べる。老いてこれまでと同じように日常生活を送れないことに、仕方のないことなんだと思えるようになった。「よー来たなあ。もうここからどこも行ったらあかんで」と言う高齢者の姿に、自分を大切にしてくれていることを感じ、「私の方が元気をもらった」と変わってきた。 安寿苑職員の山根比佐子さんは「若い人の風が入り利用者にも刺激になった。施設の現状、お年寄りのこと、介護のことを知ってもらういい機会でした」と実習を歓迎した。 写真=実習最終日、お年寄りと交流する生徒 |
地域あげアルミ缶を回収 中筋小に環境美化教育優良校表彰 アルミ缶の回収活動に取り組む中筋小学校(石川敏明校長、659人)が、社団法人食品容器環境美化協会(筑紫勝麿会長)の第10回環境美化教育優良校(リサイクル部門)の表彰を受賞した。1月29日、公文名の同校で表彰状と記念品が、児童代表に贈られた。 環境美化優良校は、清涼飲料水やビールのメーカーでつくる食品容器環境美化協会の設けた表彰制度。全国の小、中学校を対象に、空き缶のリサイクルや散乱防止に顕著な成果を挙げた学校をたたえている。 中筋小では、平成19年からアルミ缶の回収を始めた。回収活動の愛称を「地球にやさしいトライ」と名付け、児童や保護者を中心に、地域住民も参加する家庭・学校・地域一体で取り組んでいる。19年には520キロ、20年には755キロを回収、リサイクル業者に売却して得た収益金は図書の購入や教育活動に充てている。 食品容器環境美化協会の京都地方連絡会議幹事の島田文夫さんが来校。児童会環境委員長の関本凪紗さん(6年)に表彰状を手渡し、「環境美化の気持ちをいつまでも持って、立派な大人になってください」とあいさつ。児童会長の村上日向さん(6年)が「アルミ缶の回収や親子クリーン作戦など美化活動の努力が認められうれしい。これからも頑張ります」とお礼を述べた。 写真=表彰状を受ける関本さん(中央)ら児童代表 |
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