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2011年4月30日

海に暮らす私にできることを
成生の陶芸家、高井晴美さん
津波被災地へ祈り込めチャリティー陶展
5月14日、総合文化会館
 東日本大震災の被災者を支援しようと、成生の陶芸家、高井晴美さんがチャリティー陶展に取り組む。アトリエのすぐ目の前に広がる海を題材に作品をつくってきただけに、東北地方を襲った巨大津波の被害に強いショックを受けたが、いま自分にできることをやろうとのぞむ。収益金の全額を被災地に役立てたいとしており来場を呼びかけている。5月14日、浜の総合文化会館展示室で開く。  漁村の成生に生まれた高井さんは、ふるさとの海を一貫してテーマにし、岩に砕ける波しぶき、寄せては引く波の音などを大作のオブジェに表現している。それらの作品で日本の美術界をリードする日展に挑み、通算九度の入選を果たし全国レベルの作品を作り続ける。また、パリ公募展などにも積極的に発表する。  大震災が起きた日、津波に飲み込まれる映像を見て衝撃を受けた。子供のころから祖父らに津波の恐ろしさと山に逃げるようにと話を聞かされていた。津波を経験したことはないが、冬の荒天には海が荒れ波しぶきが近くまで上がり、車を高い場所に移動させなければならないなど波が生活の中にある。  それだけに今回の津波の被害に人ごととは思えず、海をテーマにする自分をも責める気持ちになり、一時作品づくりができなくなった。その一方で、いま自分にできることは陶芸を通してだとの思いも募り、支援に協力しようとチャリティー個展の開催を決めた。4月20日〜24日、ギャラリーサンムーンで作家20人によるチャリティー作品展にも出品した。  大作のほか、日展入選作を小さくしたオブジェや花器、日用の食器などを展示し、購入しやすいよう価格を大幅に抑えて設定する。高井さんの心意気を知って、当日来場できない人たちから事前に訪れたいと連絡を受け、自宅でも並べ準備をする。高井さんは「いまやらないと一生後悔すると思った。同じ海に暮らす者として祈りや願いを陶土(つち)に込め被災地に届けたい」と話す。  5月14日午前9時〜午後6時。入場無料。収益金は被災地で支援活動を続けるNPO法人難民を助ける会を通して被災地へ送る。
【問い合わせ】電話67・0326、高井さん
写真=出品する作品と高井さん


ふるるファーム
さくらに会いに来て
ヒツジの赤ちゃん、かわいい姿に人気
GW企画も盛り沢山
 瀬崎の舞鶴ふるるファームに今春、ヒツジの赤ちゃんが生まれた。ヌイグルミのような赤ちゃんは公募で「さくら」と名付けられ、来園者は抱っこして触れ合ったり、お母さんヒツジの後をついて歩くかわいい姿に人気が集っている。ゴールデンウイーク、ヒツジやポニーなど動物たちに会いに来てと呼びかけている。  お父さんヒツジ「よもぎ」とお母さんヒツジ「わらび」の間に、一昨年にオスの子ヒツジが生まれ、「つくし」と命名された。そして今年3月にメスが誕生し、お母さんヒツジのお乳を飲んで元気に過ごしている。そうした姿を来園者が写真に収めるなど人気だ。  このほかにもふるるファームにはポニー3頭、ミニブタ2頭、ヤギ3頭がいる。動物たちは東側斜面のふれあい牧場などで草を食べて、除草対策にも一役買っている。毎日正午には散歩中のポニーにえさやりができる。  連休中の企画として、ヒマワリの苗植え体験やどじょうの田んぼでのどろんこ遊び、ミニブタの新しい家のデザイン募集、マイ箸と人形づくり教室(有料)、いちご大福教室(有料)などを行う。
【問い合わせ】電話68・0233、ふるるファーム
写真=お母さんヒツジに寄り添う「さくら」


2011年4月26日

重文民家の暮らし伝える
小倉の「行永家住宅」引き継ぐ行永さん
本出版、解体修理・維持の苦労と喜び
4月29日、住宅一般公開
 小倉の国指定重要文化財の民家「行永家住宅」所有者で、元京都大学教授の行永壽(ひさ)二郎さん(79)が、重文での暮らしをまとめた『古民家の風』(四六判、158ページ、東京図書出版会)を出版した。京都市左京区の自宅と行き来しながら、築190年の歴史の古民家を引き継ぎ、住みながら保存に努める苦労や喜びを綴り、伝統的な木造建築の住文化と魅力を伝えている。  行永家住宅は1820(文政3)年の建築で、主屋は木造平屋一部2階建て、入母屋(いりもや)造り。丹後地方に現存する瓦葺き農家として最も古く、この地方の民家様式を残すことから、1975年に重文指定を受けた。当主は江戸期に小倉村の庄屋も務めた。  老朽化のため府教委に修理を委託し、国や府の補助金を得て01年から2年間かけ解体調査と保存修理を実施。重文民家の従来の修復は当初の姿への復元を最優先にしていたが、行永さんは住みながら維持しようと、居住空間を併せ持つ方法を採用する先駆けとなり、関心を集めている。  少年時代を小倉で過ごし、大学進学を機に京都市へ。重文指定に関心はなかったが、82年に父亡き後に管理を続ける中で、民家を伝えようとの思いや所有者としての意地が生まれた。現在は京都と舞鶴を月半々行き来しながら暮らし、重文の所有者側の思いとともに情報発信をしようと本づくりをした。  保存を決意するに至るまでの様子、解体調査で主屋の上屋(2階)の瓦は1度も葺き替えられず使われていたことが確認され、建築年代も5年さかのぼることも分かるなど家屋の変遷過程、修復計画で居住部分に対する文化庁との相談の経過も紹介した。  完成後、土間のかまどで米を炊き庭の風景を楽しみ、囲炉裏の火を囲んでの会合の生活を送り、毎年春と秋に一般公開を行い、地元住民の保存維持協力会が清掃作業などに取り組むことも記した。「古民家活用の第一はまず住むこと。次に伝統的な住文化や地域の歴史を学ぶ場」と結ぶ。  行永さんは「維持費もかかる点もありますが、公共の文化財として住みながら残していきたい。またこの家が地域づくりにも役立てば」と話す。全国の書店で発売中。1,200円+税。  4月29日午前10時〜午後4時、一般公開を行う。入場無料。
【問い合わせ】電話66・1073、市教委
写真=出版した本を手にする行永さん


八重桜の並木 ひっそりと
菅坂峠の林道で100本、1キロ続く
 綾部市との境界に接する菅坂峠の作業用林道に沿って、約100本の八重桜の桜並木が約1キロにわたって続く。山の中でひっそりと花を咲かせ始めた。  場所は綾部市に抜ける旧府道から入った林道。菅坂生産森林組合(二谷和輝組合長)が、1998年ごろに花のある景観づくりにと八重桜の苗木を植えた。2001年春に、木ノ下や常などの地域住民らと林道終点の広場で花見も楽しんだ。  それ以後、ごみの不法投棄を防ぐため林道入り口に鍵付きの扉を設置したため、山仕事をする組合員や山歩きを楽しむ一部の人たちにしかその存在が知られない隠れ名所に。木々は高さ5メートルを超えるまでに育つ。  山中にあるため平野部の八重桜より開花は遅いが、今年はさらに春の寒さの影響で例年より遅くいまチラホラ咲きの状態。二谷さんは「枝打ちなど世話を続けています。今後も組合で桜を守っていきたい」と話している。
写真=チラホラと花を咲かせ始めた八重桜


2011年4月22日

温かな笑い親しまれ連載2500回
本紙創刊号から25年間休まず
安川さんの「おはようカブちゃん」、友人らが記念祝賀会
5月8日、勤労者福祉センター
被災地支援で作品販売も
 舞鶴市民新聞に創刊号から25年間にわたって連載を続け、ユーモラスで温かな主人公家族で親しまれている4コマ漫画「おはようカブちゃん」の連載2500回を記念し、作者の安川ケンジさん=余部下=の友人たちが祝賀会を計画している。この会に合わせ、安川さんは東日本大震災の被災地の支援になればと、自作の漫画集と漫画色紙を販売し、収益金を義援金として役立てる。5月8日午後1時から浜の勤労者福祉センターで開かれる。  安川さんは東京芸術学院で漫画を学び、手塚治虫さんにもその作品を評価された。1コマや4コマ漫画を描き、読売国際漫画大賞展で入賞するなど多数の漫画コンクールで入選などしてきた。日本漫画協会会員も務める。  「おはようカブちゃん」は本紙の1986年7月の創刊から毎週火・金曜日の発行日に1回も休むことなく連載を続け、今年3月4日付で2500号を迎えた。途中、骨折で病院に入院したがベッドの上で原稿を描き続けた。連載をまとめた漫画集「ホッカホカランド」を第3集まで出版した。  主人公のカブちゃん、本名ミヤマカブト君は5歳。安川さんが昆虫採集を趣味にしていることからこの名前がついた。ちょっとおっちょこちょいの父、おおらかな母、友達のフウ子ちゃんらが登場する。安川さんの身の回りに起こったこと、最近の時事ニュースなどを題材にし、力みのない線で描かれたユーモラスなカブちゃんの作品世界が、読者に愛され続けている。  祝賀会は友人の加藤晃さんら5人が発起人となり、2500回を祝うとともに今後の活躍を願って企画。会費制(2,000円)で関係者たちに案内を配布した。祝賀会終了後の午後3時〜同5時に、漫画集第3集(500円)と、文芸春秋漫画読本新人登竜門の入選作を色紙にした作品(1,000円)のチャリティー販売会を開く。会場にはカブちゃんの原画の展示やミニ昆虫展も行う。だれでも無料で来場できる。  安川さんは「会場で皆さんの声を聞き、3000回に向かって温かい笑いを届けたい。被災地への支援をカブちゃんの中でも取り上げていければ」と話す。
【問い合わせ】電話75・1626、加藤さん
写真=チャリティー販売の作品を手にする安川さん


「もくよう会」交流の輪広がる
障害持つ子の生活、先輩ママがアドバイス
 障害を持つ子供たちと親たちでつくる「もくよう会」(中野和子会長)が、会員たちの交流を深め、障害者福祉の向上に取り組んでいる。茶話会などで楽しくおしゃべりをしながら、子供たちの就学や生活について先輩ママがアドバイスしている。4月18日、倉谷の府中丹東保健所で総会と交流会を開いた。  障害をもつ孫の世話を手伝うため舞鶴に引っ越した中野さんが、知り合った母親たちを自宅に招いて悩みを聞き交流をしたことがきっかけで、保護者たちの親睦を深め、子供たちの発達の促進を目指して平成15年に設立した。  会員も口コミで増え、乳幼児から高校生までの子供を持つ市内や高浜町などの約50人が加入し、毎年、海水浴や食事会などに取り組む。こうした交流の中から、自閉症の子供たちを持つ親たちのグループなどが生まれたりと、障害者福祉を広げる活動へとつながっている。  総会には約30人が出席、特別支援制度学習会や宿泊交流会などの計画を決めた。続いて母親たちがダウン症や自閉症など子供たちの症状、就学状況などを自己紹介し、学校や家庭での生活について話し合った。  中野さんは「親御さんを元気にしようと活動を始めました。自分1人ではなく仲間がいることで元気になり、みんな表情がとても明るいです」と話す。  5月15日午前11時から女布の城南会館でバーベキュー交流会を開く。会員以外でも障害を持つ子供と保護者も参加できる。手伝ってくれるボランティアを募っている。
【問い合わせ】電話75・4121、中野さん
写真=交流する母親たち


2011年4月19日

5月7日、市民会館
被災地から緊急メッセージ
宮城県名取市の医師、桑山さん
避難所で移動診療行う
世界の紛争地の支援活動伝えるライブで
 東日本大震災で被害を受けた宮城県名取市で開業する心療内科医師の桑山紀彦さんが5月7日、北田辺の市民会館で被災地からの緊急メッセージを伝える。世界の紛争地で医療支援活動を続け、困難に負けずに生きる子供たちの輝きを歌と映像で紹介するライブ「地球のステージ2」を行うためだが、被災地の避難所で移動診療を行い、被災者の心のケアに取り組んでいる体験から、被災地のいまを知ってほしいと強い思いで来鶴する。  桑山さんは、湾岸戦争直後のイラク、イスラエル軍の空爆が続くパレスチナなどで、心に傷を負った人たちのケアを中心に、1989年から支援を始め、02年にNPO法人地球のステージを設立し活動を続ける。一方、宮城のクリニックで診療活動をしながら、現地で撮影した映像とメッセージを込めた自作の歌によるライブを全国各地で開き、紛争や貧困の中でも、明るくたくましく生きる人々の姿を紹介している。  今回の震災で名取市にも津波が襲い、900人近い人が亡くなり、約1,000人が行方不明に。桑山さんのクリニックも被災したが倒壊や水没は免れ、翌日から診療を再開し24時間態勢で患者を受け入れる。津波で息子を亡くし自分を責める母親に、寄り添って話を聞き、避難所の巡回診療に取り組み、サッカー大会を開いて子供たちの心と体をほぐしている。  4月12日のブログに桑山さんは記す。おなかに赤ちゃんがいる女性が津波で夫を亡くし、半狂乱で号泣する。この女性を前に、波に消えた友人や患者たちの姿が次々と浮かぶ。何度も何度も泣いたのに、またとめどなく涙が流れる。かけるべき適切な言葉が見つからず、カウンセリングの技術は吹き飛んだ。彼女を抱きしめて一緒に泣くしかできなかった。「医者失格。でも、もう一緒に泣くしかない」と心の底から思った。  舞鶴での開催は、リサイクルブティック経営の橋本希久子さんが呼びかけ実行委員会を組織し、多くの市民や団体などが協力。公演は1〜5部のシリーズで、昨年東ティモールなどの様子を紹介する1部を開いた。今回その続編の2部。カンボジア難民キャンプなどの支援活動などを語る。震災前に開催が決まっていたが、震災で延期も検討する中、桑山さんが被災地の状況を発信したいと望んだ。  午後6時半開演。公演の収益金の一部、会場での募金は被災地や紛争地での支援活動に寄付する。入場料は前売り1,000円(当日200円増し)、学生は半額。託児もする(無料、要予約)。市民会館などでチケットを販売中。
【問い合わせ】電話090・5665・1902、橋本さん
 また、5月7日午後1時からは日星高校にも桑山さんが来校し、被災地からのメッセージとシリーズ1部を行う。生徒・保護者以外でも来場できるが、参加費1,000円が必要(当日学校で受け付ける)。電話75・0452、日星高。
写真=名取市の避難所の館腰小学校で、被災者の話を聞く桑山さん(NPO法人地球のステージ提供)


京極マリアらしき墓見つかる
「泉源寺さま」と、庵近くの山で伝えられ
NPO法人、参道整備へ
 生涯信仰を貫いたキリシタンの京極マリア(1542〜1618年)のものと思われる墓が、マリアが晩年を過ごした泉源寺の庵跡近くの山で見つかった。マリアの生き方を伝え、地域づくりに活かそうと結成した地元のNPO法人が探した。山主の家人だけに伝えられてきた場所らしく、ひっそりと竹やぶの中に石が並んでいる。参拝の道を整備したいとしている。  マリアは近江の戦国大名・浅井長政の姉。現在放映中のNHK大河ドラマ「江」の主人公、浅井三姉妹の叔母にあたる。21歳のときに夫・京極高吉とともに安土城で洗礼を受けた。長男の高次は若狭国、次男の高知は丹後国を治め、晩年に泉源寺の此御(こみ)堂で静かに信仰生活を送り、村人らも「泉源寺さま」と慕った。  NPO法人京極マリア祈りの里理事長で、マリアの位牌を安置する泉源寺の智性(ちしょう)院住職、増田憲嶺(けんりょう)さんが子供のころ、父に連れられマリアの墓を尋ねた記憶を頼りに、此御堂があった近くの山を探し歩いた。  愛宕神社の参道脇の道を行ったところに、平地になった場所があり、石が7、8個地面に埋められ、高さ40センチほどの石が倒れている墓を見つけ、山主の住民に確認したところ、「泉源寺さまの墓」として代々家に伝えられ、家人だけでお盆などにお参りしていることが分かった。  増田さんは「手を合わせるお墓が見つかってよかった。皆さんにお参りしてもらえるよう道を整備したい」と話している。山主の了解を得て周囲の竹を切り払った。  同法人は5月15日に智性院そばに建てたマリア像の披露と、イメージキャラクターの愛称を発表する。今後もキャラクターグッズ、地元の休耕地を活用して特産品の開発などにも取り組む。会員を募っている。
【問い合わせ】電話62・1130、同法人
写真=京極マリアのものと思われる墓(泉源寺で)


2011年4月15日

作家たち 思い一つに
4月20〜24日、浜のギャラリー・サンムーンで
救済チャリティー作品展、売上全額被災地へ
過去の出展者たちと市民らが協力
 舞鶴や近隣などの作家17人と市民、画廊オーナーらが協力し、東日本大震災の被災者を支援しようと、4月20〜24日、浜のギャラリー・サンムーンで、救援チャリティー作品展を開催する。作家たちが自分たちにできることをと思いを一つにした。作品を提供し売上金は全額義援金として、現地で支援活動をするNPO法人難民を助ける会に寄付する。  これまでサンムーンで作品展を開いた作家と市民らが、被災者を応援するため何かしようと話し合い、親交のある作家たちもチャリティーの主旨に次々と賛同し作品の提供に応じた。同画廊オーナーの佐藤保明さんも、会場の無償提供で協力する。  作品展のタイトルは「手と手をつないでいま私たちに出来ること」と決めた。出品者たちは購入しやすいような作品と価格設定にした。  舞鶴からは絹川徳成さん(造形)とことみさん(絵画)、嵯峨根辰夫さん(陶芸)、高井晴美さん(同)、鉄尾伸介さん(同)、西野陽子さん(同)、近隣からは上原雅子さん(木工)、倉攸佳衣さん(陶芸)、小池靖さん(ガラス)と由佳子さん(漆)、トレーシー・グラスさん(陶芸)、松浦つかささん(立体)らが出品する。また、被災地の岩手県花巻市出身の版画家、井堂雅夫さん=京都市=も参加する。  主催の東北関東大震災救援実行委員会代表の谷公人(きみと)さんは「作家の皆さんが、自分のできることをやろうという思いで、すぐさま出品を決めていただきました。多くの方に来場してもらい、被災地への思いを共有できれば」と話す。来場を呼びかけている。  午前10時〜午後7時(最終日は午後5時)。入場無料。
【問い合わせ】電話63・4858、サンムーン
写真=作家たちが提供した作品


応援の歌声 被災地へ届け
市内一の歴史誇る 木声会合唱団
結成55周年演奏会
4月24日、総合文化会館
 木声会合唱団(山下弘団長、30人)が、解散の危機を乗り越え今年で結成55周年を迎え、34回目の演奏会に向け練習に取り組んでいる。団員の30人がこれまで歌い継いできた合唱曲をはじめ、東日本大震災の被災地への応援メッセージを歌に込める。4月24日午後2時から浜の総合文化会館小ホールで開く。  戦後、GHQのレットパージが職場で起きる中、若者たちが合唱で元気を出そうと、1955に舞鶴青年婦人会議が合唱教室を開始。その翌年に新しい指導者のもと、浮島の聖華幼稚園で木曜日に練習日を設けたことから、「木声会」と名付けた。  その後、団員の減少や指導者不在で解散も話し合われたが、地道な活動を続けいまでは市内で最も歴史を持つ。指導者に吉田幸雄さん、ピアノ伴奏に川ア秀子さんを迎え、20代〜80代の混成4部合唱で2〜3年に一度単独演奏会を開いたり、市民合唱祭などに出演する。  24日の演奏会は「小さな歌の喫茶店」と銘打ち、「知床慕情」などの懐かしい曲、組曲「生まれた街」などの合唱曲、「花」や「君をのせて」など親しまれている曲を披露する。また、被災地を励まそうと「歌声を世界に」を歌う。  発足当初からの団員の中村靖さん(85)=京月町=は「合唱の志を失いたくない、歌で少しでも勇気を与えたいと歌い続けてきました。被災地に届くようにとみんなで願いを込めて歌いたい」と話していた。会場には義援金箱も置く。入場料は一般500円、高校生以下無料。
【問い合わせ】電話62・4046、山下さん
写真=練習に励む団員たち(シオン幼稚園)


2011年4月12日

子供の福祉機器一堂に
まいづる姿勢の学習会
4月16日、初の展示会を文化公園体育館で
体の障害で保持難しい姿勢を支援
 重度の脳性麻痺による体の不自由な子供たちが、食事や移動時などの姿勢を保持するため、支援・介助をする福祉機器を紹介しようと、親や教育関係者らでつくる「まいづる姿勢の学習会」(西一代代表)が4月16日、上安久の文化公園体育館で初めての展示会を開催する。学校や家庭で子供たちが過ごしやすいよう、ちょっとしたアイデアを凝らした手作り機器の出品や、遊びのコーナーも設ける。来場を呼びかけている。  脳性麻痺などで体の障害を持つ人たちは、呼吸や遊びなど日常生活で、座ったり横になるなどの姿勢を保つことが難しい。そうした子供たちを持つ親や教師らが、与謝の海養護学校(与謝野町)で、子供たちが楽に活動できるかを考える勉強会を開催し、発展させる形で3年前に当事者家族、医療関係者も加わり同会を結成。毎月情報交換などを行ってきた。  姿勢の保持を支援する福祉機器の中で、子供用のものの展示会は大阪市内まで行かねばならないため、府北部で機器の展示を通して情報発信し、障害を理解してもらおうと初めて企画。メーカー10社の協力を受け、リフトやコミュニケーション機器などが並ぶ。  与謝の海養護学校で実際に子供たちが使っている機器も紹介する。福井県立こども療育センターの指導で製作したクッションは、自分で床の上に座って遊ぶことができるよう工夫した。緊張で体が反り返る子供用に安定した姿勢を得られるようにしたM型クッション、緊張の抑制や呼吸が楽にできるうつ伏せをとれるものも考案した。  会場には家庭でのプチアイデア道具の紹介、ボーリングなど遊びのコーナーも作る。同会は「子供用の機器ですが大人にも参考になるものも展示します。見て触って乗ってほしい」と話す。入場無料。午前10時半〜午後4時。問い合わせは西一代さん(hkrja-11410@zeus.eonet.ne.jp)。
写真=与謝の海養護学校で作られた、うつ伏せを楽にできるクッション


舞鶴学園
私たちのできることで支援
ペットボトル湯たんぽカバー
阪神の知恵活かし東北に暖を
 東日本大震災の被災地にペットボトルを利用した湯たんぽを届ける活動をする「東北暖めたい(隊)」(田村治典隊長)に協力しようと、泉源寺の児童養護施設「舞鶴学園」の子供たちが湯たんぽ用のキルトカバーを手作りし、4月7日、来園した田村さん(66)=宝塚市=らに被災者へ励ましのメッセージカードも添えて手渡した。  尼崎市でアートギャラリーを経営する田村さんは、阪神淡路大震災で避難所生活を送った際、ペットボトルで湯たんぽを作って暖をとった。その経験を活かし、まだまだ寒さが続く東北の避難所での寒さ対策にと、現地の物資でできる湯たんぽの作り方を提案している。  利用するペットボトルは、口の白い耐熱性のボトル。口が透明なボトルは、非耐熱性で約50度の温度で変形するため適さない。たらいに入れて一度に数本のボトルを湯せんし、80度くらいにすれば一晩は温かい状態が続く。  阪神地区など108カ所で、田村さんらは復興の願いを込めリンゴの植樹も行っており、その植樹を舞鶴学園にも打診した縁で、湯たんぽを包むカバーづくりを子供たちに依頼。キルトの提供を受け、幼児から高校生までの44人がミシンや手縫いで2リットルのボトルが入るカバー100枚を完成させた。  同学園子供会代表の江口留美さん(17)は「みんなが自分のできることで何かしようという気持ちで作りました。カードには明るい気持ちになってほしいと、太陽と花の絵を描きました」と話す。子供たちは自主的に節電にも取り組み、学園側でも空きスペースを被災者に開放したいと京都府に申し入れた。  田村さんらは学園以外にも依頼した計500個のカバーや水タンクなどを携え、岩手県釜石市から北上して海沿いの避難所を訪れる。
写真=依頼した田村さんらにキルトカバーを贈った子供たち


2011年4月8日

東日本大震災「舞鶴支援会」
力になりたい思い広がる
店や市民が協力し、4月17日に
まいづる知恵蔵でフリーマーケット
収益金は、全額被災地へ
 東日本大震災の被災者を支援しようと、市民たちでつくる舞鶴支援会(南賀子(よしこ)代表)が4月17日、北吸のまいづる智恵蔵でフリーマーケットを開催する。パン店や洋裁教室などの協賛の事業者だけでなく、市民たちも出店の呼びかけに応え協力の輪が広がっている。収益金は全て被災地への義援金に役立てる。当日のボランティアスタッフの募集と来場を呼びかけている。  市民たちが自分にできることで力になろうと、支援会を立ち上げた。フリーマーケットには、パン店や和菓子店、木のおもちゃ、薬局、電気店などの11店を経営する人たちが次々と協力を申し出ている。マカロンや子供用傘、洗顔剤などを販売する。  また、11人の市民たちも、食べ物やミサンガ、子供服などそれぞれ手作り品などを持ち寄り出品する。 店舗と市民の出店者たちは材料費などの実費も含め、全ての売上金を義援金として、被災地で活動するNPO法人難民を助ける会を通して被災地に届ける。  支援会メンバーのよしだ敦子さん=七条中町=は、主宰する洋裁教室の教室生にも協力を呼びかけ、持ち運びしやすい大きさの三角クッションを製作し出品する。100個を目標に、3月28日には延べ約20人の教室生たちが、縫製や裁断などを分担して作業した。1個500円で販売する。  よしださんは「教室の仲間たちが一つにまとまり、一緒にできることに感謝しています。みんなの気持ちも被災地に届けば」と話す。事前に注文も受け付ける。 【問い合わせ】電話64・4424、よしださん  代表の南さん(42)=行永=は西宮市出身で、阪神淡路大震災で自宅が全壊し避難生活を体験をしただけに、今回の震災で過去の記憶が蘇った。「何か自分にできることをしたいとの思いで、多くの方が協力してくださりとてもうれしい。一回で終わらせず今後も続けられれば。いまは生きているだけで大丈夫と被災者に伝えたい」と話す。  4月17日の午前10時〜午後2時。会場では音楽演奏やマジックショーなども行う。プロ・アマ問わず出演者も募っている。被災者へのメッセージの手紙も受け付ける。
 問い合わせは南さん(masahiro-minami@khaki.plala.or.jp)
写真=出品する三角クッション作りをする洋裁教室のメンバーたち


ガールスカウト京都35団
鎮魂と希望込め折る
市民ら寄せる多くの折り鶴、被災地へ
 東日本大震災の被災者を励まそうと、舞鶴のガールスカウト京都35団(榎本明子団委員長)が、千羽鶴づくりに取り組み、市民にも協力を呼びかけたところ、このほど多くの折り鶴が届けられた。津波の犠牲になった人たちや避難生活をする被災者へ、市民たちが思いを込めて折った数千羽の鶴。隊員たちもその思いをしっかりと受け止め被災地へ送る。  新聞などを通じて市民に呼びかけ、受付場所の中総合会館には、多くの市民が縦横8センチの紙で折った鶴を持参した。幼稚園の園児や父母たちが折った鶴は千羽鶴にして届けられた。また、家族や教室仲間たちと作った人も。中には、手作りしたドラえもんなどのマスコット人形も寄せられた。  隊員の近藤彩さん(志楽小6年)は「たくさんの折り鶴に、みんな思いはつながっていると感じ、この思いが被災地に伝われば」と話す。榎本さんは「みんなと協力して生き抜いた被災者の姿に、ガールスカウトの活動が重なります。びっくりするほど多くの折り鶴に涙が止まりません。みなさんの心を届けたい」と市民に感謝していた。  糸を通して千羽鶴に仕上げ、何度か訪れお世話になった岩手の人たちへ、4月下旬ごろに岩手県庁を通して送る。もうしばらく千羽鶴を受け付けている。場所は中総合会館5階のNPO法人舞鶴市女性センターネットワークの会事務局(電話63・3305)。
【問い合わせ】電話82・0563、榎本さん
写真=市民たちから届けられた多くの折り鶴と人形


2011年4月5日

特産の松尾ゴボウ守ろう
松尾、杉山、京大のグループ
オーナー制で地元農家と共同作業
高齢化進み作り手減る
オーナー募集、4月17日種蒔き
 青葉山麓の松尾地区の特産品となっている松尾ゴボウを守ろうと、松尾と杉山地区、京都大学が中心となったグループが、松尾ゴボウの栽培体験をするオーナー制度を始める。地域の過疎と生産者の高齢化で作業が大きな負担となっているおり、人気の産品だが次第に作り手と作付面積が減りいまや希少品。地元農家と種蒔きから収穫まで共同作業で取り組んでくれるオーナーを募集している。  松尾ゴボウは香りが良くやわらかい。火山灰を含む土から村人たちが苦労して小石などを取り除き、栽培に適した農地へと耕してきたことで、太くて真っ直ぐに伸びるゴボウができるようになった。1960年代には当時のほぼ集落全戸(23戸)が約50アールで約5トンを生産、出荷していた。  93年ごろから集落を出る人が増え、現在は16戸、27人で65歳以上は約7割。生産量は減少する一方、人気は変わらず、電話での注文や直売所などで販売するだけで、すぐ売り切れなかなか入手できない。  また、松尾の活性化を目指し、住民と京都大学大学院農村計画研究室で08年、「松尾集落ふるさと共援組織」を作り、作業を省力化する試験栽培、収穫体験会を行った。  作業は春の土起こしと秋の収穫で畑を深く掘らなければならず、高齢の農家には重労働だ。昨年は5戸が約6アールで栽培、今年は3戸が約3アールでしか作れない見込み。そのため同共援隊の活動を発展させて守ろうと、隣接する杉山も加わり「青葉山ふるさと連携共援隊」(松岡良啓代表)を発足。府と市も協力する。  オーナー制度は、地元農家と契約した参加者が種蒔き、草取り、収穫を体験し、収穫物と加工品は持ち帰れる。杉山で活動するNPO法人「名水の里杉山」とも連携し、パン窯でゴボウピザづくりもできればとする。初回の種蒔きは4月17日。  栽培を続ける谷義雄さん(69)は「住民だけでは松尾ゴボウの栽培を続けるのが難しい。せっかく伝えてきた味を残していくためにも、町の人たちの力をお借りしたい」と話す。  募集定員は20組(先着順)。参加費1組2,000円。申し込みは同11日までに名前、住所、連絡先、人数を明記し、府中丹広域振興局地域づくり推進室(FAX62・2859、メールk-nakajima00@pref.kyoto.lg.jp)。 【問い合わせ】電話62・2505、同推進室
写真=松尾ゴボウを収穫した地元農家と京大大学院生たち(京都府提供)


東日本大震災の被災者たちへ
メッセージの輪 届けたい
千歳の松浦さん
同心円の寄せ書き次第に大きく
 千歳の養徳寺住職、松浦道博(どうはく)さん(45)が、震災の被災者たちに励ましのメッセージを届けようと、同心円の寄せ書きづくりに取り組んでいる。曼荼羅と人の輪をイメージして丸の形にした。被災者へ向け参加した人たちの思いの詰まった言葉でできた円が、次第に大きくなっている。  阪神淡路大震災の発生3日後に、西宮市の避難所になっている小学校で3カ月間ボランティア活動をした。今回の東日本大震災でも自分にできることで、何かを伝えたいと思っている人の気持ちを被災地に送ろうと、メッセージの寄せ書きを3月23日から集め始めた。  140センチ四方の白い布に直径88センチの円を描き、その中に同心円がいくつもある。円と円の幅7ミリにメッセージを書いてもらう。千歳やJR東駅前、京都市の東福寺で檀家や市民、外国人観光客たち約100人以上が、「世界の人々が祈っています」「希望を捨てないでください。我々はともにいます」などのメッセージが寄せられた。  松浦さんは「言葉がつながって輪が大きくなり、エネルギーが集まるのを感じ感激しています」と話す。今後も街頭や支援イベントなどに参加し、市民に協力を呼びかけたいとする。寄せ書きは直接被災地に届ける。
写真=同心円の寄せ書きに協力を呼びかける松浦さん


2011年4月1日

東舞鶴高校
関数コンテストで文系2人大健闘
数学とアート組み合わせデザイン
特別賞の岩田さん
だるま祭ヒントにした作品
 数学と美術の要素を組み入れた第4回関数グラフアート全国コンテストのカンファレンスが、このほど名古屋市で開かれ、東舞鶴高校3年生の岩田杏子さんと鎌田まなつさん=2人とも3月に卒業=がパソコンの自由部門で発表し、岩田さんが優秀賞と特別賞を、鎌田さんが優秀賞を受賞した。発表者のほとんどを理系の生徒が占める中、文系の2人は大健闘した。岩田さんは東地区商店街のだるま祭をヒントに、関数を使って「合格祈願ダルマ」を描いた。  コンテストは、数学式の特性を活かして図を表現することで、関数への理解を深めることを目的に開催。全国の高校生や高専生を対象に、電卓などを使った自由・課題部門などが設けられている。  東高ではU類文系の3年生が、総合的な学習の時間で作品づくりに取り組んだ。他の授業で学んだパソコンを使い、デザインの視点で関数を考えてもらおうと、数学科の渡邉強矢講師が指導し28人が出品した。  全国から1,100点の応募があり、優秀賞に20点が選ばれ、シンプルな作品づくりを心がけた岩田さんと鎌田さんも受賞した。この20人がカンファレンスで作品を発表し、最優秀賞(1、2位)と特別賞(3〜5位)が決められた。  岩田さんは、二次関数や楕円など28個の関数を使った。だるまの鼻の部分は、理系でしか学ばないレムニスケート関数で描いた。発表ではだるま祭の由来も紹介し、地元商店街をアピール。そうしたユニークな題材が評価された。鎌田さんは授業で習った二次関数のグラフでイルカを描いた。胴体のラインにこだわり、尾は4つの円の式を使って三日月の形を作った。  岩田さんは「メッセージ性を持った作品を考えました。関数は暗記という印象が強かったのですが、関数の奥深さをアートを通して学ぶことができました」、鎌田さんは「作品づくりを通していろんな視点で関数の式を見るようになりました。後輩たちもこのコンテストに参加し、数学の新しい楽しさを知ってほしい」と発表した。
写真左=特別賞の岩田さん(左)と優秀賞の鎌田さん(右)、指導した渡邉講師
写真右=岩田さんの作品「合格祈願ダルマ」


住民の意見取り入れ完成
朝来川遊歩道
ミニ機関車走らせ祝う
 府が進めていた府民公募型安心安全整備事業の朝来川の遊歩道工事が終了し、地元関係者による完成式が3月26日、現地で開かれた。住民たちの意見を取り入れベンチや屋根付きの休息所なども設置。テープカットや電動のミニ機関車を走らせ完成を祝った。  朝来西町の府営住宅の住民でつくる「朝来ふれあい向う三軒両隣」(四方筆樹会長)などが、朝来川での清掃作業に取り組み、自然にふれあう散策路にしようと府の公募整備事業に応募。2009年から住民たちがワークショップで、転落防止柵やベンチの設置などの要望を発表し、府が整備計画を立て昨年1月から着工した。  整備区間は335メートル。遊歩道は桜並木と朝来川に沿ってカラー舗装され、所々にベンチが置かれる。川に降りる階段もつく。緊急時に消防車が通行できる幅も確保した。事業費は8,900万円。  完成式は住民団体が主催し、四方会長が「3年前までごみが多かった川がきれいになった。今後、桜並木が続く青葉山グリーンロードとリンクし、ミニ機関車が走る桜のポッポロードにしたい」とあいさつ。府中丹広域振興局の竹内啓雄局長らがテープカットした。その後、四方さんの知人で福知山市の男性が廃材で手作りした電動ミニ機関車が、子供たちを乗せて走った。機関車は住民グループに寄贈された。
写真=子供らを乗せ遊歩道を走る電動ミニ機関車


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