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2012年1月31日








舞鶴医療センター 第1期建て替え工事
救急入院や認知症治療強化
明るく広い個室備え 精神科新病棟が完成
旧病棟跡地に新一般病棟 年内の建て替えへ準備

 行永の舞鶴医療センター(平野伸二院長)に精神科の新病棟が完成し、1月26日、記念式典が開かれ関係者に披露された。病院建物の全面建て替え計画の第1期工事として着手し、明るく広い病室やデイルームなど旧病棟から一新した。急性期の精神疾患患者の救急入院や認知症治療などの強化を図っていく。2月1日から利用を開始する。  同医療センターは1901年、海軍病院として創設。四五年に引揚患者の上陸第1病院に指定され、2万2千人の患者を受け入れた。中には過酷な労働や極限状態で引き揚げてくるなど精神科治療を必要とする人も多く、47年に応急的に精神科仮病床45床を設置、2年後には120床で正式に精神科を開設した。  62年に155床の精神科病床が完成し、総合病院内の精神科の利点を活かして、他の施設では対応が難しい精神科救急、合併症患者などを受け入れてきた。北近畿の精神医療拠点施設の役割を担っており、昨年から認知症疾患センターにも指定された。1日平均利用者は外来が約100人、デイケアは約25人。  老朽化が激しく設備も旧式となったため、昨年から約9億円をかけ鉄筋コンクリート2階建ての新病棟を建設。延べ床面積は旧病棟の約1.5倍の4194平方メートル。総病床数は120床で旧来から35床減るが、1床あたりの面積は広がった。  救急入院に対応した1階は病室や作業療法室などを備え、50床の内、個室が30床ある。2階は70床の慢性期病棟で、認知症病室や床暖房の保護室など。木目調の広い空間や採光設備を取り入れ、男女の患者数の比率に応じて室内の構造を変えられるようになっている。  約100人が出席した記念式典で、平野院長が「新病棟の完成を機に、これまで以上に患者の目線に立った質の高い医療を提供し、この地における精神基幹医療施設として、セーフティネットの役割を果たしたい」とあいさつし、来賓らとともにテープカットをした。  旧病棟は1月20日ごろから取り壊しを始め、第2期工事として年内にその跡地で7階建て一般病棟の建設にとりかかる予定。

写真左=新病棟前でテープカットをする平野院長たち
写真中=明るい個室の病棟
写真右=ゆったりとした作業療法室



熱気よ届け!舞台づくり
若手演出家の杉原さんと受講生15人が個性活かし演劇創作
市文化事業団 ステージクリエーター養成講座
舞鶴ボンバーズが発表 「MYヅル青春なう」
2月5日 総合文化会館大ホール 入場無料

 市文化事業団主催のステージクリエーター養成講座の受講生15人が、2月5日午後3時から浜の総合文化会館大ホールで開かれる演劇公演に出演する。演出家の杉原邦生さん(29)=京都市=のリードで、作品づくりに取り組んでいる。受講生たちが熱のこもった稽古をしている。  音楽や芝居など舞台公演の演出や企画力を体験しながら身につけてもらおうと、昨年11月から2月5日の発表まで計17回で講座を実施。舞鶴や綾部などの高校生5人や親子、夫婦らが参加した。  講師の杉原さんは、様々なプロジェクトで演出を行っている。80年代のアメリカを描いた8時間に及ぶ超大作を成功させた。今回の講座では既存の台本を使わず、ワークショップを重ねる中で、「青春」をテーマに受講者たちとやりとりしながら作品「MYヅル青春なう」を創作していく。受講者たちを「舞鶴ボンバーズ」と名付けた。  受講者たちはグループに分かれ、杉原さんから与えられた「告白」「夢」などのテーマで小作品の芝居を発表し、その中から杉原さんがメンバーの個性を見極めて作品づくりに活かしている。オムニバス形式で芝居を演じる予定。  杉原さんは「受講者たちに最初に出会った時、やる気とエネルギーがすごいと思った。当日は大ホールで爆発してほしい。また観ている人には演劇を身近に感じてもらえる公演にしたい」と話す。公演の入場は無料だが、入場整理券を総文や市民会館などで配布中。
【問い合わせ】電話64・0880、同事業団

写真=オープニングのダンスの練習をする受講者たち(総文で)


2012年1月27日

ダンスでみんなつながろう
市文化事業団
振付家の遠田さんと舞鶴を素材に作品づくり
2月末からワークショップ 参加者募る
地域創造の公共ホール現代ダンス活性化事業
3月3日午後3時、総文で公演

 ダンスを通して地域住民との交流と公共ホールの活性化を図ろうと、舞鶴市文化事業団は総合文化会館小ホールで、2月末から3日間、ダンスワークショップ、3月3日午後3時から音楽と舞鶴を素材にしたダンス公演を開催する。出演するダンサー・振付家の遠田(えんだ)誠さん(43)=東京都文京区=らが今月来鶴し、市民に協力を働きかけた。参加者を募っている。  地域とつながった公共ホールのあり方の1つとして、出演者が滞在しながら市民と一緒に作品づくりをする取り組みをしようと、財団法人地域創造の公共ホール現代ダンス活性化事業を活用して実施する。  出演する遠田さんは「伊藤キム+輝く未来」の旗揚げに参加した後、「まことクラヴ」を結成し、背番号をつけたジャージで国内外に出没して劇場だけでなく、美術館や路地、商店街、会社などでパフォーマンスを披露する。ヨコハマトリエンナーレ2011のキャラバン隊長や、江戸東京博物館主催のタワー展PRダンサーの演出なども行っている。  舞鶴のワークショップでは、簡単なルールに従ってちょっとダンスっぽく動く内容。参加者たちは普段の仕事や学校の服装のままでもよく、仕事道具も持ち込んでもいい。  事前会合では、東舞鶴商店街連盟のメンバーや舞鶴高専教員たちに集まってもらい、遠田さんと同事業団職員がワークショップと公演の概要を説明し、協力を依頼。商店主らは「人を集める仕掛けが必要。三月に開催予定の商店街のイベントと融合できないか」と話し、主催側もデモンストレーションをしてPRをする案を提案した。  遠田さんは「日常生活とダンスは離れたもののように思われますが、意識して動けばダンスになります。ちょとした好奇心、身体を動かしたいという気軽な気持ちで参加を」と話している。  ワークショップは2月28日、29日、3月2日の午後7時〜同9時。小学生以上の30人程度。参加者は3月3日の本公演に出演できるが、受講するだけでもいい。3月2日のワークは出演する人のみ。参加費1,000円。  公演は遠田さんとピアニストの野村誠さん、ダンサー・モデルの高須賀千江子さんが出演する。野村さんは世界各地のフェスティバルで作品を発表し、第1回アサヒビール芸術賞を受賞。高須賀さんは即興ソロダンスを中心に活動し、現代アーティストらとのコラボレーションも取り組んでいる。入場料は一般1,000円、高校生以下500円。当日は各200円増し。
【問い合わせ】電話64・0880、同事業団
 新舞鶴小学校など二つの小学校で、ダンス体験会もする。

写真=ダンスで地域と交流をと市民に話す遠田さん(右から3人目)



15年後のサザエさんの住宅設計
白糸中の生徒 高専教員指導の協同授業で
設計図の優秀作は商店街ラボに展示

 舞鶴高専と白糸中学校の教員が同中学で協同授業に取り組んだ。白糸中の2年生の家庭科授業で、1月23日など3日間、建設システム工学科の教員たちの指導を受け、生徒たちは15年後のサザエさん一家をモデルに新築住宅の設計をした。  中学2年生の家庭科「わたしたちの生活と住まい」の授業で、高専建設システム工学科の教員たちが、住宅プランニングの方法などを講義した。  高専の坂本英輔助教らが、人が快適に過ごすために果たす住宅の役割について説明。続いて教室の奥行きや机の長さなどを測定し、中学生たちに実際の部屋の大きさのイメージを理解してもらった。  続いて漫画「サザエさん」の主人公磯野家の15年後として、マスオさん一家は仕事の都合で家を離れ、カツオが将来結婚して実家で暮らし、妹のワカメは将来嫁いで家を出ることを想定し、平屋建ての住宅を新築する計画を立てた。  駐車場や日のあたる居間がほしいなどの住人の要望を汲み取り、家族構成や風通しなどを考慮して部屋の配置などを平面図で考えた。完成した設計図は高専の教員たちが審査し優秀作は浜の商店街ラボに展示する。

写真=高専教員から指導を受ける中学生たち


2012年1月24日

本紙に5年間連載
城下町の暮らし 生き生きと
「ぶらり城下町」出版 町の成立、幽斎の素顔など
加藤さん、近世田辺の時代 つぶさに描く

 舞鶴市文化財保護委員の加藤晃さん(67)=引土=が、近世舞鶴の城下町時代の庶民や武士らの暮らしを書いた本『ぶらり城下町田辺―舞鶴』(A4版、117ページ、舞鶴市民新聞社)をこのほど出版した。本紙に5年間にわたった連載をまとめたもので、湧水を利用した国内最古の上水道など城下町の成り立ち、細川幽斎の素顔や家族、犯罪事情など田辺に生きた人たちの姿を生き生きと描き出している。  舞鶴地方史研究会などの会長も務める加藤さんは、西地区の城下町をわかりやすく紹介しようと、「ぶらり城下町」のタイトルで、2006年1月から11年1月まで本紙に95回の連載を行った。  城下町時代に関する史料は多くは残っていない中、これまで分かっていなかった町の成り立ちを連載で言及。史料がない部分は広範な史料や地図などを使って緻密に推論し、大胆な仮説も提示した。  城下町の整備にあたって、幽斎は湧水の真名井の清水を引いて上水道とし、住民たちも大切に守ったと指摘する。西地区の町の土地と道路の境界線や下水、溝などは約400年前とほぼ変わっていないことも解説した。  籠城戦を指揮したことで有名な幽斎だが、妻の麝香(じゃこう)と相思相愛の縁で結ばれ側室を置かなかった。その息子の忠興の妻、玉は夫の残忍さにおぞましさを抱き、どう生きるべきか悩みキリスト教の洗礼を受け、ガラシアとなった生涯を明らかにした。  このほか、軒を連ねた旅籠で賑わった新町など各町の様子、主人に嘘を重ね恋人の見舞いに出かけたのが露見し刑罰を受けた男の話など、奉行所で記録された犯科帳を元にした当時の犯罪のありよう、寺社の歴史、百姓一揆伝承、防衛の工夫を凝らした田辺城の構造や城内での生活ぶりなども記した。  加藤さんは「初めての人にもわかりやすく面白く、深く歴史に関心を持つ人にも応える内容にと心がけ、血肉が通ったものを書くことができたのではと思います。これを機に多くの人と議論を交わし城下町の研究が進めば」と話している。  1000部作成した。1冊1,000円。舞鶴堂書店、アスカ、なみえらぽーる店、ふれんどで販売している。
【問い合わせ】電話75・1626、akato8@skyblue.ocn.ne.jp、加藤さん

写真=本を手にする加藤さん



「金曜日はカレーの日」
万願寺甘とう×ホルモン=カレー
八島丹山 舞鶴PRの土産品開発

 「金曜日はカレーの日プロジェクト」に参加している浜の焼肉・ホルモン店「八島丹山」が、舞鶴特産の万願寺甘とうと牛ホルモンを使ったレトルト商品「京都舞鶴発 ホルモンカレー」を開発した。舞鶴の新しい土産品にと販売に取り組んでいる。  同店はホルモンうどんのメニューで、各地のB級グルメのイベントにも出店している。3年前からは舞鶴をPRできるオリジナルの土産商品を作るアイデアを温めていた。  残りもののホルモンを入れたまかない食のカレーが来店者からも評判だったため、京の伝統野菜の万願寺甘とうと、和牛百%のホルモンのエキス、様々なスパイスを調合したル ーを材料に、旧海軍のレシピも参考にレトルトカレーを完成させた。  取締役の丹山雄策さん(39)は「ホルモンの油と万願寺甘とうのさっぱり感がマッチしました。子供でも食べられるよう甘口です」と話す。パッケージには「ゆうさいくん」のイラストも使った。1食630円。浜の本店や市商工観光センターなどで販売中。
【問い合わせ】電話62・2140、同店

写真=販売するレトルトの「ホルモンカレー」


2012年1月20日

要約筆記サークル「みみかき」
寄り添って活動 結成30年
難聴者らのコミュニケーション支援
高齢化、病院への派遣件数増える
子供たちへの啓発活動で新たな取り組みへ

 要約筆記サークル「みみかき」(津島淳子会長)が、今月で結成から30年を迎えた。手話を使わない耳の聞こえにくい人たちに書いて伝えるだけでなく、難聴への理解を図る役割など、難聴者と中途失聴者に寄り添って活動を続けている。1月29日に円満寺の舞鶴グランドホテルで、講演などの記念式典を開く。これまでの歩みと課題を聞いた。(青木信明)  要約筆記は会話などを書いて伝えるコミュニケーション手段で、紙に手で書くノートテーク、会場での講演内容をオーバーヘッドカメラ(OHC)やパソコンで書いてスクリーンに写し、多くの人に見てもらう支援方法がある。  1981年に市主催の要約筆記奉仕員養成講座を修了した18人が翌年に同サークルを結成し、84年から難聴者の要請を受け市が筆記者を派遣する制度を全国で最初に導入した。毎年養成講座が開かれ、修了者に入会を呼びかけ現在会員は35人。  身体障害者手帳を所持する人からの依頼で、講演会や趣味の教室、自動車学校、学校での三者懇談などに派遣されてきた。車の免許を取得した難聴者からは、「合格の日をいまも忘れることができず、娘の大学の卒業式に岐阜県まで車で3時間かけて出かけた」と感謝を伝えられた。  2010年度の派遣は231件だが、最近は難聴者の高齢化もあって病院に同行することが多くなった。広い会場の講演会では、多くの情報量を伝えるパソコンが増えてきた。  手書きとパソコン班に分かれ、毎週1回書く練習をし、各地の研修にも出かけ技術を高めている。書く内容が福祉、文化、時事、教育など多岐にわたるため、常に新聞などを読み知識を増やすことも欠かさない。  一方、会員の高齢化や昼間動ける人が限られていることなどの課題もある。そのためヘルパーや看護師らに講座の受講を勧め、入会しなくてもそれぞれの職場で要約筆記をしてもらう人を増やしたり、市身体障害者福祉センターが実施する小学校の福祉出前講座で、子供たちに要約筆記を知ってもらう啓発活動にも取り組む。  津島会長(65)は「いろんなことにチャレンジをする難聴者たちから、私たち要約筆記者がエネルギーをもらい、一緒に活動することで多くを学ぶこともできます。今後も同じ立場の車の両輪として活動を続けたい」と話す。  式典は1月29日午前10時から。NPO法人大阪市難聴者・中途失聴者協会理事長の宇田二三子さんが講演する。

写真=OHCで書く練習をする会員たち



演劇作って交流しよう
京都市を中心に活躍の小劇場劇団
烏丸ストロークロック
2月に知恵蔵で芝居体験ワークショップと公演

 京都市を中心に活動する小劇場劇団「烏丸ストロークロック」が、演劇を通じて地域との交流を図ろうと、若者たちを対象としたワークショップを、2月に北吸のまいづる智恵蔵で開催する。舞鶴のお年寄りにインタビューした話を元に台本を作って演じる。2月19日には3本の短編集からなる芝居「仇野(あだしの)の露」を上演する。  同劇団は現代人の抱える葛藤などをモチーフに作品を発表し、「Kyoto演劇大賞」の大賞などを受けた。地方都市でも積極的に公演し、地域の人や風土に触れながら活動する。  舞鶴では1月16日〜18日に滞在し、演出家や役者たちがお年寄りの初恋の話を聞き取り、それを元に「恋したわたし〜まいづる編〜」の台本をつくり、ワークショップで参加者たちに演じてもらいながら一緒に完全な台本に仕上げていく。  2月19日の公演は、2010年に京都で上演して高い評価を受けた3話構成の2人芝居の再演。結婚、お金、老後といった多くの人が直面する問題を抱える20代から70代までの男女3組を描く。音楽は網野町在住のギタリストの山崎昭典さんが担当する。  同劇団代表で演出家の柳沼昭徳さん(35)は「身近に息づかいが感じられる関係性や、一体感ある小劇場の芝居を見せられれば。参加者とじっくり話をして作り上げるワークショップにし、今後も舞鶴で継続したい」と話す。  2月19日の公演は午後1時と同4時の二回、智恵蔵で。一般2,000円、高校生以下1,500円。ワークショップは全5回で2月2、3、9、10日の午後5時〜同8時、最後は公演の合間の午後2時半に発表する。対象は小学5年生〜高校生の10人程度。参加費4,000円。
【問い合わせ】電話070・6682・6900、烏丸ストロークロック

写真=公演のチラシを手にする劇団代表の柳沼さん(左)ら


2012年1月17日

被災した陶芸家励ます
宮城県栗原市で活躍
舞鶴出身の河田さん 2度の地震被害に
同級生らが応援 知恵蔵で常設コーナー

 昨年の東日本大震災で大きな被害を受けた舞鶴出身の陶芸家、河田勉成(べんせい)さん(65)=宮城県栗原市=を応援しようと、同級生らの市民が「励ます有志の会」を作った。北吸のまいづる智恵蔵も協力し、河田さんの作品を常設展示するコーナーを設けている。  岡田中地区で生まれた河田さんは、岡田中小学校、岡田中学校を卒業した。その後、京都市内で陶芸家の修業を積み、1980年に宮城県に白鶯窯を築き作陶を開始、青と緑色を基調とした日常の中で使う器づくりに励む。  また、日展への入選を重ねるなど、東北を代表する陶芸家として活躍する。05年には大庄屋上野家でふるさと展も開いた。  08年六月に発生した岩手・宮城内陸地震で多くの作品が壊れる被害を受けた。友人の画家が壊れた作品のかけらを組み合わせた絵画を制作し、2人展を開いて逆境に立ち向かった。そして昨年3月の大震災で再び被災した。  そんな河田さんを応援しようと、ふるさと展を開いた同級生の梅原孝雄さんや友人らが、廿日市などのイベントに河田さんの作品を出品して販売したのに続き、昨年11月からは智恵蔵の協力を得て同施設1階エントランスホールに常設展示されることになった。湯呑みやカップ、急須、一輪挿しなどの作品が並べられている。  作陶と個展も再開した河田さんは「舞鶴出身という縁で展示していただき感謝しています。多くの方に見ていただければ」と話している。
【問い合わせ】電話66・1035、智恵蔵

写真=知恵蔵に設けられた河田さんの作品コーナー



成生でロケ 住民も出演
最新作「三丁目の夕日'64」
1月21日公開 八千代館で

 大ヒットシリーズの映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」(山崎貴監督)が、1月21日から浜の八千代館で上映される。この映画の中の一場面が昨年、成生地区でロケ撮影され、住民たちもエキストラ出演している。  2005年に公開された第1作は異例のロングランヒットとなり、日本アカデミー賞などを受賞した。3作目となる今作は3Dで撮影された。出演者は吉岡秀隆、堤真一、小雪らおなじみの俳優たちが揃う。  物語は1964年、東京オリンピックの開催の年。ビルや高速道路などの建設ラッシュの中、東京下町の夕日町三丁目では、あいかわらず個性的な人々が元気に暮らしている。小説家の茶川と妻のヒロミの間には新しい命がやどり、引き取った淳之介は高校生に。鈴木オートも事業を伸ばし、六子は恋をする。  成生で昨年4月にロケが行われた。撮影シーンは、森山未來演じる菊池と堀北真希演じる六子が、漁村の診療所で働く菊池の父親に会いに行くストーリー。成生水産事務所を診療所に見立て、住民5人も患者や漁師役で出演した。  同館では2Dと3Dで上映する。時間は@午前10時20分(3D)A午後1時10分(同)B同4時5分(2D)C同6時55分(同)、1月21日と28日は土曜レイトで午後9時40分(3D)。
【問い合わせ】電話62・3583、同館

写真=成生でのロケ撮影の様子(舞鶴フィルムコミッション提供)


2012年1月13日

全国デザコン 環境部門で優秀賞
舞鶴高専チーム 女子学生3人
地元の竹でコミュニケーション広がる建物を提案
舞Iの放置竹による浸食被害から発想

 全国の高専生たちがデザイン力を競う第8回全国高専デザインコンペティション2011が、このほど北海道釧路市で開かれ、舞鶴高専チームが2位の優秀賞に輝いた。女子学生3人が、舞鶴産の竹を材料に使って交流の場となる建物の模型を作って提案した。デザコンには舞鶴高専は3回目の出場で初めての上位入賞になる。  デザコンは建築やデザインの設計、技術の向上を目的に、環境デザイン▽構造デザイン▽空間デザイン▽ものづくりの四部門が設けられている。高専生にとってロボコンとプロコンに並ぶ大きなコンテストになっている。  舞鶴高専デザコン部の永井小雪里さん(建設4年)と杉山晴香さん(機械4年)、中村文音さん(建設3年)のチームが、「地場産材を用いて自分たちで家を作る」をテーマにした環境デザイン部門に出場。竹林面積が広い舞鶴市では、山の手入れがされず放置竹が植林地や農地を侵食する被害が出ていることから、竹を活用した建物づくりを考えた。  冬場の高齢者の雪おろしの負担を減らすため、しなる竹の特徴を活かしてゆるやかなカーブの屋根をもつ構造にした。屋根はかや葺きとすることで、地域住民が葺き替え作業を協力することを通して、コミュニケーションの輪が広がることを狙いとした。柔らかい光を取り入れるよう竹を編んだ枠に障子を貼った。  建物の小さな模型と構造などをアピールするポスターを作成して予選に臨み、35チ ーム中から10チームが進む本選出場を勝ち取った。本選に向けて70センチ四方の模型を1カ月近くかかって完成させ、会場で披露するとともに特徴を発表。採光の性能と地場産の竹を採用したことが高く評価された。  3人は「竹の特性を活かしたデザインを考えるのが一番苦労しました。3人で悩み意見を交わした結果が認められうれしい」と話している。

写真=作った建物の模型と永井さん、中村さん、杉山さん(左から)



白糸中3年生
学んだ箏で被災地支援
1月14日、東日本大震災チャリティー演奏会

 選択音楽を受講する白糸中学校三年生と箏アンサンブル斗為巾が、東日本大震災の被災地を支援しようと、1月14日、浜の白糸中学校で箏チャリティーコンサートを開く。多くの来場と募金への協力を呼びかけている。  校区内に在住する筝曲演奏家の立道明美さんから指導を受けている。学んできたことをみんなで発表しようと生徒が提案し、大震災の被災者を励ますため募金を兼ねた演奏会にすることにした。  昨年から習う生徒30人は、立道さんのアドバイスを受けながら1月11日から13日に集中して練習を重ねた。当日は「さくらさくら」「Kのための斗為巾」を奏でる。立道さんが主宰する箏アンサンブル斗為巾も出演する。  3年生の尾松優希さん(15)は「復興に向けて何をしていいのか分からなかったけれど、演奏の形でお手伝いができうれしい。多くの人に聴いてもらえれば」と話す。募金は被災地に送る。
 演奏は午前11時〜正午、白糸中1階生徒ホールで。入場無料。この日午前9時〜午後4時、クラブ活動や新校舎の見学もできる。

写真=練習に励む3年生たち


2012年1月10日

舞Iの歴史研究に大きな光
井上さんと高橋さん
企画展で業績紹介
市郷土資料館で2月5日まで
「ふるさとの文化財を守る」

 舞鶴の歴史研究に多大な足跡を残した2人の元舞鶴市文化財保護委員会会長の業績を紹介した企画展「ふるさとの文化財を守る―井上金次郎と高橋卓郎」が、北田辺の市郷土資料館で開かれている。2人が残した論文や資料、寄贈した書籍などが並び、地域の歴史の掘り起こしに傾けた情熱を伝えている。  井上さん(1912〜2002年)は市の文化財保護条例の制定、市史編纂、地方史研究会結成などに尽力したほか、長谷山房を主宰して多くの後継者を指導するなど、舞鶴や府北部の郷土史研究の礎を築いた。収集した資料など2600点が市教委に寄贈された。  一方、小学校教諭となった高橋さん(1926〜2009年)は、地域の民俗への関心がやがて調査へと向かい、新舞鶴小時代に「新田開発の研究」を発表したり、三浜地区に製塩土器があったことを突き止めた。  また、本紙に松本節子さんが523回の長期連載した「舞鶴・文化財めぐり」で、取材や資料提供など協力、海軍の軍都だったため研究が制限された地域の寺社などを紹介した。1000回以上の講演をこなし、地域の歴史の魅力を語った。  企画展では、井上さんが日刊紙「新舞鶴時報」に1934年に発表した最初の論文、発足に関わった郷土史グループの準機関紙で1939年に創刊された「郷土と美術」など、戦時中の文化状況を知る資料が展示された。  高橋さんの浮島地区の新田研究に関連し、浮島干拓の様子を記した江戸時代の絵図、「舞鶴・文化財めぐり」の記事や写真、浦入遺跡から出土した丸木舟発見までの体験を語った講演会の原稿など貴重な資料を見ることができる。
 2月5日まで。入館無料。【問い合わせ】電話75・8836、同館

写真=高橋さんの研究を展示したコーナー












動物たち 癒しのオーラ
「森のとけい」
ペットたちの写真展 1月29日まで

 「わが家のペット自慢 ホットの写真展」が、上安のゆっくり茶房「森のとけい」で開かれている。家族の一員の犬や猫たちのかわいい仕草や眼差しが、思わず見る者の頬をゆるませ癒している。1月29日まで。  同店がペットとして飼っている動物たちの写真を、昨年募集して初めて開催した。犬や猫、鳥などを撮影したカラー写真51点が市民たちから寄せられた。いずれの写真からも飼い主たちがペットに注ぐ愛情が感じられる。  顔をアップにした猫、雪遊びをする犬、こたつに入って気持ちよさそうな顔をする犬、うたたねをする猫などの一瞬をとらえている。それぞれの写真にはユニークなタイトル文がつく。眼鏡をかけた犬の「フムフムよく見えるな〜」、カメラのレンズを見つめる猫には「にらめっこしましょ」や「私のおすまし顔どーよ」などと記されている。
 火曜・水曜日は休み。【問い合わせ】電話76・1153、同店

写真=出品された写真


2012年1月6日

川柳が闘病の支え
舞鶴番傘の大槻さん
食道がん越え 古希の記念に句集作る

 舞鶴番傘川柳会の大槻敏郎さん(70)=引土=が、食道がんを乗り越え古希を迎えた記念にと、句集「風の驛U」(167ページ)をこのほど自費出版した。愛知県安城市から舞鶴市へ転居したこの5年間に作った中から300句を収録した。入院中に病室のベッドから投句した作品などもあり、川柳が闘病を支えた。  安城市時代の1997年に川柳づくりを始め、転居する時に第一句集を作成して、お世話になった人たちに贈ったことがある。2006年から妻の実家がある舞鶴市で暮らし、同川柳会のほか、田辺城ボランティアガイド、マジックサークルでも活動している。  一昨年夏、食道がんが見つかり11月に手術を受けた。入院中も作句を続け、病院のポストから投句した。その後、通院を続けるが自宅で療養生活を送る。古希を迎えたことも重なり第二句集の出版を決めた。  「ちょっとそこまでロンドンと言ってみる」では旅行好きな一面を書き表した。食道がんについて「まさか癌だったとは雷の一撃」とその衝撃の大きさを吐露している。「寂しさを懐にして長寿国」と手術後の思いを記す。子供たちが祝ってくれた古希では「最初はグーそれから浬子とする喜劇」と孫とのふれあいを綴った。  このほかにも「飽食の陰で地球の乾く音」「戦争の涙を貯めた世界地図」など社会批評のような句も詠む。表紙には自作の墨絵を採用し、句だけでなく写真や随筆も載せるなど編集に工夫を凝らした。100部作り友人らに配った。  大槻さんは「日記の代わりに句を作っています。手術後、せきをすると激痛が体に走りましたが、川柳を考えることで気分が紛れました。川柳があって助かった思いです」と話している。

写真=句集を手にする大槻さん



「田辺籠城図」2件
戦国の歴史、市指定文化財に
寺内の田中さんと大泉寺が所有

 舞鶴市教育委員会はこのほど、市指定文化財に新たに2件の有形文化財を指定した。  2件とも田辺籠城に関する絵図。戦国期の関ヶ原の戦いで、田辺城の城主で東軍についた細川幽斎が西軍の軍勢1万5千に対し、500の兵力で城に立て籠もり50日間戦い抜いた。その籠城戦の様子を示した絵図が後世に残されている。  一点は寺内の田中眞人さん所有で、江戸時代に作成された縦114センチ、横102センチの絵図。籠城方の兵たちの持ち場と攻める側の兵の陣配置が朱と黒の2色で描かれている。  もう一点は倉谷の大泉寺の所有で、江戸時代作の縦120センチ、横90センチ。8枚の楮紙を継ぎ足して1枚に仕立て、緑と青、朱、黒の四色で描かれている。大泉寺は細川家と縁が深く、保存状態もいい。

写真左=田中眞人さん所有の「田辺籠城図」
写真右=大泉寺所有の「田辺籠城図」


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