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2012年5月29日

第21回まいづる細川幽斎田辺城まつり
家族連れら32000人でにぎわう
細川佳代子さんも加わり武者行列
前夜祭 NHK大河ドラマ誘致推進アピール

 第21回まいづる細川幽斎田辺城まつり(同実行委員会主催)が5月27日、南田辺の舞鶴公園一帯で開かれ、家族連れら約3万2千人の人出でにぎわった。旧城下町・西舞鶴地区の伝統と文化を伝える恒例イベントで、戦国時代の「田辺籠城戦」を再現した武者行列など多彩な催しが繰り広げられた。  今回は、舞鶴市など7市1町でつくる協議会が、NHK大河ドラマの誘致推進に取り組んでいることから、「時は今 花も花なれ 夢大河 ガラシャ・光秀・幽斎・忠興を大河ドラマに」をテーマに、誘致リレーイベントの第1弾として開催された。  恒例の「鎧武者御城下大行列」は、細川幽斎の子孫の細川護熙元首相の夫人・佳代子さんが、昨年に続いて幽斎夫人の「麝香(じゃこう)」に扮し、女武将姿で参加。海上自衛隊員や海上保安学校生の扮する武者とともに田辺城門を出発した。途中、幼・保育園児のチビッコ武者や町内太鼓も加わり、総勢約1100人が西市街地を巡行した。  また、田辺城籠城に貢献した稲富鉄砲隊の流れをくむ美州岡山城鉄砲隊が轟音を響かせて演武を披露、古今伝授を演じる小芝居などがあり、公園内は見物客であふれた。  前夜祭は5月26日、北田辺の市民会館で開かれ、NHK大河ドラマの誘致推進に向け、舞鶴市の「ゆうさいくん」、長岡京市の「お玉ちゃん」、亀岡市の「かめまるくん」のキャラクターがそろい、多々見良三市長や細川佳代子さんとともに市民にアピール。  また、三鶴幼稚園児の「田辺八景」の暗唱、明倫小学校児童の講談「田辺城籠城の一席」が演じられ、細川佳代子さんが「戦国を生きた細川家の女たち」と題して講演した。  この後、舞鶴公園では、市内の園児が描いた絵を貼った300基の「華灯籠」にろうそくの火が灯され、祭りの雰囲気を盛り上げた。

写真左=美州岡山城鉄砲隊の演武
写真右=大河ドラマ誘致をアピールする多々見市長と細川夫人とキャラクター



ほんとうの復興支援は?
6月7日 母親たち 学習&座談会
がれき、被災地の現状、内部被爆
講師2人招いて

 東日本大震災で発生したがれき(災害廃棄物)や被災地の現状、内部被爆などを知ろうと、舞鶴在住の母親たちでつくる復興ミーティング「ままコモ会」が6月7日、余部下の中総合会館で学習&座談会「ほんとうの復興支援とは?」を開催する。2人の講師が難しい放射能問題などをわかりやすく話す。参加を呼びかけている。入場無料。  被災地のがれきについて国は被災県以外での広域処理を要請し、舞鶴市も受け入れを表明している。その一方、がれきの放射性物質の安全性の問題、税金やエネルギーを使って遠方へ運んで処理することの是非、地元の雇用創出のため被災地で処理を希望する自治体があるなど、各地で様々な議論が交わされ、受け入れを検討、保留、反対する自治体もある。  講師を務める下地真樹さんは阪南大学経済学部准教授。がれきの広域処理の問題点について発言している。もう1人は黒河内繁美さん。NGO事務局長として子供の権利問題などに関わり、生活協同組合コープ自然派ピュア大阪の理事を務める。  昼の部は午後1時半から。同3時半から自由参加の茶話会。夜の部は同7時から。どちらか参加できる時間に来場できる。呼びかけ人の今井葉波さんは「何が正しい知識なのかを学び、たくさんの人たちと意見交換をしたい」と話す。電話60・1246、今井さん。




2012年5月25日

念願の集会所 完成待ち望む
建部町内会 有志5人、手弁当で空き屋改修
6月中旬に竣工
プロ並みの手際でにぎやかに作業

 下福井地区の建部町内会(松山鉄夫町内会長、40世帯)が、念願だった集会所の開設に向け、下福井にある空き屋の改修に取り組んでいる。大工仕事の心得がある町内の60代の有志5人が、知人たちから資材などを譲り受け、天井や壁づくりなど自分たちの手で連日作業を進めている。6月中旬に竣工式を開き、住民たちと完成を祝う。  国道175号線沿いに位置する建部町内会には集会所がなく、集まりの時には前町内会長の岩田庄司さん(68)の自宅を使っていた。しかし、以前から気軽に集える集会場の要望の声があった。  そんな中、元鮮魚店だった木造平屋建ての空き屋を集会所にしようと話がまとまり、町内会の積立金で空き屋を購入し、有志五人が手弁当で4月から改修作業を開始。費用を抑えるため、知人たちにサッシや戸、流し台などをもらい、根太を組み床板を張ったり、壁や玄関などを新たに作るなど、プロ並の手際で行った。  5人はともにこの地域で生まれ育ち気心も知った仲であるため、にぎやかに作業をしている。地域の住民たちも流し台やトイレの掃除などで協力する。  岩田さんは「ここでヨガ教室をしたいなどの声を聞いています。地域の人たちがゆっくりと集える場になれば」と話す。作業中、住民たちが代わる代わる顔を出し、「きれいになったなあ。完成はいつ?」と声を掛け、利用を心待ちにしている。

写真=連日の作業で完成に近づきつつある室内



舞鶴高専教員たち 研究センター
舞鶴の近代化遺産に光を

 明治以降の舞鶴の近代化を支えた建造物などを調査・研究しようと、舞鶴高専建設システム工学科の教員と市職員たちの7人が、「舞鶴近代化遺産研究センター」を設立した。北吸のまいづる智恵蔵二階に拠点を置き、市内の橋や旧榎配水池などの資料などを公開している。展示は5月27日まで。  旧海軍が置かれた明治から近代化が進められた舞鶴には、赤れんが倉庫やドック、水道施設などの建造物が数多く残る。その一方、50年前の建物などが取り壊されるケースもあり、資料も散在しているのが現状という。  そうした近代化遺産を調査・記録しまちづくりに役立てようと、同研究センターを立ち上げた。市民と一緒に調査活動やワークショップなども計画。NPO法人化も目指している。  智恵蔵2階で舞鶴の近代化遺産展を開いている。高専周辺の戦前に敷設された水道管、1957年建設の八島商店街アーケードなどの紹介や、旧大川橋の端柱や図面、旧榎配水池などの模型やコンクリート片が展示されている。  同研究センター代表で舞鶴高専教授の玉田和也さんは「舞鶴には高度成長で壊されずに多くの近代化遺産が残り、まるでタイムカプセルのようだ。貴重な遺産に光を当て掘り起こしていきたい」と話す。

写真=研究センターの拠点の知恵蔵で展示されている建造物の資料


2012年5月22日

大河ドラマ誘致に弾みを
5月26、27日 まいづる細川幽斎田辺城まつり
細川夫人招いて講演も

 第21回まいづる細川幽斎田辺城まつり(同実行委員会主催)が5月26日、27日、南田辺の舞鶴公園一帯などで開かれる。幽斎やガラシャらを登場人物としたNHK大河ドラマの誘致を目指し、前夜祭で細川佳代子さんの講演、27日には鉄砲隊の演武、武者行列、市民たちによる発表などが行われ、城下町の歴史と文化を楽しんでもらう。  城下町の歴史をまちづくりに活かそうと、1992年の田辺城城門の復元を機に、市民たちで実行委員会を組織してイベントをスタート。田辺城の初代城主の細川幽斎が、慶長5(1600)年の関ヶ原の戦いの2カ月前、敵方1万5千に対してわずか500人の兵で、城に籠城した史実を軸にまつりを構成する。  舞鶴市など7市1町で協議会を作りNHK大河ドラマの誘致に取り組んでいることから、今年は「時は今 花も花なれ 夢大河 ガラシャ・光秀・幽斎・忠興を大河ドラマに」をテーマに、誘致リレーイベントの第1弾とした内容を企画する。  幽斎の子孫である細川護煕元総理の夫人、佳代子さんを昨年に続いて招き、26日午後5時半から市民会館で、「戦国を生きた細川家の女たち」をテーマに話してもらう。また、午後4時からはみつる幼稚園の園児たちや明倫小の児童が出演し講談などを演じる。同7時から舞鶴公園で華灯籠の点火やよさこい踊りもある。  27日は午前9時に開会宣言で始まる。佳代子夫人が細川麝香役に扮して参加するほか、田辺籠城に貢献した稲富鉄砲隊の流れをくむ備州岡山城鉄砲隊の演武▽古今伝授の伝承を演じる芝居▽韓国サムルノリの演奏▽ちゃったマンショー▽物産展▽芸屋台展示などを催す。雨天の場合は西市民プラザなどで主なプログラムを行う。
【問い合わせ】電話75・0933、実行委員会

写真=昨年に続いて今年も細川夫人を迎える(2011年5月)



見事な大作に感動
青木さん 身障センターでパッチワーク展

 行永東町の青木美智子さん(76)のパッチワーク展が、余部下の市身体障害者福祉センター・ぽーれぽーれで開かれている。ちりめんなどの古布で作った市松人形や屏風など、見事な作品が並んでいる。5月31日まで。  小・中学校の教員をしていたが体調を崩して早期退職した後、布遊びが好きな仲間たちとグループ「布道楽」を作って互いに教え合い、舞鶴市内のほかハワイでも作品展をした。この間も闘病生活を送り、昨年は股関節骨折で人工骨を入れ歩くのが難しくなったが、家族や友人たちが支えてくれた。  作品展には江戸ちりめんで作った屏風、着物だけでなく身体や髪の毛まで手作りした市松人形、酒を絞った酒袋を利用し赤れんがを描いたパッチワークなど大作が並ぶ。青木さんは「こつこつと手間をかけ完成させるのが作品づくりの楽しさです。皆さんの協力でいい作品展ができました」と話す。  期間中、貝を使ったちりめんの小物づくりも会場で体験できる。午前10時〜午後4時。入場無料。
 【問い合わせ】電話63・3008、同センター

写真=展示された作品と青木さん


2012年5月18日

雲の上でゆっくり過ごして
岡田中村づくり委員会
西方寺平でゲストハウス開設
地元の若者ら力合わせ改修
宿泊、日帰りで利用を

 岡田中地区のファンや訪れる人を増やそうと、岡田中村づくり委員会が、西方寺平の空き屋を改修して「雲の上のゲストハウス」をほぼ完成させた。就農を希望する人の宿泊所や、自然の中で過ごしたい家族らの休憩所などに利用する。岡田の若者たちが整備作業に取り組み、今後の管理運営も担っていく。5月26日にオープン式典を開催する。  岡田を含む加佐地区は新規就農者やIターン移住者を受け入れようと、地元の農業者たちが積極的に働きかけを進める。そうした中、農地や地域を見学するため、訪れたいとの問い合わせが時々あり、西方寺平の若手農業者たちが手分けをして自宅に泊めていたが、気兼ねなく利用してもらえる宿泊施設の要望が高まった。  定住促進につながればと、同委員会が西方寺平の木造平屋建ての空き屋を借り、府の「命の里事業」の補助金(300万円)を受けた。地元住民や新規就農者ら賛同者15人も出資し、家屋まで入り込んだ土砂のかき出し、床の張替えなどの改修も自ら行ったり、地域の人たちも周囲の木の伐採など環境整備を手伝った。  ゲストハウスは雲海が見える同平地区でも、1番高い場所に立地。座敷など5部屋、台所、風呂場、駐車場を備える。食事は利用者が自炊する。運営は賛同者でつくる運営委員会が行い、姫路市から農業を目指して移住した稲葉悠さん(29)が管理人を務める。  農業研修や多様な目的の利用に応じるほか、運営側で排水の浄化装置づくりのワークショップ、地元住民との交流イベントなども開催する。運営委員会代表の霜尾共造さん(33)は「昔の日本家屋と自然の中で、ゆっくりとした時間を過ごしてもらえれば」と利用を呼びかけている。  宿泊施設の手続きを終えた後、5月26日から利用予定。利用料は1泊1,500円(高校生以上)、日帰り500円程度、11日以上の長期滞在は1泊1,000円(大人)。問い合わせは霜尾さん(電話83・0234)かホームページ(開設準備中)へ。

写真=雲海の見える場所に完成したゲストハウスと運営委員たち



楽しみながら創作を
画家の森下さん 絵画教室

 ヨーロッパの風景や石の建築物などを明るい色調で描く画家の森下一夫さん(63)=女布=が、自宅のアトリエで絵画教室を始める。創作活動を楽しみながら、何気ない風景の中にある魅力を見つけてもらえるようアドバイスする。  舞鶴で生まれ育った森下さんは神戸などの洋風建築や、ヨーロッパなどにもスケッチ旅行に出かけ町並みを描き続けた。スペイン・アンダルシア地方の白い壁の家々を南欧独特の空気と日差しも描いた油絵「白い家」が、画家の登竜門の現代洋画精鋭選抜展に入選し、人気画家の道を歩んだ。  大東市で子供の絵画塾を開き、作品コンクールで最優秀指導者賞も受賞。一時は約150人も教えていた。舞鶴に戻ってからも創作を続け、今年も神戸や横浜などのデパートで個展を開いた。  趣味を持ってもらい生き甲斐づくりのお手伝いをしようと、大人を対象とした油絵の絵画教室を企画した。デッサンの基礎から野外に出向きスケッチで風景画などを指導する。森下さんは「絵を描くことで何気ない風景にハッと思うことがあるのを知ってほしい。みんなで楽しく続けたい」と話す。第1、3木曜の午前9時半〜同11時半。随時受け付けている。月謝は2,500円。材料費は実費。
【問い合わせ】電話75・8484、森下さん

写真=アトリエで絵画指導をする森下さん


2012年5月15日

世界ろう者卓球選手権
上田萌さんが3冠達成
日星高出身 日本代表で金メダル

 日星高校出身で、東京富士大学から今春、日立化成に就職した上田萌選手(22)が、このほど東京で開催された2012世界ろう者卓球選手権大会(国際ろう者スポーツ委員会主催)に女子日本代表として出場。団体戦、ダブルス、シングルスで金メダルを獲得して3冠を達成した。  大会には、30カ国・地域の選手164人が出場。4月27日〜5月6日まで、国立オリンピック記念青少年総合センターで開催され、男女の国別対抗団体戦、シングルス、ダブルス、混合ダブルスで優勝を争った。  上田選手は、6カ国によるリーグ戦で争われた団体戦で、最強のライバル・中国を3―2で下すなど勝利に貢献、5戦全勝で優勝した。  ダブルスでは、佐藤理穂選手とのペアで、決勝で中国ぺアを4―3のフルセットで破り優勝。シングルスでは、決勝でダブルスを組む佐藤選手と対戦、セットカウント4―2で勝った。梅村正樹選手と組んだ混合ダブルスは、準々決勝で敗退した。  感音性難聴でほぼ両耳が聞こえない上田選手は、小学生から一条卓球クラブで卓球を始めた。日星高では、全国高校総体に出場、健常者と互角に戦うなど活躍。東京富士大学に進み、聴覚障害者の五輪「台北デフリンピック2008」に日本代表として出場、団体戦とシングルスで準優勝した。

写真=シングルスを戦う上田選手(2012世界ろう者卓球選手権大会組織委員会提供)



公演向け稽古に熱
演劇サークル「谺」
5月19、20日 「湖の娘」
総文で 入場無料
オカリナ、合唱団も出演

 市民たちでつくる舞鶴演劇サークル「谺(やまびこ)」(粕谷美枝子代表)が、第2回定期公演に向け稽古に励んでいる。1946年に八木隆一郎氏が書いた「湖の娘」を演じる。NPO法人舞鶴引揚語りの会やオカリナグループなども特別出演する。5月19日と20日、浜の総合文化会館小ホールで開かれる。入場無料。  八木氏脚本の「湖の娘」は一幕物の戯曲。敗戦の年、山間の小さな湖のほとりにある宿屋が舞台。戦地ニューギニアで生き残った良正だったが、誤った戦死の知らせが妻に届き、戦後復員してみると彼女はすでに再婚していた。割り切れない思いで宿についた良正に、彼女とその弟が訪ねてくるのだった。  福知山で演劇活動をする日比野修三さんの指導で、団員たちはシーンごとに台詞回しや登場人物の心理を考えながら稽古に取り組む。また、今回は舞台となる旅館の室内などのセットを組み上げるほか、当時の衣装、茶碗などの小道具も準備するなど、1つの芝居づくりに挑んでいる。  良正役の三沢亘さん(25)=松陰=は「敗戦当時といまの考え方にギャップがあり、台詞に気持ちを込めるのが難しい部分があります。来場者に来てよかったと思えるような芝居にしたい」と話す。  19日は午後7時、20日は午後2時に開演。両日に同語りの会が出演し、19日はオカリナの風奏、20日は合唱団のヴォーチェ・アンジェリーカが出演する。
【問い合わせ】電話64・5046、粕谷さん

写真=稽古に励む団員たち


2012年5月11日

高浜原発運転停止で海に異変
京大舞鶴水産実験所 益田准教授
内浦湾で潜水調査
今冬 南方系の魚貝、衰弱か姿消す
温排水の放水止まり

 関西電力高浜原発(高浜町)がある内浦湾に定着する熱帯などの魚貝類に、4基の原子炉の運転停止前後で大きな変化があることが、京都大学フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所の益田玲爾准教授の調査で初めて明らかになった。普通なら若狭湾にいない南方系の生物が、温排水の影響で冬も内浦湾で見られるが、停止後温排水が流入しなくなった今冬は、衰弱や姿を消したものが増えていることを確認し、温排水が海に与える温暖化の影響の大きさを浮き彫りにした。  原子炉で作られた高温の蒸気を取水した海水で冷却するが、蒸気の熱を吸収することで取水時より水温が約7度高くなった温排水として再び海に戻される。高浜原発の温排水量は1号機〜4号機合わせて毎秒230立方メートル。年平均流量が毎秒42立方メートルの由良川の約5倍にのぼる。  対馬暖流に乗って熱帯や温暖帯の南方系の魚たちが近年、若狭湾でも見られるようになってきたが、水温が低下する冬にはほぼ死滅する。若狭湾から奥まった閉鎖的な内湾の内浦湾でも、多くの南方系の魚がいることがダイバーらによって確認されていた。  こうした魚たちの冬の生息状況を知るため、2004年から潜水調査を開始。毎冬1月下旬〜3月上旬の4回、内浦湾と実験所前の長浜、舞鶴湾口の瀬崎の3カ所で、定点観察した生物を比較した。  内浦湾では放水口から2キロ地点の600メートル×2メートルのエリアで潜った。平均水温は長浜と瀬崎より約2度高く、音海(内浦)半島東側の若狭湾の地点と比べても同じく約2度高かった。冬場の海は魚が少なくなるが、内浦湾には毎回約20種の魚類を確認し、そのうち半分は南方系のものだった。  高浜原発1号機が2011年1月10日に、4号機が7月21日、2号機が11月25日、3号機が2012年2月20日に定期検査に入って運転を停止。これまで内浦湾の海水は12度を下回ることはなかったが、温排水が放水されなくなった今冬は約10度にまで下がった。  インド方面などに生息するカミナリベラは長浜では見られず、瀬崎には2005年2月9日に1匹いただけだった。内浦湾で運転停止前後を比較すると、2005年3月10日には172匹いたが、2011年2月7日と17日の計9匹を最後に、今冬は姿が見えない。  熱帯のソラスズメダイは長浜では確認できず、瀬崎には08年1月29日に2匹いたのみ。内浦湾では05年1月27日の21匹を最多として常時見られたが、12年1月18日に7匹、1基だけ稼動していた2月14日は1匹、停止後は0になった。  このほかの南方系の生物についても、毒ウニのガンガゼは棘が抜け落ちて死滅し、トラフナマコは衰弱が目立ち、ギンイソイワシも死骸が海底に沈んでいるのを確認した。  調査結果を定量化するため、記録した全魚種で北半球における南限と北限の平均値である分布中心緯度を求め、魚種数を縦軸に、同中心緯度を横軸に頻度分布を棒グラフで表示した。運転停止の2月20日前後を比べると、停止前にあった南方系を示す北緯18度〜24度の魚種を示すグラフが、停止後にはまったく見られなくなり、顕著な変化を表している。  益田さんは「全ての原子炉が停止して、南方系の魚たちは減るだろうとある程度は予想していたが、衝撃的な海の光景だった。熱帯などの魚たちにとって冬場、11〜12度の水温が生死の境目らしい。原発事故の影響に関心が集まりがちだが、温排水が恒常的に自然に与える局所的温暖化の影響も原発を考える判断材料にしてほしい」と話している。  7月のノルウェーで開かれる国際学会で発表する。

写真左=棘が抜け落ち弱ったガンガゼ(益田玲爾さん撮影)
写真右=内浦湾で冬季に記録した全魚種の分布中心緯度の頻度分布グラフ(益田さん作成)。2012年のデータは、高浜原発停止の前(a)と後(b)に分けて表示した。温排水の放水が止まった時期のbでは、南方系の魚が消えたことが分かる。



赤れんがパーク オープン
5月19、20日 記念イベント

 北吸の赤れんが倉庫4号と5号棟の改修工事が完了し、市の舞鶴赤れんがパークが5月19日にオープンする。19日と20日、記念イベントを開催する。  4号棟は1902年に旧海軍の兵器廠倉庫として建設され、創作工房や音楽スタジオなど、市民のものづくり拠点として整備。5号棟は1918年建設の市内で最大の赤れんが倉庫。1階半分の細長いスペースを大型多目的ホールに改修した。総事業費は約16億8千7百万円。  両倉庫とも利用は事前申し込みが必要。4号棟は常時公開し見学できる。 【問い合わせ】電話66・1096、市政記念館  5月19日午前10時に5号棟で記念式を開催。 2日間の記念イベントは市政記念館や4、5号棟などで行う。ジャズ演奏、廿日の市、おもちゃと絵本のフェスティバル、縄文土器作り体験、鉄道模型の運転会、糸井文庫浮世絵展、種は船プロジェクトの出港式(19日午前10時半から日比野克彦さんのトークイベント)など。
【問い合わせ】電話66・1019、市観光まちづくり室

写真=大型多目的ホールに改修された5号棟


2012年5月8日

地域に根ざし「持てる力」を支援
府助産師会の西村さん
医療功労賞受賞
いまも活動に情熱傾け

 京都府助産師会会員で、舞鶴医療センター附属看護学校非常勤講師の西村佳子さん(67)=浜=が、長年地域医療に貢献してきた人に贈られる第40回医療功労賞(読売新聞社主催)をこのほど受賞した。38年間の病院勤務の体験を活かし、いまは地域の中で暮らす助産師として、赤ちゃんから高齢者まで「持てる力」を支援する多忙な毎日を送っている。  京丹後市峰山町の生まれ。10歳の時、弟が産婆さんの手で取り上げられた。当時は自宅分娩が普通で、産婆さんは地域で信頼されていた存在。そんな産婆さんの姿を見て、「私もあんな人になりたい」と決めた。  国立舞鶴病院(現同センター)で、助産師・看護師の歩みを切った。産科と小児科が連携した母子医療センターが1982年同院に開設され、翌年から看護師長に。未熟児医療と小児がんの看護に力を尽くした。看護学校の学生たちの実習指導では、助産師の仕事の面白さを伝え、その中から多くの学生が助産師の道に進み、現在地域の中で一緒に活動している。  小児科病棟も担当した。入院しながら隣接する養護学校で学ぶ病弱児童に対し、生命力を引き出す看護で向き合った。「1人1人の持てる力への支援」の姿勢は、精神科病棟勤務でも変わらず、行政や福祉関係者と連携し長期入院患者に関わった。  西村さんは「ただ目の前の課題を何とかしようと取り組んだだけ。一生懸命やっていたら、周りのみんなが支えてくれた。そんな仲間たちに贈られた賞だと思っています」と語る。  04年退職後は府助産師会に入会。丹後支部長を務め、後輩たちに声をかけ地域に開業助産師を増やした。その中の1人は市内で助産院を開業し、子育てサロンなどの活動もする。高浜町の母子保健事業を引き受ける府助産師会メンバーとして、新生児訪問などにも取り組んでいる。  また、京都暁星高校(宮津市)での講師、民生児童委員、献血活動推進ボランティア、「いのちの教育」の講演活動など、勤務時代に劣らぬ活動ぶりだ。「昔の産婆さんのように気軽に相談してもらえる環境づくりのため、地域にもっと開業助産師の仲間を作っていきたい」。尽きぬ泉から情熱が湧き出ている。

写真=府助産師会の孫育て講座で指導する西村さん(中央)



一条卓球ク 千坂選手(余内小)全日本ホープス出場
府予選で完勝 ベスト8めざす

 一条卓球クラブ(小畑喜生代表)の千坂雄也選手(12)=余内小6年=がこのほど、京都府立体育館で行われた全日本卓球選手権大会京都府予選の男子ホープス(小学6年以下)の部で優勝した。府代表として、7月27〜30日、神戸市で開催される全日本選手権に出場する。  千坂選手は、5選手による予選リーグを4戦全勝で1位通過、さらに予選リーグ各1位の6選手による決勝リーグも5戦全勝で優勝した。決勝リーグでフルセット戦ったのは1試合だけという完勝だった。  千坂選手は、これまでバンビ(小学2年以下)、カブ(同4年以下)ホープス(同6年以下)で、全日本選手権には、小学1年から6年連続の出場。小学2年、4年ではベスト16入りしている。  昨年出場のホープスは、予選リーグで敗退しており、「今年は攻めることを意識して戦い、ベスト8が目標」にしている。  小畑代表は「パワー不足だが、戦術能力が優れ、冷静に試合運びができる選手。全日本選手権でも持ち味を発揮してほしい」と話している。

写真=賞状を手にした千坂選手


2012年5月1日

新たなつながりで地域面白く
舞鶴高専学生 西野さん
フリーペーパー「企てろ。」創刊
舞鶴への思い 活動する市民を紹介

 舞鶴高専建設生産システム工学専攻科二年の西野正純さん(21)=瀬崎=が、フリーペーパー「企(くわだ)てろ。」(A5版、12ページ)を創刊した。人と人、人と舞鶴をつなげる情報誌として、第1号には町屋の再生プロジェクトの企画や、アート活動でまちづくりをする市民たちを紹介している。  大浦半島の瀬崎の農家に生まれ育った。日本海に面した集落の海辺には磯と砂浜があり、海の幸と海水浴を楽しむことができる。山にはミカンや山菜が実るなど、海と山に恵まれた瀬崎が気に入っているが、舞鶴の町自体は面白いとは思っていなかった。  機械工学を学ぶ高専を卒業後は舞鶴を出て就職を考えているが、いつか戻ってきたいと思っており、いまから舞鶴を面白いと思えるようにしたいと考えた。昨年の大震災で被災地支援を人まかせにせず、自分から動いている人に刺激を受け、自分も動こうと思った。  毎週知らない人に会う目標を立て、立命館大学の学生たちによる西地区の町歩きに参加したのを皮切りに、ワークショップなど様々な場に顔を出し多くの人に出会って、「まちを変えよう、面白くしよう」との想いに触れた。  その想いをつなげるプロジェクトとして、フリーペーペーを創刊。町屋再生を考える1級建築士の大滝雄介さん、自走船を市民たちと作り航海を計画するまいづるRBの森真理子さん、舞鶴に移住して音楽活動をする田中亮太郎さんらの活動を掲載した。  西野さんは「舞鶴を楽しいと感じている人に出会って気持ちを動かされました。情報誌を通じて新たなつながりが生まれたらうれしい」と話す。卒業までに6号の発行を計画する。1号は1000部作り、浜のマイコムや喫茶店「ボン」、市民新聞社などで無料配布している。
問い合わせは西野さんのメール(maizuruemo@gmail.com)へ。

写真=第1号を手にする西野さん



TANeFUNeの船体にペイントを
市、RB「種は船」
5月3〜6日、ワークショップ
赤れんがパーク芝生広場で
日比野さんも参加 船の絵も募る

 市とまいづるRBが進めている種船プロジェクトで、間もなく船が完成する。連休の5月3日〜6日、北吸の赤れんがパーク芝生広場で、船体をペイントするワークショップ(WS)を開催する。また、5月19日の出港を記念し、乗ってみたい船の絵も募集している。  美術家の日比野克彦さんの監修で、2011年から専門家のアドバイスも受け、市民参加のWSで自走船「TANeFUNe」づくりに取り組んでいる。19日に出港式、8月に新潟入港を目指し途中寄港先で交流する。  船体にペイントや絵を描くWSは、午前10時〜午後4時(6日のみ午後3時まで)。参加無料。参加を呼びかけている。  船の絵の応募は八つ切りの画用紙にどんな画材で描いてもよい。日比野さんらが審査し、10人に自分の描いた絵のTシャツをプレゼントする。5月16日〜31日にまいづる智恵蔵に展示する。だれでも応募できる。  絵の裏には名前、年齢、住所、電話番号(もしくはメルアド)、学校名、船のタイトル、コメントを記入。応募締め切りは5月15日。提出先は智恵蔵か八島アートポート。
【問い合わせ】電話080・4480・3637、RB

写真=完成間近の「TANeFUNe」


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