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2013年5月31日

太陽光発電で障害者の給料アップへ
まいづる作業所
売電事業スタート 遊休農地の活用にも
年間80万円の収益見込む

 社会福祉法人まいづる福祉会(黒田隆男理事長)が運営する平のまいづる作業所が、隣接する遊休農地に売電用の太陽光パネル施設を設置し、発電を始めている。年間発電量は1万9200キロワットと小規模だが、障害者たちの給料アップと農地の活用を図る目的で整備した。福祉作業所が障害者の仕事づくりのため、売電事業に乗り出すのは全国でも珍しいケースだ。
 同作業所は70人が利用し、木工やさおり織りなど自主製品づくり、ニンニクの栽培、下請作業などに就き工賃を得ているが、低賃金にとどまる。軽作業も難しい重度の障害者にも、1円でも多くの給料を保証できる仕事の開拓を課題にする。
 注目したのが再生エネルギーの買い取り制度を活用した事業。昨年度の買い取り価格は1キロワット当たり42円で、20年間補償される。高齢化で地域に増えている耕作放棄地の有効活用や、災害時に施設内で使う人工呼吸器などの電源確保にもつながると判断した。香川県宇多津町の障害者福祉事業所では、大規模発電所(メガソーラー)を作り、年間3,000万円を売り上げているという。
 約374平方メートルの農地に、4列で計96枚の太陽光パネルを設置した。最大出力は24キロワットで、日中の家庭で使われる約20世帯分の発電量になる。全量を発電会社に売却し、年間80〜90万円の収益を見込む。利用者たちが周辺の草刈り、パネルの清掃などを担当する。
 支援員の泉伸也さんは「地元の皆さんの理解と支援でこの事業を行なうことができました。利用者たちも自然エネルギーの発電の仕事に就労意欲が高まっています。今後も地域と一緒に発展できる取り組みを続けていきたい」と話している。

写真=96枚のパネルを設置した太陽光発電所



富岡町の職員 菅野さんが報告
住民帰還 先行き見えず
立命館大森教授 「廃炉を新たな公共事業に」

 地域から考える原発への依存と防災集会が5月26日、余部下の中総合会館であり、福島第1原発事故で全町民が避難している富岡町の町職員、菅野利行さん(55)が住民の帰還が進まない厳しい現状を報告した。
 第1原発から20キロ圏内にある富岡町は、郡山市内に臨時の町役場を置いている。町民約1万6000人の内、3分の2がいわき市など県内に、3分の1が県外に避難を続ける。
 復興計画では、住民の帰還時期を平成29年度以降とし、除染などに5年以上が必要とするが、除染後の仮置き場が決まっていないため除染は進んでいない。一方、放射性廃棄物の中間貯蔵施設の話が住民を置き去りにして進んでいると指摘。
 帰還困難区域や東電の賠償も、道路をはさんで区域が異なり賠償も差がつき、住民が分断されているという。「原発事故では防災計画はまったく役に立たず、国と県も機能しなかった。山積みの課題の解決が1つでも欠けると町民の帰還は難しい」と述べた。
 原発が立地し電源交付金に依存する、おおい町の財政について調査する立命館大学の森裕之教授が中間報告した。交付金で建設した公共施設のための維持管理経費が肥大化している現状をデータで示し、廃炉事業を脱原発を目指した新たな公共事業として提案した。今秋に提言をまとめる予定。

写真=厳しい現状を語る菅野さん



2013年5月28日

6月1日 市民会館で 地球のステージ3〜国境なき大地〜
被災地の医師、現地伝える
名取市から桑山さん 音楽と映像で
平和の尊さ感じてほしい

 スマトラ沖地震や東日本大震災の被災地のいまを音楽と映像で伝える公演「地球のステージ3 〜国境なき大地〜」(同舞鶴実行委員会主催、舞鶴市民新聞社など後援)が、6月1日午後6時から北田辺の市民会館で開かれる。被災地の宮城県名取市の医師、桑山紀彦さんが現地の復興の様子などを語る。
 桑山さんはパレスチナなどの紛争地で、医療支援に長年取り組んでいる。NPO法人地球のステージを設立し、たくましく生きる子供たちの姿を各地の学校などで紹介する5部シリーズの公演を実施している。
 震災では診療所を置く名取市も、平野部の閖上地区などが津波によって壊滅的な被害を受けた。震災直後いち早く診療所を再開し、避難所を巡回診療もした。その後も家族を亡くした人たちや子供たちの心のケア、音楽ワークショップ、手芸教室の支援、被災者が語り合う集会所の建設などにあたった。
 地球のステージ3は、自然破壊が進むケニアで、自立を目指すマサイ族の青年の試み、巨大津波に襲われたスリランカの復興状況、独立後の東ティモールの人々の様子のほか、名取市での映画づくりなどについて語る。
 実行委員長の橋本希久子さんは「世界の厳しい環境の中でたくましく生きる子供たちの姿を知ることで、平和の尊さを感じてもらえれば」と話す。会場では閖上地区の被災者たちが作ったアクリルタワシなどの販売、募金も行なう。
 入場料は前売り1,000円、当日は200円増し。学生は半額。総合文化会館などで販売中。託児もする(無料、要予約)。
【問い合わせ】電話090・5665・1902、橋本さん

写真=名取市閖上地区で手芸活動をする女性たちと桑山さん(中央)=NPO法人地球のステージ提供



演劇「雨ふり小僧」生鑑賞
福井小 創立140周年記念事業で

 下福井の福井小学校(品田正明校長・児童144人)で5月22日、創立140周年記念事業として演劇鑑賞会が行われた。福井文化協会や保護者らの協力で、東京の劇団・民話芸術座の「雨ふり小僧」を鑑賞。芸術に対する感受性を高めるため、児童たちは生の演劇にふれた。
 手塚治虫さん原作の「雨ふり小僧」は、友達を欲しがっていた中学生が、妖怪の雨ふり小僧と出会って友情を育み、ある約束を交わすが40年間忘れてしまい、待ち続けていた雨ふり小僧に謝るため再び会いに行く物語。人間は大切な思い出を忘れ大人になっていくことを描いている。
 鑑賞前に、同劇団の川上信幸公演座長による、演技の基礎訓練を体験する演劇教室が開かれた。6年生の内藤翼君、M中陽秀(あきみつ)君、谷口真依さん、足立広志教諭の4人が、本編の予告となる朗読劇に挑戦した。
 本編では、劇団員と一緒に6年生の井元好美(このみ)さん(12)も、衣装を身に付け化粧をして出演。主人公の孫を演じ、当日にのみ行った練習の成果を披露した。井元さんは「初めてで緊張したけど、みんなのサポートでやりやすかった。また、ぜひやりたい」と話していた。
 児童たちは、照明で表現される雨や、音楽に合わせてダンスをしながら歌で語られるセリフ、何役もこなす劇団員の演技などに公演時間も忘れ、笑い声をあげたり真剣な表情で見入ったりしながら、生の演劇を楽しんだ。

写真=演劇に出演した6年生の井元さん(右)



2013年5月24日

藤村君と松田さん 全国へ
全日本卓球大会小学生カブの部 府予選で1、2位
一条卓球クラブの選手が健闘

 平成25年度全日本卓球選手権大会の京都府予選がこのほど福知山市の市民体育館で開かれ、舞鶴の一条クラブ(小畑喜生代表)の小学生選手2人が優勝、準優勝し、7月に開かれる全国大会への切符をつかんだ。
 男子カブの部(小4年以下)で朝来小3年の藤村隼翔(はやと)君(8)が優勝、女子カブの部(同)で三笠小4年の松田実侑(みゆ)さん(9)が準優勝した。
 藤村君はオールラウンドプレーヤーで、どこを攻められても対応でき、試合運びがうまく、相手を観察して考える卓球をする。1年生でも全国大会に出場した。今回は1学年上の4年生選手を次々と破った。「ラリーに持ちこむのが得意です。優勝できてうれしい。全国大会は予選を突破したい」と話す。
 松田さんは冷静に相手を観察しながら、1つ1つのプレーを丁寧にしてミスが少ない。力も着実に付け勝つことに意欲も生まれている。全国大会は初めて。「府予選の決勝で負けて悔しかった体験をバネに、全国大会の予選を突破したい」と練習に励む。
 全国大会は神戸市内の総合運動公園で、7月26日〜28日に開かれる。

写真=一条クラブの松田さんと藤村君(右)



中学生大会では
千坂選手と西村選手
2位と3位に入賞

 第34回京都中学生学年別の卓球シングルス大会がこのほど向日市で開かれ、一条クラブの千坂雄也選手(城北中1年)が男子2年生以下で準優勝し、西村空我選手(白糸中3年)が男子3年生以下で3位に入った。
 千坂選手は「決勝の相手には何度も対戦してまだ勝てていないので、次は勝てるようにしたい」、西村選手は「優勝できずに悔しい。次にがんばりたい」と話している。

写真=千坂選手(左)と西村選手














5月28〜31日 各国のデザイナー来鶴
アセアンファッションウイーク
赤れんがパークを主会場に開催

 5月28〜31日の4日間、北吸の赤れんがパークを主会場に、「アセアンファッションウイーク」が開催される。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国などのファッションデザイナーたちが、バイヤーなどの関係者向けのショーを、同パークとKTR天橋立駅停車の列車内で連日実施する。
 入場無料で一般見学できるのは、4号棟のアジアンファッション展示会(4日間とも午前9時〜午後5時)、5号棟の市民向けファッションショー「コミュニティショーケース」(同29、30日午後2時〜同3時45分)など。5号棟でのメインファッションショーなどは関係者らのみ。
 モンゴル、ミャンマー、キルギスタン、カザフスタン、タタールスタン、ナイジェリア、スウェーデン、インドネシア、インドの9の国・地域から34人のデザイナーと、モデルやバイヤーらが参加する予定。人数は変動する可能性もあるという。
 同ウィークPRのため、南浜のショッピングセンターらぽーるで5月19日、プレイベントが開かれ、参加モデルを含む日本人女性モデル6人が、らぽーる専門店の夏物12点を紹介するファッションショーを行った。

写真左=イベントチラシのPR写真
写真右=らぽーるでのプレイベント






2013年5月21日

細川幽斎田辺城まつり 5月25日、26日
つなげよう!大河ドラマの輪
会津藩奴隊や勝山高の太鼓も

 第22回まいづる細川幽斎田辺城まつり(同実行委員会主催)が、5月25日、26日、南田辺の舞鶴公園や西市街地で開かれる。NHK大河ドラマの舞台となっている福島県会津若松市から会津藩奴隊を初めて招き、武者行列に加わるほか、幽斎との関わりを持つ縁で、福井県の勝山高校の生徒たちも勝山太鼓を演奏する。多くの市民が多彩な催しに出演して盛り上げる。
 城下町の歴史をもつ舞鶴で、町衆の伝統と文化を楽しんでもらうイベントを通してまちづくりを図ろうと、西地区の住民たちが中心になって、田辺城城門の再建を機に始めた。田辺城を築いた細川幽斎が慶長5(1600)年の関ケ原の戦いの2カ月前、敵1万5000の兵に対し500の兵で城に籠城して戦った史実を軸にまつりを展開する。
 今年のテーマ「つなごう大河ドラマの輪 八重の桜からガラシャ・幽斎へ」にちなみ、大河ドラマ「八重の桜」の舞台である会津若松市の会津藩奴隊が初参加する。参勤交代の大名行列で奴衆が毛槍や傘などを振りまわし独特の歩き方をする動きを継承している。
 また、幽斎が足利義明将軍と朝倉義景を頼り一時、越前一乗寺に住んでいたことから、若狭越前と交流を深めようと、勝山市の勝山高校日本文化部も出演する。26日午前11時から同公園から、出発する行列に奴隊と勝山高生たちも加わり、市外を練り歩き演技と演奏を披露する。
 このほか、古今伝授の芝居や町内太鼓、幽斎歌舞伎、芸屋台展示、会津物産展、野点などがある。
 25日の前夜祭は、桂林寺で午後5時からみつる幼稚園児による田辺八景の語り、明倫小児童の子供講談、同公園から幽斎花みこしの巡行、八幡通りでよさこい踊りや園児たちが描いた花灯籠400個の設置などを行なう。
 西舞鶴駅などシャトルバスを巡回させる。雨天の場合は一部の内容を変更して、西市民プラザで開催する。
【問い合わせ】電話75・0933、舞鶴商工振興会内の実行委員会事務局

写真=練り歩く会津藩奴隊(田辺城まつり実行委員会提供)



12月23日に演奏会開く
会場を歓喜でいっぱいに
313人の第九合唱団 結団式

 市制施行70周年と総合文化会館の開館30周年を記念し、市と市合唱連盟、市文化事業団などが12月23日にまいづる市民第九演奏会を開催する。5月!6日、浜の同館で第九合唱団の結団式が行なわれ、さっそく練習を始めた。
 ベートーヴェンが最後に作った「交響曲第九番」は合唱を伴って演奏される。歌詞にはドイツの詩人、シラーの詩「歓喜に寄せて」が用いられる。年末の各地で第九演奏会が行われ、日本の風物詩になっている。
 舞鶴での第九演奏会は1986年、89年、93年、98年に行なわれた。今回は合唱が初めての人や加佐中学校生徒50人も含め、313人で合唱団を構成する。最年長は85歳。声楽家で指揮者の梶田慶太さんが指導し、当日まで30回の練習を予定している。
 結団式では江守光起団長が「すばらしい発表の場になるよう、皆さんの健闘を祈ります」とあいさつ。団員を代表して3回目の第九となる福原ルミ子さん(40)=平野屋=が「娘と一緒に第九を歌える機会に恵まれうれしい。本番当日はホールが歓喜の歌声で一杯になるよう一緒にがんばりましょう」、娘の日星高校1年の絵美子さん(15)は「音楽が大好きなので第九を歌うのがとても楽しみです。母や友達と一緒にがんばりたい」と意気込みを述べた。
 第九演奏会はNHK交響楽団などで指揮をした岩村力さんが指揮し、京都市交響楽団が演奏、ソプラノの四方典子さんらが独唱を務める。

写真=意気込みを発表する福原さん母娘






2013年5月17日

5月26日、中総合会館で
富岡町のいま 町職員が報告
隣接地域の原発依存と防災テーマに
おおい町の原発マネー分析も

 立命館大学の地域政策研究会や舞鶴市職員労働組合などが5月26日、余部下の中総合会館で、地域から考える原発への依存と防災をテーマにした集会を開く。帰還困難区域になっている福島県富岡町の町職員が現状を報告し、原発が立地するおおい町の地域経済と財政分析を研究者たちが発表する。
 福島第1原発から20キロ圏内にある富岡町は、震災による事故後は全域が警戒区域になっていたが、今年3月に放射線量に応じて3つの区域に再編された。一部は4年以上の長期間戻れない帰還困難区域に指定され、人口は約3割にあたる。約6割を占める居住制限区域と、年間20キロシーベルト以下の避難指示解除準備区域は、日中に限って立ち入りが可能だが宿泊はできない。
 富岡町は現在郡山市に臨時の役場を置いている。ほぼ全住民が町から出て、いわき市や郡山市などで避難生活を余儀なくされている。同町職員の菅野利行さんが避難時の様子などを語る。
 同大学の平岡和久教授(地域経済論)ら研究グループと舞鶴市民らが、原発の電源交付金を受けるおおい町の財政を調査し、原発に頼らない地域づくりを提言しようと取り組んでいる。今回は原発建設が進められてきた歴史的背景なども含め、研究の中間発表をする。
 また、おおい町の猿橋巧町会議員がまちの現状を、同組合とまいづる市民自治研究所のメンバーが同町の現地調査の報告をする。
 午後2時〜同4時半。入場無料。




外国クルーズ客船
「サン・プリンセス」入港
カジノも完備!洋上の豪華ホテル

 外国クルーズ客船「サン・プリンセス」(7万7000トン)が5月15日、京都舞鶴港の西港第2埠頭に入港した。釜山などを巡る旅の途中に初めて寄港したが、舞鶴港にとって過去最大級のクルーズ船だ。
 同船はバミューダ船籍。全長約261メートル、高さ約56メートルの14層でビル10階建てに相当する。乗客は1170人、内850人はオーストラリア、イギリス、米国人ら。乗組員は860人。5月6日に横浜を出港し、金沢などに寄港した。
 京都舞鶴港クルーズ誘致協議会が歓迎式典を主催。船内ラウンジで、クイーンまいづるらがグラハム・グッドウェイ船長らに花束を、多々見良三市長らが記念品を贈り、岡西康博副知事が歓迎のあいさつをした。
 船内見学会には、応募した100人の府民が、運航会社の職員の案内で、カジノやメインダイニングなどを見て回り、洋上の豪華ホテルのような施設に驚いていた。宮津市から来た山田秀夫さん(71)は「すばらしい船なので一度は乗って旅をしたい」と話した。
 この日に出港し、名古屋を経て5月18日に横浜港に戻る。同船は7月8日にも舞鶴港に寄港する予定。

写真=船内のカジノを見学する人たち






2013年5月14日

野田笛浦の詩 魅力味わって
公文さん 2年にわたる研究の成果1冊に
田辺藩家老
全国に名馳せた詩人の96首
おおらかな人柄を伝える

 田辺藩(舞鶴)で生まれ、家老などを務めた野田笛浦(てきほ)(1799〜1859)が作った詩(漢詩)96首を読み下し、解釈してまとめた詩集を、元高校教諭の公文公雄(きみお)さん(76)=泉源寺=が、このほど自費出版した。江戸期には詩人、名文家として世に知られていた人物。自然や酒を愛し、旅に暮らし友を大切にしたおおらかで義に篤い人柄を、詩を通して伝える労作の1冊だ。
 笛浦は13歳で藩から江戸へ遊学に出され、昌平坂学問所で学んだ。28歳の時、清国の商船が駿河清水港に漂着し幕府から通訳を任され、筆談の記録を出版したことで名が広まった。江戸を出て約20年間各地を旅し、学友らと交流を重ねた。51歳で藩主の牧野節成(ときしげ)の命で帰郷、家老として藩校の改革や砲台建造に務めた。
 後世、書家として有名だが、詩と文章も秀でていた。本屋らが出版した「摂東七家詩鈔(せっとうしちかししょう)」に、当時を代表する詩人たちに連なり、77首の詩が掲載され、江戸後期の四大文筆家の一人に挙げられている。詩文集を自分で作るなどした。
 国語の教師時代、公文さんは笛浦を知らなかったが、退職後に市郷土資料館で開かれた笛浦の企画展に伴い結成された詩を読む勉強会に参加。「摂東七家詩鈔」をテキストに毎回、詩の読み方、注釈、解釈の案文を作り、仲間たちと意見を交わした。約2年にわたった研究の成果を本にまとめた。
 「春を楽しむ」「旅」「名所絶景歌」など詩を17項目に分類して掲載。花の下で酔う春の花見、夏の日の木陰で書を読むなど四季の楽しみ、田辺の海辺の九景浦(くけいがうら)の美しさ、ともに学問所で学んだ親友への深い敬愛の情、飢饉に苦しむ人々に心を痛め時も忘れて救済策を語り合うなどの姿が、活き活きと描かれている。
 声に出して読んでもらい、また詩の持つ味わいを感じてもらえるよう、読み下し文などに工夫を凝らした。さらに、「馬に揺られての『花見』。まことにのどかだったろう」「一年に何度も無い見事な秋の夜。酒の味も格別であろう」などと自身の感想も添えている。
 公文さんは「自然の中の美しさを見つけて味わい、温かく正義感の強い笛浦さんに、詩を通して出会うことができました。勉強会の皆さんにも当時の時代背景など教わることも多く、詩を深く読めました。優れた詩を残した笛浦さんが舞鶴にいたことを知ってもらえれば」と話している。
 本は182ページ。700部作成した。1冊1,000円。なみえ書店の三条店とらぽーる店、舞鶴堂書店で販売している。

写真=「自然を愛し、温かい人柄を詩から感じた」と語る公文さん



6月13、14日
よしださんと立道さん
洋裁と音楽で被災者と交流を
大船渡の仮設住宅、幼稚園へ 参加者募る

 洋裁デザイナーのよしだ敦子さん(60)=七条中町=と箏奏者の立道明美さん(52)=矢之助町=が6月13、14日、東日本大震災の被災地、岩手県大船渡市の仮設住宅と幼稚園を訪れ、被災者や園児たちとクッション作りや音楽で交流することを計画している。被災地の現状を直接見たい人、交流を手伝ってくれる人の参加を呼びかけている。
 よしださんは洋裁教室の生徒や友人たちの協力を得て、震災直後から毎月、手作りした三角クッションを大船渡へ贈り、その数は通算1680個になる。2011年7月には直接、仮設住宅を回って届け、多くのお礼状が届いている。
 立道さんは主宰する演奏家グループ「箏アンサンブル斗為巾」のメンバーと、白糸中学校やギャラリー・サンムーンなどでチャリティー演奏会を実施し、収益金を支援活動などに役立ててきた。被災地を訪れ音楽で元気になってもらおうと考えていたが、よしださんとジョイントした企画をしようと相談を持ちかけた。
 計画では、6月13、14日に、海の星幼稚園と仮設住宅の計8カ所で、箏の演奏体験やコンサートをしたり、材料やミシンを持ち込み三角クッションづくりを一緒にする。完成した120個も届ける。
 よしださんは「前回に比べいま被災地がどうなっているのか、仮設の暮らしの様子を見てきたい。同行して下さる方と元気を届けたい」、立道さんは「現地を自分の目で見て、今後の支援に役立てたい」と話す。
 6月12日午前6時に舞鶴をバスで出発し、同15日午前8時に戻る。定員25人の内、高校生や主婦など16人が参加する。バス代や宿泊代など一人3万6,000円。演奏や洋裁ができることを問わず参加を募っている。【問い合わせ】電話090・3997・8477、立道さん、電話090・8230・3030、よしださん。

写真=協力を呼びかけているよしださん(左)と立道さん






2013年5月10日

ボール自在に操りパフォーマンス
フリースタイルフットボール
山本さんと守島さん 国内大会で優勝も
6月から期間限定で教室開く

 サッカーボールを足や頭を使って、自在に操るストリートスポーツのフリースタイルフットボールの魅力を広めようと、舞鶴在住の2人の若者が技を磨いている。国内大会で日本一に輝き、世界大会にも招待された。6月から教室を開催し、来年はサッカーワールドカップが開かれるブラジルで、パフォーマンスを披露しようと夢を描いている。
 サッカーのリフティングやドリブルなどの中から発展し、新しいスポーツとして認知され、世界大会で日本人が優勝している。空中でボールを浮かせたまま足を回したり、体を1回転させボールを足でキャッチするアクロバティックな技もある。
 2人は新舞鶴小と白糸中で同級生だった山本佳史さん(22)=愛宕上町=、守島裕二さん(同)=浜。ボール遊びから始め、ユーチューブで競技を見て2人で練習を重ね、高校のころチームを作った。
 山本さんは京都市内で活動するチーム「ALEG―Re(アレッグ)」に加入し、11年に全国大会で優勝。アラブ首長国連邦のドバイであった世界大会個人種目で4位に入った。守島さんも国内大会の個人で優勝しチームに加わり、現在メンバーは3人からなる。
 イベントなどに出演するなどの活動後、舞鶴に帰郷してJR東駅前で練習を兼ねアピールする。来年6〜7月にかけ行なわれるサッカーブラジル大会に、多くのメディアが集まることから、この地でパフォーマンスをする計画だ。山本さんは「ボール1つでトリッキーな技もでき面白い。世界の場で自分たちの実力を発信したい」と話している。
 教室は6月7日から半年間限定で、毎週金曜日の午後7時〜同9時。会場は白糸中武道場。今月10、17、24、31日は体験会を開く。1回500円。問い合わせは山本さん(yosshi.samurai@gmail.com)。

写真=ボールを足で操る守島さん(左)と山本さん












親子で楽しめる
マリさんの英会話カルタ
鷲田さん作製教材 言葉のリズムで発音学ぼう

 丸山西町で英会話教室を主宰する鷲田マリさん(61)が、幼稚園児から大人までが楽しみながら英会話を学べるようにと、自費で「マリさんの英会話カルタ」を作製した。百人一首のように上の句と下の句に分け、簡単でリズミカルな日本語と、同じ意味の英語が書かれた読み札に、カラフルでポップなデザインの絵札がセットになっている。今後5種類の製作を予定している。
 10年前にも英会話教材を作製した鷲田さんは、さらに合理的に効率良く英会話への好奇心が増す教材をと、カルタのアイデアを思い付いた。デザインは舞鶴出身のグラフィックデザイナーで、市の新観光ポスターも手掛けた北村麻由美さんに依頼。鷲田さんの言葉のイメージを伝える、見事な極彩色の絵札が出来上がった。
 読み札の句は、2拍子のリズムで簡単な言葉の日本語と英語が続けて話せることにこだわった。英語の句は発音を重視したカタカナで表記し、発音にこだわりすぎて意味が分からなくならないよう、単語により文字表記を使い分けている。絵札があることで頭を休めながら学習でき、字が読めない子供でも言葉のリズムで覚えられるようにした。
 完成後の先月下旬、円満寺の舞I幼稚園を訪れ、5歳児18人にカルタを使った英語講座を行った。「あさのあいさつ グッドモーニング」から「おこっているの? アーユ メード」までの「あ」行の札5枚を使い、膝や手拍子でリズムを取りながら、園児たちに繰り返し発音の指導をした。1時間の講座で言葉をほぼ暗記した園児たちは、頭から離れなくなったのか楽しそうに何度も口にしていた。
 鷲田さんは「英語を教えられない人でも教えられる教材を作りたいと思った。北村さんの絵も、言葉と繋げて発想力を鍛えられるので小さい子供に見てほしい」と話していた。今後、学校や老人ホーム、障害者施設などでの利用を望んでおり、使い方の指導をしたいという。
 カルタは1セット2,100円。赤れんが2号棟の「喫茶jazz」で販売している。
【問い合わせ】電話090・3718・8242、鷲田さん

写真左=ポップでカラフルな北村さんデザインのカルタ
写真右=舞鶴幼稚園の園児たちを指導する鷲田さん(左)






2013年5月7日

震災孤児支援へチャリティー
高井さん 4年に一度の作品展で募金呼びかけ
祈りと希望込め継続的支援を
5月18、19 総合文化会館で

 日展に入選するなど活躍する成生の陶芸家、高井晴美さん(48)が、4年ごとに企画している作品展を、5月18日、19日、浜の総合文化会館小ホールで開催する。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市の震災遺児を支援するため、会場にはチャリティー作品のコーナーも設け、募金を呼びかけることにしている。
 漁村で生まれ育った高井さんは、目の前の海や波などをテーマにした大作を発表し、国内で最大の公募展である日展に9回入選するほか、パリにも出品し評価を受けている。そうした創作活動を市民に見てもらおうと、4年に1度、一堂に展示する作品展を開催してきた。
 陸前高田市の被災者を支援しようと、これまで3度訪れ、作品展の収益金や市民から寄せられた募金、支援物資などを届けた。今年も10月に市民らと同市の仮設住宅の人たちと交流するため、陶芸教室の生徒たちとマグカップづくりもする。
 両親を亡くした震災遺児38人に昨年10月、市民と一緒に募金を贈ったところ、子供たちから「ノートや辞典を買います」「受験に向けがんばっています」などのお礼の手紙が届いた。継続的な支援をするため、今回の作品展でも食器を並べて収益金を募金に充てる。震災後に発表した祈りと希望を込めた作品も出品する。
 高井さんは「もらった手紙には『遠くにおばちゃんができたと思って』と返事を書きました。東北に住む姪っ子や甥っ子に、お年玉を贈るような気持ちで支援を続けたい」と話している。両日とも午前9時〜午後5時。

写真=気持ちを込め制作する高井さん



フラダンスで夏をお届け
モアニアラの生徒たちが披露

 モアニアラ舞I教室(林二三代代表)の生徒10人がこのほど、引土の介護老人保健施設「すこやかの森」を訪れ、利用者ら約30人を前にフラダンスを披露した。同教室は本部のある京都市や、市内の介護施設などを何度か訪れ、日頃の練習の成果を発表している。今回は生徒の中に同施設の職員がいた縁で招待された。
 スイングジャズ調の「トロピカルスイング」や、映画「フラガール」に使用された「トゥ・ユー・スイートハート、アロハ」など6曲を披露。花を頭に付け、明るい色の衣装に身を包んだ生徒たちは、終始笑顔を絶やさず、全ての手の動きに意味を持つフラをゆったりとしたリズムで踊り、利用者たちにつかの間の夏を感じさせ、癒しを与えていた。
 林さんは「招待していただいて嬉しかった。みんなと踊るのが楽しいので、また機会があれば発表したい」と話していた。同教室は西駅交流センター2階で、毎週火曜日午後6時45分と同8時20分からそれぞれ1時間半、練習に励んでいる。生徒を随時募集している。入会金5,000円、月会費6,000円。
【問い合わせ】電話090・1595・3404、林さん

写真=練習の成果を発表したモアニアラ舞鶴教室の生徒たち






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