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2013年10月29日










特別連載・陸前高田へ
「次の住まい」見通し不透明
土地のかさ上げ 地権者多く調整進まず
手続き簡素化、国に求める

 岩手県内で最大の被害を受けた陸前高田市。参加者の1人、高水間(こうずま)一隆さん(71)は、1年ぶりにまちを見て、「トラックや重機は増えているけれど、まちの様子は昨年と変わっていない。元のまちの姿に戻るには何年かかるんだろう」と感じた。
 壊滅した元市街地をバスで走る。被災施設はほぼ解体され、一面草に覆われた区画や、重機など工事車両が目につく。がれきの山はないが、手で金属などを選別する人たちの姿はあった。店舗は思っていたよりも多いが、まだ仮設の建物だ。
 死者1753人を数え、全壊は3159戸。震災前の人口2万4246人から、9月末現在で約3600人が減少した。仮設住宅は53団地、5094人が暮らす。震災前738の事業所の内、営業を継続・再開したのは45・7%にあたる337事業所、廃業は200事業所。雇用状況は震災以前の水準まで回復し、有効求人倍率は2倍近い。水田の被害面積は陸前高田が県内の65%を占め、沈下した土地をかさ上げし来年度から耕作を始められるようにする。
 仮設で暮らす市民にとって、一番の関心は次の住まいだ。同市の計画によると、防災集団移転促進事業で32団地470戸、災害公営住宅事業で12団地の1000戸を造成や建設する。市街地の高田地区と今泉地区の計316ヘクタールでは土地区画整理事業を計画、高台の造成と8〜10メートルのかさ上げを行なう。造成地に住宅を自力再建する方法も選べる。
 現在、防集は14団地で着工し、一部は年内に造成が完了するが、用地契約の準備中の地区も数カ所ある。公営災害住宅は一部着工済み、早くて来年春に、遅くて2016年の入居予定だ。土地区画整理事業は、一部で国の先行認可を受け整地を進めているが、同市は全体の事業認可を来年2月に目指し、15年度から18年度までに住宅着工を可能とするスケジュールを立てる。
 土地のかさ上げには地権者1人1人の起工承諾が必要だが、両地区で地権者は2000人を超え、対応に多くの人員と時間がかかる。その上、地権者が死亡しているが遺産分割協議がまとまらないなど相続手続きの未処理や多数共有地のケースがあり、複雑な権利調整の難航が予想され、どの被災地でも同様の課題が浮かぶ。
 前述の旧矢作診療所跡地の仮設住宅自治会長、熊谷薫さん(76)は別の問題も指摘する。15カ所の高台の造成は早くて1年後、遅くて5年後だ。自力再建を考える住民は元住んでいた地区を望むが、抽選であるため希望通りにはいかない。
 「抽選に外れれば、その次は2年後になるのか、5年後になるのか見通しがはっきりしない。私たちのような高齢者は長くは待っていられない」と不安を打ち明ける。
 同市はこのほかにも、非常時にも関わらず特別措置法がなく、現行法の中で対応せざるを得ず、法的手続きに時間を要する▽復興庁の考え方に変化があり、復興交付金の要望に際し多くの説明資料が必要で、その対応に追われている、など復興を進める上での困難に直面する。復興事業の迅速化に向け、国に対して手続きの簡素化を求めている。
 高井さんは「震災から2年半が経過し、住民は仮設を出て家を建て暮らしていると思っている人もいます。被災地の現実を知り、伝えていきたい」と改めて想いを強くした。(青木信明)

写真左=高田小前で基礎工事中の災害公営住宅。来年秋に入居の予定(陸前高田市高田町)
写真右=後方の山を削って高台が造成されている。土砂を運ぶためベルトコンベアーを設置予定の橋脚(同市気仙町)



11月1日〜3日
だるまタワシで被災地支援
舞鶴実業会 だるま祭で販売 収益金、飯舘村へ

 七転び八起きのだるまのように再起の気持ちを込め、舞鶴実業会が、11月1日〜3日に開催する第66回だるま祭で、主婦らの協力で作っただるまの形などをした手編みの毛糸タワシを販売する。東京電力福島第1原発事故で、全村民が村外避難する福島県飯舘村に収益金を贈る。
 毛糸店と市民30人以上が協力し、赤や黒のアクリル毛糸を使ってだるまの形をしたタワシ100個を作った。このほかサンタクロース、カラフルな柄のタワシ計1000個も準備した。洗剤を使わなくても食器の汚れが落ちるため、「エコタワシ」として人気がある。
 期間中、浜のマイコムである北海道物産展で販売する。だるまタワシは1個200円、他のタワシは100円。時間は午前9時半〜午後5時。収益金と残ったタワシを飯舘村に贈る。
 また、浜の同会駐車場ではステージイベントを行なう。同2日はたちばな幼稚園、かわら屋、白糸中吹奏楽部など、3日は日星高吹奏楽部、カワイダンスエージェンシー、舞鶴よさこい連、ジョー岡田さんなどが出演する。
【問い合わせ】電話62・0217、同会

写真=七転び八起きの気持ちを込めて市民らが作っただるまタワシ



11月2日 東商連
地元食材使った料理などで
舞鶴の食をPR
台風18号の被災地支援も

 東舞鶴商店街連盟がだるま祭に合わせ、11月2日、浜の八島商店街アーケード内で、地元の食材をPRする食イベント「Furusato 味の道」を開催する。収益金の一部は台風18号の被災地に寄付する。
 舞鶴の水産加工物、魚介類を使ったタイ料理、万願寺甘とうを使ったシフォンケーキ、黒アンパン、地元産紅茶などの店舗が並ぶ。時間は午前10時〜午後4時。また、もちつき大会(午前11時)、音楽バンドの演奏(正午)、アームレスリング大会(午後2時)などもある。
【問い合わせ】電話64・4844、同連盟

写真=簡易担架を体験する子供たち



2013年10月25日









特別連載・陸前高田へ
多くの市民の想い届ける
舞鶴から23人が支援に 被災者とつながりを

 成生の陶芸家、高井晴美さん(49)と市民たちの23人が昨年10月に続き、岩手県陸前高田市を11、12日訪れ、仮設住宅で暮らす被災者に支援物資を届け、いまのまちの様子を目にした。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた陸前高田の復興の現状を見て回り、被災者たちの話を聞こうと同行した。(青木信明)

 訪問に向け高井さんと陶芸教室の生徒らは、昨年12月から製作してきた400人分のマグカップ、市身体障害者福祉センターの利用者や職員、市民らが手作りしたマフラー560枚、農家から寄せられたお米1830キロ、両親を亡くした震災遺児への募金17万5,000円、みずなぎ学園が作った黒豆パン、そして志楽小学校4年生71人が高田小学校4年生に贈ろうと作ったマグカップなどをバスに積み込んだ。
 訪れた仮設住宅は計6カ所で、172世帯、452人が暮らす。旧矢作(やはぎ)診療所跡地の仮設住宅は、奥まった山間地にあり、地元の人に教えてもらわなければ気がつかない。談話室で住民たちが笑顔で迎えてくれ、ふかし芋などで接待を受けた。
 自治会長の熊谷薫(いさお)さん(76)によると、20世帯の内、半分が一人暮らしの高齢者だという。年内に2世帯が住宅を建て仮設を出るが、残る人たちは高台や災害公営住宅への移転を望んでいる。
 熊谷さんも津波で自宅を流され、妻(当時74)とその妹(同60)が亡くなった。妻の遺体は3カ月後に見つかったがすでに火葬され、DNA鑑定で判明した。「みんな明るく振る舞っていますが、一緒に逃げる途中で母の手を離してしまい津波にさらわれた人など、それぞれに物語を背負っています。心の中にしまい口にすることはありませんが」と話してくれた。
 2回目の参加の眞下幸代さん(63)は「仮設に住むお年寄りのもとをゆっくりと時間をかけて訪問し、足浴や肩たたきをしながら話をしたい」とつながりを持つことの大切さを感じた。
 陸前高田市役所では震災遺児たちへの募金などを手渡した。続いて津波が校舎1階まで押し寄せた高田小にもより、児童が作ったマグカップなどを木下邦男校長(56)に届けた。校長室の壁には犠牲となった児童7人の写真がいまも並ぶ。
 初めて陸前高田を訪れた市身体障害者福祉センター所長の富永華世さん(52)は、「子供たちの写真が目に焼きつきました。これからもできることでお手伝いしていきたい」と話す。
 参加者や職場仲間、友人たちが買い物で陸前高田を支援することもした。和菓子やお酒などの購入金額は134万円にのぼった。高井さんは「多くの市民の協力をいただき、想いを届けることができました。被災者からよく聞くのは、当たり前のことがどんなに幸せだったか気づいたということ。日常の生活を大切にして下さいと言葉をかけられます」と語る。

写真左=高田小の木下校長(右端)にマグカップなどを手渡した舞I市民たち。後ろの壁には震災で亡くなった児童7人の写真があった。(陸前高田市高田町)
写真右=出迎えてくれた仮設住宅に暮らす人たち(同市矢作町)



三笠地区で防災訓練
400人災害へ意識高める

 三笠地区の22の自治会が参加した初めての防災訓練が10月19日、桃山町の三笠小学校グラウンドであった。防災無線とともに約400人の住民が学校に避難し、負傷者を搬送するなどの訓練をした。
 三笠学校支援ネット(桝田亮一会長)などの主催。三笠地区の自治会単位で防災訓練は行なわれたが、自治連組織がなかったため全ての自治会が参加した訓練は実施されてこなかった。
 若狭湾沖で震度7の地震が発生したとの想定のもと、三笠小に設置された防災無線や保護者へのメール配信で避難を呼びかけ、訓練がスタート。親子やお年寄りたちが歩いて学校に集まり、人数確認をした。
 その後、3グループに分かれ、消火器の操作法、棒と毛布を使っての簡易担架の作り方を市消防署員らが指導。最後に舞鶴共済病院から提供された災害時用の御飯とカレーの炊き出しを味わった。
 桝田会長は「地域からもこうした訓練をしたかったという声がありました。訓練後に出て来た課題を次に活かしたい」と話していた。

写真=簡易担架を体験する子供たち



2013年10月22日

秋季京都大会で初優勝飾る
城北中野球部 走塁とチームワークが武器
積極的なプレーを大切に
11月に近畿大会、全国出場目指す

 府内の中学校野球部とクラブチームが参加した第6回会長杯近畿少年秋季軟式野球京都府大会で、城北中学校野球部が初優勝した。失敗を恐れない走塁とチームワークを持ち味にプレーする。11月16日に堺市のみなと堺グリーンひろばで開かれる近畿大会に、府代表として出場する。
 舞鶴と綾部、福知山から7チームが出場した予選で1位になり、次の口丹や丹後などの1位チームとの2次予選でも勝ち、府大会へ進んだ。中学校の3チーム、クラブチームの5チームが出場した。
 府大会は準々決勝で桂中に延長の8回裏に3点を入れ5―4でサヨナラ勝ち。準決勝は淀タイガースに3―2、決勝は京丹後野球クラブに3―1で競り勝った。
 城北中野球部は選手の団結力が強く、思い切ったプレーと前向きな姿勢を大切にしている。特に積極的な走塁をしかけ、全員が盗塁を狙う。大きな声をかけあうことも心がけ、盗塁の失敗や三振をしても「ナイス、ラン」「ナイス、スイング」と失敗を責めず、積極性を讃える。
 守備は、コントロールとコンビネーションを持ち味とするエースの吉村大聖選手(2年)を含む4投手と捕手のバッテリーを中心にした守りが固く、攻撃では足をからめて少ないチャンスを得点に活かす。
 主将の蘆田大寛選手(2年)は「先輩たちが果せなかった京都制覇を達成できうれしい。次は近畿大会で勝って全国に行きたい」と練習に励む。部長の四方浩志教諭は「決勝は先制したが追いつかれ、その後はなんとかふんばり、我慢してつかみ取った優勝だった。近畿も一戦必勝でのぞみたい」と話す。

写真=城北中野球部の選手たち














小・中学生64人が参加
赤れんがの街・舞鶴写生大会
11月3日から4号棟で全作品展示

 北吸の赤れんがパーク一帯で10月12日、「赤れんがの街・舞I写生大会」(舞I市民新聞社など後援)が行われ、小・中学生の64人が、思い思いに赤れんが建造物の並ぶ風景をスケッチし、絵を完成させた。
 各絵画グループが実行委員会を結成し、子供たちが赤れんがの魅力に触れる機会を設けようと開催され、今年で3回目。参加した子供たちは、れんがの色の違いなどを丁寧にスケッチしたり、自由な発想で風景を切り取り作品を描いていた。全作品は11月3日〜8日の午前9時〜午後5時(3日は正午から。8日は午後4時まで)、4号棟1階で展示される。
 審査の結果は次の通り。
 【市長賞】大塚花夏(青葉中2年)、阿部千裕(中筋小5年)、天野結菜(明倫小2年)
 【教育長賞】尾崎舞(白糸中3年)、大塚風羽(与保呂小5年)、石津華音(倉梯小1年)
 【実行委員会長賞】天野夏希(明倫小4年)、勝部琴葉(新舞鶴小2年)
 【奨励賞】花崎楓子(城南中3年)、櫻井悠花(明倫小4年)、仲井亜美(池内小3年)、坂根陽菜(同1年)
 【赤れんがパーク賞】後野紗有香(中筋小1年)

写真左=市長賞の大塚さんの作品「赤レンガとポスト」(作品写真は全て同実行委提供)
写真中=市長賞の阿部さんの作品「秋色レンガ」
写真右=市長賞の天野さんの作品「れきしのある赤れんが」



2013年10月18日










三笠小第22回卒業生たち
51年ぶりの同窓会で寄贈
再会の喜び タイムカプセルに込めて
校歌碑に「同級生は大切な宝物」

 三笠小学校の1961(昭和36)年度第22回卒業生(232人)の同窓会が10月12日、浜のホテルマーレたかたで初めて開かれ、約100人が出席し、51年ぶりの再会を果たした。母校の在校生のために、ステンレス製の校歌碑(縦約80センチ×横約1・3メートル)と、来春卒業する6年生へのタイムカプセルを寄贈した。
 6年5組だった吉見恭則さん(64)=東京都文京区=が昨年10月に帰郷した際、同級生との再会から、卒業50年を記念した同窓会を開こうと、市内外の16人で幹事会を結成。恩師の荒木花子さん=水間=と江名澄恵さん=浜=の協力も得て、今年1月から計7回の幹事会を開いた。6月には、母校に手ぬぐい200枚の寄贈も行っている。
 名簿を調べ、202人の連絡先がわかり、約100人から出席の返事をもらい、知恵を出し合って考えた同窓会が、準備に1年かけ開かれた。
 寄贈品の贈呈式では、吉見さんから三笠小の山本寛子校長に、「時は過ぎても同級生は大切な宝物です。いつの日か再会してタイムカプセルを開いて、三笠小学校時代を思い出して下さい。何事にも一生懸命に最後まで頑張り、自分自身を磨き上げて下さい。第22回卒業生一同」と書かれた目録が贈呈された。目録の言葉の一部は校歌碑の裏面に、メッセージとして添えられている。
 荒木さん、江名さん、千坂美津江さん=倉谷=の恩師3人も参加し、花束が贈呈され、全員で校歌斉唱なども行い、思い出話に花を咲かせた。
 吉見さんは「参加した同級生から幹事会に、同窓会の内容や昔の面影を残した人に会えて良かったという感謝の言葉をたくさんいただきました。集まれたことを嬉しく思っています」と話していた。

写真左=母校に寄贈された校歌碑とタイムカプセルと、吉見さん(右から2人目)ら同窓生
写真右=出席した同窓生と恩師たち



連合作品展 赤れんが4号棟で
支援学級・校などの児童・生徒たち
今年も倉庫内を色彩豊かに

 市内小中学校の特別支援学級と府立支援学校、聾(ろう)学校舞I分校に通う児童・生徒たちの学習の成果を一堂に展示する「第51回連合作品展」(同作品展実行委員会主催)が10月9〜11日、北吸の赤れんがパーク4号棟で開催された。共同や個人で制作された立体造形作品や絵画など、28校、約220人の想像性あふれる約400点の作品が並んだ。
 作品展を通して子供たちからのメッセージや発達する様子を感じてもらい、地域の人々に子供たちへの理解を深めてもらうことを目的に毎年開催され、今年で51回目。昨年から赤れんがパークで展示されるようになった。
 赤れんが柄の車にカニや肉じゃが、万願寺甘とうなど舞Iのグルメを乗せた倉梯第二小の作品や、牛乳パック101個を組み合わせて実際に乗れるカヌーを作った大浦小の作品、チラシの写真を切り抜いて好みのお弁当を作った支援学校小学部の作品のほか、ブックカバー、パチンコ台、陶芸作品、水族館、農園、レストラン、未来の街など、個性豊かなエネルギーあふれる立体作品が1階を彩った。
 2階には、縦約2・6メートル×横約4・6メートルの紙一面に50種類以上の身近な道具が化けた妖怪を描いた城北中の「百鬼夜行図」や、学校での様子、昆虫などを描いた絵画、卵の殻で描いた夏の思い出の貼り絵、体育祭のポスター、砂絵などが倉庫内を色彩豊かに彩り、来場者を楽しませていた。

写真=立体造形作品などが来場者を楽しませた



2013年10月15日

背泳ぎ200メートル 全国大会3連覇
舞I高専水泳部の森脇さん 特別表彰受ける
全国高等専門学校体育大会
5年連続出場 近畿では大会新も

 舞I高専の電気情報工学科5年生で、水泳部の森脇正悟さん(19)が、9月に行われた全国高等専門学校体育大会の水泳競技大会(秋田県)で、男子背泳ぎ100メートルと同200メートルの2種目で優勝。200メートルでは3連覇の快挙を成し遂げ、特別表彰を受けた。特別表彰は、出場できる5大会中に、同種目で3回以上優勝した選手にのみ贈られている。
 森脇さんは舞I出身で、朝来小1年の時に泉源寺の舞Iスイミングクラブに通い水泳を始めた。クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライと、順番に指導を受ける中で、小2の時に初めて泳いだ背泳ぎが自分が一番早く泳げる種目と気付き、練習を重ねた結果、小6で全国大会に初出場した。
 「仲間と記録を競い合うのが楽しい」と水泳を続け、高専に入学してからは5年連続全国大会に出場。高専生は3年生の時にピークを迎える選手が多い中で、記録を伸ばし続けている。
 7月に和歌山県で6校が出場して行われた近畿地区大会では、100メートルが59秒58、200メートルが2分08秒26の、ともに大会新記録で優勝。舞I高専からは19人が出場し、森脇さんだけが全国大会への切符をつかんだ。100メートルは4年連続、200メートルは5年連続優勝している。
 全国大会では、100メートルが1分01秒28、200メートルが2分12秒17で優勝。ターンが得意で後半に伸びる泳ぎを持ち味とし、得意とする200メートルは最初からトップを守り、100メートルは50メートルを2位で折り返した後、逆転し優勝した。
 近畿地区大会は25メートルプールの短水路、全国大会は50メートルプールの長水路で行われたため、ターンの回数が多くなる短水路での大会の方がタイムが早くなり、100メートルで2秒、200メートルで4秒ほど差が生じている。
 舞I高専水泳部は、夏期のみ校内のプールで、部員24人が3年生の部長が考えたメニューを中心に練習を行っている。森脇さんは地元出身者ということもあり、部活動以外にもスイミングクラブに週3回ほど通い、毎回2時間練習を積んでいた。
 森脇さんは「3年生の時に初優勝してから、3連覇を目標にしていたので嬉しいです。大会前は緊張していたけど、周りの人たちから、悔いのないように泳げばいいと言われて、リラックスして泳げました」と、大会を振り返り話していた。

写真=背泳ぎ200メートルと同100メートルの優勝メダルをかけ、特別表彰の表彰状を持つ森脇さん



ぎゃらりー・喫茶「こもれび」で
塩見さんと高橋さん 念願の2人展開催
パッチワークキルト飾る

 パッチワークキルトの作品展が、白屋町のぎゃらりー・喫茶「こもれび」で開かれている。キルトを通して友人になった塩見多鶴子さん(73)=朝来中=と高橋栄子さん(64)=朝来西町=が、互いにアドバイスしながら作った作品を念願の2人展で飾った。10月31日まで。
 2人とも東公民館の講座に通ってキルトを知り、その後サークルで活動。近くに住んであいさつを交わす程度だったが、キルトが縁で仲良くなり、サークル解散後は福知山市にいたキルト作家の湊啓子さんの元に通い、引越し後も作品を送って指導を受けている。
 互いの自宅を訪れ作業するときには、布を交換し、アイデアを出し合ったりと、2人で作品づくりに励んできた。2人で毎月の廿日市に小物を出品したり、大阪などに作品展も見学に訪れる。
 初の2人展には、着物や現代布などを素材にバラの花、浦島太郎など日本昔話、正月のおめでたい品々、花の輪をモチーフにしたタペストリー、おしゃれなバッグなどを展示した。
 塩見さんは「互いに何でも言い合え、楽しくできることが一番です」、高橋さんは「近所ということもあって気が合いました。作品が出来上がったときはともに喜び合っています」と晴れやかな笑顔で話す。
 時間は午前10時〜午後6時。日、月曜、10月20日は休み。
【問い合わせ】電話63・0058、こもれび

写真=展示したタペストリーと仲良く作品づくりをする塩見さんと高橋さん(右)



2013年10月11日

ブラック企業 実態迫る
舞鶴出身映画監督 土屋トカチさん製作
「自分の働き方、常に疑問を」
自殺社員の遺族や当事者に取材

 舞鶴市出身の映画監督、土屋トカチさん(42)=横浜市=が、法律を無視して過酷な労働を強いる企業の実態を描いた映像作品「ブラック企業にご用心!―就活・転職の落とし穴―」を製作した。企業の実名を上げ、自殺やうつ病に追い込まれたケースなど、遺族や当事者が出演して証言している。「自分の働き方に常に疑問を持ち考えて」と訴える。
 東舞鶴高校出身の土屋さんは大学卒業後、日雇い派遣などを経験し、1999年から映像製作を開始。暴力で労働組合脱退を強要する会社に対し、労働条件改善をめぐって闘うトラック運転手の姿を追ったドキュメンタリー映画「フツーの仕事がしたい」を08年発表し、ドバイ国際映画祭で最優秀賞を受けた。
 違法な労働条件で働かせるブラック企業が最近問題視されているが、大手メディアではあまり取り上げられないため、NPO法人アジア太平洋資料センターが学校の授業でわかりやすく紹介しようと製作を依頼され、企画した。ブラック企業大賞にノミネートされた4つの企業を扱った。
 飲食チェーン店で26歳の自殺した女性社員の遺族の父親に取材したのをはじめ、残業が月200時間を超える民間気象予報会社での過労自殺、コンビニ店で「名ばかり管理職」として働かされうつ病になり、裁判を起こした男性などから話を聞き、過酷な労働実態に迫った。また、ブラック企業をわかりやすくドラマ仕立てで紹介したり、労働問題の専門家が解説もする。
 土屋さんは「取り上げた企業は若い人を育てることをせず、使い捨てのようにしている。大企業だってブラック企業になりうる。理不尽さを自分1人で抱えず友人や専門家に相談してほしい」と話している。
 各地で上映会が広がっている。作品はDVDで35分。問い合わせはアジア太平洋資料センター(電話03・5209・3455)。

写真左=土屋トカチさん
写真右=ドラマ仕立てでブラック企業を紹介する1シーン(土屋さん提供)



「ボヌール」で10月30日まで
富士山の四季楽しんで
有本さん 写真展

 富士山をテーマに撮影を続けるアマチュアカメラマンの有本隆司さん(66)=高野由里=の写真展が、浜の喫茶画廊「ボヌール」で開かれている。今年世界文化遺産となった富士山の四季折々の表情が見る者を魅了している。10月30日まで。
 富士山を撮り続けて今年で16年目。年に5、6回、多い時には10回ほど撮影に出かける。1週間〜10日間、車中泊をしながら移動し、シャッターチャンスを狙う。
 今回展示したのは、四季の様々な時間帯の14点。山梨県山中湖から撮影した山頂に夕日が重なるダイヤモンド富士、同県富士吉田から見える雨の後に朝日を受け染まる赤富士、田植え後の水田に映る静岡県小山町から見える富士など、ほぼ初公開の印象的な富士が並ぶ。
 有本さんは「朝日が昇る富士山を初めて見た時、感動して撮影するのを忘れました。いつみても惚れ惚れしてしまうのが富士山です。作品の中から気に入った富士山を探してもらえれば」と話す。午前8時〜午後6時。日曜休み。入場無料。
【問い合わせ】電話62・6008、同店

写真=富士山を撮り続ける有本さん



2013年10月8日

日本マスターズ男子組手3部
あきらめない気持ちで栄冠
空手協会の内田慎一郎さんが優勝
子供たちにもチャレンジする気持ちを

 日本空手協会舞鶴田辺支部長の内田慎一郎さん(51)=境谷=が、このほど北九州市で開かれた日本スポーツマスターズ2013空手道種目の男子組手3部(50〜54歳)で、優勝した。最後まであきらめない気持ちを持ったことで栄冠を手にした。
 内田さんは国体で3位などのほか、日本代表にも選ばれた実力者。試合から離れ指導者として幼児から大人まで教えるようになり、教室から全国大会にも輩出している。
 子供たちに目標に向け取り組む姿勢を見せようと、2006年の同マスターズの1部(40〜44歳)に出場して初優勝。その後もトレーニングを続け、10年と11年に2部(45〜49歳)で二連覇を達成した。昨年は3部で3位だった。
 今年の決勝の相手は大阪の松下順さん。過去、決勝と準決勝で3回対戦し、実力は拮抗している。昨年は準決勝で1ポイント差で敗れた。その悔しさを晴らそうとこの1年間、目標にしてきた。
 決勝は先にポイントを取られたが追いつき逆転した。そこから追いつかれたが、残り時間2秒で上段左突きが決まった。ライバルに競り勝ち通算4度目の優勝を飾った。
 内田さんは「この試合で改めて、最後まであきらめない強い気持ちを持つことが大切だと実感した。子供たちに空手を通じてチャレンジする気持ちを身につけてもらえれば」と話している。
 教室は毎週火・金曜日午後7時から城北中学校体育館で。見学は自由。

写真=優勝した内田さん



住民の手でコスモス畑
白浜台 公園150メートル花開く

 白浜台の紅しだれ桜公園で、長さ150メートルに渡って咲くコスモスの花が見頃を迎えている。地元住民たちで世話をして3年目になり、地域の名所として住民たちが散策している。
 和田中学校テニスコート北側の市所有の空き地を住民たちが2007年に公園として整備し、しだれ桜を植えた。春には桜の花の下、白浜台自治会がコンサートも開いている。
 秋にも花を楽しもうと公園斜面にコスモスの苗を植え、採取した種を蒔いて増やしてきた。今年は幅2〜5メートルで白やピンクなどの花が咲く。草取りや倒れないようにネットを張るなど住民たちが世話をしてきた。
 同自治会の臼井和久会長(43)は「先日は花の中で住民たちがお茶会もしました。花を見ながら顔を合わせる機会にもなり、いい憩いの場になっています」と話す。10月20日ごろまで花を見ることができる。

写真=住民の憩いの場となるコスモス畑



2013年10月4日

市民病院跡地の有効活用を
市が懇話会 委員等意見交わす
複合施設建設案や、会の権限に疑問の声

 市民病院が来年春に倉谷に移転するのに伴い、跡地の利用のあり方を考える市の懇話会の第1回会合が、このほど浜の市商工観光センターであった。東地区の市街地にある跡地の活用をめぐり、文庫山学園を含む複合施設建設などの案や、新たな箱モノをつくることへの反対、会の権限への疑問なども出て、活発に意見が交わされた。会議は公開で開かれ、傍聴した市民たちも考えを述べた。
 市民病院が療養病床に特化して舞鶴赤十字病院隣に移転するため、現地で工事が進められている。市民病院と駐車場を合わせた跡地は約1・2ヘクタールにもなり、その活用を検討するため、市が懇話会を設置。学識経験者、老人会、自治会、舞鶴商工会議所などの関係者、市民公募の計9人に委員を委嘱した。公開で4回程度の会議を開き、まとめられた提言を参考に具体的な利用法を検討する。
 初回の会合では座長に京都大学の宗本順三名誉教授を選出。続いて市側が市民病院の跡地活用に対して、まちなかの賑わいなど将来の市にとり必要な機能の整備を検討▽老朽化した施設の統廃合や機能の集約化に要する用地として検討▽市民病院の既存施設は改修費用などを考えながら利用可能な施設は活用する、など4点の考え方を柱に方針の検討をしたいと説明した。
 事前に市が病院周辺の浮島地区の住民から聞き取った意見では、多世代が交流できる施設を▽公園やグラウンドに▽健康増進につながる施設をなどが寄せられたことが報告された。
 複数の委員たちは老朽化する老人福祉施設の文庫山学園を跡地に移転し、学園跡地は赤れんが関連の施設に活用を▽観光ルートの1つとしてにぎわいの場に活用などの意見が出た。2人の公募委員は厳しい市財政から市民負担を増えることを考え、箱ものの建設に反対を述べた。
 さらに公募委員や会場から「懇話会にはどこまで権限があり、意見が反映されるのか」「聴いただけで済まされるのでは」など疑問が出された。市側は「懇話会の考えを最大限尊重して検討を進めたいが、財政的、技術的に実現できないこともある」と説明した。
 市は18歳以上の市民を対象に無作為で1500〜2000人を選んでアンケートを実施する。次回は10月〜11月に開き、アンケート内容を検討する予定。

写真=出席した委員と市の担当者



10月13日、ポリテクカレッジ京都で
共同作業所・友の会 障害者支援でバザー
物品、ボランティア募る

 障害者たちが利用するまいづる福祉会の施設運営を支援しようと、恒例のバザーの準備が進められている。主催のまいづる共同作業所・まいづる作業所友の会(蒲田忠夫会長)は、物品とボランティアを募る。10月13日、上安のポリテクカレッジ京都体育館でポリテク祭と同時開催される。
 まいづる作業所、ワークショップほのぼの屋など3施設に、226人の障害者が働く。各施設では様々な事業を展開し仕事づくりをし、障害者の地域での暮らしをサポートする。
 同福祉会を応援する友の会が、毎年バザーの収益金約200万円を寄付。毎回物品を提供する市民、買い物を楽しみにする市民がおり、すっかり定着している。電化製品や衣類、食品などが寄せられ、利用者の親たちが整理と値札付けをする。当日は約150人以上のボランティアや学生が準備や販売などを手伝う。
 まいづる作業所の新谷篤則所長は「バザーは障害者の仲間たちががんばっている姿を見てもらう機会にもなり、地域の人たちとのつながりの場になっています」とその意義を話した。バザーは午前10時〜午後3時。
【問い合わせ】電話68・0600、友の会

写真=市民から寄せられた物品(森の作業所倉庫)



2013年10月1日

東高 スクールバスで通学支援
JR西駅など2コース運行
OBらがNPO立ち上げ
来年1月から試行

 泉源寺の東舞鶴高校(竹内浩校長)に、通学用バスの運行が計画されている。卒業生らを中心にNPO法人を設立し、利便性を高める学校支援の一環として取り組む。来年1月から試行する予定だ。公立高校でNPOがスクールバスの運行をするのは、府内では初のケースになる。
 東高は中心市街地の郊外に位置し、JR東舞鶴駅やバス停からも離れ、徒歩で行くには時間がかかる。現在は生徒の9割以上が自転車通学し、登校時間帯には青葉大橋下の通学路で中学生と行き交うなど混雑し、冬場の雪や凍結で転倒する生徒もいる。学校側がバス利用を調査したところ、170から180人が希望したという。
 そんな状況を知る卒業生や市民たちが通学支援をしようと、NPO法人を立ち上げ、スクールバスを運行させるプロジェクトを進めている。団体の名称は「せんげん」とし、府に認可の申請中。現在、会員は25人。
 計画によると、JR西駅、JR東駅、大浦小学校から東高のルーとを結び、朝1本、夕方に終業後とクラブ終了時の2本を運行する。実際の運行は交通事業者に委託する。運賃やバスの台数は検討している。
 元東高校長でNPOの代表理事を務める予定の寺田俊男さんは「賛助会員を募って運賃を低く抑え、子供たちの負担を減らしたい」と話していた。来年1月から3月まで試行し、4月から本格的に運行したいとする。

写真=スクールバスの完成イメージ図(東高提供)



JR東駅で
書作品 乗降客迎える
東高書道部 季節のことば共同制作

 東舞鶴高校書道部の部員たちが書いた書作品が、浜のJR東舞鶴駅構内に常設展示され、乗降客を迎えている。このほど秋にふさわしい唱歌「もみじ」の歌詞の一節の作品に入れ替えられた。今後も季節に合わせて継続して飾られる。
 5月に開かれた舞鶴市の市制70周年式典で、書道部が新しい舞鶴のイメージソングの歌詞を書にするパフォーマンスを披露し、出席していたJR西舞鶴駅長の稲岡和則さんが、その作品を駅に展示したいと同部に依頼。7月中旬から管轄する東駅の改札を入ったガラス窓の壁面に置いた。
 秋バージョンに替えようと、部長の井本亜土さん(17)、福原真弓さん(16)、磯野茜さん(同)の2年生部員が制作を担当。高野辰之が作詞した「もみじ」の冒頭の「秋の夕日 照る山 紅葉」などの歌詞を、縦1・7メートル、横約3メートルの紙に書いた。ボードの駅構内の面に歌詞を、建物外から見える面に「ようこそ東舞鶴駅へ」と書いて貼った。
 井本さんは「だれでも秋をイメージしやすいこの歌詞を選びました。観光客も利用する駅に展示する機会をいただきうれしい」、福原さんは「温かみを出そうと夕日をイメージした黄色を背景に塗り、文字を書きました。駅の利用者からいつも見ているよと声をかけられ、励みになっています」と喜んでいる。
 稲岡駅長は「これからも季節ごとの作品や、何かテーマに合わせた書を生徒たちにお願いし、ずっと展示を続けたい」と話していた。

写真=駅構内に展示された書



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