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2014年12月26日

パシフィックウエーブが「NBK大賞」受賞
福祉施設と連携し製品づくり
賞金を「まいづる作業所」に寄付
10年前から仕上げ作業を担当

 ジェル系次世代型耐荷重素材の開発・製造・販売を行う、京田のパシフィックウエーブ(田中啓介社長)が、関西ニュービジネス協議会主催の「NBK大賞2014」で大賞を受賞した。田中社長らは12月19日、商品の仕上げ作業を行う平の障害者福祉施設「まいづる作業所」(新谷篤則所長)を訪れ、施設運営に役立ててもらおうと副賞金の一部を寄付した。
 同社は寝具素材の多層立体格子構造ジェル「ジェルトロン」を開発し、寝たきりの床ずれを防止するマットレスや枕、クッションなどを製造しており、10年前からジェルトロン製品の仕上げ作業は同作業所が担当している。
 同賞は関西地域の企業・経営者などを対象に、独創的で市場性のあるビジネスを展開している事業成果に対して表彰を行っている。11月末の選考会で、関西6府県の代表企業が公開プレゼンテーションを行い、福祉施設との連携した製品づくりの社会貢献などが認められ、京都ブロック代表の同社が大賞を受賞した。
 田中社長らは同作業所を訪れ、同賞副賞金50万円の内、25万円を寄付した。新谷所長は「障害者の給料保障のためお世話になっており、仲間たちも自分たちのやっていることの意義が大きいことをあらためて確認できたと思う」、田中社長は「賞をいただけるきっかけとなった、作業所の自立の一助に活用していただけたらうれしい」と話していた。
 また、22日には同じ作業を行っている綾部市物部町の「あやべ作業所」にも25万円を寄付した。

写真=「NBK大賞」の副賞金の一部を寄付した田中社長(右)と、ジェルトロン製品の仕上げ作業を行っている「まいづる作業所」の新谷所長



寒い師走をあたたかい心で
城南会館で親子もちつき大会

 女布の城南会館で12月21日、もちつき大会があり、市内の親子や地域ボランティアらが、つきたてのもちを食べるなどして師走の1日を楽しんだ。
 幼児から小学生までの親子44人が参加し、同会館運営委員や城南民生児童委員協議会、西舞鶴高校ボランティア部ら計37人が準備や指導を行った。
 もち米60キロが用意され、親子たちはボランティアらと一緒に臼と杵でもちをつき、つきたてを丸めてパックに詰めて持ち帰ったり、その場で砂糖醤油や大根おろしにつけて味わった。
 また、同協議会員が、城南校区内の寝たきりで外出機会の少ない高齢者宅50軒を友愛訪問し、喉につまらないように配慮してふかし芋と一緒についたもちを届けた。

写真=つきたてのもちを丸める子供たち


2014年12月24日

引き揚げ証人解体決まる
一時収容の宿舎「上安寮」 老朽化激しく保存困難に
「歴史的な建物、最後の姿見て」
所有の大滝工務店 12月26日見学会

 戦後、大陸から舞鶴港へ戻った引揚者の宿舎だった木造の上安寮が老朽化が激しく、所有する建築会社が取り壊しを決めた。引揚者の検疫や復員手続きをここで行い、戦時中は海軍工廠の工員宿舎でもあった。一棟しか現存しておらず、戦前戦後の史実を伝えてきた。解体の前に建物を見てもらおうと、12月26日、上安の現地で見学会を催す。
 当時の引揚援護局が引揚者を一時受け入れる宿舎として、天台や伊佐津、上安、森、平などに設けた。引揚船は当初、西舞鶴港に入港し、主に上安寮などに収容していた。
 「舞鶴地方引揚援護局史」によると、上安寮は送還する朝鮮人の収容を行なった後、中国上海や葫蘆(ころ)島からの引揚者が入った。その時期は1946年1月ごろから47年6月ごろまでだった。13棟が並び4000人を収容できた。別に検疫場や身の上相談所などもあり、持ち帰り金交換や引揚証明書受付などの事務を行なった。
 現存する1棟は木造2階建てで延べ800平方メートル。大滝工務店が1990年から資材倉庫として利用してきたが、長年の雨と雪などで、屋根に穴が開き雨漏りし天井や床などの腐食がひどくなり、立ち入ることもためらわれるほどだった。
 同工務店専務の大滝雄介さんは「歴史的な建物なので何とか残せないものかと思ったが、もう保存に耐えられないほど老朽化し、解体することにした。最後の姿を見てもらえれば」と話している。来年1月ごろに取り壊す予定。
 見学会は午後1時半〜同2時半。外観を見て回り、近くに住む十人から寮当時の話を聞く。場所は舞鶴自動車学校の東側。
【問い合わせ】電話090・7750・6596、大滝さん

写真=戦時中は海軍工廠の工員宿舎だった「上安寮」。傷みが進んでいる












被災地心に刻み支援継続を
日星高 幼稚園再建に募金役立て
復興道半ばの名取市など訪れる

 東日本大震災で被災した宮城県名取市の幼稚園を支援する私立日星高校の生徒と教員たちが、再建された仮設幼稚園を訪れ、募金を届け子供たちと交流、現地で語り部活動を続ける住民から話を聞き、被災した学校やさら地のままの地区を歩いた。12月18日、全校生徒に活動を報告し、今後も被災地を心に刻み支援を続けようと呼びかけた。
 名取市海岸部の閖上(ゆりあげ)地区は、800人を超える死者と行方不明者が出た。52人が在籍した同地区の私立閖上わかば幼稚園は、園児4人と教諭1人が亡くなった。休園を余儀なくされ再開に向け取り組む中、活動を知った日星高が募金などを実施、市民や団体も協力した。今回を含め約70万円の募金を生徒たちが現地に届ける一方、園長の佐竹悦子さんが日星に来校しお礼を述べた。
 閖上地区から内陸部の美田園地区に今春再建され、美田園わかば幼稚園と名称を変えて再スタート。生徒3人と水嶋純作校長ら6人が12月12、13日、同園を訪れ、募金25万円、生徒で作った約1万羽の折り鶴とクリスマスカードを贈り、園児たちと交流した。再建されたがいまの建物は5年間だけの仮設の施設で、その後別の地に移転をしなければならない。
 14人の生徒が犠牲となった旧閖上中学校。息子を亡くし、語り部をする丹野ゆう子さんから体験を聞き、慰霊碑の前で祈りを捧げた。まだかさ上げ工事もされず、被災当時のままの建物や更地を歩きながら、住民の話に耳を傾けた。
 震災を忘れないでほしいと報告した生徒会長の2年生、岡安真耶さん(17)は「日星の支援活動が役に立っていることを実感できました。少しでも多くの人に東北を訪れて見てほしい」、副会長の2年生、安田那津美さん(同)は「夏に予定している現地でのボランティア活動に、生徒会を中心に参加を呼びかけたい」と話していた。
 水嶋校長は「まだまだ仮設に暮らしふるさとに戻れない人がいることを時々思い出し、関心を向けてほしい。小さき者、弱い人とある学校でありたい」と生徒たちに語りかけた。
 (写真は全て日星高の提供)

写真左=再建された仮設の幼稚園(名取市)
写真中=旧閖上中学校前の慰霊碑で祈りを捧げる生徒たち
写真右=さら地の中に被災当時のままの建物が残る閖上地区


2014年12月19日

ろうきん旗 府北部勢で初制覇
福井少年野球クが同時優勝
守りで僅差の試合勝ち進む
今季通算10大会目のV

 福井少年野球クラブ(加藤正監督)が、11月22〜30日に久御山町のみどりが丘グラウンドなどで開催された「第25回ろうきん旗マクドナルド・カップみどりが丘学童軟式野球大会」に出場し、府北部勢として初の優勝を飾った。決勝で強豪の葛野ジュニアスポーツ団(京都市右京区)と対戦し、特別延長の末9―9の引き分けとなり、2チーム同時優勝となった。
 福井少年野球クは10月の議長杯舞鶴少年野球大会で準優勝し、3年連続で同大会への出場を決めた。2008年に準優勝して以来の決勝進出で、府北部勢は過去に数チームが決勝で敗れているため、史上初の快挙となった。
 同大会には府内から32チームが出場。福井は1回戦で東寺ベースボール(南区)に3―2、2回戦で鏡山クラブ(東山区)に2―0、3回戦で洛北フェニックス(左京区)に7―0、準決勝で羽束師ラビット(伏見区)に4―2で勝利し、決勝進出を決めた。  宇治市の太陽が丘球場で行われた葛野との決勝戦は、7回まで0―0とお互い点を譲らず、ノーアウト満塁から試合を行う特別延長戦での決着となった。
 先攻の葛野に大量6点を先取された福井は8回裏、失策と外野への犠牲フライで4点を返すと、2アウトから8番・奥分力輝斗選手(福井小6年)がピッチャーゴロでも走塁をあきらめず1塁へヘッドスライディングを決めた間に2人が生還し、同点に追いついた。9回も3点を追う形となったが、先頭打者の1番・村尾亮哉選手(同)が走者一掃の2塁打を放ち再び同点に。果敢に攻めるも逆転はならず、9回終了ルールのため同時優勝となった。
 奥野翔琉主将(同)は「守りとあきらめない姿勢でいつも通りの力が出せた。決勝はチャンスが多かったのにあと1本が出ず残念だった」、加藤監督は「優勝できたのは子供たちのがんばりに尽きる。打つチームではないので、バッテリーを含めよく守りきり僅差の試合でも勝ち進めた。決勝は強豪相手によくやったと思う」と話していた。
 今季の福井は、今年1月から通算10大会で優勝しており、戦績は132試合113勝15敗4引き分け(12月12日現在)となった。

写真=「ろうきん旗マクドナルド・カップみどりが丘学童軟式野球大会」で優勝した福井少年野球クラブ



かもめ駅伝、走り楽しみ30回
市民ランナー手作りの大会
だれでも気軽に参加 出場者も次第に増加

 走ることを楽しもうと市民ランナーが集うかもめ駅伝(同実行委員会主催)の第30回大会が12月13日、泉源寺の海上自衛隊舞鶴教育隊内の特設コースで行なわれた。手作りの大会に次第に出場者が増えている。職場仲間や中学生、親子が男女混成でタスキをつなぎ、寒気を吹き飛ばす熱い走りをみせた。
 舞鶴基地に勤務する海上自衛隊員の陸上競技部の活動の場を作ろうと、1985年に部隊対抗の駅伝大会として始まり、退職自衛官が優勝杯を寄贈した。翌年には大会開催を知った市民ランナーチームも参加することになり、3回目から名称をかもめ駅伝として続けている。
 だれでも参加でき、公式競技ルールにこだわらず、チーム編成も自由として、走ることを第一に楽しむ大会としている。また、出場者や自衛官のOB、現職らが運営を手伝っている。
 今回はJR西日本、海自隊第4術科学校、海上保安学校、舞鶴高専、白糸中など43チームが参加。1チーム6人編成で1周2キロのコースを6周する6区間でタイムを競った。4部門のランナーたちが一斉にスタートし、声援を受けながら駆けた。
 第1回大会から関わる元海自隊員の橋立英雄さん(70)は「だんだんと様々な人たちが参加して輪が広がっています。きょうは茨城からランナー仲間が運営に手伝いに来てくれました」、実行委代表の前田英稔さん(49)は「身近に楽しめ、みんなで作る大会。これからも多くの人が参加しやすいよう工夫して続けたい」と話していた。
 結果は次の通り。
 【一般高校の部】@舞鶴高専BA同CB海上保安学校陸上班A【中学生の部】@Dangerous城北1号A同2号B白糸中「常に新たに」【女性の部】@まるりんA城北girlsBファルコンレディース【ファミリーの部】@チームハンターAA伊賀小林BチームハンターB【部門別区間最高記録】全部門区間最高者=千原涼雅(Dangerous城北2号)▽一般高校=藤田寿広(ぽっぽや3号)▽中学校=今岡賢希(Dangerous城北1号)▽女性=天野美絵(ファルコンレディース)▽ファミリー=小林俊哉(伊賀小林)

写真=男女も大人も子供も一緒に走る大会の様子


2014年12月16日










白石さんありがとう
中筋子育て支援協議会会長 35年務め勇退
スポーツ、文化で子供の育成尽くす
関係者が感謝の集い

 今年9月まで中筋子育て支援協議会の会長を約35年間務めた西光寺住職の白石明さん(75)=七日市=に、お礼の気持ちを伝えようと、同協議会(福島イツヨ会長)が、女布の城南会館でこのほど感謝の集いを開いた。スポーツと文化の両面で子供たちの健全育成に尽くすだけでなく、地域の住民や教師たちを支え、親しまれている。
 1873(明治6)年に西光寺内に開校した順正館が中筋小学校の前身。そうした寺に生まれ育ち、母親の時代には農繁期に地域の子供たちを預かり世話をしたという。
 1960(昭和35)年から同支援協議会の会長を務め、地域の子供たちを見守り育む活動の先頭に立ってきた。その後、79年に中筋ジュニアスポーツ振興会、2000年に吹奏楽の中筋サウンドハーモニーの創設、02年に学校支援ネットワーク「なかすじ」設立とまちの先生のスタートなどに中心的に関わってきた。その間、舞鶴市青少年育成協会の会長にもついた。  中筋小には寺から近いこともあり、ちょくちょく顔を出し、児童たちからもすっかり顔を覚えられ、よく声を掛けられた。新しく赴任する教師にも積極的に接し、地域の様々なことを教えてアドバイスした。
 感謝の集いには中筋小や城南中の歴代の校長や教頭、元中筋小PTA会長ら関係者35人が出席。食事をともにしながら、地域を愛した白石さんとの思い出話を披露した。
 元中筋小校長の梅原義範さんは「ボランティアとはお金を出してさせてもらうことと白石さんから教わり、穏やかな笑顔で物心両面にわたって支援を実践されておられました。子供たちにいろんな形で学ぶ場を作っていただき感謝しています」、元同小教頭の木下きく枝さんは「スポーツが苦手な子にも活躍の場をとサウンドハーモニーを立ち上げられ、学校に来れなかった児童が入部すると目が生き生きと変り、その成長に目を見張りました」と語った。
 白石さんは「小さかった小学生たちが大きくなっても会いに来てくれることもありました。子供たちとのふれあいが一番の思い出」と話していた。福島会長は「白石さんとまちの先生の事業を始めたことが印象に残っています。本当にご苦労さまでした。白石さんに恥じないように私たちもがんばっていきます」と長年の活動を労った。

写真左=白石さんを中心に集まった出席者たち
写真右=談笑する白石さん












人と動物の絆結び20年
ハーモニー、わんわんフェア

 人と動物とのふれあい活動をするボランティアグループ「ハーモニー」(飯田弘子代表、11人)が設立20周年を迎え、このほど北吸の赤れんがパークで記念イベント「わんわんフェア2014」を開いた。愛犬たちによる一芸が披露されたり、来場者たちが介助犬と交流した。
 動物好きの市民たちで1994年に結成し、日本動物病院協会の理念に基づき、人と動物の絆を育むことを目的に、みずなぎ学園や老人ホームなどを犬や猫たちと一緒に訪問している。
 同フェアのドッグショーには、市民や三重県から訪れた愛犬家が飛び入り参加し、自慢の愛犬たちがファッションショーを披露したり、投げた品物を取ってくるなどを見せた。ハーモニーの20年の取り組みをパネルで紹介したほか、日本介助犬協会も加わり、介助犬がデモンストレーションを演じ、活動への理解を呼びかけた。
 飯田さんは「認知症で無表情のお年寄りも、犬や猫に触れ合って笑顔や声が出てきたりと、動物たちが無償の愛をくれているのを感じます。今後も1人でも多くの方が活動に参加してほしい」と話していた。
【問い合わせ】電話64・1210、あづみ動物病院

写真左=活動への参加を呼びかけたハーモニーのメンバー
写真右=介助犬とふれあう参加者たち


2014年12月12日












全国デザコンで審査員特別賞
旧丸山小の活用への糸口提案
空間部門で 校舎眺める「みんなの小屋」を

 市内に唯一残る木造校舎の旧丸山小学校=三浜=の活用をテーマにした、舞I高専デザコン部の森下泰地さん(建設システム工学科4年)、佐藤拓巳さん(同3年)、竹内正彦さん(同2年)のチームが、このほど熊本県八代市で開催された「全国高等専門学校デザインコンペティション2014やつしろ」の空間デザイン部門で、審査員特別賞を受賞した。
 作品は「唯一の景色〜丸山小学校活用プロジェクト〜」で、丸山小と向き合うきっかけとして、地域住民と一緒に校舎全体を眺められる「みんなの小屋」を製作し、小屋に集って話し合うことで活用への糸口を生み出していくことを提案。相談役として河崎克伸さん(同5年)も協力した。建築を題材にした作品が唯一であったことと、継続できる点が審査員から評価された。
 予選通過後も、丸山小の保存・活用に取り組むNPO法人・赤煉瓦倶楽部舞鶴(馬場英男理事長)のメンバーや、管理する三浜・小橋両地区の住民と話し合いを続け、小屋の大きさやデザインを修正。プレゼン用ポスター(A1サイズ)も作り直し、小屋(20分の1)と、校舎を含む周辺(200分の1)の模型を製作して本選に臨んだ。
 小屋は校庭の南西側に建設し、仮設申請がいらない9・89平方メートルの床面積にした。前方5・3メートル、後方3メートルの台形で、6〜7人が入って校舎を眺めることができる。床や壁に使うベニヤ板の表面に校舎の廃材をかぶせ、小屋後方にバイオトイレを設置することも提案した。
 3人は受賞後に丸山小を訪れ、馬場理事長らに報告を行い、小屋の建設場所に実寸大の縄張りも行った。今後も改良を加え、来年4月から作業に入り、夏までの完成を目指す。
 リーダーの森下さんは「優秀賞を取れなかったのは残念だが、初めての経験を実現したかったので受賞できてうれしい。これからも地域との繋がりを大切にして活動していきたい」と話していた。

写真左=受賞後に旧丸山小を訪れ、小屋の建設場所に実寸大の縄張りを行った森下さん、竹内さん、佐藤さん(左から)
写真右=プレゼン用に製作した1/20の小屋(左)と1/200の丸山小の模型












KTR丹後くろまつ号
地元特産品、観光客にPR
東雲駅停車で住民たちが販売
コース変更がチャンスに 来年3月末まで

 北近畿タンゴ鉄道(KTR)の丹後くろまつ号が水間の東雲駅に停車するのに合わせ、地元八雲地区の住民たちが地域の特産品をアピールしようと、マルシェ安寿の里駅事業をこのほど開始した。舞鶴茶や落花生などの農産物やお菓子などを乗客たちに販売している。
 漆黒の車体にリニューアルした丹後くろまつ号は車内にキッチンを備え、沿線の食材を活かしたスイーツやランチコースなどを味わうことができる。ランチコースはこれまで天橋立から豊岡駅までを走っていたが、利用客からの海沿いを走ってとの要望で、天橋立から西舞鶴駅までのコースに変更された。
 東雲駅で約25分間停車することから地元産品を販売する事業をと、地元住民とみずなぎ学園、行政らで「KTR東雲駅おもてなし連絡協議会」を結成し、くろまつ号の運行に合わせ来年3月末まで毎週金、土、日、祝日に行なうことにした。
 午後1時44分に列車が到着すると、販売業務の委託を受けた同学園の利用者たちが接客をし、乗客たちが次々と駅構内でそばや小豆、万願寺甘とう、酒粕、パンなどを買った。また、八雲保育園児たちが駅を離れるくろまつ号を見送った。
 篠山市から友人と来た主婦の藤本三千代さんは(60)は「地元の特産品が安く買え、観光に来た感じも味わうことができ、いい企画だと思う」と喜んでいた。同会議代表の松本圭司八雲公民館長(67)は「地域を宣伝できるいい機会になります。将来的には加佐全体で取り組めれば」と話す。

写真左=観光客に販売するマルシェ事業
写真右=丹後くろまつ号を見送る園児たち


2014年12月9日












被災者寄り添う想い作品に
陶芸家の高井さん 日展、11回目の入選
今年も陸前高田市訪れ交流

 成生在住の陶芸家、高井晴美さんが、改組第1回日展の工芸美術部門で入選をした。改組前の日展を含めると11回の入選を数える。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市を支援する中で、出会った被災者たちを励まし寄り添う想いを作品に込めた。12月13日から京都市の京都市美術館で開かれる日展巡回展に出品される。
 1991年に初入選してから22年をかけて、昨年10回目の入選を果たし会友になった。地方からでも全国レベルの作品を作れることを示そうと、アトリエから見える故郷の海を一貫してテーマとし、岩に砕ける波しぶきなどを表現した大作オブジェを発表する。途中であきらめそうになったが、友人らの応援を受け挑戦を続けた。
 しかし、巨大津波が襲った震災被害を見て、一時は作品づくりができなくなったが、陶芸を通して自分にできることをしようとチャリティー展を開いて、収益金を被災地の震災遺児たちに届けた。12年からは陶芸教室の生徒たちと市民の協力も得て、陸前高田市を大型バスで訪れ、支援を継続している。
 そうした体験から昨年の日展の公募作には、復興への願いを込めた作品をつくり、今年も被災者との交流で生まれた想いを形にし、「海耀(かいよう)」(高さ63センチ、幅58センチ、奥行き36センチ)と名付けた。
 夫や姉などを亡くし、いまは海の見えない地で暮らす被災者と手紙で交流するが、手紙の最後に必ず「合掌」と書かれていることがいつも気になっていた。合掌の手を合わせた形であるひし型をつくり、いろんな想いを抱えて生きる人たちの心をいつか波が包み込み、前向きに生きてほしいというメッセージを伝えている。
 高井さんは「これからも被災地で感じたことを作品にしていければいい。縁の出来た被災者のことをずっと忘れることなく、気持ちを一緒にしてできる支援を続けていきたい」と話している。今年も10月9〜11日、20人で同市の高田小学校や仮設住宅に向かい、植木鉢やお米などを届けた。
 日展は国内で最大規模の公募美術展だが、書部門の不正審査問題を受け審査の透明性を確保するなど改革を行い、今年から改組日展として実施された。京都展は来年1月18日まで。

写真左=入選作の「海耀」
写真右=今年も10月に陸前高田市を支援で訪れ、竹駒保育園児たちと交流した高井さんと市民たち



身障センター「ぽーれぽーれ」で
亡き夫、震災へ寄せる
福島出身の鯵本さん 短歌展

 亡くなった夫の介護の日々や東日本大震災の被災地を綴った短歌展が、余部下の市身体障害者福祉センター・サロン「ぽーれぽーれ」で開かれている。ペースメーカーを装着しながら仕事やボランティアも続け、古希を迎えた鯵本ミツ子さん=矢之助町=が、夫の思い出や原発事故で避難する人たちへの想いを詠んだ。
 母の勧めもあって学生時代から、日記を書くようにして独学で短歌を始めた。いまでは塔短歌会に入り、仲間たちと学び合っている。5年前に夫を亡くしたが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)となり、4年間介護を続けた。自らも心臓病を患い3年前からペースメーカーを装着する。
 多くの自作の中から介護、夫の思い出、震災をテーマに80首を選び、A4の紙に書いて展示。介護の日々を記した「時々は私も泣いていいですか難病の夫守りて生きた」はNHK介護百人一首に入選し番組の取材を受けた。「今一度聞きたし病夫の『北の漁場』朗々と唄ひし笑顔忘れじ」は、夫が元気なころ一緒に飲食店に出掛けた時の思い出だ。
 福島県伊達市の出身で、事故を起した東電福島第1原発から60キロに位置する。昨年4月に実家を訪れた際に除染され変わり果てた樹木を目にし、「樹皮剥がれ薄墨色に変はり立つ古里の柿の木除染を終へて」と詠んだ。今年のNHK震災を詠むで入選した句「故郷を『フクシマ』と呼ばれ八万の避難の人ゐる三年を経るに」で、避難者へ想いを寄せ自宅へ戻れるよう祈った。
 鯵本さんは「だれにもいえない想いを短歌にして書きとめ、悲しい時や辛い時の励みにしてきました。これからも震災のことを忘れないためにも詠んでいきたい」と話している。12月17日まで。午前10時〜午後4時。

写真=介護や避難者への想いを詠んだ短歌と鯵本さん


2014年12月5日



















海辺のカフェ「BONO」オープン
障害者らが接客、調理、ショップで販売
まいづる福祉会 「ほのぼの屋」に続く就労継続支援施設
新たなにぎわい創出の場に
来春からは弁当の配達も

 カフェとショップ(マルシェ)が入った店舗、ワークショップほのぼの屋「BONO」が12月5日、浜の潮路通り二条角で営業を開始した。東地区の新たなにぎわい創出の場とするため、平の社会福祉法人まいづる福祉会(飯田仁理事長)が運営し、大波下のフランス料理店「ほのぼの屋」に続く就労継続支援施設の飲食店として、知的・精神障害者らが接客や調理、販売などを務める。来年4月からは、配達を主とする弁当販売も予定している。
 「BONO」は同福祉会が、元海上保安学校の研修施設だった国有地と建物を買い取り全面改修した。建物は鉄筋コンクリート一部木造2階建て延べ630平方メートル。総事業費は1億9600万円で、市と日本財団から補助金を受けた。
 就労する障害者は「ほのぼの屋」などの他施設からの移動と新規1人の計20人で、カフェを3人、マルシェを3人、厨房を10人、精米を4人が担当する。職員は7人。
 1階のマルシェでは、テイクアウトのドリンクとスイーツ、米や他施設で製造した調味料、工芸品などを販売する。2階は舞I湾を眺められる大きな窓が特徴のカフェで、ラウンジもあり55席を設ける。
 看板メニューは緑の野菜や季節の果物などのスムージー4種類(400円〜550円、テイクアウトも有り)とパンケーキ(800円〜)。オムライスプレート(750円)やデミグラスハンバーグ(900円)などのメニューがあり、ビールやワインも販売される。
 11月30日に行われた竣工式には、市、府、福祉関係者など約140人が出席し、責任者の内海あきひさんが「自立して暮らせる給料が保障できる施設を目指したい」と述べ、就労するメンバー一人一人がオープンに向けた決意表明を行い、祝賀会では接客なども務めた。
 「ほのぼの屋」から移動し、カフェで接客を担当する長柄光徳さん(37)は「以前は裏方の仕事をしていましたが、お客様の前に出てみたいと思い希望しました。メニューの出し方や言葉使いに気をつけてがんばりたい」と話していた。
 営業時間は午前10時〜午後6時。ランチタイムは午前11時半〜午後2時半。15人以上の団体予約であれば午後6時〜同9時のディナータイムも営業する。木曜定休。駐車場10台。
【問い合わせ】電話65・3388、BONO

写真左=竣工式で紹介されたスタッフたち
写真右=黒で統一された「BONO」の外観。潮路通り側の2階には大きな窓があり、海を眺められる



森のとけいで
結婚50年記念の夫婦展
岩見さん 木版画、ビーズアクセサリー

 溝尻の岩見英一郎さん(80)と玲子さん夫妻が結婚50年を記念して、初めてのふうふ展を上安の森のとけいで開いている。英一郎さんが多色刷りの木版画を、玲子さんがビーズアクセサリーを出品した。
 英一郎さんは版画を始めて20年になる。舞鶴木版画クラブの会長を務めるが、いまも京都市内の教室に通っている。玲子さんに色合いについてアドバイスを受けながら制作し、今回は金剛院や与保呂川沿いの桜並木、竹久夢二の美人画などを展示した。
 玲子さんは京都市内の教室で学び、作品展を開いている。ガラスやスワロフスキーなどを材料にした作品は色彩とデザインが人気で、多くのファンがいる。ネックレスやイヤリング、髪飾りなどを出品した。
 金婚式を記念して夫婦展を企画した。2人は「作品展ができることは幸せなことだと思います。互いによく話し、旅行も一緒に出掛け、それぞれのやりたいことにあまり干渉しないことが仲良くする秘訣です」と話していた。
 展示は6、7、13、14日の午前10時〜午後5時。入場無料。
【問い合わせ】電話76・1153、同店

写真=作品展を開いた岩見さん夫妻


2014年12月2日

12月7日、舞鶴グランドホテルで
念願のリサイタル、音色の魅力を
尺八奏者の林さん 大師範昇格の節目に

 都山流尺八の大師範昇格を記念して、余部下の尺八奏者、林悦雄さん(63)=竹号・悦山=が、念願のリサイタルを行なう。入門から40年以上が過ぎ、退職後は東日本大震災の被災地、地域の福祉施設などで演奏を続けている。師匠で著名な演奏家の小山菁山さんや仲間たちも、応援しようと出演する。12月7日午後2時から円満寺の舞鶴グランドホテルで開かれる。
 1970年の同志社大入学時、古都・京都にちなんだことをしようと思っていたところ、下宿で同じ大学の先輩が尺八をしていたことから勧められ、邦楽部に入部した。都山流の小山さんに入門し研鑽を積んだ。73年に準師範となり、03年に師範の試験を首席で合格した。
 学校教員時代には仕事と子育てで忙しく、吹く時間をとれず中断する時期もあったが、福知山から自宅のある舞鶴へ転勤後は毎日60分は稽古することを心がけた。盲学校舞鶴分校在勤時にはピアノを演奏する目の不自由な小学生児童と、ジョイントコンサートもした。
 10年の退職後は市身体障害者支援センターで送迎の仕事をしながら、演奏活動に精力的に取り組んでいる。箏などをする仲間たちの邦楽グループ「アジアンハープ」に加わり、舞鶴や綾部などの老人施設や敬老会などでボランティア演奏をする。また、公民館主催の尺八講座で指導したり、昨年は箏演奏家の立道明美さんらと被災地の大船渡市で演奏もした。
 初のリサイタルには尺八道の集大成として臨む。小山さんはじめ、都山流尺八舞鶴会の有志、アジアンハープのメンバーたちも共演する。大学時代の先輩が吹き感動を受けた曲「出雲路」、古典風の「八千代獅子」、「かさじぞう」などを奏でる。
 林さんは「竹という自然を素材にした楽器のシンプルさと、自分の体調や気持ちがその音色に反映されるのが魅力。大師範を節目にリサイタルをすることを目標としてきました。こうした機会に尺八の音色の魅力を多くの人に聴いてもらえれば」と話している。入場無料。だれでも来場できる。
【問い合わせ】電話090・3169・8837、林さん

写真=震災被災地や福祉施設などでも演奏する林さん



来年、本式のレース開催予定
事務いすで平野屋駆け抜けろ!
いす1グランプリ・ゼロ3レース

 ゑびす市に合わせ平野屋の平野屋商店街で11月24日、コミュニティイベント「ニッポン商店街」があり、いす1グランプリ・ゼロ3レース大会が初めて開かれた。
 いす1グランプリは、キャスター付き事務いすに座り、3人が交代して周回コースを回る2時間耐久レース。京田辺市のキララ商店街で5年前に生まれ、各地で広がっている。今回はひらのや商店街振興組合などの主催で、プレイベントとして直線の30メートルコースでタイムを競うレースで行なわれた。
 約30人がヘルメットなどを着用して、いすに座り地面を蹴ってゴールを目指した。6秒台のタイムも出た。日星高校2年の山本裕貴君は「こけないようにするのが難しい」と話していた。来年、本式のレース開催を検討している。

写真=事務いすを使ってのレースの様子


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