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京大水産実験所・益田玲爾さんの若狭湾水中散歩34
−「ガンガゼ」− 温暖化がもたらすもの

 ダイビングの講習会に行くとたいてい、危険な生物の代表格としてこのガンガゼについて教わる。暖かい海に多いこのウニには長い毒とげがあって、これが手や足に刺さると皮膚の下で簡単に折れるため、しくしくと痛む。筆者もダイビングを始めて間もない頃、ウェットスーツごしに膝を刺されて、1カ月くらい鬱陶しい思いをした。たたき割って食ってもみたが、味もあまり良くない。  図鑑によると相模湾よりも南にしかいないはずのこの毒ウニが、なぜか真冬の舞鶴湾で見つかった。筆者が最初に気づいたのは12月であるが、1月下旬に入っても水産実験所前の海にいる。今年の舞鶴湾の海底水温は、1月下旬で15度もあり、例年より3度ほど高い。どうやら異常に暑かった夏の影響は、海の中では今も引きずっており、南方から来たエイリアンのようなウニが居座れる環境となってしまったようだ。対馬海流によって亜熱帯の海から運ばれてくる生物は例年多数いても、通常は冬を越せずに死んでしまう、ということは、以前にも書いた。今年の冬はしかし、このまま水温が下がらなければ、南方からのお客さんが越冬して、ちょっとやっかいなことになるのかもしれない。  ガンガゼだって、小さいうちであれば魚につつかれて食べられることもあろう。ところがこの秋には、台風23号の荒波で海底がひっくりかえされ、魚の餌となる生物が豊富に掘り起こされたため、タイやカワハギなどの魚も餌に不自由しなかったようだ。そんなこともあって、ガンガゼが食べられずに残ったとも考えられる。  温暖化がもたらすものは、海面上昇や台風の大量発生だけでは済まされない。先日観た映画「地球交響曲第5番」は、「全ての存在は繋がっている」というコンセプトがテーマであった。生き物について学ぶほどに、良きにつけ悪しきにつけ、全てが繋がっていることを実感する。
写真=舞鶴市長浜、水深3メートルの海底で毒とげをふりかざすガンガゼ
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