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京大水産実験所・益田玲爾さんの若狭湾水中散歩44
−「アオリイカ」− 勝ち気な性格イカ太郎

 「ダメ親父」という漫画に、イカ太郎なる登場人物が出てくる。勝ち気な次男坊で、ダメ親父を叱咤激励するという役柄だったと思う。イカ太郎といえばまた、高校水泳部の同級生で,勝ち気な性格と逆三角形の体型からイカ太郎のニックネームをあやかっていた友人のことを思い出す。では、海の中のイカは、果たして勝ち気な生き物なのだろうか。  写真のイカは、自分と変わらぬ大きさのヒラメを口にくわえたまま、放そうともしない。同じようにカサゴやクジメなど、磯の魚をイカがつかまえるシーンはよく目撃するし、また1匹の魚を2匹のイカが奪い合っていることもある。弱肉強食の自然界にあっても、イカはかなり勝ち気な部類に入ると思う。  写真のイカはアオリイカという種類で、若狭や丹後では、秋によく釣られるため秋イカと呼ばれる。また海藻の生えたところによくいることから、藻イカと称する地方もある。若狭湾でアオリイカの卵を見かけるのが6月。そして3カ月もすれば、スーパーで売られる20センチほどの秋イカに成長する。わずか数カ月で十分に成長するというのは、食べる側からすると大変ありがたいことだ。  アオリイカは刺身で食することが多いと思う。小ぶりなものは、煮付けにしてもおいしい。筆者が今年よく作ったのは、ガーリックバターでイカとピーマンの輪切りをいためてからレモンを絞る「イカピー炒め」なる料理だ。他にも,香草焼きにしたり、足が余ったらパスタに入れたりと、イカの用途は尽きない。  さて、海の生き物にまつわるスライドショー「舞鶴湾水中散歩」を今年も開かせてもらうことになった。今年は東舞鶴の総合文化会館の小ホールにて、12月10日の午後1時半から予定している。日々の暮らしに役に立つ、とっておきの水中小ネタ集を、読者の皆様にもぜひ御来聴頂きたい。
写真=アオリイカがヒラメを捕らえたところ。高浜町音海の学校下(風島手前)、水深6メートル付近にて
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