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NO.6 馬鹿と言わないで…、とっても美味しいですから   

 いよいよ本格的な寒さがやってきました。お鍋や煮込み料理が美味しい季節です。冬のお料理って、心も体もホカホカで、じんわり幸せがしみ込んで来る感じですよね。  この季節、レストランタケウチの楽しみと言えば、綾部の知り合いの方からのお電話を首を長〜くして待っているのです。それは何かと言いますと鹿なのです。鹿を解体しに行くのが、毎年の恒例行事となっていて、ロース、フィレ、腿肉などの美味しいお肉を仕入れてきます(ちなみに鹿や猪、そして鴨などの野鳥獣の事をフランス語で「ジビエ」と言います)。  去年はこの鹿肉で色んなモノを作りました。腿肉で、生ハムとコンソメゼリー、そしてソーセージを作りました。ロースやフィレはローストしてクリスマスのメインに…。骨ではダシを取りました。今年は腿肉で冬のフランス料理の定番の赤ワイン煮込みを作っています(この赤ワイン煮込みと一緒に赤ワインを飲むと最高です!お酒の弱いタケシェフでも、唸る美味しさです!)。  自分勝手ではありますが、全てを無駄なく使う事が、食された命ある者に対しての供養であると思っています。解体したときに出る食べれない部位などは、分解という過程を経て畑の肥料になっています。食べれる部位は、僕たち料理人という人の手によって、お料理され、お客様の口に運ばれて、お腹を満たし、幸せな気持ちにしています。1つの命が形を変えて、次の命へとバトンタッチされていくのです。  「ごちゃごちゃとウルサイ!それで鹿ちゅうの旨いんかい!」と思われている方もいらっしゃるでしょう。それはそれは冬の味覚の醍醐味でたいそう美味しいです。香りや味に野生臭さはなく、牛肉が男性的とするならば、鹿肉は女性的な感じでしょうか。霜降り肉や本マグロの大トロとは違う部類の美味しさで、スーパーにいつも並んでいる食材ではない分なじみも薄いでしょうから、なんともお伝えしづらいのですが、ある意味食べ手を選んでしまう食材かもしれませんね。  それはグルメであるという意味ではなく、まずは食べ手が健康な肉体の持ち主であるという事です。あっ、と言っても、体調が悪い時にフランス料理食べる人なんてないか…。
 竹内さんのホームページアドレスはhttp://www3.ocn.ne.jp/~takechef/

写真=骨付き鹿ロース肉のロースト 3種の芋添え 黒胡椒とねずの実風味の赤ワインソース
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